ゆっくりいじめ系167 ゆっくり飾りシャッフル



ゆっくりいじめ系113 ゆっくり飾りゴージャス or fuku0708.txt
ゆっくり飾りゴージャスの続き。
このssは以下の設定と、それに便乗したオリジナル設定で構成されています。
1.飾りがないゆっくりは苛められる。
2.死んだゆっくりの飾りをつけたゆっくりは殺される。
3.ゆっくりの飾りを盗ったものは死ぬまで付きまとわれる。



 手元に、中サイズのゆっくりまりさの帽子が残っていた。
 昨日の残りだ。
 確か、これ食えるよな?

 「おじさーん。まりさの帽子食う?」
 「・・おまえ、それ、どうした?」
 「パクった。いや、ちょっと違うか。トレードした」
 「そうか、お前はそれに興味をもったか。皮の一種だから、問題なく食べられる。ゆっくりレミリアは残すけどな」
 「若干硬いから?」
 「たぶんそうだろう。みかんの白いやつと同じようなものだと思え」

 そういうものなのか?まぁいいか・・食わずにおいておこう。
 ・・ちょっと気になることが出来たので、帽子と油性ペン、あと加工場で余った餡子を袋に詰め、実験場に向かう。

 実験場につき、お目当ての奴を探す。・・・いたいた。
 「ゆっくりしていってね!」
 「「「ゆっくりしていってね!」」」
 昨日の帽子トレード元、ゆっくりまりさシスターズ、総勢8匹だ。
 トレードしたやつは他の個体と比べて、帽子がでかいため目深になっている。
 パッと見ではわからないが、家族と一緒だと比較しやすいな。
 「おじさん、おかあさんしらない?」
 挨拶の直後、でかいのがそう聞いてきた。・・あれ?こいつ俺のこと覚えてる?
 「しらない。どうしたの?」
 「「「ぼうしおいて、いなくなっちゃった」」」
 うお、全匹泣きそうだ。
 「おかあさんは別の場所でゆっくりしているよ!」
 「ほんとー?」「おじさんうそついてないー?」「うそつくひととはゆっくりできないよ!」「ゆっくりほんとのこといってね!」
 「ほら、君たちのおかあさんに言われてご飯もってきたぞー」
 とりあえず餡子を与える。
 「むーしゃむーしゃ」「おいしー」「うまうま」「おかあさんだけずるーい!」「まりさもゆっくりしたいー」
 よし、ごまかした。
 さてと、
 「君と、君と君、ちょっといいかな?」
 帽子のでかいのと、大体同じ程度にでかいのを2匹チョイスする。
 「まりさもいっしょにいくー!」「まりさもゆっくりしたーい!」「おねえちゃんだけずるーい!」
 ・・・まったくこいつらは・・・別にこの場でやってもいいか。
 「うーん、わかった。でも」
 足で地面にラインを書く。
 「この線からこっちにきちゃダメだよ?こっちきたら・・」
 「うつとうごく!」
 言ってる傍から超えやがった。
 さっそく、そいつをこないだの袋に詰めて口をしめた。
 「いやあああああああだしてー!」
 前回のトラウマが残っているのか、叫び始めるゆっくりと
 「やめて!」「そんなことするおにいさんとはゆっくりできないよ!」「ゆっくりかえって!」「ゆっくりしね!」
 その他ゆっくりども。あー、つぶしてやりたいです。
 「その線を越えたらこうなります。わかりましたか?」
 「「「ゆっくりさせて!ゆっくりできないよ!」」」
 結局、残り4匹も袋の中にぶち込んだ。
 「「「ゆゆゆゆ!」」」
 チョイスした3匹が泣いている。うおーうぜー!ゆっくりした結果がこれだよ!!
 「わかったわかった・・・ほら」
 袋の口を開けて、外が見えるようにしてやる。
 「いいか・・・その袋から出るなよ」
 「「「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ゆ゛っぐり゛ざぜでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛」」」
 「・・・・その袋の中ではゆっくりしていいから」
 今、自分がどんな表情しているのか理解できない。眉間がひくひくしてるのはわかるんだが。
 「「「ゆゆゆ?」」」
 「その中では、ゆっくりしていいから、ゆっくりしていってね!」
 「「「ゆっくりしていってね!!」」」「Zzzz」
 やっと落ち着いたらしい・・・・・・うお、1匹寝てる奴がいる。きっと最初の奴だ・・・・おのれ・・。
 「あい、お待たせ」
 やっとでかい3匹の方に取り掛かれる。
 ・・・待ちくたびれたのか、一斉に叫ぶ。
 「「「ゆっくりしたけっかがこれだよ!」」」
 上を向いてため息ひとつ。
 ・・・ガッ!とおもむろに1匹とっ捕まえる。
 「ゆゆゆ!」「ひどいよおにいさん!」「ゆっくりはなしてね!」
 「勘違いするな・・・ゆっくりさせりゃいいんだろ」
 撫で撫で。
 「ゆっ・・・ゆっくり~」「いいないいな!おにいさんまりさも!」「ゆっくりさせていってね!」「「「ゆっくりしていってね!」」」
 もういちいち相手にしてられん。油性ペンでゆっくりまりさの帽子と、人間で言う下あご?に【1】と書く。
 次のには【2】、でか帽子には【3】と書いた。
 「「「ゆっくり~」」」
 もうちょっと大きかったら発情するのだろうか・・?ゆっくり3匹にその兆候は無い。
 「「「ゆっくりしたいーー!」」」
 そして袋の中の5匹。
 「いいか・・・袋からでるなよ?」
 「わかったよ!」「ゆっくりさせてね!」「ゆっくりしていってね!」「Zzzz」「Zzz・もうたべられない」
 昼飯は寝てる2匹にしよう。そうしよう。
 さて・・・
 「ゆっ!」「ゆっ!」「ゆゆゆぅ!」「「ゆ゛っ!」」
 ナンバリングした3匹の帽子を奪い取る。
 「ひどいよ!どうしてこんなことするの!」「ゆっくりかえしてね!」「おにいさんじゃゆっくりできないよ!」
 体当たりしてくる3匹と
 「「「・・・??」」」「「・・・Zzzz」」
 困惑顔の袋の3匹、寝てる2匹。

