ここにいること



イベント関係者(マーガレット、ポコリーヌ、エルミナータ、ブロッサム、アーサー、キール)


1日目





「なんだか危ないウワサがたってるなあ……。」
「…………。」

※7人以上の住民と話すまで会話は進まない

「ねえ、レストくん。セイレーンのウワサは聞いた?」
「城門を出て、南の方にある湖に出たんだって。」
「危ないよね。だからちょっと行ってくる。」
レスト「えっ、どうして!? 危ないってわかってるのに!?」
「だから行かなきゃ。」
「もしかしたらこの事を知らずに もう行っちゃった人がいるかも。」
「そしたら早く教えてあげないと、その人が危ないし……。」
「それに、危険な場所なら一度見ておきたいんだ。」
「何かの役に立つかも知れないしね。」
「じゃあ行ってくるよ。すぐ帰ってくるから。」


一緒に行こう ・気をつけてね

▼気をつけてね
「うん。」

※一緒に行こうを選ぶまで会話は進まない


▼一緒に行こう
「えっ……。」
レスト「マーガレットはいつも一人で解決しようとするね。」
「…………。」
レスト「もう少し、僕を頼ってくれても良いんだよ?」
「………レストくん。」
「あはは……はは……、参ったな……。」
「じゃあ、頼っちゃおうかな。」
レスト「うん。でも危ないと思ったらすぐに引き返すよ。」
「わかった。じゃあまずは町の外へ出よう。」


 ・住民に話しかける


セルザウィード「セイレーンか……。なつかしいのう……。」


ビシュナル「城門を出て、ずっと南の方にある湖に セイレーンが出たそうです。」
ビシュナル「どんなモンスターなんでしょう?」


クローリカ「セイレーンというモンスターを知ってますか~?」
クローリカ「なんでも美しい歌声で 人を誘い出しちゃうみたいです。」
クローリカ「どんな歌なんでしょう? 子守歌とかですかね~?」


ヴォルカノン「旅人殿が、この町を出た南の方で セイレーンを見たとの事です。」
ヴォルカノン「危険なモンスターですので、お立ち寄りの際は気を付けて下され。」


ブロッサム「セイレーン……。まさか……。」
ブロッサム「いや、あれは昔の話だしね。セイレーンにとってはわからないが。」
レスト「?」


ダグ「おウ。おまえカ。」
ダグ「セイレーンとかいう危ないヤツが出たって話だゼ。」
ダグ「しょせんモンスターだロ? 出たらオレがぶっ飛ばしてやるゼ!」


ディラス「また町中に変なウワサが出回ってるな。」
ディラス「伝わるのが早いのも考え物だな。」


アーサー「ウワサ話というのは、本当に広まるのが早いですね。」


ポコリーヌ「セイレーンって魚デスか?」
ポコリーヌ「食べられマスか?」


エルミナータ「町中、セイレーンのウワサで持ちきりね。」
エルミナータ「これは……事件の予感!」
エルミナータ「……んなワケないか。」


コハク「湖で危ないモンスターを見たんだって!」
コハク「あ、でも町の湖の事じゃないの! 町を出て南の湖の事みたい。」


リンファ「あらあら、ちょっと危ないウワサが立ってるわね。」
リンファ「お客様にも注意しておかないと。」


シャオパイ「う~む。セイレーンか……。」
シャオパイ「客引きにはならないようだ。」


レオン「この町のやつらは本当にウワサが好きだな。」
レオン「まあ、真実を見誤らなければ構わないけどな。」


バド「セイレーンねエ……。」
バド「安全なモンスターなら商売になりそうだけド……。」
バド「今回はダメかなア。」


キール「セイレーンってどんなモンスターなんだろう?」
キール「ちょっと調べてみようかなあ。」


フォルテ「そうだ、レストさんも注意してください。」
レスト「何をですか?」
フォルテ「この町を出てずっと南の方に湖があるのです。」
フォルテ「そこで危険なモンスターが出たとの報告を受けました。」
フォルテ「ですので、近くには行かないようにお願いします。」


ドルチェ「セイレーンの歌声は美しいらしいわね。」
ドルチェ「メグの歌と比べたら、どっちが美しいのかしら。」


ジョーンズ「危ないモンスターが出たらしいですね。」
ジョーンズ「ケガ人がでなければ良いのですが。」


ナンシー「危ないモンスターが出たらしいわね。」
ナンシー「ジョーンズがケガしなければいいけど。」



夏エリア セルフィア平原

 ・セルフィア城門&十字路

「湖はあっちの方角だね。まだもうちょっと遠いかな。」

 ・突きあたり

「ここを西へ曲がっていくよ。迷わないようにね。」

 ・三叉路

「そこのキノコの間を通るよ。だいたい半分くらいまで来たね。」

 ・ホーホーの巣近く

「ここを西へ曲がっていくよ。迷わないようにね。」

 ・キーノ湖手前

「この辺りって大きなキノコが多いよね。何でだろ?」
「──っと、それはともかく、もうそこを抜けたら湖だよ!」


夏エリア キーノ湖


「良かった、誰もいないみたい。」
「それに……。」

「きれいな湖……。ここが危険だなんて信じられない。」
レスト「そうだね。」

「湖かあ……あの時の事、思い出さない?」


そうだね ・なんだっけ?

▼なんだっけ?

