ゆっくりいじめ系1072 ドキッ☆ゆっくりだらけの運動会3

『ドキッ☆ゆっくりだらけの運動会』













最終競技【障害物競走】



ゴール出来ればそのまま刑務所の外へ出れるという破格の報酬を約束された運動会最後のプログラム。
ゆっくり達の集められたスタート地点は柵で囲まれていて、その一辺に出口が二箇所。
その出口の先は道となっていて、道の幅は成体ゆっくり一匹分程度である。。
障害物競走は赤組と白組それぞれ一匹ずつがこの出口からスタートし、ゴールできるかどうかを競う。
もちろん楽しむのは観客の人間であり、決してゆっくりなどではない。

所員らが障害物のセットをしている間に司会役が観客らに障害物競争の説明をし、ゆっくり達もまた説明を受けていた。

「ゆゆっ! じゃあひとりずついくんだね!!」
「わかるよー!」
「ああ、両組ともに一匹ずつだ。この赤い枠の出口からは赤組、白い枠のやつからは白組が行くんだぞ?
 それと先に行こうが後に行こうが変わりはないから行きたい奴から行けばいい」
「ゆっくりわかったよ!」

残った20匹程度のゆっくり達は元気に返事する。
さっきまで観客らにボロボロにされたのに大した再生力だ。
オレンジ色の砂糖水を「オレンジジュースだぞ」とかけてやるだけで回復するとか羨ましいものだ。
それでも回復しないほど重症のゆっくりは放置だ。

ゴール地点にいる人間が手を上げた。
それを確認したスタートラインの男がゆっくり達に合図をする。

「よしじゃあ一匹ずつ行け。
 また俺が行くよう合図したらスタートしろよ。いいな?」
「ゆー!」
「ちぽーん!!」

赤組はまりさ、白組はみょんが障害物競走最初の一匹だ。
二匹は元気よくスタートを決めた。
ちなみにこのコースは赤組も白組も同じ障害物が待ち受けているのだが、柵によってお互いの様子を見ることが出来ない。
それはスタート地点にいるゆっくりも同じである。
唯一観客席の人間が障害物相手に右往左往するゆっくり達を見下ろすことができる。


まりさとみょんは同じぐらいのスピードで進んでいた。
角を一つ二つ曲ったところで道が二手に分かれた。

「ゆぅ? たちいりきんし??」

T字路の分岐点には看板があり、
「←たちいりきんし   ごーる→」
とだけ書いてある。

そんな看板を見たとき、大抵は立ち入り禁止とされる方向を見るものである。
まりさもみょんも例に違わず立ち入り禁止の方向を向いた。

「ゆゅっ!? おかしがあるよ!!」
「ちちんぽ!!」

そこにあるのは大量のお菓子や果物だった。
甘い物が大好きなゆっくりは嬉しそうな声を上げる。
しかし直後に浮かない表情に変わる。
なぜなら看板に「立ち入り禁止」と書かれているからだ。
悪いことをしたらどうなるかを常日頃から体に叩きこまれているゆっくりからすればその言葉は非常に重いものだ。
さらにまりさは人間の畑を襲った結果ここに来たのだ。
食べ物が原因でゆっくり出来なくなったまりさはもう二度とそんな過ちは犯したくない。

「ゆっくりがまんするよ…」

まりさは唇を噛みしめてゴールの方へ向かっていった。
一方のみょんはというと…

「みょほほ~ん!!!」

迷わず立ち入り禁止の方へと飛び跳ねる。
悲しいことに文字が読めないのだ。
なのでパン食い競争と同じく食べていいものだと考えた。

涎を垂らしながら大きくジャンプ。
しかしみょんは見えない何かにぶつかって地面に落ちた。
食べ物に近づくことを阻む透明な壁だ。

「ぢん、ぼー!!」

見えない壁に怒りだしみょんは壁に体当たりし始めた。
だがその体当たりもすぐに止まった。
強い衝撃がみょんを襲う。

「み"ょん!?」

地面から突き出た複数の長い針。
勢い良く飛び出たそれは柔らかいみょんの体を易々と貫いていた。

「ぢんっ、ぼこー!!!」

四本の針がみょんの体を貫通している。
一本は顎から眼球の裏を掠めるように突き抜けて、眼球がその勢いで一つ地面に落ちていた。

「ぢ、ぢんぼぉぉ!!」

体を震わせて痛みを表現するみょん。
いくつもの太い針が体を貫通しているのだから確かにかなり痛いのだろう。
だがこのまま刺して終了なんてことはない。
所員のボタン一つで針は再び地面へと引っ込んだ。
同時に地面にへたり込むみょん。
針の刺さった穴からは中身が流れ出て、激痛と共に喪失感も味わっていることだろう。

