ゆっくりいじめ系983 ゆっくりCUBE外伝(前)

ゆっくりCUBE外伝
※映画のパロディ盛り込みすぎた。紫の口調がババ臭い。ドスいるよ、瞬殺だけど。


さて、みなさんごきげんよう。八雲紫ですわ。外伝ってことで今回は妖怪・半妖・人間三人組が作ったCUBEではなく、私が作ったものをご紹介いたしましょう。
今回のステージは紅魔館の隣にある巨大な湖、その中に施設を作りました。スキマで。
どんなものかはこれからのお楽しみということで……ほら、群れの一匹が……。





「ゆぅ~ ここどこ?」
一匹のゆっくりまりさが見知らぬ部屋で目を覚ます。
確か自分は群れの中で昼寝をしていたはず。
辺りを見渡すとその群れが皆眠った状態だった。
「ゆっ! みんなおきて! へんなとこにきちゃったよ!」
まりさは寝ているゆっくり達を起こしてあげる。
その間にここがどこなのかを調べた。
部屋の端っこにはゆっくりが横三匹に並べるくらいの階段が上へ続いていた。
「ゆー おかーしゃんこわいよー」
「だいじょうぶだよ! おかーさんがまもってあげるからね!」
徐々に起き始めて騒ぎ出す群れのゆっくり。
群れの中枢であるドスまりさも起きたらしく、皆に叫んだ。
「みんな! どこだかわからないけどここはゆっくりできないよ! だからはやくでるよ!」
そう言った途端、何かさび付いた鉄の扉が開いたような音がした。
その音の後に、今度は何かが迫ってくる音。
音は大きくなり、やがて部屋に到達する。
「みずだああああああああああああああああああ!!!」
一匹のまりさが悲鳴を上げた。
部屋のいたるところから水が噴出し、放射線を描いて部屋を濡らす。
「ゆっ! みんなぼうしのなかにかくれてね!」
ドスはみんなを助けようと巨大な帽子の中へ誘導する。
半分のゆっくりたちは言う事を聞いたが、もう半分は階段を上っていった。
「まにあわないからうえにいこうね!」
「みずがこないからゆっくりできるよ!」
皆押し合いへし合い階段を上っていく。
だが、いささか数が多すぎたため、何匹かは途中ではみ出て落ちてしまう。
「ゆっ! おちちゃ――ぐべっ」
「おがーしゃあああああああああん!!! ぎゅっ」
自分の命を賭けるのに大人も子供も関係ない、子供達も立ち止まれば容赦なく踏み潰された。
力のない大人達は力のある大人に蹴落とされていった。
なおも水は止まらず、ついに部屋全体に行き渡った。あとはたまるだけである。
「このぐらいのおみずたいしたことないよ!」
ドスまりさは通常より厚い皮を持っているため、水に浸かろうと溶けはしない。
だが、水深が変わったらどうだろうか。
「ゆっぷ! いきができなっ! がぼっ!」
まだ階段を登りきっていないゆっくり達も、水に溶かされていく。
ドスまりさは階段に向かって歩き始めた。
帽子の中のゆっくり達も騒ぎ始める。
「ゆっ! どすまりさのぼうしでもゆっくりできないよ!」
「まりさたちだけでもにげるぜ!」
まりさは帽子を水の中に落とす。
耐水性のある帽子を持つまりさ種は川を下るときなどに重宝されていた。
しかし一人用のため、れいむやありすたちは取り残される。
「まりざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! おいでがないでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」
「ごのどいながものお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」
「まりさはみんなのぶんもゆっくりするんだぜ!」
そう言ってドスの頭に居たまりさ種が一斉に飛び降りた。
だが、落ちたのは帽子の上ではなく水だった。
「どおじでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」
今も勢いよく流れる水、それが何方向からも溢れ出したせいで流れが急になっていた。
帽子は流され、流れがぶつかり渦を巻いている水の中に沈んでいった。
「ゆっぐりじだがっだよ!」
そう言い残してドスまりさの頭の上に隠れていたまりさ種は全滅した。
死んでいったまりさ達を見てれいむ達はふんと鼻(?)を鳴らす。
「みんなをうらぎるからだよ! ゆっくりしんでね!」
「でも……れいむ わたしたちもあぶないよ?」
ドスに付き物のゆっくりぱちゅりーが不安げに言った。
そのせいで再び帽子の上はパニック状態に陥る。
「ゆあああああああああ!! じにだぐないよおおおおおおおおおおお!!」
「おぢぢゃううううううううううううう!!」
もはや息ができていない状態のドスまりさは酸素を得ようと必死に体を動かしていた。
巨体が揺れるたびに頭の上に居るゆっくり達は次々と振り落とされていく。
「ごぼぼぼっ! がぼぼぼ!」
水はついにドスの頭の上までやってきた。
生き残ったのはれいむ一匹。
「……もっと、ゆっくりしたかったよ」
死を悟ったれいむは、自ら水の中へ飛び込んだ。
「ゆっぷ! うぽぉっ! がぽっ!」
覚悟はしていたが水の中はとてもつらい。
体がなくなっていく感覚と、息のできない苦しさ。
結局、このれいむは存分に水に苦しめられて死んだ。