 ここで帽子を3つをシャッフルし、ちょっと遠くに置く。
 「ほれ、とってこい」
 帽子無しどもをけしかける。
 「まりさのー!」「これまりさのー!」「まりさあああああああ!」
 必死だな。
 帽子を取り返して再度かぶる。そうすると、袋の中の3匹の表情が戻る。
 これを10回繰り返す。3匹の表情が、灯ったリ翳ったり。
 素直なのはいいことだが・・・もうちょっと可愛らしい表情してください。

 さて・・・10回やって、10回とも、ゆっくりの番号と帽子の番号が一致。
 こいつら、自分の帽子がわかるようだ。
 ナンバリングには気がついていないようだ。ゆっくりだしな。
 特に、でか帽子のやつ。でかいからすぐにわかるらしい。・・・いやそりゃそうだろうけどさ。
 ここで、帽子を奪った後、でかい帽子と、もってきていた帽子を取り替える。
 これで、場にあるのは【1】と【2】と番号無しの帽子・・さっきと同じようにシャッフルしてけしかけてみる。
 すると、叫び出したのは、【3】のまりさ・・無論、でか帽子のだ。
 「なんでえええええええええええええええまりさのぼうしがないいいいいいいいいいい!!」
 「ごめんごめん、この帽子だったね。間違えちゃった!」
 「がえ゛じでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」
 でかい帽子を返すと真っ赤になってぷりぷり怒っている。
 「おにいさんはゆっくりできないよ!ゆっくりあっちいってしんでね!」
 脳天にビキビキきながらも尋ねてみる。
 「それ、お母さんの帽子じゃなかったっけ?」
 「ゆっ?おかあさんのぼうしだけど、まりさのぼうしだよ!おにいさんへんなのー!」
 何回か試してみたが・・・交換したらすぐにわかるらしい。
 【3】のデカ帽子だけじゃなく、普通まりさの【1】【2】に試した回もあったが、結果は同じだった。
 「まりざのぼうじどごおおおおおおおおおおおお!!」
 「ぼうじがえじでえええええええええええええ!!」
 毎回毎回こんな感じで泣き叫ぶ。
 ・・・うるせえ。あと絶対嘘泣きだろこれ。
 まぁ、死活問題だしな。袋の3匹の怪訝な表情を確認してしみじみ思う。
 と、閃くものがあったので、【1】と【2】の帽子を交換した。
 「ゆっ!」「ゆっ!」
 ・・・・待つことしばし。
 「ゆゅ?」「おじさんどうしたの?」「ゆっくりするの?」
 ・・・・・あれ?交換したのに気がついてない?
 「「「ゆっくりするの??」」」
 ・・・試してみるか。
 「ああ、ごめんごめん、ゆっくりしすぎちゃったよ」
 「「「ゆっくりしていってね!!」」」
 そして再度シャッフルしてみた。
 その結果、【1】まりさは【2】の帽子に、【2】のまりさは【1】の帽子へと向かうようになった。
 ・・これは、所有権がいれかわったのか?
 【1】のまりさへ、【2】の帽子について聞いてみる。
 「あの帽子、君のじゃないの?」
 「ゆ?まりさのぼうしだけど、おねえちゃんのぼうしだよ!」
 【2】が姉だったのか。いや、それはどうでもいい。
 この反応を見るに、盗られても、自分が飾りをつけていれば満足なのか。

