ゆっくりいじめ系1237 ゆっくりサファリパーク

【ゆっくりサファリパーク】

夏の暑い日差しの下、僕とれいむはサファリパークへとやって来た。
ここでは虎やライオン、象やキリン等の野生の動物達がのびのびと過ごしている。
そしてめでたい事に、最近ではゆっくり達もその仲間入りをはたした。

ゆっくりとは本来、野生に生きる生物だ。
都会で生活している野良ゆっくりでは、本当のゆっくりの姿を見る事は出来ない。

僕は飼いゆっくりであるれいむに見せてあげたかった。
ゆっくり達が大自然の中で、ゆっくりと暮らしている姿を。

「大人1枚、ゆっくり1枚お願いします」
「ゆっくりは無料です。でもサファリ内に捨てないでくださいね」

失礼な事を言う受付だ。僕が可愛いれいむを捨てるわけないじゃないか。
れいむが腕の中から心配そうにこちらを見ている。

「大丈夫だよ、れいむ。僕はそんな酷い事しないよ」
「そ、そうだよね! れいむ、ゆっくりしんぱいしちゃったよ!」

安心させるようれいむの頬を撫でながら、チケットの半券を受け取り、入場ゲートをくぐる。
目の前には数台のサファリカーと、広大な森が広がっていた。
暇そうにしてたサファリカーの運転手がこちらへと駆け寄ってくる。

「お客さん、さっそく行きますか?」
「うん、よろしく頼むよ」
「ゆっくりしていってね!」

本当にゆっくりされると困るのだが、運転手はれいむをスルーしたらしく、運転席へと乗り込んだ。
その後を追い、れいむを膝の上に乗せ、乗車席へと腰を下ろす。

「楽しみだね、れいむ! いっぱい仲間に会えるといいね!」
「うん、かわいいあかちゃんがみれるといいね!」

れいむの嬉しそうな顔をみて、僕はここに来て正解だったと確信した。
運転手がエンジンをかけ、車を発進させる。
さぁ、野生の世界へ出発だ!




覆い茂る木々を抜け、車は人工のサバンナへと到着した。
目の前には広大な大自然。れいむもゆっゆっと大はしゃぎ。
潅木が散らばり、遠くにはのんびりしてるキリンの姿も見える。

「見てごらん、れいむ。キリンさんだよ!」
「ゆゆっ! すごくゆっくりしてるね!」
「キリンさんはね、あの長い首で高い場所の葉っぱを食べる事が出来るんだよ」
「きりんさん、すごーい! まいにち、おそらをとんでるみたいだね!」

などとハートフルな会話をしていると、近くの草むらから二つの影が飛び出した。
おお、野生のゆっくりだ!

「ゆっくりしていってね!」

れいむが野生のゆっくり達に元気な挨拶をする。
おや? 向こうも、こちらに気が付いたみたいだ。

「「ゆっくりしていってね!」」

サバンナに、ゆっくり達の唱和が吸い込まれていく。
野生のゆっくりの数は二匹。両方ともまりさ種のようだ。
真っ黒な帽子が緑の中にゆっくりと映えている。

「運転手さん、ちょっと止めてもらっても良いかな?」
「ええ、いいですよ。でも、こいつらに餌はやらないでくださいね」
「ああ、わかっているよ」

大自然で生きるゆっくりに餌をやると、自分で餌を取る事を忘れてしまう。
それではこのサファリパークの意味がない。

それに僕が止めてもらったのは、なにもゆっくりに餌をやるためじゃない。
れいむに野生のゆっくり達と、ゆっくり交流してもらうためだ。
僕は窓から少しだけれいむを出してあげた。

「ゆっ! れいむがいるんだぜ!」
「すごくゆっくりした、びれいむなんだぜ!」
「ゆゅ~ん、はずかしいよぉ」

おお、どうやら野生のゆっくりの目には、れいむは美しく見えるらしい。
なかなか見る目のあるゆっくりだ。

「君達、もっと近くに来てもいいよ」

飼いゆっくりを褒められて嬉しくなり、僕は思わずまりさ達を呼び寄せた。
ゆっゆっと跳ねながら、車の近くまでやって来るまりさ達。

「き、きれいなんだぜ…」
「ま、まりさのおよめさんになってほしいんだぜ…」
「そんなこといわれても、れいむこまっちゃうよぉ」

顔を真っ赤にしたゆっくりが三匹。なんと微笑ましい光景なんだろう。
運転手は欠伸をしている。お仕事ご苦労様です。

「れ、れいむ! まりさは、かりがとくいなんだぜ!」
「ま、まりさのほうが、とくいなんだぜ! れいむをせかいいち、ゆっくりさせてやるんだぜ!」
「ゆっ…ごめんね、まりさ…れいむはおにいさんとくらしてるの。おにいさんじゃなきゃだめなの」

れいむが申し訳なさそうにポツリと呟く。
その言葉に僕の心は有頂天だ。れいむかわいいよれいむ。

「そんなワケだからごめんね。まりさ達は野生でゆっくりしてね」

まりさ達には残念だけど、僕はれいむをここに置いていく気はない。
僕の可愛い飼いゆっくりなのだ。それに、受付の人にも言われたしね!