■■■

「ゆぅ……ゆぅ……ここまでくればだいじょうぶだよ!」
一匹のまりさが階段を上りきって叫んだ。
階段を上るとそこはまた真っ白な部屋で、奥にまた階段がある。
「だめだよ! まだしたからおみずがくるよ!」
最後に階段を上りきったまりさが言う。
水はとどまる事を知らず、上に向かってくる。
ゆっくりたちはひたすら逃げた。
「ゆぅ? へんなはこがあるよ!」
一匹のれいむが白い部屋の端と端に置かれた奇妙な箱を見つけた。
すべて白くなっていた性で見つける事が難しくなっていたが。
「かんけいないよ! とっととにげるよ!」
ずぶぬれの帽子のまりさが箱の間を抜ける。
通り抜けた瞬間、まりさの口から上はなくなっていた。
「まりざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
「ゆううううううううううううううううううう!!!」
「どおじでええええええええええええええええええ!?!?!」
口だけになったまりさは残った餡子のせいかぴょんぴょん飛び跳ねる。
「ゆっくり! ゆっくり! ゆっくい! ゆぇっぎ! ぎゅぎょっぎ! げげっ……」
やがて命が尽きたのか動かなくなった。
しかしそれだけでもほかのゆっくり達に恐怖を植え付けることができたようだ。
「ゆっくりできないよぉ……!」
「おかーしゃあああん……ゆ?」
怖がる子供が親へ擦り寄ろうとしたとき、何か跳ねるものを見つけた。
恐る恐る近づいてみると、それは一匹の魚だった。
「おしゃかなしゃん! おしゃかなしゃんがいりゅよ!」
その子の親が声に気づいたらしく、子供のほうを見た。
だが、魚を見て顔を青ざめさせて叫んだ。
「ちびちゃん! そのさかなはゆっくりできな――」
「ゆぎゅうううううううううううううううう!! いぢゃいよおおおおおおおおおおおおおお!!」
遅かった、と親れいむは絶望する。
赤れいむが近づいたのは獰猛なピラニアだったのだ。
幻想郷では中々見る事はできない、というか存在しない生き物ではあるが口から除く尖った歯を見れば危険な事は確実だった。
「おさかなさん! ちびちゃんをはなしてね! でないとれいむもおこるよ!」
「そうだよ! みんな! このゆっくりできないおさかなさんをやっつけるよ!」
群れは一斉にピラニアに体当たりをした。
だが、やわらかい物体が肌に当たったとしか感じず、赤れいむはぐちゃぐちゃにされて食われた。
しかし餡子があれば生きていられるのがゆっくり、ピラニアの腹の中でくぐもった声が聞こえる。
「おか、しゃーん……たしゅ……け……」
それも聞こえなくなり、辺りはシンと静まり返った。
しかしそれもすぐに悲鳴の大合唱へと変貌する。
「うあああああああああああああ!! はこからおさかなさんがでてきたよおおおおおおおおおおおおお!!!」
「みんなあああああああああああああ!! にげでえええええええええええええええ!!」
見れば、箱が開いてまるでミサイルのようにピラニアが発射される。
飛んできたピラニアはゆっくりに直撃し、そのまま体をえぐられた。
「いぎいいいいいいいいい!! ゆっぐ! でぎぃあがぁ!!!」
複数のピラニアに直撃したゆっくりは体をバラバラに分解される。
「んぐぅ!?」
あるピラニアはまりさの口の中へ突入した。
一瞬助かったと思ったが、口の裏の餡子を食って皮を突き破って出てきた。
「かひょー! くひょー!」
穴の性で呼吸ができず、悲鳴をあげようにも声が出ず。
そのまりさは誰にも助けられることなく窒息死した。
「のぼるところににげでえええええええええええええ!! ぎゅべっ!」
一斉に階段へ逃げ込むゆっくり達。
再び押し合いへし合いが始まり、弱いゆっくりたちは突き落とされていく。
結局、生き残った半数しか生き残れなかった。大体20匹ほどだろうか。
20個の饅頭たちはまだ見ぬ出口を求めて必死に階段を駆け上がっていった。足ないけど。
次に来た部屋は真っ暗で、中心にライトが照らされていた。そしてその明かりの中で9匹のゆっくり達がチェーンに繋がれていた。
人間でいう顎の辺りに鉄の棒が地面と頬にくっつき、額の部分には大きな鎖が天井に向かって伸びていた。