そんなみょんに向かって透明の箱を持った所員がやってきた。
その透明な箱は側面が開くタイプのもので、箱から出て来たのは数十匹の赤ちゃんゆっくりだった。
この日のために産ませ、この日のために教育した赤ちゃんゆっくりだ。

「ゅ! おかしがありゅよ!!」
「ゆゅーん! おいちそうだよ!!」
「ゆっくちたべようね!!」

赤ちゃん達はすぐにお菓子を見つけ、嬉しそうにお菓子へ向って跳ねていく。
そしてみんなでお菓子に飛びついて食べ始めた。

「ぢんぼぼー!!! べに、ずうぅぅぅぅ!!!!」

そう、食べたのだ。
みょんと言う名の『お菓子』を。
何の躊躇もなく、ただのお菓子として食べていく。
大量の赤ちゃんゆっくりはみょんを完全に覆いつくしているのでみょんの姿は確認できない。

「むーちゃ、むーちゃ、ちあわせー!」
「このみょん、おいちいね!!」
「あまあまだね、わかりゅよー!」

みょんを包む赤ちゃん達の山が徐々に小さくなっていく。もはやまともな姿は残せていないだろう。
お腹を空かせた数十の赤ちゃんゆっくりはそうして瞬く間にみょんを食べ尽くした。
それを確認すると所員たちは赤ちゃん達を透明な箱に戻していく。

この共食い赤ちゃん達の産まれて始めての食事は瀕死のお母さんだった。
その後の数回の食事も瀕死のゆっくり。この運動会に出る種類のゆっくりばかりだった。
そして「これはお菓子だ」「食べるのはとてもゆっくり出来ることだ」と教え込んだのだ。
あとは赤ちゃん同士で共食いをしないように「怪我をして動けないゆっくりが食べ物」と条件付けした。
ゆっくりは自身が饅頭のくせに甘いもの好きなのでこの共食い教育は大人のゆっくりにも有効だったりする。

とにかく第一の障害は食欲を刺激する罠だ。
お菓子や果物に釣られたゆっくりを閉じ込めて瀕死にし、赤ちゃんにお菓子として食わせる。
お菓子の誘惑に負けて立ち入り禁止を無視するようなゆっくりには相応しい罰だ。
文字を読めなかったみょんに対してはドンマイとだけ言っておく。
これで白組から一匹脱落したのでスタート地点から白組がまた一匹スタートする。

「ゆっくりがんばるよ!!」

白組二番手はれいむだ。
みょんがどう脱落したのか知らず、元気に駆けていった。



一つ目の障害をクリアしたまりさは二つ目の障害物の前で止まっていた。
まりさの目の前の道は少し幅の細く、進むには必然的に左右の壁に体を擦り付けながら進むことになる。
だが問題はそれだけじゃない。

「まりざがわいぃぃぃぃ!!」
「こっぢにぎでいっしょにゆっぐりじまじょうよ!!」
「とかいはのてくでめろめろにしてあげるぅー!!」

その細い道の左右の壁は何匹もの発情モードありすだった。
地面に接着され、細い道を挟んで二列に並んだ肉の壁。
このありす達は人の飼いゆっくりを犯し殺すなどしてここに捕えられたレイパーありすだ。
ちなみにこの刑務所に着てからは一度もすっきりをしていないのでかなり溜まっている。
だが足は地面に接着され、隣のありすとの間には仕切りがあってありす同士ですっきり出来ない。
なのでこのありす達は目の前を通るゆっくり相手にすっきりするしかないというわけである。
そんなありすが細い道の左右にずらーっと10mぐらい先まで並んでいる。

これこそが第二の障害物。
右と左からありすの激しい交尾を受け、半ば犯されながら進む恐怖の「すっきりロード」だ。

「ゆ、ゆぅ…」

発情したありすの危険を知っているこのまりさは中々踏み出せないでいた。
だがこの障害を乗り越えない限りまりさに自由はない。
ここで止まってはきっと死ぬまでこのゆっくり出来ない場所で苦しみ続けることになる。

(ここでやめるわけにはいかないよ!
 ぜったいにそとにでて…それからはもうまじめにゆっくりいきるよ!!)