 1つ、思いつくことがあった。
 何度も何度も、【1】【2】【3】の帽子をシャッフルする。そう、大きい帽子も交えてだ。
 数十回の試行が終った後、【3】に【3】の帽子を返して、こう尋ねた。

 「ねぇ、その帽子、誰の帽子?」
 「ゆっ?このぼうしは、まりさのいもうとのぼうしだけど、まりさのぼうしだよ!!」


 思惑通りにいったことを知り、愉悦が止まらない。
 ああ・・・こいつら・・・母親の帽子だということを、忘れやがった。


 ものすごく哀れに思えてきたので、残りのゆっくりまりさにもナンバリングし、1番づつ帽子をずらしてやった。
 今手元にあるのは、比較して一番小さかったゆっくりまりさの帽子だ。
 もう満足し、哀れな姉妹たちに別れを告げた。
 「ありがとう、ゆっくりしていってね!!」
 「「「「ゆっくりまた遊んでね!!」」」」
 ・・・こいつら、いったいどこまでゆっくりしているんだろう。
 満足したので、いったん加工場に戻って昼食にすることにする。

 さて、午後の部である。
 ゆっくりまりさばっかり構っているのに気が引けたので、もうひとつ気になる方を消化することにした。
 ゆっくりれいむの髪飾りについてだ。
 あれってさ、リボンだよね?
 ・・あれをさ、解いたらさ、どう考えても、自分じゃつけられないだろ常考。

 「いやあああああああああああああああああれいむのりぼんがあああああああああああ」
 思ったときには、すでに行動は完了していた。
 「ごめんごめん、手がすべっちゃったぜ!」
 「いやああああああああああれいむのりぼんんんんんんんむすんでええええええええ」
 「わかったぜ!!」

 「できたぜ!」
 「もう!ゆっくりきをつけていってね!!」
 「わかったぜ!」
 プンプン!と去っていく霊夢。風にたなびくリボンが尻尾のようだ。
 せっかくなので、「俺より強いやつに会いに行く」スタイルにしてやった。俗に言う鉢巻。
 無論、固結びなので、外れることはないだろう。
 弾幕出るようにならないかなぁ。回転しながら回し蹴りとか、炎をまとってアッパーもいいよなぁ。

 ボインボイン弾んでいく鉢巻れいむを観察する限り、どうやら、何でもいいから飾りをつけていれば苛められないらしい。
 調子にのって、ポニテれいむ、たくましいなれいむ、おさげれいむ、鼻鉢巻れいむを作った辺りで飽きた。
 個性豊かになって何よりだ・・・って、問題がずれた。

