ゆっくりいじめ系618 ゆっくり家族のある夏の日

ゆっくり家族のある夏の日




良く晴れた夏の日。
木漏れ日優しく涼しい森の中でゆっくりれいむとゆっくりまりさのカップルが仲良さそうに枝や草を集めていた。

「ゆっくりあつまったね!」
「あとはおうちでゆっくりしようね!!」

二匹は新婚夫婦だった。
二匹はお互いの家族のおうちが近かったので子供の頃から一緒にゆっくりしてきた幼馴染。
両思いだと知ってから付き合い始めて一か月。
親元から離れて同棲を始めて一週間。

それから赤ちゃんを作ろうと決めて、今までずっと準備をしてきた。
赤ちゃんのために食べ物を蓄え、枝と草を組み合わせてベッドを作った。
何匹産まれるか分からないのでたくさんの食べ物とベッドが二匹のおうちに用意されている。
おうちの入口も枝で組んだ簡易扉が被さって防犯対策も完璧(?)だ。


最後のベッドを作り終え、二匹のゆっくりは緊張した面持ちで見つめ合っている。
赤ちゃんを迎える準備が整え終えた今、残るは子作りのみ。
二匹にとっては子作りだけでなくすっきり自体も初めてだった。

「れいむ、やっとだね」
「うん。れいむは…れいむははじめてだからやさしく、してね?」
「まりさがんばるよ。だからきんちょうしないでね」
「ゆふふっ、まりさもふるえてるよ」
「だ、だいじょうぶだよ! あかちゃんのためだもん。だからいくよれいむ……」
「いいよ。ゆっくりきて……」

そして重なる二つの饅頭。
まりさがれいむの上に被さり、体を揺らしていく。
れいむは実にゆっくりとした表情でまりさの起こす振動に身を任せている。

そして程なくして、二匹の巣からは「「すっきりー!!」」の声が響いた。
交尾終了だ。





「ゆ! れいむからはえてきたよ!!」

交尾が終わってから数分経つと子種を受け入れたれいむの頭から茎が生えてきた。
茎は母体のれいむから栄養を吸って先端付近にいくつかの実を生らせていく。

「ゆゅ!? あかちゃんができてきたよ!!」
「ゅ…ゆっくりそだってね」

赤ちゃんの実は徐々に大きくなり、数分で髪が生えて飾りも形成される。
そして十分程度で赤ちゃんゆっくりの形が出来上がった。
後は産声を上げて茎から離れるのを待つのみ。

「ゆ~! すごいよ! ゆっくりしてるよ!!」
「ゅぅ、れいむもみたいよ…」

母体の霊夢は赤ちゃんを実らせた後でさすがに元気がない。
まりさが用意した食べ物をゆっくりともそもそ口に運んでいる。少しすれば元気を取り戻すだろう。


れいむが元気を取り戻した辺りで赤ちゃんの実に変化が訪れた。

「ゆ! ゆれたよ! あかちゃんゆれたよ!!」
「ゅ!? ほんとう? ゆっくりうまれてね!!」
「「ゆっくりしていってね!!!」」

れいむとまりさは目を輝かせて赤ちゃんゆっくりに声援を送る。
声援と言っても「ゆっくりしていってね!!!」を何度も言い続けるだけだが。
しかし二匹は期待に心膨らまして声援を続ける。

そして、二匹の熱心な声に赤ちゃんゆっくりがとうとう目を開いた。
それを見たまりさは感動で泣きそうになるのを堪えながら、
目をぱちくりと開いた赤ちゃんゆっくり達に目覚めの挨拶をする。

「ゆっくりしていってね!!!」
「「「「ゆっくりちていっちぇね!!!」」」」

総勢八匹の赤ちゃんゆっくり達がまりさの挨拶に対して元気に生まれて初めての挨拶を返した。
眉を吊り上げて、"やってやったぞ"と言わんばかりの勝気な表情で元気満点の赤ちゃんだ。

「ゆ!? あかちゃんうまれたの!? れいむもはやくみたいよ!!」
「ゆ~! すごくゆっくりしてるよ!!」
「おかーしゃん! ゆっくりうごきちゃいよ!!」
「ここじゃうごけにゃいよ!!」
「ゆっくりまってね!! すこししたら、くきからはなれるはずだよ!!」

母まりさの言った通り、少しした所で赤ちゃんゆっくり達はれいむの茎から切り離されて枝と草製のベッドの上に落ちた。
落ちた赤ちゃんゆっくり達はまず一番傍にいた母れいむへと擦りよった。