一匹のありすがそれを見つける。
「まりさ! どうしたの!?」
駆け寄ると、鎖が少しだけ揺れる。
繋がれていたまりさはありすを見つけると弱々しく助けを求めた。
「あり……す、だず……げで……」
「みんな! まりさをたすけるよ!」
その声に皆反応する。
「わかったよ!」
「たすけるよ!」
少しでも助けたい、もう悲鳴なんて聞きたくない。
そんな思いで、ゆっくりたちはつながれたゆっくり達の元へ向かった。
だが。
「いぎゃあああああああああああああああああああああ!!! いだいよおおおおおおおおおお!!」
突然繋がれたまりさや他の繋がれたゆっくり達が悲鳴を上げる。
「ゆっ! がまんしてね! いまたすけるからね!」
次々と生き残ったゆっくり達が繋がれたまりさの回りでぴょんぴょんと跳ねる。
そのたびに鎖が揺れてまりさの顔が上に引っ張られた。
そこで最初に繋がれたゆっくり達を見つけたありすが気づく。
この部屋の構造は繋がれたゆっくり達のいる場所は重さに乗じて沈んでいく。
つまり天井からの鎖に繋がっているゆっくり達は沈む床にも繋がれているため上下に引っ張られている状態になるのだ。
「ゆゆっ! ここはあぶないからいったんはなれるよ!」
「なにをいうの!? まりさたちがたすけられないよ!」
「じぶんだけたすかろうなんていなかもののありすね!」
ありすは困る、理屈はわかったのだがどうも口で説明できない。
初めて言葉を自由に使える人間をうらやましく感じた。
「ちがうの! みんながここにいるとまりさがしんじゃうの!」
「いみがわからないよ! じぶんだけたすかろうとするありすはしねっ!」
「そうだよ! しねっ! しねっ!」
結局、袋叩きにあって気づいたありすは死んでしまった。
「うぎあああああああああああああ!! いだい!! いだいよおおおおおおおおおお!!」
再び響いた叫び声に我に帰るゆっくり達。
しかし助けるにも口しかつかえないため、救出は困難だった。
「ゆ……しかたないよ! ちょっといたいけどがまんしてね!」
そう言ってれいむはまりさの下半身に噛み付いた。
「うぎぃいいいいいいいいいい!! なにずるどおおおおおおおおおおお!?!?!」
「このぶぶんをとればまりさはたすかるよ!」
「じゃあまりさはこっちのあたまのほうをやるぜ!」
悲鳴に怯えていたゆっくり達もまりさを助けたいという思いに駆られ、近づく。
再びまりさはひっぱられ、限界まで達していた。
「ゆっ! れいみゅもたちゅけるよ!」
「だめだよ! あかちゃんはあぶないからはなれててね!」
「ゆー! ゆー! いやだよ! たちゅけたいよ!」
一匹の赤れいむがぴょんぴょん跳ねて近づく。
そして、まりさのいる場所へ乗った。
ブツン、という音がした。
「ぎゃべえ゛え゛え゛え゛っ!」
短い悲鳴とともに、繋がれていたゆっくりは引きちぎられて目から上が無くなって餡子が丸出しになった。
数秒間ぶるぶると震えた後、動かなくなってしまう。
「どおじでえええええええええええええええええええええ!?」
「このあかちゃんのせいだよ! このあかちゃんがのったからいけないんだよ!」
「ちぎゃうよ! れいみゅはなんにもちてないよ!」
赤れいむは必死に否定するが群れの怒りは収まらない。
原理を理解したわけではないが、この赤れいむが上に乗ったことで繋がれたゆっくり達が死んだのは確かだと思ったからだ。
「このゆっくりごろし! しんじゃえ!」
「こんなこにそだてたおぼえはないよ! しんでね!」
「どぼじべぇっ!」
一撃で赤ゆっくりは潰れてしまった。
19匹となったゆっくり達は収まらぬ怒りを擁きながら次の部屋へと向かった。
次の部屋は巨大な砂場、というより砂漠のような場所だった。
壁は真っ白で、特に何かあるようには見えない。
まだ下の階で溢れ続けているであろう水を恐れ、群れは歩き出す。
だが砂に足を取られ、体力は急激に減るが一向に進まない。
「ゆーつかれたよ! ここでやすもうよ!」
「だめだよ! おみずがきたらみんなしんじゃうんだよ!」
疲れ果てたまりさがその場で荒い息を吐く。