「もう、町の湖で一緒にゴミ拾いをしてくれたでしょ?」
「小ビンとか拾ったじゃないか。」

※以後、そうだねを選んだセリフに繋がる


▼そうだね

「みんなで湖の掃除をするの、意外と楽しかったなあ。」

「ねえ、レストくん。」
レスト「うん、なに?」
「少しだけ……、ここでゆっくりしていかない?」
レスト「ここで?」
「そんな事しに来たわけじゃないのはわかってるんだ。」
「何て言うか……その……。」
「せっかく……こんなに静かなところで2人っきりなんだもん……。」
「だから……少しだけでいいの。ダメ……かな?」


わかった ・みんな心配するよ

▼みんな心配するよ
「うん……。それでも、一緒にいたいんだ……。」
「せっかく……こんなに静かなところで2人っきりなんだもん……。」
「だから……少しだけでいいの。ダメ……かな?」

※選択肢に戻る


▼わかった
「ほ、本当に?」
「へへ……やった♥」



「ら~らら~らら~……。」
「るららら~ら~……。」
「──はっ!」
「つい歌なんか歌っちゃった。あはは……ごめんごめん……。」
レスト「ううん、良いよ。続けて。」
「えっ……いいよいいよ。それよりもたくさん話したいな。」
「歌なんて、いつでも歌えるし。」
レスト「う~ん、そっか……。」
レスト「それじゃあマーガレット。」
「うん?」
レスト「マーガレットはエルフなんだよね?」
「うん。」
レスト「エルフの国ではどんな事をしてたの?」
「エルフの国でかあ……。」
「私、もともとは国のお城で音楽家をしてたんだ。」
レスト「えっ! それってすごいんじゃないの!?」
「そ、そんな事ないって……。」
「それでね、たまたまエルフと人間の交流会で演奏する機会があったの。」
「そこで、ある音楽の先生が私をスカウトしてくれてね。」
「その人と一緒にエルフの国を出て こっちに来たんだ。」
「へえ~……。」
「先生は私に世界中の音楽を教えてくれた。」
「優しくて、温かくて……、とても輝いている人だった……。」
レスト「……『だった』?」
「…………うん。」
「…………先生はね。」
「もう、いないんだ。」

レスト「それって……。」
「亡くなったの。」
「でもね、事故とかじゃないよ。もうお歳だったから……。」

「……ねえ、知ってた?」
「エルフってさ……、人間よりも寿命が長いんだ。」
レスト「えっ……。」
「……みんなより、長生きなんだよね……。」
「だから、だからさ……。」
「この先、私より先に誰かがいなくなっちゃう事っていくらでもある。」
「そんなの当たり前。みんなわかってる事だから。」
「だから、平気なんだよ。」
レスト「マーガレット……?」

レスト「どうしてそこまでして我慢するの?」
「え……。」
レスト「ムリして耐える必要なんかない。」
レスト「辛ければ泣いたっていいんだ。」

「大丈夫。」
レスト「え……。」
「こんな事で……、立ち止まってられないから。」
レスト「こんな事って……。」
「だ、だってそうじゃないか! この先──」

「ご、ごめん……。大きな声出しちゃって……。」
「とにかく大丈夫なんだ。先生の事は……とっくに乗り越えたよ。」
レスト「マーガレット……。」

「……ご、ごめんね。暗い話になっちゃって。」
「もうそろそろ帰ろう? やることは終わったし、ね?」
レスト「う、うん……。」


セルフィア広場

「……じゃあ、またね。」
レスト「……うん。」



2日目


マーガレットの家


「…………!」
レスト「マーガレット……!」

「どっ、どうしたの? 突然来たら驚くじゃないか。」
レスト「今、泣いてた。」
「…………。」
レスト「前にもこんな事があったよね。」
「…………。」
レスト「あの時はマーガレットは『昔の事を思い出した』って言ってた。」
レスト「それってもしかして──」
レスト「マーガレットの先生の事じゃないの?」

「何でも……ないから。」
レスト「どうして……? どうして何も教えてくれないの?」
レスト「何に……苦しんでいるの?」
「…………。」
「だって……私は、もう乗り越えたんだもん。」
レスト「え……?」
「そうじゃなきゃ、キミと一緒にいられない!」
「いられないんだっ!!」
レスト「マーガレット……?」
「…………あ。」
「ごめん、レストくん。」
「今は……今は一人にして……。」
レスト「…………。」


 ・マーガレットに話しかける

「一人になりたいんだ……。……ごめん。」
レスト「…………。」
レスト(……どうして 話してくれないんだろう……。)
レスト(誰か……マーガレットの何かを知ってる人はいないかな……。)


 ・プレゼント

「……ごめん、受け取れないよ。」



 ・ポコリーヌに話しかける

ポコリーヌ「レスト君、メグが仕事に来ないのデスが……。」
ポコリーヌ「何か知りマセンか?」
レスト「あ……それは──」


ポコリーヌ「……そんな事が……。」
レスト「……マーガレットはやっぱり 先生の事で苦しんでるんじゃ……。」
レスト「僕に出来ることは無いんでしょうか?」
ポコリーヌ「…………。」
ポコリーヌ「レスト君。あなたに聞きたい事がありマス。」
レスト「え……?」
ポコリーヌ「メグは、知っての通り、何か痛みを負っていマス。」
ポコリーヌ「その傷はとても深く、そして、誰の進入も許さないようデス。」
ポコリーヌ「だが、ワタシはこう思いマス。君ならメグを救えるのではないかと。」
ポコリーヌ「しかし、そうでなければ君も同じ痛みを 負う事になるかもしれない。」
ポコリーヌ「例え──」
ポコリーヌ「例えそうなったとしても──」
ポコリーヌ「キミはメグの痛みを背負う覚悟があるか?」
ポコリーヌ「それでも彼女とともに生き、彼女を愛する覚悟が……あるか?」


……あります! ・……今はありません


▼……今はありません
ポコリーヌ「そうデスか……。」
ポコリーヌ「もし覚悟が出来たら、またワタシの元へ来てくだサイ。」
ポコリーヌ「それでは……。」


 ・ポコリーヌに話しかける

ポコリーヌ「……今のあなたに、メグの痛みを背負う覚悟がありマスか?」

※選択肢に戻る


▼……あります!
ポコリーヌ「……その覚悟、確かに受け取りマシタ。では一緒にメグの元へ行きマショウ。」
レスト「え……は、はい。」


マーガレットの家


ポコリーヌ「メグ。」

「……ポコさん……? レストくんも……。」
「あ、そ、そうか。ごめんなさい、仕事が──」
ポコリーヌ「メグ。なぜレスト君に打ち明けないのデスか?」

「な、何? 突然……。」
「それに打ち明けるって……何を?」
ポコリーヌ「メグ、あなたは苦しんでいマスね? その苦しみは何デスか?」
「…………。」
「苦しんでなんかいないよ。」
「それに……もしかして、先生の事を言ってるの?」
「先生の事ならレストくんに話したし……、」
「先生が亡くなった時は辛かったけど、いつまでも泣いてる私じゃない。」
ポコリーヌ「…………。」
「だから、大丈夫だって言ってるじゃない。」
「私が何かに苦しんでるだなんて、思い過ごしだよ。」
「へへ……心配してくれてありがとう。」
ポコリーヌ「あなたが話さないのなら、ワタシが話しマス。」
「……え?」