「おかーしゃん、ゆっくりちていっちぇね!!」
「ゆっくちちようね、おかーしゃん!」
「ゆぅぅ~、ずっといっしょにゆっくりしようね!!」
「「「ゆっくりちようね!!!」

母まりさもその輪に加わり、家族みんなで肌を合わせてお互いの生を確かめ合った。
ほんのりと温かい小さな赤ちゃん達の存在が母れいむと母まりさの心を満たした。
赤ちゃんゆっくり達もお母さんの温かみを体全体で感じて幸せそうに笑顔を浮かべていた。

このままずっとゆっくりしていたいが、お腹の空いた赤ちゃんゆっくり達はそうもいかない。
母達に体をくっつけながら次々と空腹を訴える。

「ゆっきゅりおなかしゅいたよ!」
「おかーしゃん、おなかしゅいたよ!!」
「このままじゃゆっきゅりできないよ!!」

だが母ゆっくり達はそれも予測済みだ。元々は自分たちも赤ちゃんの時そうだったのだから。
まりさはれいむの茎を咥えて力を込めると茎は簡単に根元から折れる。
その茎を地面に置いて食べるように促した。

「ゆ! これがさいしょのごはんだよ! ゆっくりたべていってね!!」
「いっぱいあるからね! ゆっくりたべようね!!」
「ゆっきゅりたべるよ!!」
「おかーしゃん、ありがちょー!!」
「いっぱいたべるよ!!」

自分たちの生えていた二本の茎を、初めての食べ物を食べていく赤ちゃんゆっくり達。

「「「むーしゃ、むーしゃ、ちあわちぇ~!!」」」

総勢八匹の赤ちゃん達が幸せそうに食事する様子を眺める母ゆっくり達もまたこの上なく幸せだった。
二匹は頬を擦り合わせ、今確かにそこにある幸せを噛みしめていた。






それから毎日まりさは狩りへと出かけた。
おうちに食料を貯蓄させているが、それは食料があまり集まらなかったときなんかの非常用だ。
食欲旺盛な赤ちゃんゆっくり達のために狩りの上手なまりさは木の実を採り、虫を捕まえに外へ出る。

対するれいむはまりさが出かけている間に赤ちゃんゆっくり達の世話をする。
おうちの前で一緒に遊んだり、歌を教えてあげた。
転んで泣いてしまったりしたときも「ゆっくりいたいのとんでってね!」と、赤ちゃんを舐めてあやしたりもした。

赤ちゃんゆっくりは親ゆっくりが常に見てあげていないと、
勝手におうちの外に出かけていって死んでしまったりおうちの食べ物を自制せずに食べてしまう。
とてもじゃないがそれでは長く生きていられない。生きられたとしても自分勝手な嫌われゆっくりになってしまう。
なので両親が存命の場合はこの夫婦のように片方が狩り、もう片方が子の世話を行うのだ。



「ゆっくりかえったよ!!」

母まりさがリスのように頬袋に食べ物を詰めて帰ってきた。
その声に母れいむに甘えていた赤ちゃんゆっくり達は目を輝かせておうちの入り口へ跳ねていく。

「まりさおかーしゃん!」
「ゆっくりおきゃえりなしゃい!!」
「ゆっきゅりしていっちぇね!!」

一歩遅れて母れいむが姿を現して微笑み、

「ゆっくりおかえり、まりさ!」

新妻のノリで母まりさを出迎えた。
赤ちゃんゆっくり達に体を擦り付けられ、愛するれいむの可愛い笑顔を向けられて母まりさは照れくさそうだ。

その後、母まりさが吐き出したたくさんの食べ物を家族みんなで仲良く食べていく。

「ゅ~、おいちいよ!」
「ありがちょー、おかーしゃん!」
「すごくゆっくちできるよ!!」

赤ちゃんゆっくり達のその言葉だけで母まりさの疲れは取れる。そして次もがんばる気になれた。
それからしばらく家族団らんの時を過ごし、その後は夕食のために狩りへと出かける。
日が暮れるまでには母まりさは帰ってきて同じように家族みんなで食事し、
日が完全に暮れて真っ暗になったら家族で身を寄せ合いゆっくりと眠りに着く。