そうしてまりさは決死の覚悟ですっきりロードに挑んだ。

「んほぉー! まりさがきたわぁ~!!」
「きっとありすのおもいがつうじたのね!!」
「いっしょにすっきりしましょうね~!!」

黄色い声をあげるありす達の間を駆け抜けるまりさ。
だがそのスピードはかなり遅い。
ありすの足が固定されているおかげで完全に押さえ込まれはしないが、
それでも左右のありすによる挟み込みはまりさの動きを鈍らせるには十分だった。
しかもそれだけではない。

「まりさまりさまりさぁ! いっぱいぺろぺりしちゃうからね~!!」
「ありすはいっぱいこすってあげちゃうぅ!!」
「ゆぅぅぅぅ!! やめでぇぇぇ!!」

普段なら嫌で仕方ないありすとの交尾。
だがまりさはご無沙汰だったし、その場から動けないありすは苦しくなるほど体を寄せてこないのでスリスリが心地よい具合だ。
それらの要因によりありすの性技がとても気持ちいいものに感じて、まりさはついつい身を任せてしまいそうになるのだ。

しかし止まってはいけない。
もしありすがすっきりしてしまうまでこの場に留まれば自分はありすの子種を受けてしまう。
そうなると生える茎に体力が奪われて動けず、二度目三度目の交尾をそのまま受け入れてしまうだろう。
そうなればまりさを待つのは死だけだ。

「ゆ"う"ぅ"ぅ"」

まりさは自身の高まる性欲を抑えながら這うように先へと進む。

「まりさそっぢにいがないでぇぇ!!」
「こっぢですっぎりしまじょぉぉ!!!」
「こっちにきたわ!! ありすとすっきりしたいのねぇぇぇ!!!」
「いっぱいかんじさせてあげるぅぅぅぅ!!!」

左右で一組のありすを抜けても次のありす達が待っている。
次のありす達は熱烈な舐め回しでまりさを歓迎した。
ものすごい嫌そうな顔をするまりさだったが、ありすからすれば「ツンデレまりさ」とか「嫌がっている振り」にしか見えない。
というよりどんな反応をしてもありすは自分の都合よいほうに解釈して盛り上がっていく。

「ゆ、ゆ、ゆゆゆ…」

右ありすからは粘液で濡れた頬での激しい頬擦りが、
左ありすからは焦らしを含めた卓越した舌技がまりさの性欲を高ぶらせる。
二匹相手にすっきりしたことのないまりさには二方向からの責めに我慢が追い付かない。
まりさは自分が発情しかけていることを自覚していた。そしてこのままではまずいと。

「ゆっぐり、いぐよ…」
「いぐ? いぐの!?」
「いっじょにずっぎりじまじょうね!!!」

まりさは先に行くと言う意味でゆっくり行くよと言ったのだが、ありすはイくよと勘違いしたようだ。
ラストスパートと言わんばかりにありすの動きが激しくなっていく。
いくら足を固定されているといってもその場から移動できないだけで、ある程度の自由は利くようにしてある。
なので普段と変わらないぐらいのペースで相手に体を擦り付けることが出来るのだ。

「や"、や"めでぇぇ!! すっぎりじだくないいぃぃぃぃ!!!」
「がまんしちゃってまりさかわいいぃぃ!!!」
「とかいはのてくにっくでいかせてあげるぅぅぅぅ!!」

まりさの顔がトロンと蕩けた顔、涎を垂らしてだらしない顔に崩れていく。
もう逃げたくても逃げられない。
体が気持ちいいのを求めて痺れてしまっている。
二匹の痴ありすに責められるがままにすっきりしてしまいたい。
まりさは堕ちてしまった。