ポコリーヌ「メグ……あなたは何かを恐れている。」
ポコリーヌ「苦しんでいるのは、そこだ。」
「え…………ポ、ポコさん?」
ポコリーヌ「メグの言うとおり、先生の事は乗り越えたのデショウ。」
ポコリーヌ「メグも大人になりました。」
ポコリーヌ「仮にワタシがいなくなっても、きっと強く生きていく事デショウ。」
「ちょ、ちょっと、そんな話やめてよ!」
「そんな悲しい事が起きたら 強く生きていくなんて出来ないよ……。」
ポコリーヌ「いいえ、必ず乗り越える。それはワタシが保証しマス。」
「……ポコさん?」
「変だよ。何が言いたいの……?」
ポコリーヌ「メグはどんな事があっても必ず立ち上がり、強く生きられる。」
ポコリーヌ「……はずだった。」
「…………。」
ポコリーヌ「つまり、そこに例外が出来てしまった、という事を言いたいのデス。」


ポコリーヌ「恩師の死を乗り越えたあなたは、誰よりも他人のためを思い──」
ポコリーヌ「そして誰よりも、他人のために行動する。」
ポコリーヌ「どんなに厳しい状況にあっても 強く、優しく、そして正しく生きる。」
ポコリーヌ「一見すればそこには何の問題も無いように思える。」
「ポコさん……やめて。」
ポコリーヌ「だが、何をどうひっくり返しても、乗り越えられそうにない事……。」
ポコリーヌ「恩師の死を超えるような……、そんな恐怖を身近に感じてしまった。」
ポコリーヌ「それは──」
「違う! 絶対にそんな事はない! 私は────!!!」


ポコリーヌ「レスト君。あなたの死だ。」


レスト「えっ……?」
レスト「ど、どういう事ですか? 僕の死って……。」
「…………。」
ポコリーヌ「レスト君は人間。メグは、エルフ……。」
ポコリーヌ「エルフは人間に比べて長命。つまり長生きだという事は知っていマスね。」
レスト「はい……マーガレットから聞きました。」
ポコリーヌ「つまり、メグはあなたの死後も一人、この世界で生きていくのデス。」
レスト「あ……。」
ポコリーヌ「恩師の死。それを乗り越えたのだって、相当の努力があったはずデス。」
ポコリーヌ「先生とともにいたメグが今この町にいるのは、」
ポコリーヌ「その先生が亡くなり、ワタシが引き取ったから、デシタね。」
ポコリーヌ「あの時の事、ワタシは今でもよく覚えている。」
ポコリーヌ「メグの心がひどく、ひどく沈んでいた……。」
「…………。」
ポコリーヌ「レスト君。」
ポコリーヌ「メグにとってあなたの存在は、既に先生を越えている。」
ポコリーヌ「……いや、きっと他の何者をも超えるほど大切なのデショウ。」
ポコリーヌ「あなたと生きていくには 絶対に乗り越えなくてはいけない壁。」
ポコリーヌ「この恐怖に打ち勝つために ずっと自分に言い聞かせていたのではないデスか?」
ポコリーヌ「『自分はもう、壁を乗り越えた』と。」
「…………。」
ポコリーヌ「乗り越えたわけではありマセンよね? メグ、あなたはまだ──」


「ポコさんに何がわかるのさ。」


「そうだよ! 怖いんだ! 私は! ……私はっ!!!」
「…………。」
「レストくん……。」
「キミといると楽しくて……! すぐに……時間が過ぎて行くんだ……!」
「すごく幸せなのに──」
「こんなにも早く時が過ぎていく……。怖い……!」
レスト「マーガレット……。」
「耐えられるわけないじゃないか……。耐えられるわけが…………。」
ポコリーヌ「メグ、そうじゃない。あなたに今必要なのは──」

「やめてよ! 無理だっ!!」
ポコリーヌ「メグ! 聞けっ!!」
「……ッ!」
「ポコさんには──」
「ポコさんには私のっ! エルフの気持ちなんてわからないよっ!!!」


ポコリーヌ「…………。」
レスト「追いかけましょう!」
ポコリーヌ「…………。」
レスト「ポコリーヌさん……?」
ポコリーヌ「…………やはり、ワタシではダメか……。」
レスト「えっ……!」
ポコリーヌ「レスト君、お願いデス……。」

ポコリーヌ「メグを……助けて下サイ……。」
レスト「ポコリーヌさん……。」
ポコリーヌ「……このままでは、あのコは誰も愛せない。」
ポコリーヌ「お願いデス。レスト君。」
ポコリーヌ「ワタシでは……ダメなのデス! メグを……助けて……!」


わかりました ・……出来ないかもしれません


▼わかりました
ポコリーヌ「……ありがとう。」
レスト「それじゃあ、僕はマーガレットを追いかけます。」
ポコリーヌ「……お願いしマス。」


▼……出来ないかもしれません
ポコリーヌ「これは、彼女自身が解決しなくてはいけない。」
ポコリーヌ「それはわかってマス。」
ポコリーヌ「それでも……無理を承知でお願いしマス……!」
ポコリーヌ「あなたにしか、頼めない……!」


 ・ポコリーヌに話しかける

ポコリーヌ「メグと話をしてあげて下サイ……。」
ポコリーヌ「今、メグの心を溶かすことが出来るのは、あなたしかいマセン……。」



夏エリア セルフィア城門


レスト「マーガレット!」
「……来ないで!」
レスト「……マーガレット……。」
「キミとの距離が近ければ近いほど、辛くなるんだ……。」
「……どうしたら……いいの。」
レスト「あっ……。」

