ゆっくりいじめ系39 ゆっくりゆゆこ×虎バサミ




 草むらをゆっくりと、ゆっくりれいむが歩いていた。

「ゆっくり、ゆっくり」

 かけ声のように呟きながら、柔らかいまんじゅう肌なその体を前へ前へと進めていく。

 周りにはれいむ以外にはどのゆっくりも見あたらない。草むらで隠れているわけではなく、このれいむは一人っきりでゆっくりとしていた。群れを成して行動することの多いれいむにしては珍しいことだ。

 ゆっくりとしている内に日は夕暮れ、そろそろ太陽が沈み辺りは暗くなってくる頃。暗くなればなるほど襲われる危険性も高くなる。
 れいむは口調とは裏腹に急いで家族のいる巣へ戻ろうとしていた。

「ゆっくり、ゆっくり……ゆ?」

 突如、れいむは進みを止めた。前の方から長い影が伸びてきている。何かいるようだ。

 巣に帰るにはここを通るしかなく、ゆっくりはかけ声を「ゅ……ゅ」と小さくして慎重に前へ進んでいった。

 少し進むと、草の拓けた場所に1匹のゆっくり種が鎮座していた。

「ゆ……っ!」

 仲間だとゆっくりは思わず声を出しそうになるが、鎮座したゆっくりの帽子を見て、それがとても危険な種である事に気がついた。

 鎮座していたのはゆっくりゆゆこだった。

 ゆっくりの中でも特に食欲旺盛なこのゆっくりは普通の餌だけでは飽きたらず、他のゆっくり達を躊躇なく食べてしまう。

 しかし普通なら、出会ったゆっくりは食べてしまうためにゆゆこが危険だと分かっているゆっくりは少ない。

 このれいむは、今とは違う場所に別の家族達とそろって生活していた時に、別のゆゆこに襲われて辛くも逃げ延びたれいむだった。

 あの時は他のれいむ家族達が食われている間に逃げ延びたが、もしここで見つかれば瞬く間に食べられてしまうだろう

 恐怖のあまりに体を震わせながら逃げようと考えるれいむ、しかし巣に帰るにはここを通らないといけない。

 相反する思考に、思わずそこから動けなくなった。
 そのまま時間が流れるが、ゆゆこに変化はない。徐々にれいむが恐怖から解放されていく。

 目の前のゆっくりが危険だと分かっていても、そもそもゆっくりは危機感が欠落している。目の前のゆゆこがなぜ動かないのか気になり始め、次第に近づき始めた。

「ゆ……ゆっくりー?」
「こぼね!」

 帰ってきた返事に思わず固まるが、それでもゆゆこは動かない。

「……ゆっくりー?」

 本格的に気になり始めたれいむは、ゆゆこの横を通り正面へとまわった。

「ハフ、ハフハフッ!」
「ゆっくりっ!」

 ようやくれいむにもゆゆこの状況が理解できた。
 ゆゆこは虎ばさみに挟まれ、まるで動けなくなっていたのだ。

「ハブ、ハブハブハブッ、こぼね!」

 涙混じりに叫ぶゆゆこ、声も震えている。何とか外せないかと体を動かしているが、あまり動かしすぎると体がもげてしまいそうだ。下手に力は込められない。

 ゆゆこが動けないと分かった瞬間、れいむはきゃっきゃきゃっきゃと飛び跳ねてはしゃぎ始めた。

「ゆっくりしていってね! そこでずっとゆっくりしていってね!」

 以前、仲間を食べられた恨みもあって、声のトーンも上がっている。

「こぼね! こぼね!」

 目の前の餌に腹を立てるが、体に刺さった虎ばさみのせいで飛びかかれない。

 調子に乗って馬鹿にしていたれいむは、次第に別の事に興味を惹かれ始めていた。

 ゆゆこって美味しいのかな?

