例えば。
この衝動に身を任せたなら。
わたくしは、楽に成れると知っていました。
思うように梨花を貪り喰えば、きっとわたくしの狂気も収まると、そうわたくし自身の躯が教えていたのです。
でも。
わたくしが梨花を失うのは解っていて。
わたくしには、それが何より怖かったのです。
何よりも…梨花の側に居れなくなるのは嫌だったのです。
だけれども。
この黒い思いは消えることはなく。
身を焦がす日々は続きます。
だから。
この想いは、わたくしの中をくるくると、狂々と廻り続けるだけ。
出口を失い何時の日か壊れるまで…同じところを行ったり来たり。
最終更新:2006年09月07日 00:47