レスト「……まずい! 城の外はモンスターがいる!」
レスト「早く追いかけないと!」


 ・セルフィア平原

レスト「どこへ行ったんだろう……。」
レスト「そう言えばここは以前、マーガレットと湖へ行くときに通ったっけ……。」
レスト「もしかして……あの場所に……?」


夏エリア キーノ湖


「どうして!? 来ないで!!」
レスト「マーガレット……。」

レスト「わかった。近づかない。」
「……っ。」
レスト「でも、一度町に戻ろう?」
レスト「そしてポコリーヌさんの想いを聞いてあげて。」
「ポコさんの……?」
レスト「……泣いていたんだ。」
「えっ……。」
レスト「あの人は、誰よりも君の幸せを願っている。」
レスト「まるで、本当の家族みたいだ。」
レスト「そんな人とケンカしたままなんて、その方がよっぽど辛いよ。」
レスト「だから、一緒に謝りに戻ろう。」
レスト「その後でなら、いくらでもマーガレットから離れるから。」


「…………。」
「……そうだ。」
「私、ポコさんにひどい事を言った……。」
「……ポコさんに会いたい。会ってちゃんと謝りたい。」
レスト「……うん。それじゃあ、行こう。」

レスト「マーガレット! 後ろ!」
「え?」


「きゃあっ!!」


レスト「大丈夫!? しっかりして!」
「……う。」
レスト「マーガレット!」
「……ぁ…………!」
レスト「マーガレット? どうしたの?」
「こぇ……。」
レスト「こえ……声?」
「…………っ。…………ぁ。」
レスト「まさか……。」
レスト「……声が……出ない……の?」


マーガレットの家


ジョーンズ「……ふむ。」
レスト「どうですか?」
ジョーンズ「外からはキズなどのケガは見当たりません。」
ジョーンズ「ですが──」
ジョーンズ「ノドにひどくダメージがあります。」
ジョーンズ「マーガレットさん。声を出せますか?」
「…………。」
「…………ぅっ……!」
レスト「マーガレット!」
ジョーンズ「はい、これ以上は声を出さなくて大丈夫です。」
ジョーンズ「やはり痛みが伴いますね。これではまともに声も出せない。」
レスト「そんな……。」
ナンシー「メグちゃん、辛いと思うけど、しばらくはしゃべっちゃダメよ。」
ナンシー「これ以上、ノドに負担をかけるのは良くないわ。」
「…………。」
ポコリーヌ「メグーーーーッ!!!」

ポコリーヌ「だっ、だだだだ大丈夫デスか!! メグは大丈夫なんデスか!!!!」
ジョーンズ「落ち着いて下さい。」
ジョーンズ「彼女はノドにダメージがあるので、無理にしゃべらせてはいけません。」
ポコリーヌ「なんと!!?」
ポコリーヌ「つ、つまり……歌を歌う事も出来ないのデスか!!」
ジョーンズ「当然、控えてもらう事になります。」
ポコリーヌ「…………そんな。」
「…………。」

ナンシー「とにかく、このままではいけないわ。」
ジョーンズ「しかし、あまり例がありません。下手な治療は出来ない……。」
ポコリーヌ「ワタシ、ヴィヴィアージュ家の力を借りて情報を集めマス!」
ポコリーヌ「きっと何か解決する方法があるはずデス!」
ジョーンズ「……そうですね。何か行動を起こさないといけません。」
ジョーンズ「私も医学的に過去の事例を調べてみます。」
ナンシー「それなら私も手伝うわ、ジョーンズ。」
ジョーンズ「ええ、お願いします。」
ナンシー「それと、レストくん、メグちゃん。」
ナンシー「あなたたちも町の人達から情報を集めてみて。」
ナンシー「話は出来るだけ通しておくわ。」
レスト「……はい。わかりました。そうします。」


レスト「マーガレット、僕と一緒にいたくないかもしれないけど……。」
レスト「一緒に来てくれる……かな?」
「……。」


ポコリーヌ「そうだ、二人とも! これを使ってくだサイ。」
レスト「これは……紙とペン?」
ポコリーヌ「これに伝えたい言葉を書けばいいのデス。」
ポコリーヌ「そうすればノドも痛くありマセン。」
レスト「なるほど……筆談ですね。」
レスト「わかりました。その文字は、僕が言葉にします。」
ポコリーヌ「ウム、頼みマシタよ。」
ポコリーヌ「それではワタシはお先に!」


レスト「どうしたの?」
「…………。」
レスト「あ、そうか、はい。これに書いて。」
「…………。」
レスト「えーと……。」
レスト「『ポコさんに謝れなかった』」
レスト「………。」
レスト「そうだね……。落ち着いたら、また後で行こう。」
「…………。」


 ・マーガレットに話しかける

レスト「僕達はみんなから情報を集めよう。」
レスト「誰か、マーガレットを助ける方法を知ってるかもしれない。」
「…………。」


 ・住民に話しかける

セルザウィード「セイレーンか。なつかしいな。」
セルザウィード「昔、遠くの湖からは よく歌声が聞こえてきたものだ。」
セルザウィード「いつからか聞こえなくなったが……。」


ヴォルカノン「ウオオオーン! なんという悲劇!!」
ヴォルカノン「我輩の声を差し上げる事は 出来ないのですかな!?」
ヴォルカノン「我輩の声で良ければいくらでも、いぃぃくらでも差し上げますのに!」
ヴォルカノン「ウオオオオオオーン!!!」


クローリカ「メグちゃん、大丈夫ですか!?」
クローリカ「私もいろいろ調べます! 寝てなんかいられませんから!」
「…………。」
レスト「えっと……、『ありがとう』だって。」
クローリカ「はい!」


ビシュナル「セイレーンにおそわれた話、聞きました。」
ビシュナル「今、セイレーンについてみんなで協力して調べてます。」
ビシュナル「ひとまずキールさんから話を聞いてみて下さい。」


コハク「今ね、メグちゃんを助ける方法を エッちゃんと沢山調べてるの!」
コハク「だから心配いらないの! すぐに解決するの!」


エルミナータ「メグちゃん、大丈夫? ノド、痛くない?」
「…………。」
レスト「『痛いけど、大丈夫。ありがとう』。」
エルミナータ「あら、筆談ね。なるほど。」
レスト「ところでエルミナータさん。」
レスト「どうすればマーガレットの声が戻るかわかりませんか?」
エルミナータ「そうね……私の推理によると……。」
エルミナータ「この事件には『恋』が絡んでるわね。」
「……!」
レスト「あの、エルミナータさん?」
レスト「答えにないってないし、恋じゃなくて声──」
エルミナータ「間違いないわ! 大丈夫、私に任せて!」
エルミナータ「必ずメグちゃんの声を取り戻す 手段を見つけて見せるから。」
「…………。」


