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EWI USBで音を出すまでの設定(Windows) - (2009/03/28 (土) 10:40:39) の編集履歴(バックアップ)


EWI USBで音を出すまでの手順について (Windows版)。

注意:AKAIはMIDIコントローラとソフトウェア音源の両方を「EWI USB」と呼んでいる。しかし、このページでは説明のためにMIDIコントローラを「EWI USB」「本体」「MIDIコントローラ」と呼び、ソフトウェア音源を「ARIA」と呼んでいる。

目次

PCのスペック

このページでの操作は、以下の仕様のPCで行った:

0. インストールする前に注意すべきこと

DTM@2ch掲示板「【EWI,WX】ウィンドシンセ★ブレスコントローラ 12」スレより:
  • Windows XPにて、ログオンユーザ名に漢字が使われていると、ARIAの起動時にログファイル「C:\Documents and Settings\「ユーザ名」\Application Data\Plogue\Aria\AriaEngine_EWI USB.log」の作成に失敗し、ARIAを起動できない。(ユーザ名による。たぶん半角の「¥」と同じ文字コードがユーザ名に含まれているのかも)
    • 対策: アルファベット名の使ったユーザを別途用意して、そのユーザでARIAをインストールすることで解決したとのこと。
  • Windows XPにて、EWI USBが正常に認識されているにもかかわらず、音が鳴らない。
  • (この項目は未確認) Windows XPにて、MIDIデバイスの個数の最大値を超えた。(毎回、異なるUSBポートに機器を接続していると、別のデバイスとみなされるために、最大値を超えてしまうらしい)
    • 対策: 不要なデバイスを削除する。レジストリを(31) デバイスマネージャですべてのデバイスを表示するの手順で修正して、未接続のデバイスをすべてデバイスマネージャに表示するようにしてから、不要なデバイスを削除する。
    • 参考1: EWI4000s用の音色エディタ「Vyzex」の付属マニュアルの1つ「Vyzex EWI4000S Troubleshooting.pdf」の7ページ目にも同様の項目がある。

1. EWI USB付属ソフトウェアをインストールする

付属のDVD-ROMからソフトウェア (ARIA) をインストールする。

OSの再起動は促されなかった。(ただし、同じPCに数日前に KORG nanoKey (キーボード) をインストールした。これもMIDI over USBな機器ので、その影響かもしれない)
ファイルが大量にインストールされるので、インストール後にデフラグしておくとよいかも。(自分はAusLogics Disk Defragとかcontigを使った)

2. (ARIAを起動せずに)EWI USBをPCに接続する

最初は、キャリブレーションの邪魔にならないように、EWI USBを手に持たずに、どこかに置いてからPCに接続するとよい。

キャリブレーションが成功すれば、EWI USBのSTATUS LEDが緑色に点灯するようだ。USBケーブルの接続からSTATUS LEDの点灯までの時間は1秒未満だった。(たぶん湿度とかで変わると思われる。EWI4000sだと湿度が極端に変わると手動で調整する必要があったので)

キャリブレーションはUSBを接続したときに行われるが、手動で実行することも出来る(と日本語マニュアルに記載がある)。
RESETボタンをSTATUS LEDが消灯するまで押せば、キャリブレーションが実行される。実行中はSTATUS LEDが点滅する。

デバイスマネージャの「表示→デバイス(種類別)」では、EWI USBは以下のように表示される:

3. Tools→Preferenceの設定

「プログラム→AKAI EWI USB→AKAI EWI USB」(ARIA)を起動して、メニューバーからTools→Preferenceを開く。


Input MIDI DevicesにEWI USB や他のデバイスにチェックを付ける。
  • Windows XPでは「USB オーディオデバイス(in)」と表示される。またARIAをv1.005にアップデートしたときは文字化けしている。
Output MIDI DevicesにはEWI USBだけチェックを付ける。他のデバイスのチェックは全て外す。
  • Windows XPでは「USB オーディオデバイス(out)」と表示される。またARIAをv1.005にアップデートしたときは文字化けしている。
  • 演奏するだけならEWI USBのOutputは不要だが、「Tools→EWI Configuration」でEWI USBを設定するなら必須。
  • Output MIDI Devicesに他のデバイスにチェックを付けても、何の御利益もない。また、ASIO4ALLが使えない原因になりうる(「Microsoft GS Wavetable SW Synth(out)」や「SoundMax WDM MIDI(out)」にチェックを付けた場合)。

さらに「Audio Device API」と「Audio Device」を選ぶ。
Audio Device API (Windows上での、ソフトウェア→オーディオデバイスの間のデータ転送方法の種別)は、MME, DirectSound, ASIOの3種類が存在する。
ARIAではどれも使えるが、リアルタイムに演奏するときはレイテンシ(latency。データを送ってから、実際に音が出るまでの時間) を短くするために、ASIO対応のオーディオデバイスが必須。ASIO4ALLなどのドライバソフトウェアを用いるか、ASIO対応オーディオインターフェイスを用いること。

Buffer Size一覧:
MME 4096, 8192, 16384, 32768
DirectSound 4096, 8192, 16384, 32768
ASIO (オーディオインターフェイスとその設定によりけり。EDIROL M-16DX + ARIAのEWI USB v1.005の場合: 96~)

