ゆっくりいじめ系1742 あるてぃめっとれいぱーありす2

※拙作「ゆっくりいじめ系1683 あるてぃめっとれいぱーありす」の続きです
 一応読んでなくてもわかるように書いているつもりです
※すっきり描写がむやみやたらにあります
※独自設定があります
※れいぱーありすがある意味とても幸せになります
※おにいさんがある意味とても不幸になります









「ゆっくりしていってね!」
 昼過ぎ。山中を散策中。
 俺の前に現れたゆっくりれいむは、もう嫌と言うほど聞いてきたゆっくり特有の挨拶をしてきた。
 そう、俺はゆっくりの挨拶など聞き飽きている。
 今まで何匹ものゆっくりを飼ってきた。
 ゆっくりは、気に入れば可愛がり気に入らなければ虐待した。
 気まぐれに、適当に。もう何匹のゆっくりと出逢い、別れて来ただろう。
 ゆっくりにちなんで三匹目から先は数えていない。
「おにいさんはゆっくりできるひと?」
「もちろんさ」
 微笑んで言葉を返してやる。
 今日は新しい飼いゆっくりを求めてやってきたのだ。
 目的の方から近づいてきてくれたのだから、たかがゆっくり相手とは言え笑みの一つもこぼれると言うものだ。
「甘いモノは好きかい?」
「ゆゆ! とってもゆっくりできそうなにおいがするよ! たべていいの?」
「ああ、どうぞ」
「ゆ〜♪」
 俺の用意したシュークリームをれいむは気に入ってくれたようだ。
「むーしゃむーしゃ、しあわせー♪」
 瞬く間に平らげてしまう。食べれば幸せ、と言うより食べるだけで幸せになれる饅頭生物。
 悩み事がなさそうで、まったくうらやましい限りだ。
「れいむ。ちょっとお兄さんの質問に答えて欲しいんだ」
「ゆゆ? しつもん?」
「実は家で暮らしているゆっくりがおよめさんを欲しがってるんだ。
 子供をバンバン作りたいらしい。だからたくさん子供を産める丈夫なゆっくりが欲しいんだ。
 そんなゆっくりに心当たりはないかな?」
「ゆゆ! それなられいむがいいよ! れいむはむれでいちばんじょうぶなゆっくりだよ!」
 胸でも張ってるつもりか、ぷくーと身体を膨らませてれいむは答える。
 れいむ種は母性に優れている。それにこいつは立派な成体で、健康状態も悪くなさそうだ。
「じゃあ、確かめさせてもらうよ」
 がっしりとれいむをつかむ。
「ゆ、ゆゆ!? いたいことしたらやだよ! れいむおこるよ!」
「大丈夫。痛いことはしない。痛いことだけは、絶対に、な」
 そして、手をブルブルと震わせる。
「ゆ、ゆ、ゆゆゆゆ……んほぉぉぉぉぉぉ!」
 身体全体が粘液でぬめり、頬が赤くなる。ゆっくりの発情状態だ。
 この状態は振動で簡単に導ける。問題はその先だ。
 俺は手早くゆっくりの性感帯「すっきりーポイント」を刺激する。
 俺の熟練したテクニックは、
「すっきりー!」
 瞬く間にれいむを絶頂へと導いた。
 しかし、一度では終わらせない。手を休まず、執拗かつ的確に、ゆっくりの身体に無数に存在する「すっきりーポイント」を刺激する。
「ゆゆ!? んほ、んほ、んほぉぉぉぉぉぉ! すっきりすっきりすっきすっきすっきすっきり……ゆげぇ!」
「連続七回すっきりが限界、か。まあ頑張った方だな」
 一般に、生物の交尾、出産は負担が大きい。種によっては命がけだ。
 ゆっくりも例外ではなく、まして自然にはありえない連続すっきりは命に関わる。
今までの経験からすると三回から五回が限界。このれいむは自分で言っていたように丈夫な方だったようだ。
 吐き出しかけた餡子を口に詰め込み、むりやり呑み込ませると、おもちゃの水鉄砲でオレンジジュースを注射してやる。
水鉄砲はコストがかからず取り扱いも楽で重宝している。ゆっくりごときにはおもちゃで充分と言うものだ。
 意識は戻らない。だが、青ざめていた顔色(体色と言うべきか?)は戻った。
わざわざ事前にシュークリームを食べさせ体力を付けさせてやったし、このまま放っておいても死にはしまい。
 俺は一種類の虐待が終わるまで他のゆっくりの命はとらない主義だ。
 そう、まだ終わっていない。アイツとの関係は、未だに続いているのだ。
「はぁ……」
 俺はため息を残し、その場を後にするのだった。


