ゆっくりいじめ小ネタ621 ゆっくりの油 ダメなゆっくり

いままで書いたもの
  • とかいはコーディネイター
  • 植物型ゆっくり
  • 魔理沙とゆっくり~邂逅篇~
  • 取替えられた子
  • お前なんかドスじゃない
  • ばーさすちれーでん
  • ねるねるねるゆ
  • ゆっくりを飼うって難しい
  • ゆっくり分身
  • れいぱー
  • 公然猥褻れみりゃ
  • 決死の虐待
  • 虐待お兄さんの冒険 人外魔境の森編
  • ゆっくりさん
  • 虐待お兄さんの冒険 異形達の海岸編
  • じゃんけん13奥義
  • ゆっくりの背筋も凍る怪談
  • 一生一人でゆっくりしてろ!




「まりさ! どうしてアンタはそうなの!」

頭上から降り注ぐ怒声。余りにも理不尽なそれを、まりさは黙って縮
こまりながら受け止める。
叫んでいるのはまりさの飼い主だ。顔を怒りで真っ赤にそめ、失望に
染まりきり、憎悪すら滲んだ顔でまりさを見下している。

「ゆっくりごめんなさい、ゆっくりごめんなさい……」

まりさは顔を伏せたまま、喉を震わせ掠れた声を漏らす。しかし、飼
い主の表情は変わらない。
飼い主はまりさを掴みあげ、鬼の形相で怯えるまりさを睨みつける。

「ホントアンタはダメなゆっくりなんだから! どうして――」

そして、それを指差しなが言った。

「――あのれいむみたいにできないの?!」

指差された先。そこには、もみあげを使い器用にナイフとフォークを
操り、お行儀よくフレンチを食べるお隣のれいむの姿があった。
まりさは叫んだ。

「でぎるわげないでじょーーーーーーー?!」









事の発端は1ヶ月前であった。

「今日のご飯はまりさの大好物の犬のエサよ!」
「ゆわーい!」

その日もまりさとその飼い主である女性はいつもどおり仲良く散歩に
出かけ、丁度家へ帰ってきた所だった。マンションの二階、その廊下
に出ると、自分の部屋の隣にダンボールが山積みにされているのに気
がついた。

「おねーさん、これなーに?」
「お隣に誰か引っ越してきたのね」

と、丁度その時隣の扉が開き、頭に饅頭を載せた20歳くらいの青年が
現れた。ルックスもイケメンだ。
そして、こちらの存在に気付いた青年と饅頭が、口を開いた。

「やぁ! 僕は虐待お兄さん!」
「れいむはれいむだよ! ゆっくりしていってね!」

そしてこの爽やかな笑顔。
飼い主とまりさは、青年の言葉を聴かなかった事にして挨拶した。






それから数日たち、青年が基本変質者だが悪い人間ではないと思い込
んだ飼い主とまりさは、日頃やたらと働く青年のまりさをたまに預か
るような仲になった。

……そう、まりさの地獄はこの時から始まっていたのだ。

「今日のおやつは特売の100円ケーキよー。特売よ特売」
「「ゆわーい。けーきー」」

やたらと特売を強調する飼い主に与えられたケーキを、まりさはいつ
も通りむーしゃむーしゃと齧る。よく噛み、飲み込んで

「しあわせー!」

と叫び、口の周りについた生クリームを舌で綺麗に舐め取った。
そして、ふと隣にいるれいむを見て、驚愕した。
れいむは、そのもみ上げで掴んだマイフォークで、ケーキを一口大に
切り分けてお上品に食べていたのだ。
唖然と口を開いてその様を眺めるまりさと飼い主。当然だ。ゆっくり
がフォークを使って物を食べるなど、常識的に考えてありえない。

「……れいむは行儀がいいわねぇ。まりさもれいむを見習いなさい」

半ば引き攣った笑みを浮かべて、気のない声を上げる飼い主。まりさ
はその飼い主の声に答える事はできなかった。れいむの使うフォーク
がかちゃかちゃと皿と触れ合う音だけが響いていた。




それからも、れいむは、ゆっくりらしからぬ凄まじさを事あるごとに
披露した。
5桁×5桁の暗算、トランプを使った透視、鬼隠し編プレイ時点での
ひぐらしの謎の解明、レベル1でドラクエクリア、東方ルナティック
初見ノースコクリア等である。
それを見るたびに飼い主はまりさに言った。

『まりさもれいむを見習いなさい』
『まりさもれいむみたいになりなさい』
『まりさと違ってれいむは凄いわね』
『まりさはどうしてれいむと違ってダメなのかしら』
『まりさはどうしようもないわね』

飼い主は結構見栄っ張りなところがあり、基本キチガイだった。他人
のゆっくりより劣るまりさを責めるようになったのだ。日に日に厳し
く、執拗になっていく飼い主の叱責に、まりさの心は磨り減って行っ
た。
まりさの名誉のために言うと、まりさは決してダメではない。むしろ
飼いゆっくりとしては非常に優秀といえる部類に入る。
まりさは不出来ではない。ただ、比較される対象が悪かったのだ。









飼い主はヒステリックに泣き叫びながらまりさに告げた。

「どうしでできないのよぉぉぉぉぉぉ?! れいむを見習いなさい!
れいむは3階から投げ捨てられてもへっちゃらでしょぉぉぉぉぉ?!
あんたも2階から投げ捨てられるくらい我慢しなさいよぉぉぉぉ!!」
「でぎるわげないでじょぉーーーーーーーーー?! おねがいだがら
おぢづいでねぇーーーーーーーーーー?!」

まりさは長い鍛錬の末にようやく動かせるようになったお下げで必死
に窓枠にしがみ付く。己の命が掛かっているので正に命がけだ。
そんな中、地面でゆっくりしていたれいむが上空のまりさに向かって
声をかけた。

「おそらをとんでるみたいでゆっくりできたよ! まりさもゆっくり
していってね!」

そのズレた声に、思わずお下げの力が緩み、

「ゆっぐりでぎないぃーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

まりさは、空を舞いながらそう叫んだ。



おわり

作者:○ーメンぶっかけ祭の人


あとがき
SSの展開に悩んでいる間に何がなにやらわからない事になっている
ので騒動が治まるまでふたばにいくことにします。
戻ってくる事があったらその時はまたよろしくお願いします。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2011年07月28日 19:56
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。