レイテンシ値は、
MME, DirectSoundのBuffer Sizeの最小値は4096。 Sample Rate = 44100Hzのとき、2× 4096 / 44100 = 186ミリ秒
ARIAのEWI USB v1.005のログファイルに「PortAudio on DirectSound - Latency = 8192 frames, 185 msec」と記録されている)

ASIOでM-16DXを用いた場合、Buffer Size=96、Sample Rate=44100Hzのとき、3ミリ秒のようだ。
ARIAのEWI USB v1.005のログファイルに「PaAsio : ASIO OuputLatency = 140 (3 ms), added buffProc:0 (0 ms)」と記録されている)

以上のことから、MME, DirectSoundではリアルタイムに演奏するときは実用にならない。よって、WindowsでARIAを使う場合、ASIO対応のオーディオデバイスが必須。ASIO4ALLなどのドライバソフトウェアを用いるか、ASIO対応オーディオインターフェイスを用いること。

なお、音速を340m/sとすると、MME, DirectSoundのレイテンシ最小値186ミリ秒は、340m/s×0.186s = 63.2m離れた場所から音が到達するときにかかる時間に相当する。同様にASIO対応のM-16DXの3ミリ秒は、340m/s×0.003 = 1.026m に相当する。

4. Tools→EWI Configurationの設定

次に、Tools→EWI Configurationを開いて設定する。ここで設定した値はEWI USB本体に記憶される。ARIA Playerには記録されない。

この画面を開くと、「3. Tools→Preferenceの設定」でMIDI IN/OUTの両方にEWI USBを設定している場合、EWI USBから現在の設定が読み出されて、ARIAの画面に表示される。

初めてEWI USBを使うときは、左上の「Reset」の左隣のボタンを押して設定を初期化すること。(注意:Resetボタンを押すと、3つのタブの設定項目が全て初期化される。またEWI USBに記憶されている設定も初期化される)

Resetを押した後には、おのおののタブは次のように設定された (EWI USB v1.0):

[[ARIA#Akai EWI USB v1.005>ARIA#id_5d6606c4]では、Breath CC2にAftertouchが設定された:

EWI Configuration (EWI USB本体に記録される設定)の項目一覧:
項目名 初期値 範囲 意味
Breath Gain 64 0~127 ブレス(息)の感度
Bite Gain 64 0~127 マウスピースを噛む(bite)力の感度?
Bite AC Gain 64 0~127 たぶんマウスピースを噛んだときのdown-upの時間。大きいほど遅くなるようだ
Pitch Bend Gain 64 0~127 ピッチベンドプレートの感度
Key Delay 7 (短い)0~15(長い) ノートキーへの反応時間
MIDI Channel 1 1~16 MIDI OUTのチャンネル番号
Transpose 0 = C (1オクターブ下)-12~+12(1オクターブ上) トランスポーズ
Fingering EWI Standard EWI Standard / Saxophone / Flute / Oboe / EVI valve 1 / EVI valve 2 運指
Breath CC1 2 Breath Controller (coarse) OFF / CC#1~119 / Aftertouch ブレスで出力するMIDIメッセージ(1)
Breath CC2 OFF OFF / CC#1~119 / Aftertouch ブレスで出力するMIDIメッセージ(2)
Bite CC1 127 Pitchbend down-up OFF / CC#1~199 / 124 Pitchbend Up / 125 Pitchbend Down / 126 Pitchbend up-down / 127 Pitchbend down-up マウスピースを噛んだとき出力するMIDIメッセージ(1)
Bite CC2 OFF OFF / CC#1~119 / Aftertouch マウスピースを噛んだとき出力するMIDIメッセージ(2)
Velocity Static 120 Dynamic(=ブレスで値を決める) / Static(=固定値出力) 1~127 ノートオン(発音)時に併せて出力するベロシティ値
Pitchbend UP control Pitchbend UP OFF / CC#1~199 / Pitchbend UP ピッチベンドプレート(上)で出力するMIDIメッセージ
Pitchbend Down control Pitchbend DOWN OFF / CC#1~199 / Pitchbend DOWN ピッチベンドプレート(下)で出力するMIDIメッセージ

5. 音色を1つ選ぶ

あとは、以下のように「empty」をクリックして音色を選べば、EWI USBで演奏できるようになる。
音色の一覧や特徴はARIA#EWI USB付属版を参照。

A. EWI USBを接続していないときの画面

EWI USBを接続していないとき、あるいはARIAを起動した後にEWI USBを接続した場合には、PreferencesにはEWI USBは表示されない。
この状態では当然ながらEWI USBを用いて演奏することはできない:

B. EWI USBのOutputにチェックを付けていないときの画面

EWI USBを接続していないときや、Tools→PreferencesでEWI USBのOutputにチェックを付けていないときは、EWI Configurationは次のように、設定値がすべて0になる。
このようになる理由は、MIDI OUTが接続されていないのでEWI USBに設定情報の送信を指示できず、EWI USBから設定値を読み出せないため。
この状態でも演奏には支障がないが、EWI USBの設定を調整できない。


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