 発端は単なる気まぐれだった。
 常時発情状態のれいぱーありすをペットとして飼ってみたい。それだけだった。
 発動しっぱなしと言うのもうざいので、毎朝俺の手で満足するまですっきりーさせてやることにした。
 そうすることでれいぱーありすは並のありす程度には落ち着いた状態になった。
 副次的な効果として、俺には「ゆっくりをすっきりーさせるスキル」が身に付いた。それも、異常なほどの高レベルで、だ。
 先ほどれいむをすっきりさせた手管など、今の俺にとっては児戯に等しい。
 そして、ある日。ありすが「子供が欲しい」とか言い出した。まあそれも一興と適当に野良まりさをあてがってやった。
 結果は惨憺たるものだった。
 俺との毎朝すっきりーでれいぱーとしての能力を高めたありす。
 その繰り出したすっきりーは、もはや”必殺技”の域だった。文字通りの必殺、だった。
 まりさは枯死。うまれた赤ゆっくりは異常な急成長し、それに耐えきれず膨張破裂。
 予想外の惨劇だった。
 おまけにありすのヤツ、非常に気持ち悪いことにどうも俺のに気があるらしい。れいぱーの恋愛感情ってどんなだよ。
 それらのあまりにおぞましい事実は、ありすを連続すっきりーによって「永遠にゆっくり」させてやることを、俺に決意させた。
 ところが、だ。

 俺は、敗北した。
 こともあろうに、ゆっくりに敗北したのだ。

 連続すっきりーはゆっくりの身体に相当な負担をかけるはずなのだが、俺の方が先に力つきた。
 「ゆっくりは妖怪の一種」という説がある。かつては大げさな妄言だと笑い飛ばしていたものだが、今は笑えたものじゃない。
 だって俺が敗北したとき、ありすの出した「せいしカスタード」の量は優に成体ゆっくり三体分ほどの体積があったのだ。
すっきりーの回数はもう数えるのもばからしいぐらいだった。
 しかも、俺は息が上がって腕は上がらないという疲労っぷりだったのに、ありすはつやつやして満足げだったのだ。
ゆっくり流に言えば「じつにゆっくりした」状態だった。
 これはもうアレだ。「相手の体力を奪い取って無限にすっきりーする程度の能力」とか持っているに違いない。
 まさしく「あるてぃめっとれいぱー」と呼ぶほかないオーバースペックだった。
 いっそ普通の虐待してやろうかと思ったが、ありすのやつ、
「きょうのおにいさんは”えすえむ”なのね!
 かげきなあいじょう、とかいはなありすがうけとめてあげるわ!
 さあ、おいでなさい! んほぉぉぉぉぉぉ!」
 とかぬかして人のやる気を萎えさせることこの上ない。
 俺にとってはゆっくりの虐待は娯楽で、楽しめなければ虐待ではないのだ。ゆっくりの方を楽しませてどーするってもんだ。
 かと言ってひと思いに楽にさせたのでは、この胸にわだかまる敗北感はぬぐえない。
 そこで、俺は考えた。
 ケチのつけ始めは最初にあてがった野良まりさだ。あいつがちゃんとありすの子を産めばこんな事にならなかったのだ。
 だから俺はこうしてヒマを見ては山や森を散策し、ありすの”必殺技”に耐えうるゆっくりを探しているのだった。


「今日はどうすっかなー」
 昼下がりの家の中。窓から外の天気を眺めながら、考える。
 ありすのつがい探しは毎日やってるわけじゃない。仕事だってあるし、気が乗らない日もある。
 今日は休みだったが、気分がのらなかった。天気はいいんだけどな。
「もう! だーりんってば、ありすのおよめさんをいっしょうけんめいさがしてくれるのはいいけど、
 たまにはありすのあいてをしてよね!」
「おまえ俺のこと”だーりん”とか呼びながら”ありすのおよめさん”とか言うの矛盾してることに気づけよ。
 あと俺のこと”だーりん”って呼ぶな。キモい」
「もう! だーりんったらつんでれねぇ……すっきりー!」
 俺はありすを「強制瞬間すっきりー」させ黙らせた。
 これはその名の通り、ゆっくりの「すっきりーポイント」を素早く刺激し、
発情させることなく即座にむりやりすっきりーさせる高等テクニックだ。
 通常のすっきりーにある快感と充実感を与えることなく屈辱と疲労だけを負わせるオシオキに最適なテクニック……なのだが、最近のありすには効果が薄い。
 なにしろこいつ、ニコニコしながら俺のことを見ているのだ。
「なにニヤついてるんだよ」
「べ、べつに! ただこうして、だーりんにすっきりーさせられるひるさがりって、
 とっても”とかいは”っておもっただけよ!」
「……前々から思ってたんだけど、お前のイメージしてる”とかい”ってどんだけ治安の悪い性犯罪都市なんだよ……」
 そんなことをぼやいたときだった。

