とある探偵に降り注ぐ、突然の雨と数多の災難。
「てめーは考えられるだろ、動けるだろ、ふてくされられる感情があんだろっ!?」
「ノッた」
「文句ならアイツに言ってくれ」
記憶を喪った少女との出会い。
「オレ……誰なんだ?」
「カビてたけど」
「ネグレクトっていうんだぞ、それ」
「っ、そーいう言葉は恋人にでも言えよっ」
他人事と思っていた、二人に忍び寄る殺人事件。
「焼死体?」
「直接の死因は……コレ」
「黙ってたってイイコトねぇぞ?」
「……神代 宗」
軋み、瓦解する絆。
「ほら、私って天邪鬼だって知ってるでしょ? ……どいてよ」
「代替品に用なんか無いだろっ!?」
「責められるのは、もとより僕一人で十分だ」
「今のてめーは信用出来ねぇ」
「あーあ、知らねーっと」
「与えられた理由に喜んで飛びついといて、それ? ガッカリさせないでよ」
謎が紐解かれるごとに、彼らに迫るものは、真相か―――
「潜入捜査……ねぇ」
「こいつぁ単なる殺人事件なんて生易しいもんじゃねぇ」
「次、見つけたら即逮捕だかんねっ!」
「子供は狡猾な生き物だからな」
「数の暴力の前じゃ、命なんか……羽根より軽いってだけ」
「死にたく……ねぇ、なぁ……」
―――破滅か。
「家族が待ってるんだろう?」
「いいから走れっ!」
「指差して笑われンのがオチだっつの」
「死亡フラグが満載だな」
「"家族"を見殺しにしろって言うのかッ!!?」
「アンタだけには、知られたく……なかった」
「……よぉ、寝坊助」
「オレは……オレの名前は……!」
【赤羽根探偵と奇妙な数日】
最終更新:2010年09月04日 22:42