太陽光発電の市場動向

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世界各国の状況

市場規模

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太陽電池セル製造シェア

2008年の世界市場での太陽電池セル製造メーカー上位各社のシェアは次の通りである<ref name="RTS200904">太陽光発電情報、2009年4月分、資源総合システム。ドイツのQセルズ社が2年連続で1位である。振興メーカーのFirstSolarとSuntechがそれぞれ2,3位に浮上し、日本のシャープは4位に後退した。

Template:GER Qセルズ 8%
Template:USA/Template:GER/Template:MYS First Solar 7%
Template:CHN Suntech 7%
Template:JPN シャープ 7%
Template:TWN Motech 6%
Template:JPN 京セラ 4%
Template:CHN Yingli 4%
Template:CHN Ja Solar 4%
Template:PHL SunPower 4%
Template:GER/Template:USA Deutsche Solar/SolarWorld CA 4%

2008年の国別生産シェアは中国が26%を生産して1位、2位はドイツである。日本はドイツに抜かれ、3位に後退している<ref name="RTS200904"/>。

Template:CHN 26%
Template:GER 19%
Template:JPN 18%
Template:TWN 12%
Template:USA 6%

太陽電池セル製造用装置メーカー

2008年の世界市場での太陽電池セル製造装置売上高上位10社は次の通りであるVLSI Research [1]

Template:USA アプライド・マテリアルズ 455,000,000 USD
Template:GER Roth & Rau 275,000,000 USD
Template:GER Centrotherm 270,000,000 USD
Template:CHE OC Oerlikon Balzers 250,000,000 USD
Template:JPN アルバック 240,000,000 USD
Template:GER Manz Automation 140,000,000 USD
Template:GER Schmid Gruppe Technology Systems 125,000,000 USD
Template:GER Von Ardenne Anlagentechnik 120,000,000 USD
Template:GER RENA Sondermaschinen 85,000,000 USD
Template:CHE 3S Swiss Solar Systems 70,000,000 USD


政策

日本の状況

助成策

日本での助成策は電力会社による余剰電力買い取り制度(net metering)が主体であり、自主的に電気料金に近い価格で余剰電力を買い上げている。このほか、下記のような助成制度が各機関によって施行されている<ref name="SSDA_List"/>。(注:全部は網羅されていない。また最新である保証もないため、実際に利用される場合は各自で確認されたい。)また2009年4月現在、助成制度の強化が新エネルギー部会において審議されている。

国・各種団体によるもの

地方自治体によるもの

  • 補助金、低利融資、利子補填など<ref name="SSDA_List">助成制度の一覧(ソーラーシステム振興協会)。たとえば東京都では10年分の環境価値を買い取る形で1kWpあたり10万円程度の助成制度を2009年4月から開始する予定である<ref name="TokyoCity">東京都が太陽光設備の大型助成 クレジットを売却し資金を確保、日経エコロジー、2008年11月11日。また、市区町村レベルの自治体でも補助金制度を設けている場合があり、これらは上級政庁の物と重複して受け取れる。例えば新宿区の場合は1KWあたり18万円の補助金があるため、東京都の10万円と国の7万円を合わせれば、35万円となり、工務店によっては1KW当たり10万円程度の支払いで設置可能となっている。

その他

  • NPOによる支援
設置費用を環境保護に興味のある人からファンドとして集め、それをもとに、大規模な発電システムを設置する。
  • 各電力会社による購入メニュー
自主的に電力料金に近い価格で購入している。法的にはRPS法が一定比率での再生可能エネルギーの調達を義務づけるのみで、買い取り価格に法的な保証は無い。

家庭での利用

日本の環境では2008年現在、導入費用が回収できるまでに必要な期間は15 - 45年と言われている。新築時に導入した場合は20年前後とも言われる。これは設備価格のほか、利子や電力料金、余剰電力の買い取り価格などで変化する。

