有効ポテンシャルと惑星の軌道
Yahoo!知恵袋への回答をきっかけに,有効ポテンシャルと惑星の軌道の関連について整理してみた。
太陽を原点とし,太陽および惑星の速度を含む軌道面上における平面極座標を
とする。
惑星の力学的エネルギーは,
角運動量保存により,
したがって,
を得る。ここに,
は動径方向を1次元運動として取り出して解析するのに用いられる「有効ポテンシャルエネルギー」である。第1項は遠心力のポテンシャルエネルギーといえる。
は上図のような形状になり,
となる範囲で運動が起こる。惑星の力学的エネルギー
の大小によって,軌道は次のように分離する。現実の惑星はもちろん,(3)に当たる。
の最小値を
とするとき,
である。
(1)
のとき
惑星はいかなる運動エネルギーも持つことができず,軌道は成立しない。
(2)
のとき
となるから惑星は円軌道をとる。軌道半径は,
となる。
(3)
のとき
運動は,
を満たす
の範囲で起こる。
不等式を具体的に書いて,
に注意しつつ
について整理すると,
となる。左辺 = 0 の解を
とおけば,
となり,運動は
の範囲に限定される。
は近日点距離,
は遠日点距離に他ならない。
(4)
のとき
不等式は,
となるから,左辺 = 0 の解のうち意味のある正の方を
とおくと,
運動は,
で起こる。
で放物線軌道,
で双曲線軌道となる。
【参考】
最終更新:2010年08月12日 09:59