糖尿病2型

2型糖尿病

2型糖尿病(にがたとうにょうびょう)(ICD-10:E11)は「インスリン非依存型糖尿病」ともいい、インスリン分泌低下と感受性低下の二つを原因とする糖尿病である。欧米では感受性低下(インスリン抵抗性が高い状態)のほうが原因として強い影響をしめすが、日本では膵臓のインスリン分泌能低下も重要な原因である。少なくとも初期には、前者では太った糖尿病、後者ではやせた糖尿病となる。遺伝的因子と生活習慣がからみあって発症する生活習慣病。糖尿病全体の9割を占める。基本的には除外診断によって診断していく。気をつけるべき点としては2型にみえる1型糖尿病が存在するということである。 SPIDDM(slowly progressive IDDM)と言われるものがある。1型にしては30~50歳で発症と発症年齢が高く、臨床像は2型そのものだが徐々にインスリン依存状態に陥っていく。こういった患者は抗GAD抗体が持続陽性となっており、検査をしないと1型とわからない。SU剤が一時期効果あったかのようにみえることもあるが基本的に1型糖尿病であるのでSU剤は進行を進める作用となるので注意が必要である。

2型糖尿病の原因

2型糖尿病の原因についても明らかではない。主な病態が「インスリン抵抗性」と「インスリン分泌低下」の二つであり、それぞれに原因が提唱されている。大筋を言うと、遺伝的に糖尿病になりやすい体質の人が、糖尿病になりやすいような生活習慣を送ることによって2型糖尿病になると考えられている。そのような生活習慣とはどのようなものかについては意見の食い違いがある。遺伝的な原因としては、東アジア人種においてKCNQ2遺伝子上の塩基配列の個人間の違いが2型糖尿病の引き金となる比較的確かな証拠が得られている[2][3]。白人においては既に10個前後の遺伝子が糖尿病の遺伝因子として報告されているが、特にPPARG、KCNJ11、TCF2L7遺伝子は多くの研究が支持する遺伝因子である[4] [5][6]。このような遺伝因子に付いては現状ではまだ探索の段階であり、将来的には新たな予防や治療に結びついてゆくものと思われる。

近年特に国際的に特に注目されていて、広く認められている研究成果としては、アディポネクチンをはじめとするサイトカインネットワークの異常を原因とするものや、あるいは炎症を原因と考えるものなどがある。

   * アディポサイトカイン(アディポネクチン、TNF-α、レプチン、レジスチン、RBP4)
   * 食事パターン
   * 内臓脂肪型の脂肪分布パターン
   * 喫煙
2007年に発表されたメタ分析[7](対象論文25、調査人数1200万人)によれば、喫煙者は非喫煙者よりも2型糖尿病の罹患率が1.6倍高いという。さらに、喫煙量と罹患率には正の相関があり、特にヘビースモーカーでは罹患率がさらに高いと報告されている

   * 炎症
   * 小胞体ストレス

2型糖尿病の疫学
日本では以下のように言われている。
   * 患者数500万人(2002年)
   * 有病率約5%(2002年)
最終更新:2009年09月02日 15:37
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