妹紅×ゆっくり系1 ゆっくりたちのトラウマの夜前篇

私藤原妹紅は余り物に執着しない人間だ。
もともと余り物を持っていないのに加え永遠を生きる蓬莱人のため物の儚さもよく知っているからだ。
だが、そんな私でも目の前の状況は怒るには十分すぎた。

慧音のところに遊びに行って、そのまま3日ほど泊まってしまった私は竹林の中の帰り道を急いでいた。
「やれやれ、長居するつもりはなかったのだけどね」
独り言のように呟く。と言っても、もうすでに慧音のところには私の物が一通り置いてあり泊まれるようにはなっているのだが。
「さて、なんか食べ物は残っていたかな?米は1か月分くらいあったし、野菜もこないだ貰ったのが残っていたな」夕飯の算段をしながら竹林を急ぎ足で歩く。
私の家は竹林の庵だ。決して立派とは言えないがとりあえず普通に暮らす分には全く問題なく食料も十分蓄えてあるはずだった。
「ただいまー」誰もいないはずだが一応挨拶。慧音にいろいろ言われた結果染みついてしまった癖の一つである。
が、その帰ってくるはずのない挨拶に今日は返事があった。
「「「ゆっくりしていってね!!」」」
ん?なんだ疲れているのか?なんか変な生首見たいのが跳ねているんだが。
「お姉さんもゆっくりできる人?」「ゆっくりしていってね!!」
ああ、わかったこいつらゆっくりだ。慧音に聞いた近頃大繁殖してる饅頭それがゆっくりだった。何種類かいるらしいが、こいつらはリボンから判断するに霊夢種だろうな。霊夢はそう言われるのを嫌がっているらしいが。
とりあえず、こいつらを追い出さなくてはいけない。村では畑を食い荒らすらしく害獣扱いされているが、まあとりあえず今は殺さずに追い出すだけでいいだろう。
「ほら、さっさと出た。ここは私の家だよ」
「ちがうよ! ここはれいむたちがさきにみつけたんだよ!!!」「そうだよ!ここはれいむたちのおうちだよ!!」 あーはいはいうるさいうるさい
つまんで外に放り出そうとするとすると後ろから「ゆっくりできないんだったら出て行ってね!!」と言いながら一回り大きいゆっくりが体当たりを仕掛けてきた。
前言撤回。追い出すのではなくて処分することに決めた。
とりあえず放り出そうとしたゆっくりをそのまま握りつぶしてみる。
「ゆ”っぐぐうぐがぅぅ?!」奇声をあげると同時に餡子で手が汚れる。あーそういえばこいつら饅頭だっけ。
「どうじでごんなごどするのお”お”お”おお」さっきの大きいのが再びタックルを仕掛けてくる。
どうやらこいつらは家族のようで、一番大きいこいつはお母さんのようだ。家族の情愛というものに私は弱いがこんな饅頭ごときに同情の心がわくこともなかった。
とりあえず、この大きいのは後回しにして残りの二匹の小さいゆっくりを捕まえにかかる。小さいから捕まえにくいとはいえ所詮はゆっくり。あっさりと二匹とも私の手の中におさまった。
「ゆっぐりざぜでええええ!!」「ゆ”っぐりじだいよおぉ!!」さっき私の潰したゆっくりを見ていた二匹のゆっくりは当然ながら暴れまわる。ちなみにお母さんゆっくりは今私の椅子になっており、したから「ゆ”っゆ”っ」と気色悪い声が聞こえてくる。
とりあえず、処分することは決定したとしてどうやって処分したものだろうか。さっきのようにつぶすのは芸が無いし何より汚い。慧音いわく生でも食べれるらしいので食べるのもいいかと思ったがこんな気色悪いのをそのまま食べる趣味もないし。少し考えた私だが、折角の能力があるんだし焼き饅頭にしてみようと決めた。
とりあえず、小さめのゆっくりを右手に持つ。私が考えている間に落ち着いたのか今は生意気にも私の手に噛みつきながら「ゆっくりはなしてね!!」とか喚いている。
耳ざわりだったので火力を調整してゆっくりの周りに一気に炎を展開させた。
「ゆ”っ!」イライラしていたのもあり火力が強すぎたのか一瞬で炭になってしまった。
「あちゃー失敗したなー。今度は相当弱めにじっくりやってみるか」
炭をそのままさっき潰した奴の隣に置き、もう一匹を手に取る。
「ゆ”っぐり”ばなじでぇぇええぇ!!」さっきの姉妹の惨状を目の当たりにしたゆっくりは涙をぼろぼろ流しながら暴れまわった。わあ、気持ち悪い。
こんどは焦がさないようにゆっくりらしくゆっくりと焼いてやろうと火力をギリギリまで弱める。