「あああああ、ありすすぅぅっぅう!!! もうだめ! すっきりしちゃうぅぅぅぅ!!!!」
「するの!? すっぎりずるの!?? じゃあすっぎりさぜであげるぅぅぅぅぅぅ!!!」
「いっぱいあかじゃんづぐっであげるぅぅぅ!!!」

そして三匹は顔を徐々に上向きにしながら振動し、高みに昇っていく。

「んほっ、んほおおおおおおおおおお!!!」
「「すっきりー!!!」」

そしてすっきりした。
まりさの頭からは二本の茎がグングンと伸び、代わりにまりさはやつれていく。
しかし茎の先には赤ちゃんは実らない。
ちゃんと事前にありすに簡易の避妊手術を施してあるのだ。ただし簡易ゆえに茎だけは生えてしまうが。
まりさは二本の茎に栄養を奪われて瀕死になっていた。
だがまだ生きている。

「まりさもういっかいすっきりしましょうねー!!」
「どうしてもまりさがしたいっていうから しょうがないわよね!!!」
「ゅ"…ぁぁ……」

まりさは力ない声を出したが、それが最後の言葉となった。
再びありす達の自慰の道具にされ、さらに二本の茎を生やして死んだ。




スタート地点。
まりさが死んだことで赤組の二番手ちぇんがスタートした。

「こんなところでいてたまるか、だね。わかるよー」

ちぇんはゆっくり種の中でも運動神経の高い種なので期待は出来る。
だがそのセリフは死亡フラグである。


白組二番手のれいむ、彼女は一つ目の障害は難なく突破した。
純野生のゆっくりならともかく、この刑務所で生き残ってきたゆっくりは規則をちゃんと守る。
だから「たちいりきんし」とあればどんなに美味しそうな食べ物があってもお仕置きが怖くてそっちへ行けないのだ。
行くとしたら記憶が弱くて自己中心的な性格の子ゆっくりか、字の読めないゆっくりか、それぐらいだ。

しかし二つ目の障害、すっきりロード。
これは恐らく障害物競走一番の鬼門になるだろう。
れいむも今まさに危機を迎えていた。

「がわいいよぉぉ!! れいぶうぅぅぅぅ!!」
「れいぶれいぷれいぶー!!」
「ゆっゆっゆっゆ…なんだか、ゆっくりしてきたよぉぉ…らめぇ」

れいむは四組目のありすまで進んだところでれいむ自身も発情してしまい、ありすの交尾に身を任せてしまっていた。
身を任せるばかりか自分からもありすに対して頬を擦り合わせ始める始末。
ありすはそんなれいむに気を良くして交尾のペースをあげていく。

「れいむぅぅ!! とかいはてくでほねぬきにしてあげるぅぅぅ!!!」
「ゆぅぅ、もうほねぬきだよぉぉ」
「すなおなれいむがわいぃぃぃ!!!」
「ゆぁん、そこはだめぇぇ!! すっきりしちゃうぅ!!」
「しちゃう? すっきりしちゃう? ありすもすっきりー!!」
「なんでさきにすっきりしちゃうのぉぉぉぉぁぁあああああすっきりー!!!!」

このれいむもまた、二匹のありすに子種を植え付けられて二本の茎が頭から伸びていく。
まだ若く、すっきりの経験も少ないれいむには3Pは刺激が強すぎたのだろう。
生える茎は通常よりも太く、若いれいむはアヘ顔のまま黒ずんで死んでしまった。



そして赤組二番手のちぇん。
パン食い競争の罰で尻尾を一本失ったものの、軽快なスピードですっきりロードまで辿り着いた。

「ちぇんかわいぃぃ!!」
「いっしょににゃんにゃんしましょうよぉぉ!!!」
「はやくぎでぇぇぇ!!!」

「いやだよー。わかれよー」

とありすの誘いは拒否したものの先へ進むにはこの道を進むしかない。
その際にゆっくり進んでいては自分も発情するか、もしくはありすが勝手にすっきりして子種を植えつけられてしまう。
クリアするには速攻でこの道を抜けるしかないとちぇんは確信した。
そしてまた、自分の素早さならそれも可能だと。