 ・再度エルミナータに話しかける

エルミナータ「セイレーンで思い出したけど、ゴミ拾いをした時に拾ったアレ……。」
エルミナータ「確かセイレーンが関係してたわよね。何か関係があったりして。」
エルミナータ「ま、そんなワケないか。」


ポコリーヌ「メグ~~~!!!!」
ポコリーヌ「っと、取り乱すワタシではありマセン。」
ポコリーヌ「今は何よりともかくメグの声を 取り戻すことが最優先。」
ポコリーヌ「レスト君はメグの側にいてあげて下さい。」


ディラス「聞いたぞ。無理してしゃべるな。」
「……。」
ディラス「今、キールが色々調べている。俺はそっちを手伝う事にする。」
ディラス「まあ……食堂もお前の声がないと 少し静かになるからな……。」


アーサー「話は聞きました。セイレーンについて調べていると。」
レスト「はい。何か知りませんか?」
アーサー「取引先や、大きな町から蔵書を取り寄せてみたところ……。」
アーサー「どうやらセイレーンには、人の声を奪う能力があると。」
レスト「……声を、奪う……!」
アーサー「ですが、相当な理由がない限り、この能力を使う必要はない様です。」
アーサー「なにせ、セイレーンにはもともと美しい声が備わっていますから。」
レスト「じゃあ、どうして……。」
アーサー「そこに声を取り戻す ヒントがあるのかもしれません。」
アーサー「私は引き続き調べます。お二人も無理はしないよう。」


 ・再度アーサーに話しかける

アーサー「声を奪う能力。それを使った理由が不明ですね。」


シャオパイ「メグ、話は聞いたぞ。」
「…………。」
シャオパイ「だが、心配はいらない。」
シャオパイ「今、マーマと旅館に来る客から情報を仕入れている。」
シャオパイ「もう少しのしんぼうだ。」
シャオパイ「情報はなるべくキールに集めるから、後で行ってみるといい。」


リンファ「話は聞いたわ。」
リンファ「今シャオちゃんと一緒に、旅館のお客様から情報を集めてるわ。」
リンファ「だから、もう少しがんばってね。」


レオン「セイレーンか……。まあ、そっちはキールに任せるとして。」
レオン「最近、2人ともケンカしてただろう?」
「……っ!」
レオン「理由は何だ。マーガレット、お前にありそうだが。」
レスト「あ、あの、今は──」
レオン「マーガレット。今回の事件、お前の心のスキにも原因があるはずだ。」
「……。」
レオン「まあ、わかってるなら後はゆっくり考えればいい。」
レオン「レスト、お前もだ。」
レスト「えっ?」
レスト「シビアな事を言うが、最悪の事態を想定して動け。」
レオン「失ってからでは、遅いからな……。」


ジョーンズ「お二人は町の人達から情報を集めて下さい。」


ナンシー「レストくん、メグちゃんを守ってね。」


ドルチェ「大丈夫? ジョーンズから話を聞いた。」
「……。」
レスト「ねえ、ドルチェ。セイレーンについて、何か知らない?」
レスト「人の声を奪うとか……。」
ピコ『ありえますわね』
レスト「それじゃあ……!」
ドルチェ「待ってよ。どうしてメグの声を奪う必要があったの?」
ピコ『それは……メグさんの声が 欲しかったからじゃありませんの?』
ドルチェ「でもセイレーンはもともと 美しい声を持ってるはずでしょ?」
ピコ『それもそうですわね……』
ドルチェ「そこを探れば、何かわかるかもしれない。」
レスト「声を奪う理由……か。」


バド「大丈夫かイ、マーガレット。おっと、しゃべらなくていいヨ。」
バド「さて、セイレーンについてだが、非常に強力なモンスターだネ。」
バド「もし、闘うって言うならオレが──」
バド「フォルテにとっておきの武器を渡しておくヨ。」


フォルテ「大丈夫か、メグ。」
「…………。」
レスト「『うん、ノド以外は痛くないよ』だって。」
フォルテ「くっ……すまない……。私がもっと外に目を向けられれば!」
「…………。」
フォルテ「とにかく、今はキールを中心に情報を集めています。」
フォルテ「必ず、メグの声を取り戻しましょう。」


キール「大丈夫、マーガレットさん!? 聞いたよ!」
「…………。」
キール「あ、ごめん、今はしゃべれないんだってね……。」
レスト「キール。セイレーンについて何か知らない?」
キール「少しだけど、みんなで調べてみたよ。」
キール「セイレーンは美しい歌声で人を誘い、襲ってしまうんだ。」
キール「だから、普段は近づいてはいけない危険なモンスターだよ。」
レスト「歌声で誘う……。でもそんなもの聞こえなかったよ。」
キール「という事はセイレーンは歌を歌えなかったのかな?」
レスト「そんな事があるの?」
キール「ある理由で声を失う事があるみたい。」
レスト「それは?」
キール「セイレーンとしての本質を失った時、だって。」
レスト「……ほ、本質? どういう事?」
キール「う~ん……、セイレーンは美しい歌声で人を誘って襲うんだ。」
キール「つまり、例えばだけど、人を襲う必要がなくなった時とか?」
レスト「でもマーガレットは襲われた。」
キール「ムジュンしてるね。」
キール「僕はもうちょっと調べを進めるよ。また何かわかったら教えるね。」


 ・再度キールに話しかける

キール「みんなからも情報を集めてるよ。またしばらくしたら聞きに来て。」


ダグ「おい大丈夫カ?」
ダグ「──っとト、しゃべんなくていいゼ。」
ダグ「今、キールが色々調べてるからナ。オレはそっちを手伝うゼ。」


ブロッサム「メグ、大丈夫かい?」
「…………。」
レスト「セイレーンというモンスターの事、何か知りませんか?」
ブロッサム「そういえば昔、道行く人がセイレーンに襲われた事があったよ。」
ブロッサム「セイレーンの歌声に誘われてしまってね。」
ブロッサム「だが、ある男が解決したんだ。」
レスト「解決……? それ、聞かせてもらえますか?」