「運転手さん、行って下さい」
「はいよ」
「まつんだぜ! れいむをおいていくんだぜ!」
「ゆっくりどうしが、いちばんゆっくりなんだぜ!」

そんなまりさ達の声をスルーし、アクセルを思いっきり踏み抜く運転手。
サファリカーの秘めた野獣が本性を現す。
研ぎ澄まされた牙、黒く分厚いタイヤが地面を噛み締め抉る。

「「ゆぎゃああああああああぁあああ!!」」

運転手があちゃーと声を漏らした。
れいむがショックで口から餡子を漏らしている。
車の側を跳ねてたまりさ達は、タイヤの下で引き餡子になっていた。
地面に刻まれた真っ黒な染み。残された帽子がまるで墓標のようだ。
これは車に近づけさせた僕の責任だろう。反省反省。

「すみません、運転手さん」
「あー、まぁ仕方ないよ。ゆっくりには、よくある事だから」

やはり自然に生きるというのは大変な事なのだなぁ。
れいむの口元についた餡子をハンカチで拭いながら、僕は心からそう思った。

「ところで運転手さん。まりさ達は、あのままで良いんですか?」
「大丈夫ですよ。他の動物か虫が掃除してくれます」
「なら安心ですね」

サファリカーは再び前進を始めた。




車に揺られながら、まだ泣いてるれいむに、野生の過酷さを教えてあげる。
最初はなかなか理解してくれないれいむだったが、ゆったりと歩いている象を見せたら機嫌が直ったみたいだ。良かった良かった。

「象さんはね、あの長い鼻で高い場所の葉っぱを食べる事が出来るんだよ」
「ぞうさん、すごーい! まいにち、おそらをとんでるみたいだね!」
「いや、上に行くのは鼻だけなんだけどね」
「ゆっ! ゆっくりりかいしたよ!」

などとハートフルな会話をしていると、近くの丘の上に揺れる二つの影が見えた。
おお、野生のゆっくりだ!
しかし、あの様子は普段と違う…そうか!

「運転手さん、ゆっくりの近くに止めてください。静かにゆっくりお願いします」
「はいよ」

ゆっくり達に気づかれないよう、こっそりと車を近づけ停止させる。
野生の動物ならこの時点で気づくだろうが、ゆっくりが相手ならこれで大丈夫だ。
それに僕の想像通りなら、エンジンを切らなくても気づかないだろう。
ひょっとすると、気をつけなくても気づかないかも知れない。

「ほら、れいむ。向こうを見てごらん」
「ゆっくりし──」

僕の指差す方にゆっくりを見つけ、早速、挨拶をしようとするれいむ。
だが野生のゆっくり達の様子に気づくと、慌ててその声を飲み込んだ。

「ゆっふぅうう! まりさぁ、かわいいよぉお、まりさぁあああ!」
「ありすうぅぅう、もっとまりさのまむまむを、つきあげるんだぜええぇええ!」
「んほぉお! うれしいこといってくれるわね! たっぷり、すっきりさせてあげるわぁあ!」

ご覧のように、ありす種とまりさ種がお楽しみの真っ最中だ。
過酷な大地の上では、子孫を残していく事が何よりも大事なのであろう。
こんな真昼間っからお盛んに腰を揺らしている。

二匹のゆっくりの身体は得体の知れない汁にまみれ、身をくねらせる度に、クッチュクッチュと音をたてた。
ありすの長い舌が、ピンクに染まったまりさの頬をベロベロと舐めまわす。
まりさはゆっゆっと切なげな声をあげると、今度は唾液で溢れたありすの舌へ、自分の舌を絡め始めた。

「んっちゅ、ちゅぱっ…! す、すごいわ、まりさぁあ! こんなとかいはなてく、どこでおぼえたのおぉお!?」
「じゅるっ、ちゅぽっ…! あ、ありすのために、れんしゅうしてたんだぜぇええ!」
「うれしいぃぃい! ありすのあいをうけとってぇえええ!」
「んっほ! んっほおおぉおおお!!」