そんな日がずっと続くと思ってた。
だが自然はいつだって気まぐれで無慈悲だった。








「ゆっくりたべものとってくるね!!」

お昼ごはんを食べてゆっくりした後、いつものようにまりさは狩りに出かける。
天気は晴れ、森の中なのでそこまで暑くはない。絶好の狩り日和だ。

「まりさ、ゆっくりがんばってね!!」
「ゆっきゅりきをつけてね!」
「ゆっくりいっちぇらっしゃいね!!」

家族総出で見送られ、母まりさは意気揚々と森を駆けて行った。

「ゆ…?」

母れいむは駆けていくまりさの姿が何だか儚く見えた。
根拠のない不安を覚えたが、赤ちゃんゆっくり達が「ゆっくりあしょぼうよ!」と元気に誘ってくると不安はすぐに忘れた。





母まりさが夕食のための食べ物を頬袋に詰め終えておうちに帰ろうとした時だった。
さっきまで晴れていたはずの空がいつの間にか曇り始めていた。

「ゆゆっ、ゆっくりしないでかえるよ!!」

母まりさは経験上これから雨が降るだろうと考え、急いでおうちに帰ろうとした。
しかし食べ物で重くなった体ではいつもの半分程度の速さでしか駆けることは出来ない。

そしてとうとう雨が降り出した。
ちょっとの距離ならこのまま跳ね続けておうちまで駆け込めば大丈夫だろう。
だが今、母まりさはおうちからおよそ30分の場所にいた。それも食べ物を持ってない状態で30分かかる場所だ。
これではおうちに着く前に、雨で体が崩れて死んでしまうだろう。
母まりさは身近にあった大きな木の根元に身を寄せて雨を凌ぐことにした。

「ゆっくりしないではやくやんでね…」

母まりさはこの時期に多い夕立はすぐに止むと知っていたが、それでも長く降り続けることもあるのでそうならないよう願った。
あまり雨が長く降り続けると日が暮れてしまう。
そうなると家族の夕食は貯蓄があるから大丈夫だろうが、自分がいないとみんなを不安がらせてしまうだろう。
それに夜はれみりゃやふらんといった危険と遭遇して、一生ゆっくり出来なくなる可能性も高い。

母まりさは大木の下でも降りかかる雨の雫を耐水性のある帽子で弾きながら雨が止むのを待ち続けた。
しかし10分待っても、20分待っても、一時間待っても雨は止まなかった。
それどころか雨はさらに激しくなっていた。

「ゆっくりできないよ!!」

母まりさは我慢できずに大雨の中を飛びだした。
我慢弱さから飛び出したのではない。
雨宿りしていた大木の根元は窪んでいて、雨が流れ込んで水溜りになってしまったのだ。
おうちの方向へとぐちゃぐちゃになった地面を蹴って駆ける。
他に雨宿りできる場所を探すが辺りは細い木が多くて見つからない。

こうなれば食べ物どころではなかった。
口の中の食べ物をすべて吐き捨てて全速力でおうちへ向かう。

「ゆ"っゆ"っゆ"っゆ"っゆ"…」

まりさは顎の下辺りに出来た排泄口から体の余分な水分を放出しながら走る。
しかしそれでは吸収する水分の量には追いつかない。

直に水に触れる下半身を中心に体がブヨブヨになっていく。

全速力で走っているはずが、徐々に跳ねる力は弱まっていく。

そして…


「うごいでよ"っ!! なんでがらだがお"も"い"の"!!?」

とうとう下半身がたるんで跳ねることも、そして這うことすらも出来なくなってしまった。
何故動けないかは分かっているが、母まりさは叫ばずにはいられなかった。
今ここで死ぬわけにはいかない。
可愛い赤ちゃんゆっくり達の成長をまだ見届けていないし、愛するれいむを一人残すわけにもいかない。

だが体は動かなかった。
どんなに力んでも、どんなに強く願っても体は言うことを聞かない。
むしろ時間が経てば経つほど水に浸かる下半身から機能を失っていく。

「ゆっぐり…できないびょ……」

その言葉が母まりさの最後の言葉になった。水の浸食は口にまで届いてしまった。
ザーザーと降り注ぐ雨。
水を弾くまりさの帽子が時間を追うごとに地面へと下がっていく。
帽子が下がるのに合わせて帽子の周りに茶色い水たまりが広がっていった。