 気になるのは、やつらが結べるかどうかだ。
 さっそく、ゆっくりれいむを発見。しかも2匹。
 姉妹かな?いつぞやのゴれいむサイズだ。大体10cmぐらい・・・よしよし。
 まずは声をかける。
 「ゆっくりしていってね!」
 「「ゆっ!ゆっくりしていってね!!」」
 スッ、っと1匹持ち上げる。笑顔を絶やさないように。【1】っと・・。
 「ゆっ!?おじさんゆっくりできるひと?」「ゆっ?れいむをどうするの?」
 ささっと、ペンでナンバリング。【2】っと・・・。
 「ゆっ?くすぐったいよ!!」「おじさんゆっくりやめてあげてね!」
 もう片方も同様にする。
 「ゆっ?なにするの!?」「おじさんわるいひと?ゆっくりできないならやめてよね!」
 ・・・2匹共を地面に置く。
 「はっはっはっ、ごめんごめん、きみたちがかわいいからついやっちゃったんだ!」
 「ゆっ!」「それならゆるしてあげるね!」
 「はっはっはっはっ」
 2匹の頭を撫で撫でしつつ・・・リボンの片端を確認する。
 「ゆっくりー」「ゆっくりー」「はっはっはっ・・・はぁっ!!!!!」
 そしてすかさず、2匹のリボンを解き放ち、ダッシュで逃げる!!!
 「あああああああああ」「りぼんがあああああああああああ」
 全力で逃げて・・・茂みに隠れて観察開始。
 どちらも追ってこない。地面に落ちたリボンを咥えて泣き喚く。
 「ああああああありぼん!りぼん!!」「むずんで!!むずんで!!!」「」
 やはりというかなんというか、結び方を知らないらしい。
 「「このままじゃゆっくりできないよーーーーー!!!」」
 どーするんだろ。しばらーく観察していたが特に動きがない。
 ・・・もう、他の個体で試すか?
 そう思ったとき、
 「ゅっ!」「ゆ?」
 【2】が、りぼんを口に咥えてボインボイン跳ね始めた。どっかに移動するつもりらしい。
 「ゆっぐりづいでぎでね!」
 「ゆっぐりづいでいぐよ!」
 そしてどこかに移動し始める。
 親元にでも行くのだろうか・・・。
 しばらくついていくと、実験上の奥深く、山のふもとエリアまで移動した。
 必死なのかゆっくりだからなのか、多少雑な尾行でも気がつかない。
 と、前方に1匹のゆっくりがいる。
 ・・・って、ちょっと待て。
 「ゆっぐり!」「むきゅん?」「ゆっ?」
 そんな!?この実験場にゆっくりパチュリー、通称ゆっちゅりーはいないはずなのに!!
 「ばぢゅりーー!!」「むきゅん!どうしたの?」「ゆっぐりー!」
 えーと、あれは【2】の方か?どうやらとゆっちゅりーと知り合いのようだ。
 ゆっちゅりーの方は怪訝な顔をしている。やっぱり識別できないのか。
 「りぼんとれちゃったのーー!!」「むきゅん!むすべばいいのね!むきゅん!」「はやくつけてええええええええ!!!」
 ゆっちゅりーは、すごい病弱だから、こういう野放しな実験場にはいないはずなんだがなぁ・・・?
 「ありがとうぱちゅりー」「むきゅん!ええと、こうりつてきなりぼんのむすびかたは・・・」「ありがとう!ゆっくりむすんでいってね!」
 なるほど、ゆっちゅりーが結んでいたのか・・・すげえなゆっちゅりー。メモメモ・・・。
 でも、口だけでリボン結びか・・・どーやるんだろ?
 wktkしながら見守ることにする。

 ・・・少し前は、wktkしていた。今ではirirしている。
 かれこれ、半刻ほど待ってるが、ちっとも終らねー!!
 「むきゅん!むきゅん!ぜー、ぜー・・・むっきゅん!」「ゆっくりがんばってね!」「ゆっくりはやくむすんでね!」
 もちろんリボンは唾でベトベト、心なしか、ゆっくりれいむの後ろ頭がふやけてきた気がする。
 ああ・・・自分の考え違いを悟った。
 ゆっちゅりーはりぼんを結べない。そりゃそうだよな・・・だって自身の飾りがリボンじゃないものな。
 自分の目が死んでいるのがわかる。ゆっくりした結果がこれだよ!
 帰ろうかな・・・・?と思い始めたとき、待っていたゆっくりれいむ・・・【1】の方がりぼんを地面に置いた。

 まさか・・・おまえまさか!!?