 視界が白く染まった。

「!?」
 それが窓からの強烈な閃光によるものだと理解する間もなく、轟音が耳を襲い
振動が身体を震わせる。
「な、なんだっ!?」
「んっほほほぉぉぉぉ!」
「こんな時に発情してるんじゃねぇっ!」
 振動はすぐにおさまった。
 おそるおそる窓から外の様子を窺う。
 そこには晴天に広がる平原が広がっている。俺の家は村の外れにあるのだ。
 その見慣れた眺めの中に、無数の異物があった。
「にんげんさん! ゆっくりしないではやくでてきてね!」
 驚いた。ゆっくりだ。平原を埋め尽くすように百匹は下らないゆっくりの群がいるのだ。
 しかもその中心にいるのは――ドスまりさだ。
 大きい。近くのゆっくりと比べると、おおよそ直径五メートルはありそうな巨大饅頭だ。
 先ほどの閃光は、どうやらドススパークだったらしい。
「な、なによあのいなかものどもは! とかいはのれいぎをたたきこんであげようかしら!」
 いつの間にやら俺の肩の上に乗り、一緒に外の様子を見ているありす。
 どうでもいいけど俺の顔の近くで舌なめずりするのはやめて欲しい。気持ち悪い。
 こいつはこの危機を全く恐れていないのか、あるいはれいぱーの本能か。心底、この状況を楽しんでいるようだった。
 だが、俺もまた脅威だけでなく、喜びを覚えていた。運が向いてきたかも知れない。
「なあ、ありす。相談がある」
 俺はこの幸運をモノにすべく、ありすに「作戦」を説明した。