なおエネルギー収支やGEG排出量の面で考えると、通常は1 - 数年で元が取れる(太陽光発電の環境性能を参照)。

公共施設での利用

施設の通常時の電力供給用、および商用電源停電時の電源の確保・環境保護のために、災害の際の避難場所に指定されている公共またはそれに準じた施設に太陽光発電装置を設置することが行なわれている。導入時の負荷軽減のため、各省庁による各種の補助策も実施されている。

産業を取り巻く状況

  • 日本全体での2008年の生産量は輸出を含めて1224MWpであり、2007年に比べて33%の増加であった<ref name="RTS200904"/>。
  • 累計導入量は2007年末時点で約1.9GW(1919MW)である<ref name="IEA_PVPS_Cumulative">Cumulative installed PV power as of year end, IEA-PVPS
  • 2007年度の国内生産量911MWのうち、8割近くが輸出であった<ref name="JPEA_STATISTICS">統計・資料(JPEA)

国内出荷量の9割近くが住宅向けである。個人宅向けが中心であるが、近年は集合住宅での導入例も見られる<ref name="NEPS_SHIBAURA">http://neps.nef.or.jp/kigyo_04shibaura.html、<ref name="nedobook"/>P.18など)。

日本の主な太陽光発電システムメーカー

2008年における日本の太陽電池生産企業上位6社と生産量は下記の通りである<ref name="RTS200904"/>。

順位 企業 生産量
1 シャープ 473MW
2 京セラ 290MW
3 三洋電機 210MW
4 三菱電機 148MW
5 カネカ 52MW
6 三菱重工業 40MW

大手メーカーではセルから施工まで手がける場合も多いが、太陽電池(セル)製造・モジュール製造・建物への組み込みなど各分野で企業が分業して供給する場合もある。後者は海外で良く見られ、日本企業はセルやモジュールをOEM供給することが多い。

上記以外にもセル生産や部材供給に関わる企業が多数存在する(例:<ref name="JPEA_CompanyList">太陽光発電協会(JPEA)によるメーカー一覧)。

歴史的経過

日本における太陽光発電システムは、オイルショック以降、「サンシャインプロジェクト:1974年に現経済産業省の「新エネルギー技術開発計画(サンシャイン計画)」によって愛媛県西条市に約1000kWの太陽光発電装置を設置し発電・配電の実証試験を開始」等によって技術開発が進められた。1992年に日本初の個人住宅における逆潮流有りの設備が導入され(<ref name="nedobook">なぜ、日本が太陽光発電で世界一になれたのか、NEDO(非売品)P.11)、以降NEDONEF地方公共団体等の助成、および各電力会社の自主的な支援プログラム等により普及して来た。これによって設備価格は数十分の1になり、また日本は生産量・導入量とも世界一となった。2000年まで、ヨーロッパ全体よりも、日本の発電量が多かったほどである。

2005年に新エネルギー財団(NEF)による助成が終了して以降、2007年まで国内市場は縮小した<ref name="JPEA_STATISTICS"/>。日本のシェアは減少し、世界一の座から転落した。この理由としては政策的な不備が指摘され、ドイツなどで成功を収めている固定価格買い取り制度の導入(もしくはその考え方を取り入れる)を求める意見が出ていた(詳しくは固定価格買い取り制度を参照)。

2008年に福田ビジョンによって導入量の大幅増加の目標が打ち出された。これに沿って経済産業省が出した「緊急提言」<ref name="KinkyuTeigen">新エネルギー政策の新たな方向性:緊急提言(案)、経済産業省、2008年6月24日で補助金の復活が示唆されたため、逆に買い控えを招いた<ref name="Kaibikae_TokyoNP">東京新聞、2008年7月3日の記事(緊急提言案により買い控えが発生、業者も困惑)<ref name="Kaibikae_GreenerWorld">緊急提言案に対する批判の例1。この緊急提言の内容は、助成制度として効率が良いとされる固定価格買い取り制ではなく、旧来の補助金制度である点も批判された<ref name="Kaibikae_Iida">緊急提言案に対する批判の例2<ref name="Kaibikae_Ecolife">緊急提言案に対する批判の例3

