TD系とは
概要
砲台を設置して、通路を攻めて来る敵から本拠地を守る防衛シミュレーションゲームの総称。
ジャンルはRTS(リアルタイムストラテジー)。TDとは"Tower Defense"の略称。
主に海外にて活発に製作され、無料Flashゲームとして数多く公開されている。
Flash以外にも携帯電話やiPhoneのアプリ、PCソフトウェア作品などもあり、
特にiPhoneでは人気ジャンルの一つになっている。
また、少数ながらコンシューマーでの商業作品も見受けられる。
ジャンルはRTS(リアルタイムストラテジー)。TDとは"Tower Defense"の略称。
主に海外にて活発に製作され、無料Flashゲームとして数多く公開されている。
Flash以外にも携帯電話やiPhoneのアプリ、PCソフトウェア作品などもあり、
特にiPhoneでは人気ジャンルの一つになっている。
また、少数ながらコンシューマーでの商業作品も見受けられる。
基本的な特徴
- 通路を通って、一定数の敵が集団で一定時間毎に攻めて来る。
- 砲台を設置して、攻めて来る敵を倒していく。
- 敵が城(出口)に一定数到達してしまうとゲームオーバー。
- 砲台は何種類か用意されており、金を払う事で段階的にアップグレードする事が出来る。
- 敵には空を飛ぶタイプと地上を進むタイプがあり、それぞれ対応した砲台でしか攻撃出来ない。
- 砲台は敵を自動的に攻撃し、プレイヤーが自らターゲット指定などの操作を行わない。
- ゲーム画面は真上からの見下ろし視点。
このような特徴を持つゲームをTD系と呼んでいるが、必ずしも全ての特徴が当てはまる訳ではない。中には変わったシステムを採用しているものもあり、広義解釈によってTD系かどうかの判断が人によって異なる事もある。
発祥
海外製のRTSゲーム「Warcraft III」のMOD(拡張パック)である「Tower Defense」と、同じくRTSゲーム「Starcraft」のMODである「Turret Defense」、「Age of Empires II」がそもそもの発祥。これらをベースにして、2007年初頭頃に「Tower Defense」や「Flash Element TD」などが作られた。以後、同じコンセプトのゲームが数多く作られ、シミュレーションゲームの一ジャンルとしての地位を確立した。
また、古くは1990年にATARI GAMESによって製作された「Rampart」というゲームに、現在のTD系の一端を垣間見る事が出来る。
また、古くは1990年にATARI GAMESによって製作された「Rampart」というゲームに、現在のTD系の一端を垣間見る事が出来る。
どの作品がオススメ?
もちろん、人によって好みの違いもあるので一概には言えないが、代表作として言うならば、TD系ブームの初期に公開され、先駆け的な存在となったFlash ElementシリーズやDesktop Tower Defenseなどが挙げられるだろう。
- スタンダードな作品
- Flash Elementシリーズ、Bloons Tower Defenseシリーズ
- 基本+αな要素がある作品
- Defenderシリーズ、Onslaught、Elite Forces Defenseシリーズ
- 変則的なシステム
- Antbuster、Keep the Keep、Gem Tower Defense
- ステージ制のストーリー作品
- Orbs、Gem Craftシリーズ
参考:ページ別PV(各ゲーム項目のPV数一覧)
よく使われる言葉
WAVE | 敵の隊列。ゲーム進行度を示すレベル・ステージとほぼ同意義。 |
Range | 砲台の攻撃射程。 |
Fire of Rate | 砲台の攻撃速度。 |
DPS | Damage per secondの略。秒間攻撃力。 |
Upgrade | アップグレード。砲台の能力を強化する事。 ちなみに「グレードアップ」は和製英語なので注意。 |
ジャグリング | 自由配置型(後述)のTDにおいて、砲台の配置を巧みに変えて 敵を通路内でウロウロさせて逃さないテクニック |
ゲームシステムの種類
レベル
- 有限レベル型
- 設定されたWAVE(レベル)を凌ぐとゲームクリアになるタイプ。
- 一定レベル毎にボスが出現する事が多い。
- Flash Element TDなど。
- エンドレス型
- クリアがなく、ゲームオーバーになるまでゲームが続くタイプ。
- その性質上、プレイスタイルがスコアアタックになりやすい。
- 中には有効な攻略法を用いれば、ゲームがPCのスペック不足で処理落ちして止まるまで続けられてしまう物もある。
- Flash Circle TDやAntbusterなど。
敵の侵攻方法
- 通路侵入型
