「部屋を片付けなさい!」「お姉ちゃんの下着着ける?」「これで俺は一人か…」
家族の言い分は一先ず置いておいて……今は現実と向き合わなければ。
目の前には腐海の森。良く解らない紙屑や雑誌は散乱し、飲みかけのペットボトルは乱立している。
これで掃除を始めてから既に1時間が経過しようとしていた。
手に握られる漫画雑誌は、何週間も前に読んだはずのものだ。
「うおー!掃除終わんねえwww寝る場所ねぇwwwガチで終わらねぇwwwもう氏にたいwwwwwwwwwwwwwwworz 」
はっちゃけた後に襲い来る喪失感と虚無感。
確かに、女の子の部屋が足の踏み場も無い程汚かったらいやだけれども。
俺はお手上げだと言わんばかりに手にしていた雑誌を放り投げ、寝転んだ。
そして思い浮かべるアイツの顔。
「……別にいいんじゃね?俺少し前まで男だったんだし……」
「いやいや!もしかしたらもしかすることも……でも友達にそんな事は……」
「いや!でもアイツも男な訳で……あ(/////////////)」
ドアの隙間から覗く姉は、鼻で笑ってドアを閉めた。
「……(////)……べ、別にアイツの為に片付ける訳じゃないんだからな!ただ気が向いて……」
大声で言い訳を口にしながら掃除を再開する俺は、カッコ悪いと思った。
おわり
最終更新:2008年07月21日 21:28