2009年2月、環境省は太陽光発電を含む再生可能エネルギーの普及による費用や経済効果の試算を行い、そのうち太陽光発電は2020年までに37GWp、2030年までに79GWpの導入が可能ではないかとした<ref name="Kankyosho1">太陽光発電:2030年に55倍…環境省が試算、毎日新聞、2009年2月10日。再生可能エネルギー全体の導入の費用は2030年までに25兆円にのぼる一方、それによる経済効果はその2倍以上になり、同時に数十万人の雇用を生み出すだろうと試算している<ref name="Kankyosho2">太陽光発電増やすには固定価格買い取りを 環境省検討会、朝日新聞、2009年2月10日。普及政策としては固定価格買い取り制度の採用を提案する一方<ref name="Kankyosho3">2020年に太陽光発電を現状の25倍に、環境省検討会、読売新聞、2009年2月11日、今後の産業界との調整などの課題も挙げている<ref name="Kankyosho4">太陽光発電「20年までに26倍」 環境省が試算、NIKKEI.NET、2009年2月10日再生可能エネルギーも参照)。 同月、経産省は初期投資を10年程度で回収できる助成策を導入することを発表し<ref name="ShieneBukai34_CostKaishu">太陽光発電システムのコスト回収の試算、第34回新エネルギー部会 配付資料2-4、2009年5月7日、環境省もこれを歓迎した環境大臣談話 「太陽光発電に関する新たな買取制度の導入について」、2009年2月24日。これによって導入ペースの大幅な加速とコスト引き下げが見込まれている(固定価格買い取り制度を参照)。またソーラーシステム産業戦略研究会により、2020年の世界シェアの1/3を獲得した場合、関連産業の経済効果が最大で約10兆円、雇用規模は最大で11万人と試算されるなど、経済・雇用に及ぼす好影響が期待されている<ref name="SolarSystemSangyo">「ソーラー・システム産業戦略研究会」報告書、経済産業省、2009年3月18日。主要各政党も助成制度を強化する姿勢を打ち出しており、導入ペースの前倒しや対象の拡大などが提言されている日本経済再生への戦略プログラム(最終報告)―今、未来への投資、新たな成長ステージへ―、自民党、2009年4月15日エコ発電全量買い取り義務化 民主マニフェストに明記へ、2009年3月3日太陽光発電 世界一奪還めざす、公明党、2009年3月21日

こうした動きを受けて新エネルギー部会などにおいて制度の審議が進められた<ref name="ShinEneBukaiList">総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会(経済産業省)。計画を数年前倒しして2020年までに普及量を2005年の約20倍(28GWp)にする目標が打ち出され、経済危機対策などの観点から早期の導入も図られ<ref name="ShiEne37">新エネルギー部会(第37回)配付資料、2009年11月1日から開始されることとなった<ref name="asahi20090825">太陽光発電買い取り新制度、11月1日から、朝日新聞、2009年8月25日。新制度開始時の住宅における余剰電力の買い取り額は48円/kWh(他の自家発電設備併設の場合は39円/kWh)となる(固定価格買取制度を参照)。 またこれと並行して、学校への導入推進<ref name="Monkasho_School">学校施設への太陽光発電導入の推進、文部科学省など他の助成策も進められている。

議論

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  • 電力の側の買い取り価格が揚水発電所とほぼ同じコストで購入されるならば多くのケースで投資費用が回収可能となり、普及が促進されるとの指摘がある<ref name="WATSYSTEMS">http://trust.watsystems.net/heijyunkahiyouhutan.html

外部リンク

産業団体

日本国内

専門学会・展示会

代表的な専門学会・展示会を下記に記す。

国際学会

国際的な展示会は年間数十件に上るSolarbuzzの展示会情報

日本国内

参照資料

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Template:tech-stub

Template:半導体 Template:DEFAULTSORT:たいようこうはつてんのししようとうこう



最終更新:2009年09月11日 11:21
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