「ようやくでてきたね! ゆっくりしすぎだよ」
 外に出ると、ドスまりさからそんな声をかけられた。チラリと横を見ると、家の脇の木が生えていた場所に焼けこげた地面が見える。木は跡形もない。
 あの木はゆっくりを叩きつけたり打ち付けたりした思い出の木なのに。
 ゆっくりたちは家からだいぶ距離を取っていた。
「まず事情を聞きたいー! そっちに近づいていいかー!?」
「りょうてをあげて、ゆっくりちかづいてきてね!」
 苦笑する。ゆっくりのくせに用心深いことだ。
 もとより武器は持っていない。俺は両手を上げて、ゆっくり歩みながら、思考を巡らす。
 ドスの最大の脅威は言うまでもなくドススパークだ。それと共に注意すべきはその巨体。
直径五メートルに及ぶ巨体でのしかかりでもされたら並の人間では命を失いかねない。
そしてあいにく、俺は並の人間だ。
 だから慎重に距離を測りつつ、ドスからおよそ五メートルほどの位置で歩みを止める。
 通常、ゆっくりは鈍い。およそゆっくりの体長と同じ距離をおけばそのおおむね攻撃はかわせる。
ドスと対峙するのは初めてだが、通常のゆっくりより鈍いと聞いている。この距離なら大抵の近接攻撃はかわせるだろう。
ドススパークは発射にラグがあるらしい。ここまで近づけば初動を見逃さないだろうし、射角から外れるのも遠距離に比べればだいぶマシになる。
 俺の知る限り、これがドスと対峙するにはベストな間合いだ。
「いきなりぶっぱなしてくるとは穏やかじゃないな。いったい何の用だ?」
 俺は多くの人間がそうするように、物怖じせず話しかけた。
 ゆっくりごときに下げる頭はないし、こいつらこっちが弱みを見せれば際限なくつけあがるのだ。
 それにしても、実際何の用なんだろう。
 人間の里への襲撃にドスを連れてくるという例は聞いたことがある。
 だが、運悪くその一件目になったとしても、俺の家は里から外れた場所にある。畑だって近くにない。
ゆっくりからすれば「価値のない家」のはずなのだ。
 思考を巡らすが答が出ない。そして、ドスまりさの答は全くの予想外な内容だった。
「ドスたちは、れいぱーを”だんざい”しにきたんだよ!」
 一瞬理解できなかった。
 れいぱー? ありすのことか? だが、飼いゆっくりにしてからアイツを外に出したことはない。
 飼いゆっくりになる前のことだろうか。だが、飼い始めてそれなりに時間が経っている。
ゆっくりの生態サイクルからすれば世代交代してもおかしくなく、そんな過去をこの短命の餡子生物が引きずっているとも思えない。
「ちょっと待て。意味が分からない。れいぱーってなんのことだ?」
「むきゅ! むれのゆうきあるひがいしゃが、うったえてくれたのよ!
 れいぱーのおにいさんは、つみをみとめてばつをうけるのよ!」
「え? ”れいぱーのおにいさん”……って、俺? 俺のこと?」
 参謀らしきゆっくりぱちゅりーの指摘に、俺は首を捻る。
 群れをざっと眺めると、どすの陰に隠れるように俺を見つめる何匹かのゆっくりがいた。
 ゆっくりの個体の区別なんてなかなかつくものじゃないが、先日すっきりーさせたれいむが居るような気がする。
 他にもありすのつがい探しですっきりーさせたゆっくりがいるようだ。
「おお、れいぱーれいぱー」
 声に見上げれば、そこには胴無しきめぇ丸がいた。この群、きめぇ丸がいるのか!
 そこでようやく俺は理解する。
 どうやら俺のつがい探しは、ゆっくり共にとってれいぷ行為にあたるらしい。
 俺の家は、れいぷの現場を目撃したきめぇ丸が後をつけて判明したのだろう。
 でも、待ってくれ、俺がれいぱー!? ありすと同じれいぱー扱い!?
「違う! 俺はれいぱーじゃない! ちゃんと報酬も与えたし、合意も取った。
 和姦だ、和姦!」
「わかんないよー」
 速攻でゆっくりちぇんに否定される。
「いや、合意の上なられいぷじゃない、合法だ! 和姦だ!」
「わかんないよー」
 ああ、これはちぇん種のデフォルトワードだ。くそう、ちゃんと「わか”ら”ないよ」って言えよ。
 それと落ち着け、俺。ゆっくり相手に難しい言葉を使いすぎだ。
「むきゅ! おにいさんのしたことはれいぷだわ!
 おにいさんにおそわれたゆっくりは、こころにふかいきずをうけて
 すっきりーができなくなってしまたのよ!」
 ぱちゅりーが説明を加えてくる。
 心に傷? ゆっくりが、そんなことで?
 ドスの陰のゆっくり達を見た。脅えている……わけではなく、なんだか俺に妙な視線を送っている。
 何と言うか、れいぱーありすが普段俺に向けるような、ねっとりした熱っぽい視線だ。
 とてもれいぷ相手に向けるものじゃない。
 ああ、そうか。こいつら、俺に連続すっきりーされて並のゆっくり相手ではすっきりできなくなってしまったんだ。
 俺が理解したタイミングを見計らったかのようにドスが口を開く。
「これでわかったね? おにいさんははんせいして、ゆっくりドスたちにおうちをあけわたしてね!
 あまいものもどっさりよういしてね!」
「俺の家を奪うつもりか? そんなことをしたら、人間の里が黙ってないぞ」
「ばかなおにいさんだね! にんげんは、はんざいしゃにはきょうりょくしないよ!
 ゆっくりりかいしてね」
「「「ゆっくりりかいしてね!」」」
 ドスの言葉に群れが追従する。
 そういうことか。
 こいつら、俺の家と「すっきりー被害者」が受け取った甘いものが目当てなんだ。
 俺に非があるから他の人間から攻撃を受けず、しかも甘いモノがいっぱいある人間の家が手に入る。
 そんな考えでやってきたのだ。何も群れを引き連れてやってくることもないだろうが、そこはゆっくり。
人間の家でゆっくりできるということで、先を争ってついてきたというわけだ。
 しまった。情けをかけてすっきりー後に生かしておいたのが仇になったか。
 まったく。こいつらゆっくりだ。バカで下等なゆっくりだ。
「このおうちはどすたちのゆっくりぷれいすだよ! れいぱーのおにいさんはゆっくりしないではやくでていってね!」
「お断りだ」
「ゆゆっ!? どすにかてるとおもってるの? ばかなの? しぬの?」
 はあ、と俺はため息を吐く。確信した。このドスは性格はゲス、しかし頭は悪い。
 この家に来たのはぱちゅりーか、あるいはきめぇ丸の入れ知恵だろう。まあ、どうでもいい。つき合ってられない。
 俺に非がないとは言えないが、こんなバカに罪悪感は感じない。
 だから、作戦を開始することにする。