ありすのぺにぺには、まりさへの思いで、はち切れんばかりに怒張している。
もう我慢ならんとばかりに、サバンナのように熱く湿ったまむまむが突き上げられる。
二匹の足元には、黒と黄色のマーブル模様の湖が出来上がっていた。
カスタードと餡子の混ざった咽返る匂いが、今にも風に運ばれこちらへと伝わってきそうだ。

「ハハハ、見てごらん、れいむ。あのありすのぺにぺに、すごく大きいね」
「もぉ、おにいさんのえっちぃ。それに、おにいさんのが、おおきいよぉ」
「こいつめぇ~」
「ゆぅ~ん」

運転手がケダモノを見るような目で僕達を見つめている。お仕事ご苦労様です。

「しゅご! しゅごい! ありすのぺにぺに、まりさのまむまむのおくに、あたってりゅうぅうう!」
「まりさ、にんっしんしちゃうの? ありすのぺにぺにで、にんっしんしちゃうのおぉおお!?」
「しゅっきりくる! しゅっきりきちゃうんだぜぇええ!」
「んほっ! んほっ! まってて、まりしゃ! ありしゅもしゅっきり! しゅっきりくるぅぅうう!!」
「「んっほおおおお!! すっき──」」
「「ゆ゛き゛ゃ゛あ゛あ゛あああああああああぁああ!!」」
「パオ~ン!」

運転手があちゃーと声を漏らした。
れいむがショックで口から餡子を漏らしている。
いつの間にか近くに来ていた象が、うっかり二匹のゆっくりを踏み潰していた。
何事も無かったかのように、のっしのっしと歩み去っていく象。
その足の裏には、悲痛な叫びを残したデスマスクが張り付いてた。

「いやぁ、驚きました。象って、こんな近くまで来るんですね~」
「まぁ、そこそこ人間馴れしてますからね。あまり馴れると困るんですが」
「ゆっ…ゆっ…ゆっ…」

れいむは自然の非情さに耐えられなかったのか、ガクガクと身を震わせている。
やっぱりれいむは飼いゆっくりだ。しっかり僕が守ってあげよう。

「それじゃ車進めて下さい」
「わかりました。今度は向こうの湖まで行ってみましょう」

サファリカーは再び前進を始めた。




人工物であろう湖が、サバンナの真ん中に広がっている。
きっと野生の動物達が、ここに水を飲みに集まったりするのだろう。
今、この水場を独占してるのは…おっ、ゆっくりだ!

「ごきゅごきゅ、おみじゅしゃん、しゅごくおいちぃね!」
「きゃっきゃっ、ちゅめた~い」
「あかちゃんたち、こっちきてね。おかあさんが、きれいきれいしてあげるね」
「「ゆゆっ! おかぁしゃん、ありがちょう!」」

どうやられいむ種の家族が水浴びをしてるようだ。
親れいむの周りを、赤れいむが楽しそうに跳ねている。
赤れいむは十匹近くいるだろうか? 結構な大家族のようだ。
そういえば、れいむが赤ちゃんを見たがっていたな。

「ほら見てごらん、れいむ。赤ちゃん達が楽しそうに水浴びしてるよ!」
「ゆっ…?」

まだ腕の中でガクガク震えていたれいむを持ち上げ、窓から家族の団欒が見えるようにしてあげる。

「ゆゆっ! ほんとうだ、あかちゃんがいるね!」
「そうだね、れいむと同じれいむが沢山いるね」
「ゆゆ~ん、みんなすごくゆっくりしてるよ~」

どうやら目当ての赤ちゃんが見れて嬉しかったらしい。
れいむの機嫌は、あっという間に直ってしまった。

「ゆっ、ゆ~♪ れいむのかわいいあかちゃん~♪ ぺ~ろぺ~ろ、いつもきれい~♪」
「ゆっゆっ! おかぁしゃん、くしゅぐっちゃいよぉ!」
「おねえしゃんばきゃりじゅる~い!」
「きょんどは、れいみゅをぺ~ろぺ~ろしちぇね!」
「みんなじゅんばんをまもってね! みんなでゆっくりしようね!」
「「ゆゆ~ん♪」」

赤れいむ達を順番に舐めてグルーミングする親れいむ。
この厳しい環境の中で、あれだけの家族を維持するのはさぞ大変だろう。
親れいむの苦労を思うと胸が痛くなりそうだ。

「ゆ~ん、あかちゃんすごくかわいいよぉ~」
「本当だね。あんな赤ちゃん達が家にいたら楽しいだろうね」
「おにいさん…れいむも、おにいさんとのあかちゃんほしいなっ」
「ハハハ、こいつめぇ~」