ブロッサム「ああ、いいよ。」

「セイレーンは危険なモンスターさ。本来は近寄ってはいけないんだが。」
「その男はセイレーンの元へ行ったんだ。」
「帰ってきた男はセイレーンに会ったという。」
「それどころか、仲良くなったとさえ言った。」
「男は何度もセイレーンに会いに行った。」
「それはもう……、まるで恋人同士のように。」
「しばらくして、セイレーンの歌声は止んだよ。」
「あの人はセイレーンを説得したんだなと言われていたが……。」
「あたしにはそう思えないんだよねえ。……ま、答えは分からないけど。」

レスト「その人はどうなったんですか?」
ブロッサム「とっくに亡くなったよ。もう、昔の話だからね。」
ブロッサム「セイレーンにとっては 短い時だったかもしれないが。」
「……。」
ブロッサム「……どうだい? この話、少しは役に立ったかい?」
レスト「はい、ありがとうございます。」
ブロッサム「それじゃあ、メグ。もう1つ、聞いてくれるかい?」
「……?」
ブロッサム「わたしの夫はもうこの世にいないが、わたしは何も後悔していない。」
ブロッサム「むしろ、あの人と過ごせた時間を思えば満足さ。」
ブロッサム「……何を言いたいか、わかるかな?」
「……。」
ブロッサム「うん、それじゃあお行き。」


 ・再度ブロッサムに話しかける

ブロッサム「そう言えばあの人は セイレーンに名前を付けていたね。」
ブロッサム「なんだったかな……。ア……アウ……何だっけ?」


※ブロッサム、エルミナータ、アーサー、キールに話しかけるまで会話固定


レスト「みんな、たくさん調べてくれてるんだ……。」
レスト「そろそろ、キールの所に新しい情報が来てるかも……。」


 ・マーガレットに話しかける

レスト「キールの所へ行ってみよう。」
レスト「なにか新しい情報が集まってるかも。」
「…………。」



キール「レストくん! 探したよ!」
レスト「何か分かったの?」
キール「うん!」
レスト「どんな事?」
キール「あ……でも役に立たないかも……。う~ん……。」
レスト「いいよ、どんな事でも。教えて。」
キール「うん。」
キール「昔、セイレーンと仲良くなった人がいるらしくて……、」
レスト「ああ、ブロッサムさんから聞いた話かな……。」
キール「うん、それでブロッサムさんがもう一つ思い出したんだって。」
レスト「え、どんな事?」
キール「その男の人、セイレーンをこう呼んでいたんだ。」
キール「アウディって。」
「!」
レスト「アウディ……?」
キール「そう。愛称かな? とっても仲が良かったんだろうね。」
キール「でも……そんな事がわかっても仕方ないよね。」
「……! ……!」
レスト「え、何、どうしたの? マーガレット。」
「…………!」
レスト「えっと……なになに。」
レスト「『家へ行こう!』」
レスト「家……? マーガレットの?」
キール「なにか分かったの?」
レスト「うん……そうみたい。」
レスト「ありがとう、キール。また後で!」
キール「うん。何か分かったら教えてね~。」


 ・再度キールに話しかける

キール「マーガレットさんの家に何かあるの?」
キール「だとしたら早く行ってあげて。」


マーガレットの家


レスト「どうしたの?」

レスト「それは……確か、湖のゴミを拾った時の……。」
「…………。」


アウディへ――
私の事を覚えているだろうか。
こんな形での再会を、
すまなく思う。
もう……私は君に会いに行く事が
出来なくなってしまった。
少々、歳を取りすぎてしまったようだ。
君の美しい声が聞けてよかった。
この声が、君に届くことを願う。
ありがとう。
そして、さようなら。


レスト「ア……アウディって……!」
「…………。」
レスト「それってキールから聞いた、セイレーンの名前とも一緒だよね……。」
レスト「じゃあこれはその セイレーンにあてたメッセージ……。」
レスト「声の主の正体は、ブロッサムさんの話に出てた男の人なのかな……。」
(歌声で人を誘うセイレーン。)
(セイレーンは自分の本質を失う時……。)
(例えば、人を襲う必要がなくなった時に 自分の美しい声を失う。)
(声を失ったあのセイレーンは、代わりとして、私の声を奪った……。)
(セイレーン『アウディ』と仲良くなった人がいたみたいだけど……。)
(『人を襲う必要がなくなった』のはなぜだろう……。)
レスト「マーガレット? 大丈夫?」
(レストくん……。)
レスト「無理しないでね。大事な体なんだから。」
(……こんなにも、キミは優しい……。)
(なのに、私は……!)

(…………。)
レスト「あ。筆談だね。えーと……。」
レスト「『わかった』」
レスト「……え?」
レスト「『どうしてセイレーンが私の声を奪ったか』……だって!?」
レスト「『セイレーンの所へ行こう』」
レスト「『彼女はきっと苦しんでいる』」
レスト「『早く、急いで行こう!』……。」
レスト「って、本当に!?」
「…………。」
レスト「それにセイレーンの所へ……、大丈夫なの?」
「…………。」
レスト「『大丈夫。だから早く行かないと……』」
レスト「……わかった。マーガレットがそこまで言うなら行こう。」


「……。」
レスト「マーガレット、どうしたの?」
「…………。」
レスト「あ、うん、読むね。」


レスト「えっと……。」
レスト「『ねえ、聞かせて』」
レスト「『私、キミにもひどいコトを言ったよ』……。」
レスト「『なのに、どうして?』」
レスト「『どうしてキミは、私にここまでしてくれるの?』」
「…………。」


手をにぎる ・抱きしめる


「っ……!」
レスト「わかる? これが僕の体温だよ。」
レスト「そして僕が感じているのが、マーガレットの体温。」
レスト「僕はこうして今、マーガレットの存在を確認出来るんだ。」
レスト「大切な存在だから、助けたい。」
レスト「それは……当たり前の事じゃないか。」
レスト「だから1人で抱え込まないで。1人で苦しまないで。」
レスト「僕はマーガレットが少しだけ 僕を信じてくれればいいから。」
レスト「マーガレットは辛いかもしれないけど……。」
レスト「それでも、ずっと付き合うよ。マーガレットが助かるまで。」
(レストくん……!)
レスト「さあ、行こう。」


