『Phun』を力学シミュレータに(4)
スケールと時計がそろったところで,応用問題。円筒内をころがる円板の周期を導出し,シミュレーションで「実測」してみた。

半径Rの円筒内面をころがる,質量m,半径rの円板を考える。最下点からの各変位を\theta,その振幅を\theta_0とすると,エネルギー保存により
\frac{1}{2}m(R-r)^2\dot{\theta}^2 + \frac{1}{2}\cdot\frac{1}{2}mr^2\cdot\left(\frac{R-r}{r}\right)^2\dot{\theta}^2 = mg(R-r)(\cos\theta-\cos\theta_0)
したがって,
\frac{d\theta}{dt} = 2\sqrt{\frac{g(\cos\theta-\cos\theta_0)}{3(R-r)}}
となり,周期を求めると
T=2\sqrt{\frac{3(R-r)}{g}}\int_0^{\theta_0}\frac{d\theta}{\sqrt{\cos\theta-\cos\theta_0}}
を得る。

『Phun』でシミュレートした。R=1.5,r=0.76の設定で\theta_0は70°ぐらい。
下図は,1周期後に停止した画像。


Mathcadで数値積分してみた。シミュレーションでも減衰が激しいので,1回目の振動は実質\theta_0=\pi/3ぐらいと考えた。周期はかなりよく一致している。
現実には,振幅をこれだけ大きくしてすべらずに転がり振動させることは難しく,減衰も激しいので,測定は微小振動に限定されるだろう。


『Phun』によるシミュレーション

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最終更新:2009年03月20日 11:09