メタ視点


主にパロロワの書き手達により使われる用語。
「メタ」とは英語で「高次の、変化した、超越した」などを意味する接頭語である"meta"の意で、
この場合は「高次の視点」、すなわちパロロワをフィクションの創作として見る、書き手や読み手の視点を指す。
類義語に、「神の視点」や「第三者からの視線」という表現方法もあるが、「メタ視点」という表現を用いる場合、
そこには書き手や読み手の思惑や主観が混じり込んでいる、というニュアンスを暗示している。

パロロワは主に2chを舞台に行われるリレーSS企画であり、投下するSSには
「矛盾が無い、あったとしても後続のSSや読み手側の脳内補完で、リカバリーの利く範囲に収まる」、
という要求を満たすことが大前提となる。

しかしその一歩次の段階である「読み物として面白い」、という要求を満たそうとすれば、様々な要素を考慮しなければならない。
SSだけに留まらない、アニメや漫画などのフィクション全般に言えることだが、物語を面白くするための手法にはある程度の定石がある。
また、リレーSSという企画の性質上、書き手は他の書き手の存在を意識することも必要となり、
よって過度に冒険的なストーリーを作りそれをリレーさせることは、よほどの事情や実力がない限り、なるべく自粛するべきである。

これらの要素が絡んでいることもあり、企画に投下されたSSについて厳密な考証を行うと、矛盾とまでは行かなくとも
リアリティに欠けた不自然な箇所が散見されることもある。

一例として、パロロワ内での活動キャラクターの睡眠時間がかなりあやふやに記述されていたり、
時には一睡もせずに活動し続けるケースはしばしば見られる。
これは書き手の立場、すなわちメタ視点から見れば、
「下手に登場キャラに睡眠時間を取らせると、物語のテンポが崩れてダレたり、他のパートとの時刻の同期が難しくなる」
などという意図のもとなされた、リアリティの度外視と言う事が出来る。

(もちろん「極限状態でのんびり睡眠を取れる人間の方が、よほど異常な神経をしている」などという反論は可能であるし、
そもそもパロロワに出演するキャラクターの中には、まれに「そもそも睡眠を必要としない特異体質の持ち主である」などという
例外も存在するが)

これ以外にも「マーダーに限って、主催者から渡された支給品が大当たりする」、
「パロロワのSSにおいて運不運などと言った不確定要素が絡んでくる場合、その不確定要素は惨劇を生み出す方向に作用する」、
「そのキャラクターの死の瞬間が誰かに目撃されない限り、大爆発の爆風に呑み込まれて消えたキャラは死なない」、
など、パロロワの法則などでも語られるシチュエーションも、メタ視点から見ればそれぞれ説明がなされる。
上から順に、
「マーダーには対主催を殺してもらわなければならないから、ちょっとマーダーを贔屓しよう」、
「パロロワの趣旨は殺し合いなのだから、熱血展開が起こるくらいなら惨劇を引き起こした方がふさわしい」、
「爆発に巻き込まれたキャラを即死させたらズガン。面白みも何も無い。
これを踏み台に対主催の奇跡の生還orマーダーの不死身っぷりを演出しよう」、
と言った内容が、メタ視点から推測される書き手の思惑の一例である。

もちろんこれらは大っぴらに口にするのははばかられる「公然の秘密」のようなものなので、
読み手側もメタ視点から見たSSの過剰な揶揄は慎むべきであるし、
もちろん書き手側も、メタ視点から見ると露骨にその意図が透けて見えるような、ご都合主義の過ぎたSSを投下することは控えるべきである。

(例として、対主催を贔屓したいがために、その対主催がくしゃみをした拍子に持っていた剣が手からすっぽ抜け、
その剣がマーダーの脳天に突き刺さり即死する、などと言ったずさんな描写をする、など。そこまでやったら、もはやギャグであるが)

ちなみに、まれに「あるキャラが別のキャラの弱点をピンポイントで突く、もしくは書き手が結果的にそうなるように仕向けてSSを書く」ことを、
「メタる」などと表現することもあるが、これは「遊戯王」や「マジック:ザ・ギャザリング」のような
トレーディングカードゲームに出てくる、「メタゲーム」という用語から派生した表現であろう。
詳しくは各種トレーディングカードゲームのサイトやwikiなどを参照のこと。

尚、そもそもの参加者が書き手である書き手ロワ2においては、作中の書き手によるメタ視点ネタがしばしば発生した。
トップマーダーである666は最たるものである。
最終更新:2008年10月10日 03:41