 さっきまでの恐怖はどこで言ったのか、もはや恐れなど微塵もなくれいむはゆゆこに噛みついた。

「ゆ゛ゆ゛っ!」
「……う、うめぇ! メチャクチャうめぇ!!」

 よっぽど美味しかったのか、そのまま勢いよくゆゆこの体を食べ尽くしていく。

「うめぇ! うめぇ!」
「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛こ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛こ゛っ!」

 やがて満腹になったのか、れいむはゆゆこから離れた。
 他のゆっくりに比べると巨体なゆゆこの体が、かじりかけのリンゴのように無惨な形になっている。

「おいしかったよ! またゆっくり食べさせてね!」

 そのまま立ち去っていくれいむ。

「……」

 ゆゆこは叫び疲れたのか、何も言わないでれいむの後ろ姿を睨んでいた。




 れいむはそのまま無事に巣へと戻ってこれた。

「ゆっくりしてきたよ!」
「おかえり!」
「ゆっくりしていってね!」

 崖の下にできた大きめの洞穴。れいむが中に入っていくと家族の帰宅にそろって声が返ってきた。5匹家族らしく、大きな親れいむの他に普通の大きさのれいむが3匹いた。

「ゆっくり!」
「ぐるんぐるん!」
「ゆっくり回ってね!」

 親れいむが見守る中、巣の中を転がりながら遊び始める4匹。帰ってきたばかりのれいむは途中であったゆゆこの事などすっかり忘れて、遊びに没頭した。

 しばらく転がっていた4匹だが、ふと2匹が転がるのを止めた。

「ゆゆっ?」
「ゆっくり?」

 不思議そうに転がっていた2匹に止まったれいむ達が答える。

「ゆっくりごはんにしようね!」
「ゆっくりたべようね!」
「ゆっ! ゆっくり~!」

 2匹の言葉に賛同する1匹、ただ外でゆゆこを食べてきたれいむだけが、動かないでいた。

「早く食べにいこうね!」
「ゆっくりしないでね!」

 こちらを心配そうに見る3匹。しかしれいむはもう食べられそうにない。

「はやくたべてきてね!」

 元気よく返事をするれいむに納得したのか、3匹達は親れいむの用意してくれた餌を食べに駆けだしていった。

 1人になってもゆっくりのすることは変わらず、ごろごろと転がりながら家族達の食事が終わるのを待ちわびている。

「ゆっ?」

 しかし転がっていると、さっきあれだけゆゆこを食べたのに、れいむは微妙にお腹が空いてくるのを感じた。

 転がるのを止めて、他のれいむと同じように親れいむのところへ駆け寄っていく。

「ゆっくり食べさせてね!」
「ゆっくり!」
「ゆっくり食べてね!」

 後から来たれいむに安心する家族達。親れいむは、今日取ってきた虫や植物をれいむの前に用意してくれる。

「ゆっくりいただきます!」

 声とともに食べ始めるれいむ。
 しかし実際に食べ始めると、やっぱりお腹はいっぱいなのか、あまり食欲が沸いてこない。

「はやく食べていってね!」
「はやく遊ぼうね!」

 急かすれいむ達。唯一親れいむだけがどこか心配そうにしている。
 れいむはどうにか無理矢理に口へ詰めていく。ようやく半分ほど食べ終わり、ほっと一息ついたところで異変が起こった。

「ゆ゛ゆ゛っ!」

 突然、痙攣し始めるれいむ。
 早く早くと嗾けていたれいむ達も、その様子に慌てて心配し始めた。

「どうしたの! どうしたの!」
「だいじょうぶ? 元気になってね!」

 そんなれいむ達の言葉に、しかしれいむはただ痙攣するだけで応えられない。

「あ゛がガあ゛ア゛があ゛ぁぎゃ゛ア゛あ゛あ゛っ!」

 ただごとじゃない様子に、周りのれいむ達も涙目に心配し始める。
 れいむ達の心配する気持ちが天に通じたのか、れいむの痙攣がぴたりと止んだ。

「とまったよ!」
「よかった、よかった!」
「ゆっくり治ってね!」

 そして食い破られた。

「こぼね! こぼね!」
「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」

 体を中から破られ、ぱさりと地面に落ちるれいむ。中身のあんこは見あたらない。全部中から出てきたものに食いつくされてしまった。

 目の前で皮だけになってしまった家族の姿を悲しむ間もなく、れいむたちは中から出てきたモノに驚愕している。

 中から出てきたのはゆっくりゆゆこだった。食べたのが普通のれいむだったからか、巨体なイメージのあるゆゆこに比べてかなり小さいが、その特徴的な帽子がれいむ達に昔の記憶を思い出させる。