「ちぇんのはやさならぜったいいけるよ。わかるよー」

ちぇんは自らを鼓舞し、涎や体液でヌラヌラしてるありす達の待つすっきりロードへ突撃した。

「んほぉ、ちぇぇぇん! すっきりしにきてくれたのね!!」
「かわいがってあげるぅぅぅぅ!!!!」
「いやだよ、わかってねー」

やはりちぇん種は素早い。
ありすが身体を密着させて揺さぶる前に次のありす、そしてそのありすが身体を合わせる時にはその次へと抜け出せていた。
ありす達が異常に興奮して身体がヌルヌルしていたのもちぇんの動きを助けた。
そしてちぇんは体がありすの体液で汚れる以外はノーダメージで第二の障害をクリアしたのだ。

「なんでいっちゃうのよぉぉ!!」
「もどってきですっぎりしましょうよー!!」
「さいこうのおもいをさせてあげるからぁぁ!!!!」

「しねばいいとおもうよー」

ちぇんはそれだけ言い残して先へと進む。



ちぇん移動中に白組三番手の様子を見てみるとしよう。

「ゆぎぃぃぃぃぃ!!! あがぢゃんやべでぇぇぇ!!!」
「むちゃむちゃ、しあわしぇー!!」
「おめめもおいちーよ!!」

白組の三番手はまだ子供のれいむだった。
どうやら食べ物の誘惑に負けたようで、最初のみょんと同じように共食い赤ちゃんに食べられていた。
可愛い赤ちゃんに囲まれて最初は嬉しそうだったのに今は赤ちゃんが恐怖でしかない。
どれだけ子れいむが「やめて」とか「いたい」と言っても全く気にも留めず子れいむを食べていく。
しかも背伸びしたい年頃なのか子れいむの穴、つまり傷口から体内に侵入していた。

「ゅゅ! おねーしゃんのなかあったきゃいよ!!」
「やわりゃかくてきもちぃぃよ!!」
「それにとってもあまあまだょ!!」
「ゆ"あっ…あ、ぎ、ぎぃぇ"え"え"え"え"え"え"え"!!!」

体の中にトンネルを掘られていく。
同時に子れいむの精神も壊されていく。
中身の餡子が無くなるにつれて子れいむの体は萎み、最後は皮まで食べられて消えた。

「ゅーん! おいちかったよ!!」
「おなかいっぱいでゆっくちー!!!」
「おひるねちよーね!!」
「すやすやしよーね!!」

満腹で眠り出す赤ちゃんもいたが所員の手によって透明な箱に戻された。
満腹になった赤ちゃんは競技上不要なので観客へのプレゼント(任意)として配られる。



子れいむが食い尽くされる間にちぇんは最後の分岐点へ辿り着いたようだ。
最後の分起点はT字路となっていて、右方向にはゴールが見えている。つまり外の世界がそこにある。
すぐそっちへ行けば良さそうなものだがちぇんはどちらに行くか迷っていた。
それはゴールとは逆方向の道の先、曲がり角の所にゆっくりがいるのだ。
そのゆっくり、れいむとまりさのペアがちぇんを誘う。

「ゆっくりしていってね!!」
「ちぇんもこっちにおいでよ! すごくゆっくりできるよ!!」
「わ、わからないよー」

ゆっくりは仲間のゆっくり出来る誘いに弱い。
仲間のゆっくりした様子を見ると自分も同じようにゆっくりしたくなるのだ。
でも今のちぇんは外に行きたいという強い願いがある。
だから迷う。

「ちぇんはごーるにいきたいよー」
「ゆゆっ! そっちはあぶないよ!」
「それよりもこっちにきたらゆっくりできるよ!」
「しんせつだね、わかるよー。そっちにいくよー」

ちぇんは仲間の警告を信じ、二匹のゆっくりにホイホイついて行ってしまった。
背中を向けるれいむとまりさのもとへとちぇんは駆けていく。

「こっちだよ! ゆっくりついてきてね!!」
「ゆっくりぷれいすはこっちだよ!!」
「いくよー、わかるよー」

二匹の後をついていき、曲がり角を曲がった先には複数のトンネルがあった。
どのトンネルも成体のゆっくりも余裕で通れるほどの径がある。
中は暗くて何も見えないが、どうやらどこかに繋がっているようだ。

