エピローグは近い。
私はこの時をどれほど待ち望んだことか。
君と初めて会ったあの日から!
そう、あの日から私の中に君が消えることなく住み着いた。
まだ君の父、海馬剛三郎が社長だった頃――
同じ兵器産業企業として我がシュレイダー社はその後塵を拝していた。
私の父にとってそれは屈辱以外の何物でもなかった。
由緒あるシュレイダー家が高々なりあがりの企業に負けることなどあってはならなかったのだ。
私は次期後継者として、海馬コーポレーション、いや同じく次期後継者となるであろう海馬瀬人、君を乗り越え、叩き潰すよう徹底的に教育された。
父が海馬コーポレーションへの対抗心をたぎらせればたぎらせるほど我がシュレイダー社の業績は悪化の一途を辿った。
父はショックと心労が重なり一線を退いた。
父の名を社長に据えたまま、私は実質的にシュレイダー社の実権を担わされた。
そして私が最初に行ったことは兵器産業部門からの撤退、そしてゲームアミューズメント産業への新たな参入だった。
海馬コーポレーションへのこだわりを捨て、私は自滅の道を防いだ。
だが!
回想内セリフ
ん…?
な…!なんだと?!
それから私は迫りくる君の影を振り切るように来る日も来る日もゲーム開発に没頭した。
そして私はデュエルモンスターズに革新がもたらされるであろう画期的な開発に成功した!
しかし…
遅かった…
ソリッドビジョン開発の特許はわずかな差で君の手に奪われた。
だが、ここにきてようやく運命が私に微笑みかけてきた。
海馬コーポレーションの株価が低迷し、信用を失っているこのタイミングで私が君を倒せば、あのペガサスも君を見限り、我がシュレイダー社を新たなパートナーに選ぶだろう!
海馬!君が仕向けたこの戦いに文字通り海馬コーポレーションの運命がかかっていたのだよ!
なに?!
海馬…!
無駄だ!「霊剣ノートゥング」に斬れぬドラゴンなどない!
だがその効果を使うには1000ポイントのライフを払わなければならない。
お前のライフポイントは
ん…?
なに…?!
あ…ああ…!
く…!私のターン!ドロー!
手札より「強欲な壷」発動!デッキから2枚カードをドロー!
手札より永続魔法「魔力の布施」を発動!
このカードは発動時に1000ポイントライフを回復する!
そして毎ターンごとに魔法カードの使用枚数を宣言し、その枚数につき500ポイント互いにライフを回復する!
宣言枚数に足りない場合は1000ポイントのダメージを受ける。
私の宣言枚数は1枚!
さらに手札から魔法カード「終幕の光」を発動!
ライフポイントを1000払い墓地より光属性モンスターを特殊召喚することができる!
蘇れ!ブリュンヒルデ!
相手プレイヤーも墓地から攻撃力2000以下のモンスターを攻撃表示で特殊召喚することができる。
ブリュンヒルデの効果により、ドラゴン族一体につき300ポイント攻撃力アップ!
「ワルキューレ・ブリュンヒルデ」で「グランド・ドラゴン」を攻撃!
形勢逆転だな海馬。ターンエンドだ。
なに?!手札1枚で4枚の宣言をするだと!
な…本当にひけるとでも…?!
なに…!
愚かな!ブリュンヒルデの攻撃力はドラゴンの数だけアップする!
ブリュンヒルデの攻撃力に太刀打ちできるドラゴンなd
な…!
血迷ったか!海馬!
相打ちなら守備力を1000下げることでブリュンヒルデの破壊は免れる!
く…あ…!
私の…ワルキューレが…!
あ…ああ…!
あああああー!!
く…おのれ…!
最終更新:2007年11月11日 15:13