「いそいで逃げてーーーっ!!」
「う゛あ゛ぁあ゛あ゛あ゛ぁあ゛っ!!」

 親れいむが叫ぶのと同時に慌てて逃げ出していく。

「こぼね! こぼね!」

 すぐにゆゆこも追いかけていくが、生まれたてだからなのかその動きは普通のゆゆこと比べてとても遅く、れいむ達との距離はどんどん離れてしまう。

「いそいで外に出てね!」

 先行して駆けだしていったれいむ達はもう出口の手前。このまま急げばゆゆこに捕まる事なく外へ逃げられそうだ。

「ちゃんと出られたね!」
「お母さんも早く来てね!」

 3匹が3匹叫びながら、洞穴を飛び出していく。
 しかし飛び出した瞬間、外からやってきていた別のゆゆこに飲み込まれてしまった。れいむが食べたあのゆゆこだ。

「ゆ゛っ!」
「ここどこっ! 暗いよ狭いよ!」
「急いで出してね!」

 思い思いに叫ぶ3匹。しかしせっかく食べた食事をはき出すものはあまりいない。
 躊躇することなく、ゆゆこは3匹を噛み砕いた。

「い゛だい゛い゛い゛い゛い゛い゛っ!!」
「ゆ゛っく゛り゛だじでぇええぇぇっ!!」
「い゛や゛あ゛あ゛あ゛っ!!」

 目の前で自分の子供達が食べられていく様に、思わず親れいむは絶叫した。しかしどうする事もできない。助け出そうと突進していけば、親れいむも一緒に食べられる運命だろう。

 ゆゆこがゲップのように息を吐く。子供達を食い終わったらしい。

「こぼね! こぼね!」

 後ろからはようやく追いついて来た小さなゆゆこの声がする。

「あ、あああああ……っ」

 子供達を失ったショックからか、親れいむは震えるばかり。
 そんな親れいむに、2匹のゆゆこ達はそろって大きく口を開けるのだった。


「こぼね! こぼね!」
「ハフ、ハフハフッ! こぼね!」

 食事を終えて、2匹のゆゆこは楽しそうに話をしていた。大きなゆゆこはれいむに食べられた跡と、虎ばさみを強引に外して出来た大きな傷跡が痛々しいが、れいむを追って来たら思いかけずそこそこの食事ができたのでご満悦のようだ。

 小さなゆゆこは突然現れた大きなゆゆこに喜び、はしゃいでいるようだ。
 しかし大きなゆゆこは、どうしてこんな所に子供がいるのか疑問に思っていた。親のゆゆこはどうしたんだろうか?

「ハフハフッ」
「こぼね!」

 とりあえず自分の群れに連れて帰ろうと子供ゆゆこをつれて歩いていく。その後を嬉しそうに追いかけていく子供ゆゆこ。

 後に残されたのは、驚愕の表情で固まっているれいむの皮だけだった。



 End






 スレ2の726のgifを見て「何だかむしろゆっくりゆゆこを虐待したい」と思い

 さらに748の「色々食ってるゆっくり食ったら腹こわさね?」に
 「それじゃゆっくりゆゆことかもう毒物じゃね?」と思ったので書いてみた。

 あれ? ゆっくりゆゆこ虐待してなくね?


 あと、虎ばさみで捕まっていたのは570で言っていたのを使わせてもらいました。ありがとうございます。


by 762



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最終更新:2008年09月14日 04:55
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