「もうがまんしなくていいぞ、ありす!」
「んほぉぉぉぉおおおおぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉ!」

 俺の呼びかけに答えるありすの叫びが、「群れの中央」から響く。
「ゆゆっ!? ありすだ!」
「わかるよー! れいぱーありすだよー!」
「れいぱーはゆっくりできないよーっ!?」
 騒然となる群れ。混乱が波紋のように広がる。
 しかし、そんな「綺麗な広がり方」をするのは初めの数秒だけだ。
「んほほほほほほほほぉぉぉぉぉーっ!」
 ありすが群れの中を駆ける。こいつはれいぱー。それもあるてぃめっとれいぱーだ。ただ駆け抜けるだけのはずもない。
「ゆゆ!? なんだかからだがあつくなってきたよ!」
「ゆゆゆゆゆゆ……すっきりーっ!?」
「んほぉ! れいむ、まりさのぺにぺにをうけとめてほしいんだぜぇ!」
 俺と共に鍛え上げたありすのれいぱーレベルは並じゃない。
 すっきりーポイントを的確に見定め、ぬめる身体を一触れさせるだけでゆっくりどもを容易に発情させる。
 久しぶりの群れへの襲撃で最高潮に興奮した俺の飼いありすは、欲情するゆっくりの数を縦横無尽、連鎖的に広げていく。まさにれいぱー無双状態。
 ありすに告げた作戦は簡単なものだった。俺がゆっくり達の注目を集めている間に、群れの中に潜り込み、合図で暴れ回る。それだけだ。
 きめぇ丸の存在を知ったときはひやりと来たが、どうやらうまくいった。
「ゆゆ!? みんなおちついて!」
 ドスが叫ぶ。この混乱を収めるにはドスが使うという「ゆっくりオーラ」しかないだろう。
 だが、それは、
「させねぇよ!」
「ゆゆ!?」
 俺の拳がドスのアゴの下当たりを打ち抜く。
 ありすの巻き起こした混乱は、ドスとの距離を詰めるのに充分過ぎる隙をつくってくれた。
「ドスにそんなのきくとおもってるの?」
 そう。ドスの巨体を包む皮は厚い。普通の人間が素手で殴ったところでほとんどダメージは与えられない。
 だが。、
「ん、ん……んほぉ!?」
 「すっきりーポイント」を刺激するなら充分!
 れいぱーありすとの生活、そしてつがい探しの為の他種へのゆっくりーの経験は、
俺にドスのすっきりーポイントを見ただけで理解させるほどのスキルを与えてくれた。
 そもそもゆっくりは種が違っても身体の仕組みは所詮餡子、大した違いはない。
 まして最初に狙ったのはまむまむ近くの特別な「すっきりーポイント」だ。発情するのを耐えられまい。
「だああああーっ!」
「んほ! んほ! んほぉぉぉぉぉ!」
 拳。肘。膝。蹴り。
 ドスの周囲を巡り、様々な打撃を「すっきりーポイント」へとたたき込む。
 ドスは一般に、その性欲を与える相手がいないため、すっきりーすることはない。
 しかしだからといって性欲が消えるわけもない。俺は遠目に見ただけでそれがわかった。
 むしろ蓄積されて渦巻く欲望が見て取れたほどだ。
 ……れいぱーありすとの生活で俺はだいぶ毒されてしまった。
 だが、それも今日で終わりにする!
「ありす!」
 呼びかけに、ありすはすぐに群れを抜けてやってくる。
「だーりん!」
 うぜぇ。しかし、ここは堪える。
 群れは混乱しているが、れいぱーありすと言えど一匹でいつまでもそれを保てるわけではない。
 また、俺のスキルでもドスをすっきり死させられるわけではない。直径五メートルの巨体、どうしても手が届かない場所が多い。
 だから、今の優勢は一時のモノ。勝つには決め手が必要だ。
「滾らせろ、ありす!」
 ありすを持ち上げる。左手で下から「あんよ」を支え、右手は後頭部に添える。
 それぞれの指先は的確に「すっきりーポイント」をとらえている。そのまま両手を小刻みに激しく震わせる。
「んほぉぉぉぉぉおおおぉぉぉぉ!」
 通常は成人男子の人さし指一本ほどのありすのぺにぺに。
 群れの中をれいぷで突き抜け最高に高まった興奮が、俺の刺激よる快感が、通常の倍以上に膨張を可能とした。
 そのぺにぺにを、ありすを、
「うおおおおおおおおおおおお!!」
 雄叫びと共に、ドスのまむまむへとたたき込む!
 ありすの身体が全て埋没した。
 まだだ!
 肘まで入った。
 まだだ!
 肩の付け根まで入った。
 今だ!
 ありすに最後の、極上の振動を送る!

