ゆっくりいじめ系1508 楽園の終焉

楽園の終焉
  • 現代日本注意
  • ドス登場




何とかという地方都市の近くに大きな森が広がっていた。
一昔前ならよく見られた動植物にとっては最後の楽園でもあった。
もっとも、今その森の主要な生物はゆっくりと呼ばれる最近になって大発生した謎のナマモノである。
都市や農村でも多く見られるが、ここまで野生のまま、人間との関わりを持たずに生活を営むゆっくりは最早そうはいないだろう。
この森に棲むゆっくり達の群れもその数少ない群れの一つであった。
最も、そのゆっくり達の繁殖力は凄まじく、食害によって多くの森が昔の姿を失いつつあった。
ここでも他の動植物の繁栄を押しのけるまでに数を増やしたゆっくり達が森の主要なナマモノとなった経緯がある。
今ではゆっくり達の楽園と言っても過言ではないだろう。

この森に棲む群れはドスまりさが治める数百匹単位の一つの群れである。
この群れは先にも述べたとおり、極めて野生のゆっくりの原型に近い生態系を保っていた。
というのも、この森は広く、森の大部分がとある富豪の所有地であったため、人間すらもめったに立ち入らず、外因によるリスクがなかったのだ。

森の深くなったところにゆっくり達のコミュニティが存在し、そこにはとあるれいむとまりさの番が暮らしていた。
この二匹は幼馴染であったため、仲がよくいずれは将来を誓い合う伴侶にと決めていた。
そしてつい最近、二匹がにんっしんしても耐えられるまでに体が成長したため、ついに互いにすっきりしあい、晴れて番いとなったのだ。
「まりさのあかちゃんとってもゆっくりしてるよー♪」
「れいむのあかちゃんもとってもゆっくりしてるね!きっとわたしたちににてゆっくりしたこになるよ!!」
朽ちた木の窪みの巣の中でこんな微笑ましい会話が続いていた。
そしてついに互いの子供達が生まれた。れいむ、まりさともに4体ずつ生まれ、二匹とも大満足である。
「「「ゆっくちちていってぃえにぇ!!!」」」
プチトマト程の大きさの8匹が元気よく挨拶した。
「「ゆっくりしていってね!!」
二匹の愛の結晶に涙を流して喜んでいた。早速互いの蔓を千切り、赤ちゃん達が食べられるように咀嚼し、ぺっと吐き出した。
赤ちゃん達は両親の吐き出した最初のごはんに群がっておいしそうに食べ始めた。
「「「むーちゃむーちゃむーちゃ、ちあわちぇー!!」」」
そんな赤ちゃん達を見て二匹はほほ笑んだ。確かに苦しいこともあったし、これからも苦しいことがあるだろう、
だがこの赤ちゃん達がいればどんなことでも乗り越えられる。そう二匹は確信していた。
次の日からまりさは狩りに出かけ、れいむは子守りをしてまりさの帰りを待った。
毎日のように美味しいごはんを食べ、赤ちゃん達もゆっくり成長していった。
赤ちゃん達が生まれて一月半も経つと、8匹はソフトボール程度の大きさにまで成長し、もう狩りに連れて行ってもいい頃合いである。
その日は家族10匹で狩りに出かけ、小さな虫やトカゲ、雑草等を食べて家に帰った。
そんな日が何日が続き、やがて子供達も狩りの時は単独でも行動できるようになっていった。
ある日いつものように親子で狩りに出かけたとき、一匹の子まりさが森の外れの方まで行き奇妙な音を聞いた。

 ・・・ガガガガガガガ・・・・・

今まで聞いたことのないようなゆっくりできない音だった。
「ゆっ?このおとはなんだかゆっくりできないよ!ゆっくりやんでね!!」
そんなことを言っても止む気配はない。子まりさは怖くなって両親の元へ帰り、そのことを報告した。
「そんなおとわたしたちもきいたことないよ!あしたどすにゆっくりきいてみようね。」
子供の言ったことが何だか分からないが、気になるので群れのドスに聞いてみることにして今日は帰ってゆっくりした。