確かに先程から全く休んでおらず、さらに絶望的な状況に何度も出くわしているため、精神的にも体力的にもヘトヘトの状態であった。
しかし、そんなゆっくり達のことなど気にもせず、新たな罠が発動する。
「ゆゆ? すながうごいたよ?」
「ほんとだ! こっちにくるよ!」
「こわいよぉ! ゆっくりできないよぉ!」
身の危険を感じたゆっくり達は必死に逃げ出す。
だが、なんの奇跡か生き残っていたぱちゅりーが転んでしまった。
「げほっげよっ……も、だめ……」
「なにしてるの! はやくにげるんだよ!」
ぱちゅりーは病弱なため、口から餡子を漏らし、目も虚ろだった。
れいむはそんなぱちゅりーのために駆け寄った時、丁度すなが盛り上がった。
「ゆっ!? ゆっく――」
声をあげようとした瞬間、巨大な筒がれいむを飲み込んだ。
象のようにざらざらしたオレンジ色の肌、先端には余った皮と歯が剥き出しにされていた。
筒、というよりその生き物はまたずるずると出てきた穴へともぐっていった。
「れいむうううううううううううううう!!」
穴へ向かうと、近づいたまりさとありすがそろって顔をゆがめる。
「くさいいいいいいいいいい!!」
「ゆっくりできないいいいいいいいい!!!」
ちなみにぱちゅりーは生き物が出てきた時のショックで死んだ。
ある意味一番幸せかもしれない。
「くさいやつとはゆっくりできないよ!」
「はやくここからでようね!」
そう言いはなって近づいていたまりさとありすは群れへ走り出す。
すると再び砂が盛り上がり、二匹の後ろを猛スピードで追いかける。
「へんないきものがまたくるよ! みんなはやくにげてぇー!」
群れはすでに走り出し、出口へ向かった。
残るは二匹、生き残るために必死になった。
だが、あの生き物のスピードにはかなわない。
「ゆっぎゃあああああああああ!!」
「ありずううううううううううううううう!!」
まりさの後ろにいたありすが生き物の餌食となり、体の半分を噛み千切られ口の中に入れられる。
残った体は助けを求めるようにまりさを見た。
だが、もう餡子もなくすぐにでも死にそうなありすを助けて自分も死ぬなんてことは考えられない。
まりさは涙を堪えて走り出す。背後から怒気のこもった叫びが聞こえたが、すぐに消えた。
「ゆぅ……ゆぅ……みんなー! まってよー!」
すでに次の部屋の扉の奥で待機しているゆっくり達の元へ行く。
あの生き物はありすを食べている。時間は稼げた。
「まりさ! こっちだよ!」
群れのゆっくり達も生き残ったまりさに涙を流しながら答える。
だが、このゆっくり達の考えは甘かった。
突如まりさの足元が盛り上がり、生き物が顔を出す。
それに気づいた時はもう遅く、まりさは生き物の胃袋の中へと転がり落ちた。
「ゆぶううううううううううう!!! ぐ、ぐざいいいいいいいいいいいいいい!!」
強烈な悪臭が立ち込め、まりさは無い鼻が曲がるかと思った。
そしてなにより、床がべとべとしているのが不快でしょうがなかった。
「こんなところにいれないよ! まりさをだしてね!」
壁に向かって体当たりをするが、変化は無い。
しかし、まりさの体には異変がおき始めていた。
「だしてね! ゆぅっ!?」
二度目の体当たりをした時の感覚が変わっていた。
先程はぽんと跳ね返る感じだったが、今はべちゃり、と水分を含んだ感じだった。
そして自分の体を見て、まりさは自分の状況を把握する。
「ま、まりざのがらだががががが!!」
生き物の胃液がまりさの体を溶かし始めていたのだ。
どんどん崩れ落ち、顔が解けてパズルのピースのようにはがれていく。
「いぎいいいいいいいだじで! ごごがらだじでよお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」
命の危険を感じ、声を荒げながら必死に助けを求めるまりさ。
だが、もう死んだと思われている群れにそんな声は届かない。
さらに、生き物はすでに砂の中にもぐっており、音、光はすべて遮断されていた。
「もっど……ゆっぐり……」
まりさはドロドロに溶けて、生き物の栄養となった。
16匹のゆっくり達は、次の部屋へと向かう。