「……! …………!」
レスト「マーガレット!?」
「う……レストくん……。」
レスト「ど、どうしたの!? しゃべっちゃダメだよ!?」
「ぅ……くっ……!」
レスト「ノドが痛いんでしょ!? ダメだよ無理しちゃ!」
「そ、それでも……、ぃ……今言わなきゃ…………!」
レスト「えっ……!」
「私……もしかしたら、これから……、」
「え……永遠に声を失うかも……しれない。」
「だから、聞いて欲しいの……!」
レスト「マーガレット……。」

※ムービーが挿入される

「こ、こんなに……、近くにいれるんだ……。」
「出会えた事だけでも 何物にも比べられない奇跡なのに……。」
「……もう、に、逃げない……。」
「……わかったんだ……。」
「……だ、だって……。」
「キミが……好きだから……!」


僕も好きだ ・……ありがとう ・必ず助けるよ


レスト「だから、もう、これ以上は無理をしないで。」
「…………。」
レスト「さあ、行こう。決着をつけるんだ。」


夏エリア セルフィア城門


ポコリーヌ「メグ!」

「…………。」
ポコリーヌ「…………行くのデスか? セイレーンの元に。」
レスト「……はい。」
ポコリーヌ「……そうデスか……。」
ポコリーヌ「うむ。行ってきなサイ。」
ポコリーヌ「ワタシは、どーんと帰りを待ってマス。」
「……………。」
レスト「……はい。それじゃあ……。」

「…………。」

ポコリーヌ「おおふっ!」
「……! ……!!」
ポコリーヌ「メ……メグ!?」
「ご……っ、め……っ!」
ポコリーヌ「メグ……。」
ポコリーヌ「メグ、ワタシは大丈夫デスから。」
ポコリーヌ「だからそれ以上しゃべらないで。まだノドが痛むのデショウ。」
ポコリーヌ「……声が戻ったら、またあなたの美しい歌を聴かせてくだサイ。」
ポコリーヌ「元気なあなたの姿が見れれば、ワタシはそれでいいのデス。」
「…………!」
ポコリーヌ「さあメグ、行きなサイ。」
ポコリーヌ「……彼と共に。」


 ・ポコリーヌに話しかける

ポコリーヌ「……また、元気な姿で 帰ってくるのを待っていマス。」


 ・マーガレットに話しかける

レスト「セイレーンの所へ行こう。」
「……………。」


夏エリア キーノ湖


レスト「いた……。」
レスト「マーガレット、準備はいい?」
レスト「僕が言葉にするから、筆談で伝えて。」

セイレーン「来たか……。」
「…………。」
セイレーン「エルフの声は素晴らしいな。言葉も、歌も取り戻せた。」
レスト「セイレーン……。」
セイレーン「どうした? 今度は命を奪われに来たか?」
「…………。」
レスト「わかった、伝えるよ。」
セイレーン「……筆談か。こざかしい人間の浅知恵だな。」
「…………。」
レスト「『キミは』──」
レスト「『キミは、アウディなの?』」


アウディ「なぜ、その名前を知っている……?」
レスト「やっぱりそうなんだね……。」
アウディ「なんだと……!」
レスト「『キミは昔、人間に出会ったはずだ』」
レスト「『その人と仲良くなって、楽しい時を過ごした』」
レスト「『そしてキミはきっと──』」
レスト「…………。」
レスト「『恋をしたんだ』……。」

レスト「『人を襲う事をやめたんだ。愛する人が出来たから』」
レスト「『そしていつか、人を誘う歌も歌わなくなった』」
レスト「『セイレーンというモンスターでいる 意味を失ったキミは──』」
レスト「『いつしか本当に歌えなくなってしまったんだ』」
アウディ「…………。」
レスト「『でも……その時キミはそれで良いと 思ったんじゃないかな』」
レスト「『だって大切な人がそばにいた。それが、幸せだった』」
レスト「『それでも今再び、歌う声が必要になった』」
レスト「『その理由は──』」


アウディ「黙れ!」
アウディ「生意気な人間共よ! 八つ裂きにしてくれるぞ!!」
「ま……待って! き、聞いて! ……アウディ!!」
「…………うぅ!」
レスト「マーガレット!」
アウディ「その状態でノドを震わすか……。さぞ苦しいだろう……。」
「……こ、こんなの平気だよ。」
アウディ「何……?」
「キミが今受けている苦しみに比べたら へ、平気だ……。」
アウディ「私の苦しみだと……?」
「む、難しいよね……、生きている世界が違ったから……。」
「で、でもね──」

アウディ「ええい、黙れ! その耳障りな口を閉じろ!」
「閉じないよ」
アウディ「なッ!?」
アウディ「お前は何をしに来た!? 声を取り戻しに来たのだろう!?」
アウディ「ならば剣を持て! 存分に戦おうぞ! そのために来たのだろう!!」
「違う。」


「キミを助けに来たんだ。」


アウディ「何を……言っている……?」
「う……ぅぅ……。」
レスト「マーガレット! 僕が伝えるから!」
「…………ご、ごめん。」
アウディ「私を助けるだと……? お前は……。」


レスト「『キミが恋をしたという人……』」
レスト「『いつの日からか、会えなくなってしまったその人を』」
レスト「『キミはただ、取り戻したいんだよね』」
レスト「『だからキミは声が欲しかった。その人を、再び歌で誘うために』」

レスト「『……悲しいけれど、長い時が過ぎてしまった』」
レスト「『キミにとっては、一瞬だったのかもしれない』」
レスト「『でも、君が待ってるその人はもう、この世にいないんだ』」
アウディ「…………やめてくれ。」
レスト「『このままじゃキミが辛いだけだ。だから、聞いて』」
アウディ「…………聞きたく……ない。」


レスト「『受け入れるんだ、かけがいのない、大切な今を』」
レスト「『大切なものは、失ってから気付いてしまう』」
レスト「『だから、それを考えれば考えるほど、大切な人といられる時間が愛しい』」
レスト「『いつか終わりを迎える時 私達は色んな事を振り返ると思う』」
レスト「『その思い出は、その大切な人の姿で 埋め尽くされていて欲しい』」
レスト「『だから私達は今を歌い続けるんだ』」
レスト「『声の続く限り、愛する人の名前を呼び続けたいんだ』」