次の日に家族は群れのドスまりさの元へ行き、“ゆっくりできない音”について報告した。
「ゆぅ・・・そんなおとドスもきいたことないよ、でもゆっくりできないおとがつづくようならなんとかしないといけないね!」
この群れのドスは古くから森に棲んでおり、群れの信頼も厚いゆっくりであった。
ドスは早速、そのゆっくりできない音を調べるために数匹のゆっくり達と子まりさをそこに行かせた。
だが調査に赴いたゆっくり達は二度と帰ってこなかった。

それからまた一月も経つとついにはゆっくり達のコミュニティにも“ゆっくりできない音”が響くようになり、また狩りにでたゆっくりが帰ってこない事件が続出した。
群れのゆっくり達はドスに“ゆっくりできない音”の正体を確かめるために同行してほしいと提案し、
行方不明になるゆっくりが続出していたため、黙って傍観してられないと判断したドスは調査に同行した。
ゆっくり達はより鮮明に聞こえるようになった“ゆっくりできない音”のする方向を目指したが、目の前の光景を見て絶句した。

ガガガガガガガガ・・・・・・

ドドドドドドドド・・・・・・

今までゆっくり達の狩り場であった森の一角には既に一本の木も生えておらず、
人間達が見たこともない巨大な乗り物に乗り木を切り倒し、地面を均しているではないか。
そう、この“ゆっくりできない音”の正体は人間達のブルドーザーやチェーンソーによる開発に伴う騒音だったのだ。
「な゛に゛ごれ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!???」
「にんげんさん!ゆっくりやめてね!!きさんがいたがってるよ!!!」
この群れのゆっくり達にとって木は棲みかを与え、外敵や寒さから守ってくれる大切な存在である。
そんな木が人間達によって切り倒されていく・・・ゆっくり達には何をしているかは分からなかったが許せなかった。
だがゆっくり達がいくら叫んでも人間達は作業の手を休めようとしない。
怒りに震えたドスは人間達に叫んだ。
「ゆっくりやめてあげてね!!!」
流石に声が大きく、ロードローラーを操縦していた男がゆっくり達に気づいた。
「ん?なんだ、またゆっくりかと思ったら今度はやけにデカいのがいるじゃないか。」
「なんだじゃないよお!!きさんになにやってるの゛お゛お゛お゛!!?」
「何って見りゃ分かるだろ、木を切ってるんだよ。」
男は平然と答える。
「どぼじでぞん゛な゛ごどずる゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛!!??」
「ゆっぐりしてないでざっざどやべであげてね!!!」
ゆっくり達も一緒になって抗議する。
だが男は「止めろって言われても俺にゃムリだ。もっと偉いサンに頼みな」と言って取り合わない。
「「じね!ゆっぐりじね!!」」
ゆっくり達は最後の手段とばかりにドスが止めるのも聞かずロードローラーに体当たりを仕掛けた。
勿論、そんなものが効くわけがないが。
男は煩わしそうな顔をして、躊躇いもせずにゆっくり達をローラーに巻き込み潰していった。
「「「ゆ゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!?」
「どずぅ゛!ゆ゛っ゛ぐり゛だずげdゆ゛ぎぃい゛・・・」
ドスはその時悟った。今まで行方不明になったゆっくり達は皆このように嬲り殺されていったのだと。
事実、今まで行方不明になったゆっくり達は、このゆっくり達と同じように作業を中止させようとしたために殺されたのだ。
だがこうなってしまえばもはや関係ない。ドスは意を決してドスパークを撃つ態勢に入った。
「ゆっ、おじざん、よくもなかまたちをごろじだね!!」
「殺したっつかお前らが邪魔するからだろ・・・どっちか言うと事故だろこれは。」
男は悪びれる様子もなく答える。
「もんどうむようだよ!!しんだなかまたちのかたきはゆっくりしんでn・・・ゆ゛ぎゃ゛あ゛!!」
ドスが言い終わるのを待たずに男はロードローラーを進めドスも巻き込み踏み殺してしまった。
例え2m近い巨体を誇るドスまりさであっても鉄の麺棒の前では餡子の塊にすぎなかった。
「あーあ・・・こんなに汚れちまったよ、整備が大変そうだな、こりゃ・・・
おーい、またゆっくりを潰しちまった!水撒いてくれ、このままじゃ蟻が沸いちまうぞ!」
男はそう言うなりまた作業に戻って行った。