「解き放て、”十六夜”っ!!」
「すっききききききききききききききききりーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」

 ドスの内部から、それでもなお高く響く大音声のありすの叫び。
 手から小気味いい振動が伝わってくる。
 ”必殺技”の炸裂を確認すると、俺は素早くありすを引き抜くとふたたびドスから距離をとり、様子を見守る。
 れいぱーありすの必殺技、”十六夜”。
 十六発分の「せいしカスタード」を一瞬にして放つ絶技は、そのカスタード量と時を止めたかのような連射性から某メイド長にちなんで”十六夜”の名を持つ。
 かつてゆっくりまりさに使用したとき、十六本の茎が一気に生え育ち、母胎となったまりさは枯死。
生まれ赤ゆっくりは急速な成長に耐えきれず膨張破裂した。
 はたして、ドスは耐えられるだろうか。
 顔がにやけるのが止められない。
 ドスなら、耐えられる。俺は確信していた。
 なぜならまりさに使ったとき、その死因は餡子量の不足だったからだ。
 通常のゆっくりの数十倍の質量を持つドスなら充分なはずだ。
 俺も最初からドスをつがいにしたかった。だが、ドスと遭遇するのはただでさえ難しいし、危険だ。
その上れいぱーありすのつがいにするともなれば、不可能と言っていい。
 だからこうしてドスが襲ってきてくれて、俺は内心小躍りしていたのだ。
 俺の腹づもりはこうだ。とにかくドスに”十六夜”をぶちかまし、受胎させる。そして、れいぱーありすを押しつけるのだ。
一般にゆっくりは自分の子供を大切にする。れいぱーに無理矢理すっきりさせられた場合はその限りではないが、なに、単純なゆっくりのことだ。
ドスのご懐妊という愛でたい珍事ということで、言いくるめるのは難しくないだろう。
なんなら甘いモノを振る舞うぐらいはしてやろう。カスタードの備蓄はそれこそ腐るほどあるのだ。
 最悪、家を乗っ取られたら仕方ない。その時は里の助力を仰ごう。
 その際にありすがどうなろうと知ったことか。ドスにありすを押しつけた時点で俺の中で折り合いはつく。

 さて、問題はドス相手にちゃんと受胎が行われるかだが。
 固唾を呑んで見守る中、しかしその不安はあっさりと解消された。
 以前と同じ、ドスまりさの帽子を突き破るすさまじい勢いで伸びたのは、十六本の茎。
 その様は、茎の本数を別にすればどこか山の神を思わせる威容だった。
 十六本の茎、それぞれの先端では赤ゆっくりが育っていた。
 早い。そして大きい。瞬く間に赤ゆっくりは成体ゆっくりと変わらぬサイズまで成長を遂げた。
 そこまで育つと、赤ゆっくりは次々と身を振り、茎から離れ落下する。
 ドスの身体にぶつかり転がり、器用に落下の衝撃を緩和し、ころころとこちらまで転がってくる。
 そして、れいぱーありすの前に十六体の赤ありすが揃った。
 整然と並んだその様は、まるで初めからそうなると決められていたかのようだった。
 成体サイズの赤ありす。しかし、その目は穏やかに閉じられ、口元には緩やかな笑み。普通の生まれる前の、見た目は無垢で無邪気な赤ありすだった。
 れいぱーありすが前に出る。さて、これから恒例の親子の対面、初めての「ゆっくりしていってね」をするわけだ。
叩きつぶしたくなるほどウザイが、まあ仕方ない。せいぜい幸せな誕生を演出して欲しい。ドスに取り入りやすくなる。
 れいぱーありすは、大きく口を開くと赤アリス達向け親としての第一声を放った。