おうちの中で激しい雨音を聞きながら母れいむと赤ちゃんゆっくり達は帰りの遅い母まりさを心配していた。

「ゅ! まりしゃおかーしゃんがおしょいよ!」
「どうちたのかなぁ」
「ゆっくちしんぱいだよ!!」
「おかーしゃんおなかしゅいたよ!!」

「ゆっ! だいじょうぶだよ!! まりさはつよいもん!
 きっとゆっくりあめがやむのをまってるんだよ!!」

母れいむは不安がる娘たちを元気付けようとしながらも、何度もおうちの入り口を見ていた。


結局、真っ暗になってもまりさは帰ってこなかった。
赤ちゃん達は泣きつかれて母れいむに寄り添って眠っている。

「ゅふふふ…」
「まりしゃおかーしゃん…」

夢の中では母まりさと会えているのだろう。幸せそうな寝言が聞こえる。
明日の朝になればひょっこり帰ってくるだろうか。
母れいむは未だに止まない雨音を聞きながら眠りについた。






翌朝、まだ雨が降っていた。
母まりさはまだ帰ってこない。
そして体の小さな赤ちゃんゆっくり達に異変が起きていた。

「れいむおかーしゃん、からだがいつもよりのびるよ!」
「なんだかゆっきゅりできるよ!!」

「ゆゆっ!?」

母れいむは赤ちゃんゆっくりの言葉を聴いて焦りだした。
それはつまり、湿気によって赤ちゃんの体が水気を増したということ。
そしてこのままではゆっくり出来なくなってしまうと言うこと。

「みちぇみちぇ~! からだがくっつくよ~!!」
「ゆっ!! だめだよ!!!」

二匹の赤ちゃんれいむのべた付く頬同士がくっ付きそうになっているのを見て母れいむは寒気を覚えた。
有無を言わさず舌で二匹の赤ちゃんを引き離す。

「ゅゅ~! なにしゅるのおかーしゃん!」
「たのしきゃったのに!!」

赤ちゃんゆっくり達からは不平がもれるがそんなの聞き入れない。

「ゆ! からだをくっつけたらゆっくりできないよ!! みんなはなれてね!!」

しかし何も分かってない赤ちゃんからすれば離れることこそが最もゆっくり出来ないことだ。
当然文句を言い始める。

「ゅゅ~ん!! にゃんでしょんなこというのぉ!!」
「おかーしゃんとくっつきたいよ!!」
「みんなとあしょびだいよ!!」
「はなれたらゆっきゅりできないよ!!」
「おかーしゃんくっちゅこうよ!!」

「ゅ…」

赤ちゃん達の言葉に心が揺れるが、そんなことをして赤ちゃん達が自分にくっ付いたら危険だ。
だからそんなことは出来ない。母れいむはそう判断した。

「ゆゆ! だめだよ!! いまくっついたらみんなゆっくりできなくなるんだよ!!!」
「ゅ~!! おかーしゃんなにいっちぇるの!?」
「にゃんでなの!?」
「どうしゅればいいにょ!?」

母れいむは悩んだ。
とりあえず赤ちゃん達は素直に言うことを聞いてバラバラに佇んでいる。
しかしこのまま放置しても雨が続く限り状況は悪化するだろう。
母れいむは体の余分な水分を顎の下に排泄口を作って排泄できるが、赤ちゃんはまだ出来ないのだから。

「ゆゆ…」

悩みに悩んだ結果、母れいむは一つの手しか思いつかなかった。

「あめがやむまでゆっくりそのままうごかないでね!!!」



余談だが、赤ちゃんの余分な水分を排出する方法は複数ある。
一つは単純で、涙を流させることだ。
だがこれは良心の痛むようなことを赤ちゃんに対してしなければならない。例えば暴力や食事抜きなど。
もちろん普通の親ゆっくりはこんな事思いつかないし、やろうとも思わないだろう。

もう一つは親が赤ちゃんの顎の辺りを舌先を細めて舐めてやることだ。
赤ちゃんは顎を舐められると体が反応して、排出口が出来る。そしてそこから余分な水分を排泄する。
しかし母れいむはこの方法を知らない。
母れいむ自身が赤ちゃんのときは雨が降らなかったのでこの方法を知る機会がなかったのだ。