「ゆ”う”う”う”う”う”!?」自分の周りを突然炎が取り囲んだことに驚くゆっくり。「ゆ”っぐりだづげでえ”ぇぇ!!」とか「ごめ”んなざいいい”も”うじまぜえ”え”え”んん”」とか喚いていたがそのうちこんがりと狐色になった焼き饅頭ができた。
「うん。まあまあいけるな。」おなかが減っていたこともあり、あっという間に食べ終わる。
「どうじでごんな”ごどずるのぉぉぉぉ!!」ああ、そういえばまだ一番でかいのが残っていたんだった。
慧音に聞いたことを思い出すと、早速調理のためゆっくりの右ほほの部分を一瞬で炭化させる。「ゆ”ぐぐううう””!!」そのまま周りも焦げてしまったがどっちにしろ食べないので関係ない。
なんでも子供を産んだゆっくりは餡子がパサパサで食えたものではないらしい。しかし、最近になって真ん中の一部だけうまみの詰まったおいしい餡子であることが発見されたらしい。私はそれを掻きだそうとしているのである。
手が汚れるのは嫌なので、スプーンを棚から取り出す。私が上からどいたのでゆっくりも動けるようになったはずだがすでに抵抗する気力もないらしく「どうじでえぇぇ…」とか呟いている。
器とゴミ袋と大きめのお玉を用意しさっき潰したゆっくりと炭になったゆっくりをゴミ袋に突っ込んで準備万端である。
とりあえず、さっき炭化させたところをスプーンで穿るとぼろぼろとこぼれた。あわてて私は下にゴミ袋をその下にあてがい作業再開。
炭化しているとこは神経が死んでいるのか(そもそもこいつらに神経があるかは知らないけど)ほとんど反応を見せないゆっくり。しかし、やわらかい餡子のとこのにスプーンがついた瞬間「ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”!!!」とたんに反応を示すゆっくり。
面白くなった私はそのままゆっくりの中の炭化してない餡子をかき混ぜる。「ゆ”ぅっぁぁぁあああっ!」かきまぜる度奇声をあげていたが弱ってきたのか「ゆ”っゆ”っゆ”っ…」と小さく呻くだけになってきた。
そろそろ飽きてきたので真ん中の餡子を取り出しにかかる。さっきかき混ぜた周辺の餡子をそのままゴミ袋に突っ込む。殆ど声を上げないがまだ死ねないらしく小さく呻くゆっくり。
と、とうとう真ん中についたみたいだ。一発で全部とるためお玉に持ちかえ一気にえぐり取る。
と、次の瞬間「っゆ”っぎゃ”あ”あ”あ”ああああ”!!!!」今までで一番の悲鳴をあげそのまま全く動かなくなるゆっくり。どうやら真ん中の部分が心臓のようなものだったらしい。
そのまま、お玉を引きずり出し器に取り出す。なるほど、確かに今までの周りのどこか水分の少なそうな餡子と違い色もつやつやとしておいしそうな餡子だ。
と、ぐーーー。と私のおなかが間抜けな音を立てる。さっき焼きゆっくりを一匹食べたがそんなのでおなかいっぱいになるわけもないから当然だ。
しかし、さっきスプーンを取りに行ったとき既にして台所の惨状は見ている。食料は明日調達するからいいとして、問題は今日の夕飯だ。
「また慧音のところに行くのもなあ…」たしかに慧音なら喜んで迎えてくれるだろうがあんまりたかるのもいい気はしない。
と、ここでいい案を思いついた。
「この餡子一人で食べるには多いし、あいつのところへ持ってて夕飯でもたかってくるか」あいつとは私の仇 蓬莱山 輝夜である。
仇といってももう数百年も殺し合いをしているうちに憎しみは薄れ今はなんというか喧嘩友達というかそんな関係になってはいるが。
早速、餡子を手近な容器に詰めると私は庵を出た。ゆっくりでイライラしたのもあるし、久々に喧嘩でもしようかなと考えながら。

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あとがき

ゆっくりハンター2を書こうと思っていたけど、原作キャラが求められているようなので先にプロットのできていたこっちをあげました。
とりあえず、次は後編になるか中編になるかはまだ未定です。プロットはできているのでそんなにかからない予定。

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最終更新:2008年09月14日 11:08
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