讃州中学を卒業した友奈と東郷。
進学先は家から通うには少し遠い場所にあるため、2人は学生寮に入る事になった。
「今日からここに住むんだね!」
「思ったより広めの部屋で良かったね、友奈ちゃん」
大体の荷物を運び終え、ようやく一息つけた2人はベッドに腰かけていた。
あとはこの備え付けの二段ベッドの上と下、どちらが使うか決めるだけだった。
「東郷さん、改めて宜しくね。色々迷惑かけちゃうかもしれないけど」
「そんな、私の方こそ不束かものですが宜しくお願いします」
そんなやり取りをして笑い合う。
ずっと一緒にいると約束した友奈と東郷。
友奈の意識が戻ったあと、2人は一生添い遂げようと心に誓った。
そしていつか一緒に暮らそうと、それが思いのほか早く叶ったのである。
「さて、東郷さんはベッドどっち使いたい?」
「私はどっちでも、友奈ちゃんが決めていいよ」
「え、うーん…」
ベッドの上と下を見比べて友奈が悩む。
どちらでも良かったが、1つだけ欲を言うならと、少し照れながらと東郷に視線を向ける。
「一緒に寝ようか、東郷さん」
「友奈ちゃん…うん、私も一緒に寝たい」
これ以上にないくらい笑顔になる東郷。
自然と手を重ねて指を絡め合った。
「でも友奈ちゃん、ベッド汚さないようにしないとね」
「…そ、そうだね」
なんというか二人共セックスの時に出る愛液や潮の量が普通ではなかった。
友奈の部屋で初体験を迎えた時も、快感に身を任せていたら友奈のベッドをぐしょぐしょに濡らしてしまい、後片付けが大変だったのを覚えている。
初めはお互いお漏らししてしまったのかと勘違いして焦ったが、後で身体の正常な反応だとしって安心した。
「下着やシーツは私がいくらでも洗うけど、ベッドにまで染み込んじゃったら大変だしね」
「エッチの回数、決めておかないとね…土、日とか? 勿論東郷さんがOKな時だけど」
「…そう、だね」
冷静にとても恥ずかしい話をしていると思う。
見つめ合った視線の先に、大好きな人が頬を染めて自分だけを、私だけを見てくれている。
身体を寄せ合い、自然とベッドに倒れ込んだ。
「でも、我慢出来ない時とか…あるよね?」
「…うん。私も我慢できずに友奈ちゃんを襲っちゃう時あるかも」
「東郷さん…でも今日は私が襲っちゃうね」
ついばむように唇を重ね、服を脱がし合っていく。
これから何度このベッドで目の前の愛する人と身体を重ねるのだろうと、そんな事を考えながら。
- 翌日、2人は下のベッドを乾かすために上で寝る事になった。
最終更新:2015年05月17日 12:32