安価『 毛糸のパンツ 』

「お誕生日おめでと~!」

ここ数年、誕生日パーティなんて全く開かなかった我が家。
そんな我が家で久方ぶりのパーティが開かれた。
理由はもちろん…。

「我が家の息子の、新たな人生に乾杯~!!」
「お父さん、もう息子じゃないでしょう。」
「そーだったそーだった、ワハハハハ。」

勝手に乾杯の音頭をとる親父に、それに突っ込むオカン。
なんでこの両親は、息子の変貌にこんなに呑気なのだろうか。

「諦めなさい。お父さん、どうしても娘が欲しかったみたいだから…。」
「んなコト言ったって、2人ともさせるか普通…。」

両親のノリをよそに、呆れたように2人を眺めているこの姉貴も、
かつて中学時代、野球部でエース投手だったのに、
今では花の女子大生をやっていると言うのだから、この現象は侮れない。

「大丈夫。私だけは、あんたの味方だからね?」
「散々弟を誘惑してからかっておいて、何言ってやがんだよ…。」
「はいはい。そういうコトはコレ見てから言いなさい。…というワケで、はい。」

そう言って、姉貴は俺に綺麗に包装された包みを手渡す。

「ん、なんだこれ。」
「誕生日プレゼント。この時期必須の女の子アイテムだよッ。」

態々ヘタクソなウインクをしてみせる姉気。
姉貴がこうやって可愛い子ぶる時はロクなコトがないのだが…。
その予想は、裏切られること無く俺の元に届いた。

「…なんだこれ。」
「毛糸のぱ・ん・ちゅ☆コレで冬もバッチリだNE☆」
「ッはぁ~~~~。」

俺の女体化後、何度目かの溜息は、知りたくもない女性の秘密に、
激しく盛大なものとなったのであった…。

おしまい!


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最終更新:2008年12月05日 01:04
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