ゆっくりアリスを捕まえて……
「ゆっぐりざぜでー!!!」
山道を歩いていると、何処からか叫び声が聞こえてきた。
慌てて声のする方向に向かうと、ゆっくりアリスがゆっくり魔理沙を襲っているところだった。
「ゆ゛ゆ゛ゆ゛く゛く゛く゛り゛り゛り゛り゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛」
「まりさ! まりさ! まりs?」
これ以上こんな気色悪いもん見たくないので二人を引き離した。
「まりさ! まりさ!」
それでも未だ飛び掛ろうとするコイツをバッグに詰め込んだところで、ゆっくり魔理沙に話しかける。
「やぁ、大丈夫だったかい?」
「ゆっぐりできるよ、おにいさんありがとう」
随分と礼儀正しいゆっくりだ、気に入った。
「そうかい、よかったら家においで、面白いものを見せてあげるよ」
「ゆ! おもしろいもの! みたいみたい。おうちつれてって」
「はは、じゃあ着いておいで」
連れてきたゆっくり魔理沙を中庭に通し、ここでまっててねと言って、自分は家の中に入る。
手持ちのバッグの中を見る。
「……ブツブツ……まりさ……れいむ……かわいいかわいい……ブツブツ……」
どうやら一応落ち着いたようだ。
バッグから取り出すとあたりをキョロキョロと見渡し始めた。
「……おじさんもゆっくりしたいの? しょうがないから、いっしょにゆっくりしてあげるよ」
ここまで本人そっくりの台詞を言う、ゆっくりも珍しい。
「それはよかった。じゃあ、これを被ってごらん」
「うん!!! しょうがないなぁ。ゆゆ!!!」
被せる帽子は昨日の使ったゆっくり魔理沙の山高帽、とたんにゆっくりアリスの顔がガラッと変わる。
「まっまりさ!まりさのぼうし!」
「なかなか、似合ってるよ」
「おじさん、ぼうしありがとう。……はぁはぁ、まりさ!」
喜んでいるゆっくりアリスは、一見するとゆっくり魔理沙に見えなくも無い。
後は本人がどう思うかだ。
隣の部屋からもう一匹のゆっくりアリスを取り出す。
昨日、一晩中ゆっくり魔理沙と交尾をさせていたのだ、無論ただの交尾ではなく、その直前で引き離す。
そんな事を今朝まで永遠と繰り返してきたゆっくりアリス、焦点の定まっていない目で、目の前のゆっくりアリスを見つめていた。
「まっまりざー!!!」
「ゆ?」
尋常ではない声と速度で一気に飛び掛ったゆっくりアリス。
一方、飛び掛られた方も何がなんだが分かっていない。
「まりざー!まりざー!!」
「ゆっ!はなじで、はなじで!!!」
「まりざまりざ!!!」
必死で体を擦りあわす、あまりに激しく過ぎたのか山高帽が落ちてしまった。
「ゆー!アリスはまりさじゃないよ!!やめでよ!!!」
「ゆっ!!!」
どうやら、気付いたようだ冷静な顔に戻っていく。
が。
「ありすでもい~よ♪ ありす!ありす!」
「いやだー!ゆっぐりざぜでー!!!」
それも一瞬で元の表情に戻っていた。
「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛」
「う゛う゛う゛わ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛、や゛や゛や゛め゛め゛て゛て゛て゛ー!!!」
「ゆ゛ーーー!」
「だずげて゛、ま゛り゛ざぁ、あ゛あ゛あ゛ーーーーーーーーー!!!」
「ゆー!すっきり♪」
騒音のような音を出して、ようやく終わった交尾。
既に、朽ち果てたゆっくりアリスの頭には茎が生えていた。
しばらくすると、ポトポトとゆっくりアリスの赤ちゃんが落ちてきた。
「「「ゆっくりしていってね」」」
「ゆ!」
その様子を見ると、おそらく初めて見たのであろういきなり現れた、小さなゆっくり達に戸惑っている。
「これはこのゆっくりが生んだ赤ちゃんさ。こいつが死んだから、お前が母親代わりをすることもできるよ」
「あかちゃん。……ゆっ!みんな、おかあさんといっしょにゆっくりしようね!!!」
「おかあさん、ゆっくりしようね!!」
「うん、みんなでゆっくりしようね」
なんとも微笑ましい光景だ、母親となったこのゆっくりも一人じゃなくなるのが嬉しかったんだろうな。
いったん席を外す。
庭に行くと、ゆっくり魔理沙が待っていた。
「おにいさんおそいよ! まちくたびれたよ」
「ごめんごめん。さぁおいで、いっしょにゆっくりしよう」
「うん、ゆっくりしたいよ!」
「まっまりさ!!」
「ゆゆ!!」
「まりさぁー!」
「ゆっぐりじだいよー!!!」
第二ラウンドに突入したようだ、始めてみる赤ちゃん達は引いているが当の本人は全く気にしてない。
思えば、なんでゆっくり魔理沙を連れてきたんだっけ?
「ゆ゛ーーーーーーーー!!!」
交尾が終わると、前と同じようにゆっくり魔理沙の赤ちゃんが生まれた。
「「ここどこ? ゆっくりしていってね!!!」」
「こんにちは。おかあさんと、みんなでゆっくりしようね」
「「うん、ゆっくりするよ」」
仲睦まじいその様子を見ながら、家の近くに『貯蔵庫』と書いた巣穴を作ってやった。
これで当分甘いものに困ることは無い。
最終更新:2008年09月14日 09:20