 「ゆっくりしたけっかがこれだよ!!」「むきゅん!!!」「ゆっ!!」


 や、やりやがった!!
 【1】がゆっちゅりーの帽子を、咥えて逃げた!!
 「むきゅん!むきゅん!!」「そ、それはぱちゅりーのぼうしだよ!!かえして!!」
 【2】とゆっちゅりーが【1】を追いかけ始めた!!
 ・・・・・・・・・が、ゆっちゅりーあっさり力尽きる。まさにゆっちゅりー。
 「ゆっ!ゆっくりまっててね!」「おねがいいいいいいいいい!ぱちゅりーのぼうしがああああああああああ!!」
 ボインボインと向こうに去って行く【2】をただただ見つめるゆっちゅりーと俺。
 ただただ、しょぼーんとしているゆっちゅりーを見守る。
 とばっちりだなぁ・・。かわいそうに。とニヤニヤしながら見守っていると、ゆっくりれいむが帰ってきた。
 「ごめんぱちゅりー。ぼうしとられた」「ゆっ!ゆっ!ゆぐうううううううううううううう!!」
 崩れ落ちるゆっちゅりー、慰めるれいむ・・・・。
 でも、俺は見てしまった。

 あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!
 「帽子を盗んだゆっくりれいむを逃がしたのだと思っていたら、帰ってきてたのは帽子を盗んだ方だった」
 な…何を言ってるのかわからねーと思うが、おれも何が起こったのかわからなかった…
 奪い合いだとか、ミイラ取りがミイラにとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
 もっと恐ろしいゆっくりの片鱗を味わったぜ…。

 パチュリーは気がついてない。
 種族が違うからなのか、飾り無し状態で出合ったからなのか、区別がつかないようだ。
 「むきゅん・・・むきゅん・・・」「ぱちゅりー、なかないでええええええ!」
 場に残ったのは、2本のリボンとゆっちゅりーとゆっくりれいむ【1】。
 どうするんだろうこいつら。
 内心すげーモヤモヤしている。本音を言うと、ぶっ潰してあげたい。
 心の中で評議会が開かれ、ぶっ潰そう派が大躍進しているのを感じつつ、ぼーっと微笑ましい様を眺めていた。
 ようやく、泣き止んだゆっちゅりーが動く。
 「むきゅんむきゅん。ついてきて」「ゆ?」
 ゆっちゅりーがリボンを咥えて、ポインポインとどこかに行き始める。
 ついていくゆっくりれいむ・・・とはいっても、ゆっちゅりーの移動速度の方が圧倒的に遅い。
 どんどん奥の方に向かっていく。そろそろ結界際だろうか・・。
 正直、さっきのポルポル現象以上に驚くことはないだろう。物凄い冷めた自分の心を感じながら、ゆっくりついていく。
 どうやらさっきの評議会は時間切れになったらしい。
 次の議題は「ゆっちゅりーこそ、ゆっくりオブゆっくりである」だった。
 評議会が全会一致で可決され、万雷の拍手が脳内に鳴り響く頃、それは現れた。
 「むきゅん!ゆっくりしていってね!」「ゆっ!!ゆゆゆっ!!ゆっくり!?」
 挨拶するパチュリー。困惑するゆっくりれいむ【1】。そして、


 『ゆっくりしていってね!!!』


 とてもでかい、ゆっくりれいむが、そこにいた。


 昔、1度だけ見たことがある、突然変異体。あれはゆっくりレティと同じサイズだった。おおよそ3m。
 それほどではないにしろ、目の前のゆっくりれいむは大きかった。
 ゆっくりれいむの成長限界は、世間一般によると「椅子に丁度いいサイズ」おおよそ50cmぐらいだろうか?
 しかし、目の前のは、俺の身長の半分・・・いやそれ以上、1mほどだろうか。通常の倍ぐらいはある。
 こいつなら、赤ん坊を食える。間違いない。

 『ゆっ!ぱちゅりーどうしたの!?ぼうしないよ!』
 「むきゅん・・・とられたの」「ゆっ・・・ゆっ」
 なんという威圧感・・・。
 小れいむと俺は言葉も無い。
 『ゆっ!ゆるせないよ!!ぱちゅりーのぼうしとったの・・・・れいむー?』
 「ゆっ!ち、ちがうよ!!」「むきゅん!やめて、ちがうの!」
 心の中で突っ込む俺。
 そのとおりですがなにか?
 「むきゅん!いいから、むすんでれいむ」
 『ゆっ?』「・・ぱちゅりーには、りぼんしかないから」「ゆっ!?れいむもむすんでほしい!!」
 『わかったよ!ゆっくりしていてね!!』


 そこからの光景は、正直、目を疑わざるをえなかった。
 どうして、その、ゆっくり丸呑みおいしいです。と、言えるほどのデカ口デカ舌で、リボンが結べるのですか????