「すっきりしていってね!」

 何言ってるんだ……そうつっこもうとした。
 できなかった。
 なぜなら俺は見てしまった。
 穏やかに閉じられていた目が開くと共にだらしなく垂れ下がり、緩やかな笑みをたたえていた口が下品に広がり涎を漏らすのを。
 無垢で無邪気な赤ありすがれいぱーに変貌するおぞましいその瞬間を、見てしまったのだ!
「「「んほほおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!」」」
 親の呼びかけに赤アリス達は正しく答えた。そしてくるりと向き直ると、未だ混乱醒めやらぬゆっくりの群れへと襲いかかった。

 そして、地獄が生まれた。

「れいみゅのはだ、しゅべしゅべできもちいいわぁぁぁぁ!」
「ときゃいはのあいをまりさにおちえてあげるぅぅぅぅぅl
「ぱちゅったらいやがるふりちて、ちゅんでれねぇぇぇ! きゃわいいわぁぁぁぁ!」
「ちゅっきりちゅっきりちゅっきりーっ!」

 言葉使いこそウザイ赤ゆっくりのものだったが、そのれいぷの様は親に負けず劣らずのすさまじいものだった。
 テクニックも親譲りなのか、少なくとも並のれいぱーありすは凌駕する卓越したものだった。
 なにより恐ろしいのはその連携の巧みさだった。
 素早さに優れたちぇんに対しては複数で当たり、確実に捉える。
群れの中にはれいぱーの資質を持ったありすもいたようだが、これも複数の赤ありすに襲われ犯される側にされてしまう。
 しかもあいつら、自分がすっきりーすることに固執していない。一定以上発情して動けなくなったゆっくりには固執せず、次々とターゲットを変えていく。
 気付けば群れはドスを中心に一箇所に追い込まれていた。百匹以上の群れが、たった十六匹の赤ありすによって、だ。
 双子は不思議な絆によって感覚や記憶を共有することがあるという。
 まったく同時に異常な誕生を遂げた赤ゆっくり達は、おそらくそういう能力があるのだろう。
そうでなければこの統率されたれいぱー部隊っぷりに説明がつかない。
 ドスは先ほどから動かない。この群れの危機に不動を決め込むとは思えない。
 どうしたのだろうと視線を向ける。
 そこで、俺はまたしても恐ろしいモノを見てしまった。

 目が合った。

 ちょうどまむまむから這い出てきた、赤ゆっくりと、目が合ったのだ。
 赤ゆっくりは俺にぱちんと不気味な色気のこもったウインクをすると、再びまむまむの中へと潜っていった。ドスはぶるぶると震えた。
 あまりのおぞましさに、俺は固まってしまう。
「おちびちゃんたち、とってもとかいはね!」
 足下から、そんな声が聞こえた。
「でも、まだまだよ! ほんとうのとかいはのせれぶなてくにっく、ままがおしえてあげるわ!」
 れいぱーありすが混沌とするれいぷへと飛び込んだ。
 どうやら地獄は始まったばかりらしい。


 それからのことはよく覚えていない。
 ただ、立ちつくしたまま目の前の惨劇を眺めていた。
 その酷い有様は、とても正気で見ていられたとは思えない。
 クライマックスは、その耐久力ゆえ最後まで「生き残ってしまった」ドスだった。
 十六匹の赤ゆっくり、そしてれいぱーありす。総勢十七匹のれいぱーがドスの体表をぬめる身体ではいずり回る様は狂的におぞましく、
俺はきっと狂おしさに身を任せバカ笑いしながら見ていたに違いない。
 そんな狂気の中、頭にわずかに残った冷静な部分で、俺は考えていた。
 これが”十六夜”の完成型。あれを必殺技だと思っていたのは間違いだ。
 これは殲滅技とでも呼ぶべき代物だ。群れを全滅させる、悪魔の技なのだ。