「いっぱいあながあるよー」
「そうだよ! ここからすきなところをひとつえらんでね!」
「どこにはいってもゆっくりぷれいすにいけるよ!!」

数えれば30以上もあるトンネル。
二匹の話ではどこに入ってもゆっくりプレイスに辿り着けるらしい。
ちぇんは思った。ここがゴールなんだね、と。

「わかるよー。でもふたりはどうするのー?」
「れいむたちはほかのこをまつよ!」
「まちがってむこうにいかないようにこえをかけるよ!!」
「やさしいんだね、わかるよー」
「だからちぇんはさきにいっててね!」
「わかたよー」

ちぇんはどのトンネルに行こうか悩んでいたが、結局何となく目に入ったトンネルへと入っていった。
れいむとまりさはそんなちぇんを邪な笑みを浮かべて見送っていた。




真っ暗なトンネルを道なりに進む。
やがてトンネルの先に出口の光が見える。

「おそとだね。わかる、わかるよー」

ちぇんはこれでようやく辛い生活から逃れてゆっくり出来ると思うと嬉しくて仕方が無かった。
これからはもう人間に関わらずゆっくりと生きていこうと、そう誓った。
そしてトンネルの出口から飛び出たその先、そこには人間の男がいた。

「おおー! きたきたー!!」

トンネルから飛び出たちぇんを嬉しそうに持ち上げる男。
ちぇんは訳が分からずに辺りを見回す。
右は今までちぇんが通ってきた障害物競走の全景が見える。
左は忌まわしい刑務所が建っている。
ちぇんがいるのは観客席だった。

「わ、わからないよー!」
「家に帰ったらいっぱい苛めてやるからなー。それまでは箱の中で大人しくしてろよ」
「やだよー! わからないよー!! おそとにだしてー!!」
「黙ってろよ。尻尾ちぎんぞ?」
「うに"ゃ…」

ちぇんは大事な残り一本の尻尾を脅迫の種にされると逆らえず、黙るしかなかった。
そして透明な箱に閉じ込められ、その中で静かに泣いた。


最後の罠はあのれいむとまりさだった。
言うまでも無いがあの二匹は運動会に参加したゆっくりではない。
最後のT字路まで来たゆっくりを誘い、観客席まで続くトンネルを越えるよう促す。
それだけのために育てられたれいむとまりさだった。

二匹の言葉に騙されたゆっくりはいくつもあるトンネルのどこかを進む。
そのトンネルは観客席のどこかに繋がっていて、その先で人間がお待ちしているというわけだ。
それで自分のところに出てきたゆっくりはその瞬間その人の所有物となる。なのでその場で捨てようが食べようが好きにして構わない。
このちぇんの未来はこの男が決めることだが、少なくともゆっくりは出来ないのは間違いなかった。






食欲、性欲、甘言が障害となる障害物競走。
参加したゆっくり達は次々と脱落していった。

あるゆっくりは食欲に負けて逆に赤ちゃん達に食べられた。
あるゆっくりは淫乱発情ありす達の性技に耐え切れず、すっきりして死んだ。
そしてあるゆっくりは同じゆっくりに騙され、人間の手に捕まった。

だが、そんな中でもゴールまで辿り着くゆっくりも何匹かいた。
美味しい食べ物を我慢し、ありすの与える快楽に耐えながらすっきりロードを突破し、
れいむとまりさの誘う言葉も断った。

例えば、
「だったらふたりがこっちにきてね! こっちはおそとだからゆっくりできるよ!!」
なんて言って逆に誘ったり、
「ふたりはどこのゆっくり? しらないゆっくりはしんようできないよ」
などと罠を見破って、ゴールへ突き進んでそのまま外の世界へと出ていった。