 「むきゅん!ありがとうれいむ!」「ゆっ!ありがとうおおきいおねえさん!!」
 『ゆっくりしていってね!』
 ゆっくりれいむは、リボンが結べる。
 その事実が確認できたものの、俺は衝撃のあまり身動きが出来なかった。

 『ゆっ!よるになるよ。ゆっくりとまっていくといいよ!!』
 「むきゅん。ありがとうれいむ!!」「ゆっ?ありがとう!!」
 ふと気がつくと、夕焼けが目に眩しかった。
 もうじき日が沈み、辺りに暗闇に覆われるだろう。
 ・・・ゆっくり達が巣に向かうのを、俺はノロノロとついていった。

 「「『ゆっくりしていってね!』」」
 「「「「ゆっくりしていってね!」」」」

 巣の中に入る大きいゆっくりれいむ・・・・敬意を表して、マザーれいむと名づけることにした。
 あとに続くのは、リボンゆっちゅりーとゆっくりれいむ【1】。
 途端に中がにぎやかになる。何匹か子供たちがいるようだ。
 ゆっくり達が夕食を迎えているころ、なんとなく、ただなんとなく、周辺を探ってみたところ・・・・見つけてしまった。
 結界のほころび・・・木が倒れて結界にもつれ込み、その部分だけ、結界が避けていた。
 結構範囲は広く、この分なら、マザーやゆっちゅりーが通り抜けるには十分だろう・・・。

 余談であるが、加工場には1つの鉄則がある。
 「ゆっくりを育てすぎない」
 えさを与えれば与えるほど、ゆっくりはでかくなるが・・・でかいゆっくりは、餡子がパサパサしていて、はっきりいって不味い。
 そのため、ある程度以上大きくなったものは、即座に収穫に回されるはずだ。それはこの加工場でも例外ではない。
 せいぜいで20cm、初日の親れいむぐらいがせいぜいのはず。

 ああ、間違いない。マザーとゆっちゅりーは、外から来た。
 結界のほころびを、岩でふさいで、マザーの巣に戻ることにする。
 ゆっくりアリスとか来てたら、もっととんでもないことになっていたから、まだよしとするべきだろうか・・。

 巣に戻ってきたが、お客様が珍しいのだろうか、まだ騒ぎ声が聞こえた。寝静まるのを待つことにする。
 結局、しばらく夜が更けてもまで騒いでいたが、マザーれいむの声が響く。
 『ゆっくり眠ってね!』
 「「「「ゆっくりおやすみなさい!!」」」」「むきゅん!ゆっくりおやすみなさい」「ゆっくりするよ!!」

 ああ、なんという統率だろう。
 加工場のゆっくりしか触ったことがなかったことを、悔やまざるを得なかった。
 最後の号令から待つことしばし・・・・おもむろに巣を覗き込み、全てのゆっくりたちが眠っているのを確認する。
 【1】とゆっちゅりー。マザーと他、【1】より若干大きいゆっくりたち6匹・・・合計9匹がそこにいた。
 全匹にナンバリングする・・・マザーには【M】、ゆっちゅりーには【P】、残りは【2】~【7】の連番だ。
 そして、ゆっちゅりーと、ゆっくりれいむ【1】~【7】からリボンを抜き取った。
 あとは前回と同じ、ゴージャスゆっちゅりー、すなわちゴゆっちゅりーの出来上がりだ。
 内心モヤモヤしたものを抱きつつ、寝ようとするが・・・きっと、前回のようにはうまくいかない。その確信で眠れなかった。
 いったん、加工場の方に戻り、餡子と・・糸を、持って行く。色は赤。
 使うようなことにならないといいけど・・・と、無駄なことを考えながら、巣の脇でゴゆっちゅりー入りの透明箱を抱いて眠る・・・。
 加工場との往復で疲れたのか、どうにか眠ることが出来た。