 やがて。
 気づけば、日が暮れようとしていた。
 夕陽の赤と、無数のゆっくりのなれの果ての黒。
 それら鮮烈な色をバックに、整然と並ぶ十六匹の赤ありすとその前に在るれいぱーありす。
 あの誕生の時の再現のようだった。
「ちびちゃんたち、よくがんばったね!
 とってもとかいはで、ままはうれしいわ!
 ちびちゃんたちはままのほこりよ!
 だから……」
 なぜだろう。ありすは微笑みながら、その瞳には潤いをたたえている。
「あんしんして、おいきなさい」
 その言葉と共に、まるで夕陽に溶け込むように。
 サラサラと、赤ありす達は頭のてっぺんからカスタード色の粉へと変わっていった。
 ちょっと待て。
 異常な出産だったし、群れを全滅させるほどの力を振るったのだから、限界に達し死を迎えるというのは理解できなくもない。
 でもその最後がこんな綺麗でいいのか!?
 あれだけのことをしておいて、なんだよこれっ!?
 赤ゆっくり達は、俺の憤慨をよそに最後の言葉を口にする。

「「「もっとすっきりしたかった」」」

 どんだけ性欲強いんだよ、こいつら! まだ足りないのかよ!
 そして、赤ゆっくり達はカスタード色の粉とかし、風に巻かれて消えた。
 なんだ。なんだったんだ一体。
「だーりん」
「な、なんだ!?」
 考えがまとまらないなか、突然れいぱーありすに話しかけられる。
 いつにない真剣な顔だった。
「こんかいのことでわかったわ。ありすのあいは、むげんにひろがる。
 ありすはもっともっとこのあいをひろげたい。みんなにつたえたい」
「……お前、まだ何かするつもりか」
「たびにでようとおもうの。このとかいはなあいを、ぜんせかいにつたえるの」
 ……こいつ、ゆっくりという種を全滅させるつもりか。
「だーりんのことはいちばんあいしてる。でも、ありすのあふれるあいはとまらないの!
 いますぐたびだつわ!」
「ちょっと待てーっ!」
 俺の制止に構わず本当にありすは跳ね出してしまう。
 追いかけようとしたが、転んだ。半日近く棒立ちしていたのだ。
 すっかり固まってしまい、すぐに足を動かすのは無理なようだ。
「だーりんのことはわすれない。いつかきっと、きっとかえってくるわ!」
 そんな呪いの言葉を残して。
 ありすは黄昏の中へ消えた。
 夜を迎えようとする森の中へ。夜の闇よりなお暗い、暗黒の中へ。漆黒のれいぷ魔道へと、ありすは旅立った。

「なんてこった! 俺は悪魔を世に放ってしまった!」
 後悔するがもう遅い。あのれいぱーありすにあたっては、どのゆっくりの里も全滅間違い無しだ。
 普通の里なら単体で滅ぼすだろう。本来安全なはずのドスのいる里の方がかえって危ない。
”十六夜”はドスの群れでこそ最大の威力を発揮するのだ。
 このままではゆっくりという種がこの世から消えてしまう。
 そうなったら、そうなったら……。

「あれ? 別に問題なくね?」

 ゆっくりとは急に降って湧いたように発生したナマモノだ。
 多くの生き物が迷惑こそすれ、利益は殆ど受けていない。なら、消えたところで元通りだ。
 そもそも加工所ではゆっくりの安定した生産を実現している。例え野良ゆっくりが全滅しても、それがすなわちゆっくりという種の絶滅にはならないだろう。
 俺的には暇つぶしの道具が無くなって困るが、でも、それだけだ。
 そう考えるとだんだん気持ちも落ち着いてきた。
 確かにあのありすはれいぱーとしては破格のスペックを持つが、それだけだ。
 俺は自分のこだわりから殺せなかったが、他の人間なら簡単にやれるだろう。
 それに、空を飛ぶ捕食種には敵うまい。そう言えばきめぇ丸は群れの全滅に巻き込まれなかったようだ。
下手をすれば今晩にもれいぱーありすは捕食種の餌食になるかもしれない。
 なんだ、所詮たかがゆっくりの問題だ。俺は深刻に考えすぎたようだ。
 それよりあのありすから開放された幸せをかみしめよう。俺はしばらくぶりの、本当に穏やかな気持ちになった。
 だから、最後に。あのありすの代わりに言ってやった。

「ゆっくりしていってね」

 俺の穏やかな気持ちは、次の日の朝まで続いた。
 翌朝、家の前に広がる群れ一つ分の黒ずんだ使い物にならない餡子のなれの果てを見て、その片づけの絶望するまで、俺は本当にゆっくりしていた。






過去作品
  • 夢みるれいむの覚めない悪夢
  • もっとうんうんしたかった
  • あるてぃめっとれいぱーありす

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最終更新:2008年12月14日 14:47
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