今まさに刑務所の出口から飛び出た一匹のれいむも障害物競走をクリアしたゆっくりだ。
辺りを見回し、すぐ近くに見える林へ向かって原っぱを駆けていく。

「ゆっくりしていってね!!!」

目の端に涙を浮かべながらゆっくり出来ることの喜びを言葉にするれいむ。
彼女は今、幸せの絶頂の中にいた。

これからは思う存分ゆっくり出来る。
好きな時に食べ、好きな時に遊び、好きな時に寝る。
夢に見続けた自由。
れいむは今、最高のゆっくり感に満たされていた。

「ゆっくり! ゆっくりしていってね!! ゆっくりー!!!」

勝ったら刑期が減るだけのはずが、こうして外に解放されたのだから棚から牡丹餅どころじゃない。
庭から埋蔵金レベルの幸せのはずだ。

そんな幸福なれいむは林へと足を踏み入れた。

「ゆっくりー!!」

そしてまた上機嫌な鳴き声。
柔らかい土、萌える草木、陽の光をさえぎる木々。
その全てがれいむを幸せにした。
刑務所では決して味わえなかった自然の息吹。

「すごく、すごくゆっくりしてるよ!!! もりさんありがとね!!!」

喜びのあまり、自然にお礼するれいむ。

だが次の瞬間。
れいむの体に衝撃が走り、そして何かに包まれた。

「ゆ"っ!? な、なに? なんなの!?」

れいむは逆さになって宙に浮いていた。
実際には虫取り網のゆっくりサイズを被せられ、そのまま宙に持ち上げられていた。
持ち上げたのはれいむのよく知る人間だった。
顔は覚えていないが嫌というほど見たあの服。あれは紛れもなく刑務所所員の制服だった。

「よぉ、束の間の外は楽しめたか?」
「ゆぅぅぅぅ!? どうじでぇぇぇ!!
 れいむなにもわるいごどじでないよぉぉぉぉ!!?」
「あ? 何言ってんだ。早く戻るぞ」
「ごーるじだらぞどにだしてくれるっでいっだのに"い"ぃぃぃぃぃ!!!!」
「ちゃんと外に出れただろ? 時間にして5分程度か。幸せだったか?」
「ゆ"う"う"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"!!!!」

れいむは大粒の悔し涙を流した。もう泣くしかなかった。
手に入れたと思った自由。それはあっけなく終わりを迎えた。
生きた心地がしなかった。
好きな時に食べ、好きな時に遊び、好きな時に寝る。
夢に見続けた自由。

それは結局夢でしかなかった。








運動会は白組の勝利で終わった。

しかし喜ぶゆっくりは誰一匹としていなかった。
勝利を味わえるのは障害物競走を完走して生き残ったゆっくりのみ。
そのゆっくりとて、最良から最悪に引きずり戻されて絶望に身を染めた敗者のような勝者である。

唯一心を慰めたのは白組のゆっくりの刑期が約束通り減ったことか。
それも最初は1年減らすはずが5年も減った。

「これならすぐにゆっくりできそうだね!」
「ちょっとがんばればじゆうになれるね!!」

と通告を受けたゆっくり達は喜んだそうな。


「しかし所長、これで良かったのでしょうか?」
「これで、とは?」
「わざわざゆっくりを喜ばすような真似しなくても。
 それにこの運動会で半分のゆっくりは死んだんですよ?
 いくら何でもやりすぎでしょう」
「なに、刑期を5年減らした所であと10年は残ってる。
 それにな。見てみろ」

所長室から覗ける刑務所の門。
そこには各地から集められたゆっくりが馬車に積まれている。
あれらはすべて悪事を働いて捕らえられたゆっくり。
殺さずとも他に活用法はあるかもとこうして連れてこられるのだ。

きっと来年も運動会ないし似たような行事は開かれるだろう。
刑務所で増えすぎたゆっくりの間引きのため、特定の人々の癒しのために。

ゆっくり刑務所からの招待状。
ゆっくりを虐めることに生を感じる諸君であれば来年は送られてくるかもしれない。

















by ゆっくりしたい人


色々妥協した結果がたったの四種目。そして設定の所々に穴はある。
でも気楽に書けたので満足なのです。

ところで二番目の障害のすっきりロード。
ゆっくりじゃなくて本物のアリスさん(体育着・ブルマ)だったら迷わず行く。死を賭してでも行く。


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最終更新:2008年10月09日 02:05
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