次の部屋は細い廊下のような構造だった。
恐る恐る進むゆっくり達。
だが、罠は発動しない。
「ゆ?」
なんの反応も示さない廊下にゆっくり達は安堵した。
久々の休憩である。
「ゆぅ、ちょっとやすもうね これいじょうがんばったらゆっくりできないよ」
「そうだね……」
疲れ果てたゆっくり達、精神的ダメージもピークに達していた。
その時、一匹のゆっくりが叫びだす。
「おかーちゃん! おなかすいたよ!」
ぴくり、とゆっくり達が眉をひそめる。
また赤ゆっくりか、と成体ゆっくり全員が思った。
「だまってね! いまはごはんがないんだよ! がまんしてね!」
「ゆーん! いやだよ! ぎょはんたべちゃいよ!」
「まりさ! そのこをだまらせてね!」
イライラがつのったれいむがその赤ゆっくりの母親のまりさに怒鳴る。
母まりさもうんざりした様子で、赤ゆっくりを咥えて廊下を出た。
「ゆぅ、でもあの二人だけじゃ危ないよ」
「じゃあれいむがみにいけばいいでしょ!」
心配そうに言ったれいむをありすが怒鳴る。
しかたなくれいむは数匹の仲間を連れて外へ出た。
すると、廊下の出入り口が鉄の扉で閉まってしまった。
「ゆっ!? どうしたの!?」
外にいたれいむが叫ぶと、鉄の扉の上としたがガラス張りに変わり、窓のような形になる。
そこから覗くと、廊下の中のゆっくり達も驚き戸惑っている様子だった。
「ゆぁーん! ゆぁーん! こわいよぉおおおおおお!! ぎょえっ!!」
「いいかげんだまってしね! このかすゆっくりもどき!」
五月蝿く喚く赤ゆっくりを、母まりさが叩き潰した。
同族殺しはタブーなのだが、この時ばかりは全員母まりさと同じ気持ちだった。
「ゆ!! ここからだしてね!」
一方廊下の中のゆっくり達はある一点に目をやっていた。
目の前で自分の体の中心辺りに動く二つの機械、そしてその機械の間を繋ぐ青い光。
「ちびちゃんたち! あぶないからこのなかにはいってね!」
「ゆー!」
「わきゃったよ!」
違う母親が子供達を口の中に入れる。
ほかのゆっくり達も機械をじっと見つめていた。
「あぶないよ! こっちにくるよ!」
そう言った時、青い光が口の中に子供を入れていた母親を通過した。
しかし、何の変化も無い。
「ゆ?」
まりさが眉をひそめると、母親の体に横一本の線ができた。
そしてそこから餡子が漏れた。
「れいむ!? だいじょうぶ!?」
まりさは心配そうに叫ぶと、母親の線の部分から分断され、地面に落ちた。
口の中にいた子供達までも見事に真っ二つである。
「ゆううううううううううううう!!」
「だじで! ごごがらだじで!」
再び機械が青い光を放ちながら群れに向かう。
「ぎっ!」
「がっ!」
二匹のゆっくりが、対応しきれず再び真っ二つとなる。
残り二匹となった廊下の中のゆっくりまりさとれいむ。
また青い光がやってくる。
まりさは機転を利かせてれいむを踏み台にした。
「ゆっゆー! じゃんぷすればあんぜんだよ! れいむありがとう!」
「どうじでそんなごどず――――」
踏み台にされたれいむも見事に真っ二つ。
まりさはもう青い光など怖くないと思った。
じゃんぷすれば避けられるのだ、そんな事は造作も無い。
だが、次に来た光にまりさは絶望した。
「ゆぐぅっ!?」
光が網目になってやってきたのだ。
しかも廊下の端と端限界に。
もはやジャンプもできない。
「いやだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!じにだぐな――――」
鉄の扉の窓までやってきて、必死の形相で体当たりをするまりさ。
だが無情にも光はまりさを一口サイズの饅頭に変えてしまった。
「まりざあああああああああああああああああああああ!!!」
「どおじでえええええええええええええええええええ!!」
中で見ていた7匹のゆっくり達は悲鳴を上げた。
鉄の扉が開いた時、急いで皆に駆け寄る。
「ゆっぐりじずぎだよぉ! おぎでよぉ!」
しかし声は返ってこない。
れいむは気が狂いそうになった。
なぜこんなところにいなければならないのだ。
幸せに暮らしていたのに。
なぜ……。