衝撃発言に嬉しさを隠し切れない僕は、思わず頬を赤らめてしまう。
運転手は遥か遠くのキリンの群れを見ていた。お仕事ご苦労様です。

「ゆゆっ! そろそろ、じかんだよ! ゆっくりしないで、おうちにかえろうね!」
「ゆっ!? どうちちぇ?」
「もっちょおみじゅさんであしょびちゃいにょに…」
「ゆっきゅりちようね?」
「だめだよ! あかちゃんたち、よくきいてね? ここには、もうすぐ──」
「ゆぎゃあああああああ!!」

突然響き渡る赤れいむの叫び声。
僕とれいむのハニームーンを邪魔するなんて、いったい何事なのだろう?

「ゆ゛か゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛、れ゛い゛ふ゛の゛あ゛か゛ち゛ゃ゛ん゛か゛あ゛ぁ゛あああ゛!!」

運転手があちゃーと声を漏らした。
れいむがショックで口から餡子を漏らしている。
いつの間にか湖から上陸したワニが、赤れいむを次々と丸のみにしている。
リボンも残さずワニの腹の中へ収まっていく赤れいむ達。

「あかちゃんたち、おかあさんのおくちにはいってね! ワニさんのおくちじゃなくて、おかあさんのおくちにはいってね!」
「ゆっきゅりしないで、いしょぐよ!」
「おかぁしゃん、たちゅけてぇ!」

今度は母れいむの中に次々と赤れいむが収まっていく。
足の遅い赤れいむを収納して、一気に逃げるつもりなのだろう。
ワニはああ見えてかなり素早い。正直、あまり良い策とは思えないのだが…

子れいむの収納を終えた母れいむが、ワニに背を向け走り出す。
そのスピードはお世辞にも速いとは言えない。
このままだと追いつかれてしまうだろう。

しかし、母れいむの思いが通じたのか、ワニはこれ以上追って来なかった。
いや、正確には、最初に現れたワニは追って来なかった。

大きなワニの後ろから、小さなワニが三匹上陸してくる。
あのワニの子供達なのだろうか?
母れいむ目掛けて前進を始める子ワニ達。
小さな尾をくねらせて、恐ろしいスピードで追撃を開始する。

「でょぼぢでぶぇでるのぉおおお!?」

あーあ、後ろなんか見なきゃ良いのに。
子ワニ達はその圧倒的なスピードで、母れいむのすぐ後方へと付いてた。

「ゆっべっぎゃあぁああああああ!!」

一匹の子ワニの小さな口が、まず母れいむの足を食いちぎった。
最初に相手の動きを止める。子ワニの将来が楽しみだ。
動けなくなった母れいむの頬を、額を、真っ黒な髪を、子ワニ達がゆっくりと捕食していく。
母ワニと思われる大きなワニは、その様子を見ながら、大きな口を開け日光浴を楽しんでいた。

口と言えば、口の中に入った赤れいむ達はどうしたんだろう?
疑問に思い母れいむの口を注視してみる。
絶叫で大きく開かれた口の中では、絶叫のマトリョーシカが完成していた。
きっと叫んだ時に潰してしまったのだろう。ご愁傷様です。

数分後、湖にはワニの親子の団欒する姿だけが残された。
大自然の水場は公共物だ。誰が独占するわけでもない。
そう言えば母れいむには、ワニが来るのを理解していた素振りが見えた。
あれはどういう事なんだろう? しかし、その疑問に答えてくれる相手は腹の中だ。
今更どうしようもない。

「いやぁ、ワニって饅頭食べるんですね。驚きました」
「饅頭を食べるのかは解りませんが、見ての通りゆっくりは食べるみたいですね」
「不思議ですね」
「全くですね」

自然は神秘に満ち溢れている。僕は込み上げる感動に打ち震えた。
れいむは運転席のシートの下に潜りこみ、ガクガクと震えていた。




その後、クマの一振りで木っ端微塵になるゆっくりや、ヘビに丸のみされ腹から声を出してるゆっくり、子ライオンの狩りの練習相手にされるゆっくり等を見ながら、ゆっくりと出口へと辿りついた。
西に沈みかけた太陽が、真っ赤な光で僕等を照らす。
実に有意義な一日だった。僕は運転手とガッチリ握手する。

「今日は、ありがとうございました」
「いえいえ、またいらっしゃってくださいね」
「だってさ! また来ようね、れいむ!」

ビクっと身を震わせたれいむを腕に抱え、僕達はサファリパークを後にした。


おわり


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最終更新:2008年10月27日 01:41
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