 そして、朝が来てしまった。
 「「「ゆっくりしていってね!」」」の声で起こされる。
 抱きかかえたゴゆっちゅりーも箱の中で目が覚めて、
 「ゆっくりしていってね!」
 そして連鎖して声が響く。
 「ゆっくりしていってね」「ゆっくりしていってね」「ゆっ」「ゆゆゆっ!」
 ざわざわと騒ぎになる。
 「りぼんがないよっ!」「ゆっ!れいむのりぼんがない!」
 「へんなのー!」「ゆ゛っ!!れいむもないよー!」「え゛ーっ!」
 そう・・・ここまでは、前回と同じだった。
 遅れて親れいむが反応する。
 『ゆっくり落ち着いてね!』
 「「「ゆっくりできないよーーーーーー!!」」」
 『ゆっくり落ち着いてね!ゆっくり探してくるからね!ゆっくり待っててね!!』
 ああ・・・くそ!!やはりマザーは餡子の容量が違うようだ。前回とは全く違うゆっくりっぷりに、歯を食いしばらざるを得なかった。
 このままでは、マザーが表に出てしまう。遅ればせながら、ゴゆっちゅりーを巣の中に差し入れる。
 「むきゅん!れいむーーー!」
 『ゆっ!ぱちゅりー!』
 それに気がつく親れいむと・・・
 「あ゛あ゛あ゛・・・ゆゆっ!!りぼん!!りぼんいっぱい!!りぼん!!りぼん!!!」
 リボン無しの子れいむ達。
 「むきゅん!!しらないひとがおそとにいるよ!ゆっくりほどいてね!!」
 『ゆっ!わかったよ!!ゆっくりほどくよ!!』
 「「「「ゆっくりはやくむすんでね!」」」」
 ああああああああああああ、なぜゆっちゅりーをチョイスしてしまったのだろう。子れいむか、【1】にすればよかった!!
 見ているうちに・・着実に、堅実に、結びなおされるリボン。
 結んでいるマザーから聞こえる・・・鼻歌。
 『ゆっゆっゆっゆっゆっ~♪ゆっゆっゆっゆっゆっ~ゆっゆっゆゆゆぅ~♪』

 ああ・・・その歌を聴きながら、絶望と共に確信した。
 ゴれいむは、ゆっくりなゆっくりにしか、加工場で育ったようなゆっくりにしか、通用しない。
 俺の、初日の実験は、まったくもって、意味がなかった。
 あ、あ、あ、・・・・ああああああああああああああああ!!!!
 俺の何かが、音を立てて崩壊していく。


 「ゆっくりしろモーニングああああああああああああああああ!!!」
 「「「「『ゆっ!!』」」」」
 マザーの巣はでかい。人間が入る分には十分だった。
 「うおおおおおおおおおおおお!!!」
 むすび直されたゆっちゅりーのリボンを真っ先に向かい、そのまま子ゆっくり達からリボンを抜き取る。
 「うああああああああ!!」「おじさんゆっくりできないひとだね!!」「ゆっくりしね!!」『でていってね!』
 ガフッ!!ぐぐっぐ・・・マザーの体当たりが顔面に直撃する。首がもげるかと思った。
 「うおおおおおおおおおおお!!」
 『ゆっ!!ゆっくりはなしてしね!!』「「「「ゆっくりしね!!」」」」
 足を奥にいれこみ、マザーをがっちりホールドする。手は向かってくるゆっくりれいむ【1】~【7】から着実にりぼんを奪う!!
 「「りぼんかえして!」」「ゆっくりできないひとはあっちいってしんでね!!」「ゆっくりしんでいってね!」
 ボインボインボインボインと体当たりを食らいながら、奪ったリボンを持ってきた赤い糸で連結していく。分厚く重ねて解けないようにしつつ、雑に結んでいく・・・。
 「おかおをねらうのよ!!」
 ゆっちゅりーの指示が飛ぶ。
 容赦なくアゴや顔を狙ってゆっくり達が飛び掛ってくる。ボイン!ボイン!!ボイン!!!ボイン!!!ゴッ!
 ・・・今のはいい一撃だった。二段ロケットのごとく、ゆっくりれいむのジャンプを利用し、鼻をめがけて飛んできたゆっちゅりーによって鼻血が吹き出た。
 だがしかし、リボン改め、多数連結式鉢巻が完成した!!!
 すかさず親ゆっくりの頭に巻く!もちろん固結びでこれでもかというほどきつく結ぶ。
 「ははははは・・これでも、お前に、りぼんが結べるのか?」
 そう告げた。そこに油断はなかった。そのはずだった。
 『ゆっくりーー!!!』
 ドゴッ!!
 マザーの渾身の体当たりによって、巣から吹っ飛ばされる。
 「うおおおおおおお??ガッ!!」
 そのまま転がり、木にぶつかる。頭を打ったのか、一瞬意識が飛んだ。

 そこに、
 『ゆっくりして逝ってね!』
 転がってくるマザー!!