■■■

前半戦は終了です。
まさか7匹も生き残るとは思ってませんでした。
さて、皆さんお気づきでしょうけど登場した罠が全部映画に登場した物だって分かりました?
作者は結構な映画好きなのですが物忘れが激しいためにいろいろおかしな点があるかもです。
一応登場した罠の元ネタをご紹介しましょう

水が入ってくる→ポセイドン(だっけ? 豪華客船が沈む奴)
ピラニア→なんとかキラー(トビウオだったかピラニアが空飛んで人襲う奴)
頭にチェーン→ヘルレイザー(映画だと顔面チェーン)
ゆっくりが集まるとゆっくりが死ぬ→最近の映画(サイトの閲覧者が一定数超えると人が死ぬアレ)
生き物→思い出せない(B級だった気もする、ミミズだったかな、でかくてはやくてくさいって奴)
レーザー→バイオハザード(隊長のサイコロステーキうめぇ!)

って感じです、皆さんわかりましたか?
チェーンはちょっと分かりにくかったかもしれませんが。
好奇心が人を殺すってあの映画はすごいと思いますよ、見てないけど。
では、後半戦はまた次の機会に。

あとがき
長いからちょっと区切る。
ちょっとネタに詰まったってのもあるけど。
また映画借りてこよう……



こいつが書いた作品
このアフォが書いた作品。
霊夢の怒らせ方
ゆっくりデッドライジング1~3
霊夢のバイト
慧音先生とゆっくり
ゆっくりCUBE1~2
ゆっくりと男
虐待おねーさん
紫饅頭にクイズ出せば自滅してくれる
昔の遊び
ゆっくり戦争
ドスまりさの真実
妹紅と
雨の日
白線でたら死ぬよな普通

書いたB級映画マニア(キラートマトでも書くか?):神社バイト


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最終更新:2009年05月07日 17:37
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