安価『年越蕎麦』

「正月だな」
目の前にいる親友に、わかりきっている事を言われた。
「そうだね、正月だね」
ずるずる
このお蕎麦はなかなかアタリかも。
「ところでさ、ちょっと聞きたい事があるんだけど」
「……なんだ?」
いやいや、なんだじゃないだろ。
っていうか、普通気づくだろ?気づかない方がおかしいだろ!
「お前さ、童貞だったの?」
「……よく知ってるな……ハッ!まーさーかー!」
「そっちじゃねえよ!なんでそっちになるんだよ!
っつうか童貞かどうか聞かずに知る方法なんてひとつしかないだろ!」
ふぅ、ちょっとすっきりした。
「た、たしかに童貞を調べる方法なんて聞いたことが無い……
発見できればノーベル賞物だぞ!どんな方法を使ったんだ!?」
「そろそろ気付こうよ!も、もしかして俺女になってるんじゃ!?とかさ!」
「……おお!」
「おおじゃない!」
「ところで……」
急に神妙な表情になった。なんだろう。
「蕎麦のおかわりはあるだろうか……」
「あ、蕎麦もいいけどお餅もあるよ。ってそうじゃねえええだろ!」
「全く我侭さんだなぁ……キャーナニガナーイドウシヨー
さ、これで良いね?そんなことより蕎麦のおかわりをだな」
「あー……もう……いいや、おかわりね……はいはい…・・・」
ちょこっとドキドキする展開をちょっと期待したのだけど全くもって色気がない。
「む、頬に蕎麦ついてるぞ」
むちゅ
——ああ、良い具合に遊ばれてる……けど、これはこれで……。

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最終更新:2008年12月05日 20:51
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