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夜の帳の裏側に
在れる無数の物語
その饗宴を 目にするものよ
かれはかくしてあくがれよう
その髪 その肌 その瞳
人の手ならぬ奇跡の神秘
なんとここまで瑞々しくも
そして幾何艶めかし
ああ かくも深更の逢瀬
どうにも色情にも匂わさせ
その聲 聞くものの心中に
妖しき意味さえも漫ろに
瑠璃 玻璃 蒼玉 黒瑪瑙の
光は瞬き 悪しくすも
瞳に宿り 身勝手に盛り
かれをかくしてかどわかす──
ああ、どうしてこんな
俗悪なこの世の中に
こうも美しいものが…
どうか踊って呉れ
この目の前で
けれど何人とも 踊らないで呉れ
夜の淵まで
惑わせて呉れ
そしてこのすべて 無駄にさせて呉れ──
照らす月
潤む星
何も知らずに笑える陽
描く円環のその瞬間
影狂わしく巡る林冠
覚めぬ夢
解けぬ絵
定まらぬこゝろの行方
これがきっと私が患うdiseaseというものなのでしょう──
震える手をほんの僅かでもあなたがたに伸ばすことが
この世のあらゆる悪徳の何たる発露であることか!
天ねく言葉にかこつけて
ただジッと足を竦ませて
踏み越えてはならないとばかりに
或いはそれさえ謀りに
永遠なるconflictのままに
矜持と遺恨振りまくが前に
この場を去れれば それで善いが
そうはさせぬとこの宵が
アアいけません
その愛おしさに向けらる想いは斯くにも下賤
口に出すのも憚られましょう
望みを引き出すその魔性──
揺れ泡立つこゝろは斯くも
私を苛め立てゆく
ああ あなたがたという美しきものが
こうにも誘えど 触れないがために…
どうか笑って呉れ
この目の前で
けれど何人にも 笑わないで呉れ
何人のものにも
なってしまわぬで呉れ
どうかこのまま 愛らしくいて呉れ
どうか踊って呉れ
この目の前で
けれど何人とも 踊らないで呉れ
病める私を
見やらないで呉れ
そしてこのすべて 無駄にさせて呉れ──
最終更新:2021年03月23日 23:45