- 敵ユニットが決まった通路を通って侵入してくるタイプ。
- TD系の基本で、多くの物がこのタイプに該当する。
- Tower DefenseやFlash Element TDなど。
- 自由配置型
- 決まった通路がなく、マップ上に自由に砲台を配置出来るタイプ。
- 敵もマップ上を自由に侵攻して来る。
- その性質上、砲台で通路(迷路)を構築して敵を誘導する戦略を取る事になる。また、「ジャグリング」と呼ばれるテクニックもある。これについてはDesktop Tower Defenseの項目が詳しい。
- Desktop Tower DefenseやAntbusterなど。
敵の侵攻速度
- 自動進行型
- 敵が一定時間毎に自動で攻めてくるタイプ。
- 敵を素早く倒していかないと、後から来た敵にまで攻撃が回らずにドンドン押されてしまう。
- 時間よりも早く倒してしまった場合の為に、次のレベルへ早送りする機能がついているものもある。
- Desktop Tower Defenseなど。
- 手動進行型
- 各WAVE(レベル)の合い間でゲームが一時停止し、ボタンをクリックする事で次の敵が攻めてくるタイプ。
- 自動侵攻型のように敵の侵攻を心配することなく、じっくりと砲台の配置を考える事が出来る。
- Flash Element TDやDefenderなど。
その他
- 所持金利子制
- 毎ターン終了(もしくは開始)する毎に、所持金に一定率の利子が掛かる。
- 敵を倒す事によって得られる収入も大事だが、最低限の砲台で敵を倒し、資金を節約して増やしていく事が重要な戦略ポイントとなる。
- 人によって好き嫌いがはっきり分かれるタイプ。
- Flash Element TDシリーズなど。
- 敵がこちらにも攻撃してくるタイプ
- 砲台に体力が設定されており、攻撃を受けて0になると消滅してしまう。
- 中にはコストを掛けて修理(体力回復)出来るものもある。
- また、敵が攻撃する際に立ち止まったり、移動速度が低下したりする種類もある。
- 属性相性型
- 敵と砲台に属性が設定され、その相性でダメージが増減するタイプ。
砲台の種類
- 範囲攻撃(スプラッシュ)型
- 攻撃した敵だけでなく、その周囲の敵にも余剰ダメージを与える砲台。
- 敵が固まっている所に攻撃すれば、高いダメージ効率が期待出来る。下記の移動速度低下型と合わせてよく使われる。
- 移動速度低下型
- 冷気で凍らせる・電撃で麻痺させるなどして、敵の移動速度を低下させる砲台。砲台そのものの攻撃力は弱い。
- ただし、なかにはとても強く、効果量が攻撃力と同じのもある。
- 多くのTD系ゲームで重宝され、攻略に欠かせない存在。
- 能力をより発展させ、敵を一定時間その場に停止させる能力を持った「麻痺型」もある。
- 継続ダメージ型
- 敵を毒や炎上状態にさせ、ダメージを持続的に与え続ける。
- 移動速度低下型と同じく、砲台そのものの攻撃力は弱い。
- 複数攻撃型
- 複数の敵を1回で攻撃出来るタイプ。意味合い的には範囲攻撃型もこの1種である。
- 複数弾を同時発射。
- 攻撃範囲は狭いが、範囲内にいるすべての敵に対して同時攻撃。
- 攻撃した敵の隣にも連鎖して命中する。
- 対空型
- 空を飛行するタイプの敵が登場するゲームの場合によく登場する。
- 飛行タイプの敵は、強い砲台の攻撃対象に含まれていなかったり、自由配置型の場合は砲台を無視して一直線に出口に進むなど、厄介な場合が多い。
- 従って、地上の敵とは別に対空専用の砲台を設置して対処するのが有効策の一つとなっている。
- 使い切り型
- 1回使用するとなくなるタイプ。ほかにも砲台ではなく、画面全体を攻撃する特殊攻撃などもある。
- 通路設置型
- 砲台ではなく、通路に設置して使用する罠タイプ。
問題点
作品の中にはシステムに不備があるものもいくつか見受けられる。
- 砲台の攻撃が敵に命中しない
- 砲台の攻撃が直線にしか飛ばす、移動している敵に命中させるのが困難。
- 弾速が敵の移動速度より遅い為に、敵に追いつかず当たらない。
- など
- それを改善するために、
- 追尾効果をつける
- 一瞬で敵に玉がぶつかるようにする
- などの方法がある。
- アップグレード効率が悪い
- 通常であれば、砲台はアップグレードする度に費用対効果の率が上昇していくのだが、なかには逆に悪くなってしまうものもある。
- そういう場合は、レベル1の砲台を多く設置した方が効率的という事になり、ゲームシステムとしてはやや疑問が残る。
- ゲームのテンポが悪い
- これは他のゲームでも言える事だが、ことTD系に関しては、最良の手数を探すためにリトライ回数が自然と多くなる為、致命的と言える。
- 一部の作品ではこれに対処する為、ゲーム進行速度を速くする事が出来るものもある。