 ゴシャァ!!

 いくらゆっくりが柔らかいとはいえ・・・木とサンドイッチされ、後頭部を強かに打ちつけた俺の意識は、あっさりと遠のいた。
 「むきゅん!「「「「これじゃゆっくりできないよーーー!」」」」」
 遠のく耳に届いたのは、マザー以外のゆっくりたちの声だった・・・。


 意識が戻ったときには、すでに日が暮れていた。ものすごい吐き気と・・・自由にならない体。
 そこらへんにあるようなツタで、木にがんじがらめに縛られている。きっとゆっちゅりーの差し金だろう。
 「おれが遅い?おれがゆっくり??」
 もっと準備を整えれば、もっとタイミングを見計らえば・・・。
 脳内に、ジワジワとしみこむ、敗北の記録。
 「・・・・・・俺は敗者だ!! 負け犬だああああああああああああああ!!!」
 流れる涙を拭う事も出来ない。夜が更けるまでただただその場で泣き続けた。

 その後だが・・・
 「ぐおおおおおおおおおお!!」
 ツタは頑丈で、ほどけやしない。
 「うおおおおおおおおおお!!」
 無理やり、木と自分とのスキマをつくり、半転。
 腕とかかっちり結ばれてたらどうなっていたことやら・・・。
 次に、ツタを左右で引っ張って支えとしながら木を上る。
 最後に、木からツタを抜き取って、どうにか開放できた。
 夜間の作業で、かなり大変だった・・・。
 「う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!」
 この間、泣きっぱなし。
 意外に血涙にはならないな・・・と、心のどっかが剥離したようにつぶやく。
 「ゆるさんぞゆっくりどもめ!!ジワジワと嬲り殺しにしてくれるわ!!!」
 涙を止めて、熱い決意と共に、目の前のマザーの巣に入った。

 しかし、そこにいたのはマザー達ではなく、
 「「「「ZZZZZZZ」」」」
 よりにもよって、いつものゆっくり魔理沙シスターズだった。ナンバリングもそのままだった。
 たぶん、空っぽの巣を見つけて、住み着いたに違いない。

 ・・・ゆっくり理解する。逃げられた。ゆっくりした結果がこれだよ!!!

 収まりつかなかったので、ゆっくり魔理沙シスターズの帽子を全部奪いとり、縦に重ね、赤い糸で結んでやる。
 これぞ、多連装式ゆっくりまりさ帽子。せっかくなので、【3】のまりさにかぶせてやった。
 朝にはまだ遠い・・・巣の脇で泣き寝入りすることにした。
 「ぐぐぐぐっぐぐぐぐぐぐぐぐ!!」
 この屈辱、忘れるものか。


 つづく。






 今回の実験結果のように見えなくもないオリジナル設定:
 1.ゆっくりの飾りには所有権があり、前の持ち主はわかるが、前の前の持ち主はわからない。
   このことから、飾りを奪われた場合に「どのゆっくりが奪ったのか」まではわかる。
   ちなみに、ゆっちゅりーさんの帽子は、
   「奪って」「奪い返された」ので、もうゆっちゅりーさんにはわからない。
 2.ゆっくり子れいむはリボンを結べない。成長すると結べる個体がいる。
 3.野生のゆっくりはつよい。
 4.ぱっちゅんは郊外型実験場ではレア。(病弱すぎるので、主に室内での実験用素体となるため)
 5.ゆっくりれいむは加工場では50cmぐらいにしかならない。
   すごいゆっくりはその限りではない。




遅くなってしまい、
ゆっくりいじめ系110 髪飾り or fuku0692.txt & fuku0779.txtの兄貴や、
ゆっくりいじめ系104 ゆっくりみじめ or fuku0680.txt の兄貴には申し訳ない。
あと、fuku0845.txt と fuku0779.txt には愛を。
大戦争「異端ゆっくりvsゆっくり」はやろうかと思ったけど、
望んだ結末にもっていけないので悩んでいたんです。
      • 他の誰かがやってくれる。こんなにうれしいことはない。

ちなみに、ゆっちゅりーさんを出す予定は全くなかった。
fuku0787.txt の影響だと思う。いいよね・・・知識あるのに空回りするゆっちゅりーさん。
ゆっくりした結果が(ry





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最終更新:2008年09月14日 18:53
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