ゆっくりいじめ小ネタ157 ここはれいむたちのおうちだよ! ゆっくりでていってね!!

「ここはれいむたちのおうちだよ! ゆっくりでていってね!!」

 突然の出来事だった。

 その部屋には、体を膨らませて、唇を噛んで怒っている親れいむが1匹、さらに「しょ
うだしょうだ!」「なんでしょんなこともわからないの? ばがなの?」と続けて声を上
げている子供達が3匹、部屋の中央で男を睨み付けている。

 部屋に入った途端の騒ぎに、男は戸惑った様子でゆっくり達を見続けていた。

「なんなのおじさんへんじもできないの! りかいしたならゆっくりでていってね!!」

 しかし気を取り直したのか、しばらくするとそのまま隣の部屋へ向かっていく。

「ゆゆっ!? ゆうちょうな ことしてないで はやくでていってね!」
「でていけー!!」

 親れいむの叫びに、しかし男からの反応はない。

「どうじでむじずるのお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛っ!!」
「むちじじゃいでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛っ!!」

 嗚咽を零し始めるれいむ達。
 やがて男は腰を上げ、れいむ達の傍へと戻ってきた。

「ゆっ……!?」
「お、おかあしゃん……」

 急な接近に、親子揃って戸惑いを隠せない。
 しかし男はまるでれいむ達を気にする事なく、そのまま家を出て行った。
 途端、みんなの顔に満面の笑みが広がった。

「……ゆっ、ゆっゆっゆっ!! おじさんは しっかりりかいしていたんだね!」
「やったねおかあしゃん! これでゆっくりできるね!」
「いっしょにゆっくりしようね おかあしゃん!」
「ゆゆっ! みんなでゆっくりするよ!」

 もう怖いものはいない。
 部屋の真ん中で、どすんと饅頭達が跳ね続けた。






 玄関が開く。

「ただいま~」
「ゆゆっ!?」

 本来の住民の帰宅に、親れいむは先ほどと変わらず即座に反応した。

「ここはれいむたちのおうちだよ! ゆっくりでていってね!!」
「でていけぇー!!」
「でてけーっ!!」
「……」

 望みもしない出迎えに、思わず頭を掻きむしりながら、住民は親れいむを蹴り飛ばした。

「げぶぅっ!?」
「お、おかあしゃああああんっ!!」
「なにしゅるの! ゆっくりやめてね!!」

 壁に衝突し、軽くバウンドしながら落ちる親れいむを無視して、住民は隣の部屋へ歩い
ていく。

 ところが中に入った瞬間、血相を変えてれいむ達に飛びかかった。

「ゆ、ゆぐっ!?」
「おい糞饅頭! 隣の部屋を荒らしたのはお前らか!!」
「ゆ、ゆゆっ? れ、れいむ、しらないよ!」

 住民の拳がれいむの腹を強打する。

「ゆげぇっ!?」
「嘘付けええぇえぇっ! お前ら俺の金どこへやりやがったぁあぁぁっ!」
「ゆ……あ、あぁ……っ」

 一瞬、れいむの脳裏に、窓から入ってきて窓から出ていった男の姿が過ぎったが、住民
の拳によってかき消された。

「ぐぎぇあっ!!」
「このっ!! このっ!!」
「おかあしゃんにひどいことしゅるなぁっ!!」
「ゆっくりおかあしゃんをはなしてぇえぇえっ!!」

 醜く崩れていく母親の姿に、思わず泣き出しながら赤ゆっくりが駆け寄ってくるが、住
民は殴るのを止めはしない。

 やがて床が餡子色に染まり、親れいむが蹴られ続けた一斗缶のようにボロボロになった
頃、ようやく男は手を止めた。

「お、おかぁしゃん……おかあしゃんんんんんんんっ!!」
「……ぁ……」

 凸凹の体では、もはや満足に喋られそうにない。

「ちっ! この馬鹿饅頭がっ、何でもかんでも口に入れやがって……」

 手を放した後も親れいむを睨み付けながら、住民は吐き捨てるように言う。
 住民の中で、置いてあった現金その他は、れいむ達に消化され、既に餡子になっている。
 それ以外の可能性を、部屋に潜り込み、好き勝手叫んだ れいむ達自身が否定していた。

「うわああぁあぁああんっ!! ゆっくりしてよ おかあしゃあああああんんんっ!!」
「おかあしゃああああああああんっっ!!」
「……」

 ボロ雑巾となった母親の側で泣き崩れる赤れいむ達。
 そんな泣き叫ぶ姿を見ながら、住民はひたすら金策に頭を悩ませ続けた。




 End









「ここはれいむたちのおうちだよ! ゆっくりでていってね!!」を出だしへ固定という
縛りから出来た話。





by 762

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最終更新:2008年10月05日 17:36
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