戦いは終わった。
誰もが、そう思っていた。無論、あの戦いの当事者である「彼ら」でさえもが。
だけども、歴史は常に動いている。流れた血は何万ガロンに及ぶはずなのに、時代は再び、流血を要求する。
戦いは再び、巻き起こった。
誰もが、嘘だと思いたがっていた。無論、かつてのあの戦いの当事者である「彼ら」でさえもが。
だけども、世界は動き出してしまっていた。戦いは一つの世界に収まることなく、飛び火し、拡散し、拡大していく。
これは、再び巻き起こった戦いに臨む、兵士たちの群像劇。
Call of Lyrical Modern Warfare 2 予告編
多くのものが移り変わる中で、不変のものがある。
国境線や指導者たちが変わっても、「力」は常にその居場所を見つけ出す。
「あんたかい、マクダヴィッシュ大尉ってのは?」
「大尉、誰なんです?」
「俺か? ――俺はティーダ・ランスター。時空管理局本局所属、一等空尉様さ。よろしく、ローチ君?」
我々はロシア人と共に血を流してきた。彼らが、血を流しすぎているとも知らぬうちに――。
歴史とは勝者が記すものだ。そして、それは我々のはずだった。
だが、一人を倒しても、別の悪が現れ、あろうことか彼らは、はるか向こう、魔法の世界へと活動の舞台を移していった。
「マカロフは自分の戦争を続けてきた。ルールも、場所も選ぶことなくな」
「それで、はるばるミッドチルダですか」
「こいつは拷問も人身売買も、大量虐殺さえも躊躇わない。国家や思想のために殉じない、全ては金のためだ」
ミッドチルダ臨海空港。これが、狂犬の選んだ流血の地だ。
「いいか、ロシア語は使うな――」
君を潜入させるため、我々は相応の代価を支払った。
君自身も、何かを失うかもしれん。
「ひっく……えぐ……お父さん……ギン姉……」
「――っ、隠れるんだ。早く」
だがそれ以上に、多くの人命を救うことになるだろう。
「この襲撃は凄まじいメッセージになるな、マカロフ」
「違うな――メッセージはこれだ」
響く銃声。たった一発の銃弾が、彼らのメッセージだった。
「アメリカは俺たちを騙し通せると思っていたらしい。この死体が見つかれば――今にミッドチルダは、全面戦争を望むだろう」
燃え盛る日常。
燃え盛る町並み。
燃え盛る我が国。
燃え盛る星条旗。
燃え盛る仲間。
「何だ奴ら、宇宙人か!?」
「違う、時空管理局だ! 魔法使いどもめ、撃ってきやがった!」
飛び交う銃弾、魔力弾。
昨日の友は、今日の敵。
「畜生、畜生! 俺たちの国から出て行け、異星人め!」
「大量虐殺者の仲間どもが、くたばれ! 臨海空港の恨みは忘れんぞ!」
一方で、戦いに疑念を抱く者たち。
「ようこそ機動六課準備室へ。私が室長、三等陸佐の八神はやてや」
「管理局は今強硬派と慎重派で真っ二つだ。慎重派のリーダー、クロノを探し出す」
「頼むで、ジャクソンさん。すでにもう、グリッグさんとギャズさんには行ってもろうとる」
駆り立てるのは憎悪か。
それとも――
「普通の人間は、今日が死ぬ日だと考えながら目覚めたりはしない」
「……大尉?」
「だが、それは悪くない。強がりではないしな」
彼らは選んだ。限られた"最悪"の中から、自分たちのための道を。
胸に活力を抱き、眼前に標的のみを見据えて――
「俺たちが、必ず殺す」
戦いは、再び巻き起こる。
記憶せよ、彼らの戦いを。
見届けろ、彼らの生き様を。
歴史は勝者にとって記録されると言うならば、歴史は嘘で満ち溢れている。
だからこそ、知っていてもらいたい。せめて、あなたにだけは。
Call of Lyrical Modern Warfare 2
作戦開始まで各員、待機せよ。
「Standby……Standby……」
最終更新:2011年02月17日 19:24