ガガガガガガガガ・・・・・・

ドドドドドドドド・・・・・・

ドスや調査に行ったゆっくり達も帰って来ず、ますます近づく“ゆっくりできない音”のために群れのゆっくり達は混乱状態に陥った。
やがて現れた人間や巨大な鉄の怪獣のためにゆっくり達は多くが殺され、生き残ったゆっくり達は森の更に奥へ逃れて行った。

その翌年、ゆっくり達のコミュニティがあった場所は巨大なゴルフ場に変わっていた。
毎日多くの人々がこのゴルフ場を訪れコースを回っていた。
そのゴルフ場には今でもたまにゆっくり達が現れる。
かつて森であったため、木々は所々残されており、そこで逃げたゆっくり達が暮らしていたのだ。
だがかつてのような広い森はなく、生き物は極端に少ない。そのため餓えたゆっくり達はコースへ出て人間にクラブで叩き殺されたり、
運悪く飛んできたボールに当たり命を落としたり、またある者は池に落ちてそのままゆっくり溶けて死んでいった。
ゆっくり達がまたコースへ出てきた。
大きな個体が2匹、やや小さな個体が7匹。内訳はれいむが5匹、まりさが4匹であった。
そう、かつてゆっくりの楽園があったときのあの家族だ。
このゆっくり達は子まりさがいなくなり、群れが崩壊した後も何とか森の奥へ逃げ、身を寄せ合って暮らしていた。
一年経てば通常大人になって、各々が家庭を持つのが普通だが、群れが崩壊し、森はコースによって隔てられてしまった上に、
極端に栄養状態が悪かったために子供も十分に成長できなかった。ここまで生き延びてこれたのは単衣に家族愛のお陰であろう。
ゴルフ場が出来てから、コースに囲まれた小さな島状の森に身を潜め、その小さな範囲で餌を探していたが、
やがて餌に困るようになり、ついにコースに出てきたのだ。
その時コースに人間がいなかったためゆっくり達はフェアウェイに降りてゆっくりし始めた。
「ゆー、ひさしぶりにゆっくりできるよ!」
「くささんもたくさんはえてるね!!」
「にんげんさんたちもいないから、みんなでゆっくりたべようね!」
家族は久しぶりに心からゆっくりできた。
やがて芝をついばみ始め少し経ったとき家族に異変が起きた。
「ゆ゛・・・な゛んだがゆっくり゛できな゛いよ゛・・・」
「みんなしっかりしてね!・・・ゆ゛べぇ゛え゛え゛え゛!!」
ゆっくり達は嘔吐し始め、やがて死んでいった。
「も゛っ゛どゆ゛っ゛ぐり゛じだがっ゛た゛よ゛・・・」
普通、ゴルフのコースに生えている芝はその青々しさを保つためや、雑草を除くために、
除草剤やその他多くの薬品が散布されている。異物に対する抵抗力の弱いゆっくりにとっては劇薬以外の何物でもない。
だがこんな光景はこのゴルフ場内では頻繁に見られることなのだ。
かつてゆっくり達の楽園であった森は既にその姿を失い、ゆっくり達も激減していった。
最早ここには二度と「ゆっくりしていってね!!!」のこだまが響くことはないだろう。








Fin
どうも、またまた駄文にお付き合い頂きありがとうございました。
人間による開発とそれに翻弄される生物をゆっくりという形を借りて書いてみました。

コースに除草剤やら撒いているというのはうろ覚えです・・・
確かそうだったとは思うのですが、書き終わってから不安になるってどういうこったいw


過去作品
男と一家
きめぇ丸の恩返し 丙・丁
ゆっくりハザード 永遠亭の怪

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最終更新:2011年07月28日 00:47
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