レスト「『お願い、アウディ。大切な過去から逃げないで』」
レスト「『同じくらい大切な今を受け入れて、その苦しみから解放されて』……。」


アウティ「あの人がこの世にいない。」
アウディ「そんな事は……わかっていたさ!」
アウディ「だが信じてもいいだろう?」
アウディ「歌い続けていれば、あの人が帰ってくると!」
アウディ「あの人は私の歌が好きだと言ってくれた!」
アウディ「私が歌えなくなってからも、何度も何度も会いに来てくれた……!」
アウディ「……結局、私はあの人に 想いを伝えることが出来なかった。」
アウディ「ただ、それが……、悔やまれて仕方ないのだ……。」
アウディ「……きっとあの人は、私の事など覚えておるまい。」
アウディ「しょせん私は モンスターでしかないのだからな……。」
アウディ「それでも私は……あの人の事を片時も忘れた事は無いのだ……!」
(アウディ……。)

レスト「『アウディ、これは、キミへ残されたメッセージだ』」
アウディ「……そ、それは……!」
レスト「『聴いてあげて』」
アウディ「…………。」


アウディへ――
私の事を覚えているだろうか。
こんな形での再会を、
すまなく思う。
もう……私は君に会いに行く事が
出来なくなってしまった。
少々、歳を取りすぎてしまったようだ。
君の美しい声が聞けてよかった。
この声が、君に届くことを願う。
ありがとう。
そして、さようなら。


アウディ「…………。」
アウディ「…………ああ。」
アウディ「ああああああああ…………!」
レスト「『忘れてなんかいないんだよ』」
レスト「『それどころか、死の間際まで 君の事を想っている』」
レスト「『誰だって、大切な想いは忘れられない』」
アウディ「…………。」
アウディ「涙など……、まだ私に残っていたのか……。」

アウディ「あの人は死してなお、私のために 声を残してくれたと言うのか……。」
アウディ「……ならば私も……。」
アウディ「彼が残したなら、私も残さねばならぬ。」
アウディ「あの人との日々を歌にして……!」

アウディ「エルフの娘よ。」
「?」
アウディ「私はお前がキライだ。」
「…………。」
アウディ「……私の残す歌は、私の声でなければならない。」
アウディ「私は、何としてでも 自分の声を取りもどさねばならぬ。」
「…………。」
アウディ「……わからぬか?」
アウディ「お前の様なヤツの声は、もう必要ないと言っている。」
アウディ「……だから、返してやろう。」
(アウディ……。)


アウディ「娘。」
「?」
アウディ「お前は……私のようになるなよ。」


「あ……。」
レスト「マーガレット……?」
「こ……声が出せる……!」
「声が戻った!」

レスト「わっ!」
「戻った! 戻ったよ!」
レスト「マーガレット……。」
「戻ったんだ……!」
「呼べる……呼べるよ! キミの名前が!!」
「ねえ、レストくん!」
「レストくん!! レストくん!!!」
レスト「マーガレット。」
「レストくん……。」


セルフィア広場


「みんなにお礼を言わないといけないね。」
レスト「そうだね。」
「レストくん、ありがとう。」
「それと……、あの、耳、貸してくれる?」


どうぞ ・右の耳? 左の耳?


▼右の耳? 左の耳?
「えっと……えっと、じゃあ左。」


▼どうぞ
レスト「???」
「(あのね……、あの……)」
「(今度は……)」
「(今度は、キミから大切な言葉を聞かせてね♥)」

「待ってるから!」
「じゃ、私、みんなにお礼言ってくる!」

レスト「大切な言葉……。それって──」


 ・マーガレットに話しかける

「レストくんの大切な言葉、待ってるね。」


 ・住民に話しかける

セルザウィード「セイレーンの件、無事に解決したようだな。」


ヴォルカノン「がんばりましたな、レスト殿。」
ヴォルカノン「これでまた、食堂が明るくなりますぞ。」


クローリカ「メグちゃんが元気になって 本当に良かったです~!」


ビシュナル「マーガレットさん、元気になったんですね!」
ビシュナル「さすが王子です!」


コハク「メグちゃんが元気になってよかったの!」
コハク「レストくん、がんばったね~。」


エルミナータ「あの小ビンって本当に セイレーンに関係していたのね……。」
エルミナータ「さすが私! 名推理!」


ブロッサム「もうメグは大丈夫だね。」
ブロッサム「それにしても若いってのはいいねえ。」


ダグ「マーガレットは元気になってよかったじゃねーカ!」
ダグ「おつかれさん、レスト!」


ポコリーヌ「お疲れ様デシタ、レスト君。」
ポコリーヌ「もう、メグの事は何も心配ないんデスね。」
ポコリーヌ「……良かった。」


アーサー「マーガレットさん、無事に声を取り戻せたのですね。」
アーサー「後で取引先にもお礼を言っておかないと……。」


ディラス「マーガレット、無事に声を取り戻せたらしいな。」
ディラス「……お疲れさん。」


リンファ「メグちゃんが元気になって良かったわ。」
リンファ「旅館のお客様にもご報告しなくちゃ。」


シャオパイ「セイレーンの所に行くなら一言欲しかったが……。」
シャオパイ「ま、メグが無事戻ってきてなによりだな。」


レオン「無事に戻ってきたか。」
レオン「この前は……少し厳しい事を言ったな。」


フォルテ「メグが元気になって良かったです。……本当に。」


キール「今回の事件で、セイレーンに詳しくなっちゃった。」
キール「きっとまだまだボクの知らない事が たくさんあるんだろうな~。」


バド「マーガレットが元気を取り戻したそうだナ。」
バド「あのコはやっぱり元気でないとナー。」


ドルチェ「メグ、元気になってよかった。」
ピコ『もっと素直によろこんだらいいのにー』
ドルチェ「……うるさい。」


ジョーンズ「マーガレットさんの声が無事に戻ったらしいですね。」


ナンシー「これからまたメグちゃんの歌が聴けるのね。」
ナンシー「お疲れ様、レストくん。」

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最終更新:2021年09月30日 12:33
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