安価『土下座』

「なあ、俺、もうすぐ誕生日じゃん?」
 学校帰りの道すがら、家が近いせいでよく一緒に帰ることになる幼なじみの麻耶に話しかける。
 麻耶は同級生だが、同い年ではない。高校1年の時に1年間休学したので、実際の年は1つ上だ。
 そして、帰り道に俺と一緒にいるところをクラスメイトに目撃されて以来、俺と付き合っているとウワサされているのを嫌がってもいた。
「うん、そうだね。で?」
 俺が何を言いたいのか、たぶん分かっている。だからだろう、返事は素っ気なく、どこかトゲのある言い方になっていた。
「お願い!誕生日までに、童貞じゃなくなりたいんだ。」
「やっぱりね、そんなことだと思った。」
 麻耶の視線は冷ややかだった。俺はその場で土下座してまで必死に頼み込む。
 が、麻耶の答えはやはり、ノーだった。
「イヤだよ。あんたもボクと同じ気分を味わったらいい。」

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最終更新:2008年07月21日 03:23
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