そしてゆっくり家族は雨が止むのを待ち続けた。

「おかーしゃんおなかしゅいたよ!!」
「れいみゅたちはうごいちゃだめだからおかーしゃんがもってきちぇね!!」
「ゆっ、もってくるからまっててね」

食事は母れいむがおうちにある貯蓄から赤ちゃんゆっくり達に分け与えた。
お腹を空かせた赤ちゃんゆっくり達は目の前の食べ物を大口を開けて食べようとする。

「むーちゃ、むーちゃ…むーちゃ、むーちゃ…むーちゃ……」

母れいむは不思議に思った。
いつもよりむーちゃむーちゃが長いことに。ゆっくり的には二回のむーしゃの時点で飲み込んでるはずなのに。
嫌な予感がよぎった。

「おかーじゃん、のみこめにゃいよぉぉ!」
「なんでかめにゃいのぉぉ!!」

赤ちゃんゆっくり達は歯型の跡すらない食料を吐き出しながら母れいむに訴えた。
母れいむは顔を青ざめていく。
ここまで赤ちゃん達の体が危険なことになっていたなんて…

赤ちゃんゆっくり達はすでに口の中もブヨブヨに柔らかくなってしまって噛むことも飲み込むことも出来なくなっていた。
中には口に蝶の羽が貼りついて息が出来ない赤ちゃんまでいた。母れいむは急いで蝶の羽を取ってあげる。

「おがーしゃん! どういうことぉぉ!!」
「にゃんでゆっきゅりたべれないのぉぉ!!」
「おがーじゃんのみこめにゃいよぉぉ!!!」

「ゆ! ま、まってね! ゆっくりかんがえるからね!!」

母れいむは何とかして赤ちゃん達を元に戻せないか考えるが何も思いつかない。
頭にあるのは『あめがあがるのをまつ』という考えだけだ。

「おかーじゃんはやきゅだしゅけてよね!!」
「やきゅたたずもいいかげんにしてよね!!」
「まりさおかーしゃんもなんでかえってきょないの!?」
「こんなおうちじゃゆっきゅりできないよ!!」

そして何も思いつかない母れいむに対して始まるのが親批判。

「なんでそんなごどいうのぉぉぉ!! れいむはいっしょうけんめいかんがえてるよ!!」
「だったらはやくたしゅけてよね!」
「かんがえるだけだったらまりしゃもできりゅよ!」
「おかーしゃんならたしゅけられりゅでしょ!!」

母れいむは愛する赤ちゃん達に罵倒されて涙目になる。
昨日まではあんなにゆっくり出来たのに。
まりさが帰って来れないのも赤ちゃんが危ないのも、全て雨のせいなのにどうしてここまで言われないといけないのか。
母れいむの頭には様々な考えが渦巻いて混乱するだけだった。

「もういいよ! おかーしゃんいがいでくっちゅこうね!!」
「しょうだね!! みんにゃでなかよくしよーね!!」
「おかーしゃんはくっちゅいたらだめだからね!!」

「ゆ!? だめだよ! くっついたらだめだよ!!」
「ゆっきゅりだまってね!!」
「ゅ…ああああ」

赤ちゃんゆっくりに嫌われてしまった。母れいむは子供みたいに泣きじゃくる。
そして赤ちゃんゆっくり達は母が泣いてるのにも構わず一箇所に集まる。集まろうとする。

だがその体は動けていなかった。

「どうしゅてうごけないにょぉぉぉ!!?」
「ゆっきゅりできないよぉぉ!!」
「にゃんでぇぇぇ!!?」

それは母まりさと似たようなものだ。
体内の餡子が水分で柔らかくなって力を伝えられず、跳ねることも這うことも出来なくなったのだ。

「ゅぅぁぁぁ! たしゅけて! たしゅけちぇよぉぉ!!」
「おかーしゃん!! いちゅまでないちぇるのぉぉ!!」
「うぎょけないよ! ゆっきゅりできないぃぃぃ!!」

「ゆっ!! うごけないの!?
 ゆ"…う"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!! どうずればいいのぉぉぉ!!!」

赤ちゃんゆっくり達が動けなくなったことで母れいむはどうすればいいのか益々分からなくなった。
体をガクガクと震わせて狂ったように叫び続けた。









それから半日経って激しい雨は嘘のように止んだ。
今は憎たらしいほどの陽の光が森に差している。

ゆっくり家族のおうちの中では、
赤ちゃんゆっくり達が涙を流し、涎を口から垂らしていた。
それはつまり体内の水分を外に排出しているということだ。

だがそれはあまりにも遅すぎた。

今更余分な水分を吐き出せたところで、赤ちゃんゆっくりの体の中はすでにグチャグチャだ。
とっくに赤ちゃんは体の機能を失って死んでいる。

今、涙を流しているのは体内の飽和した水分が目の穴から流れ出ているだけだ。
涎を垂らしているのも同じ理由だ。



母れいむはそれを見ている。嬉々とした表情で。

「あめはやんだよ! かわいたらまたゆっくりしようね!!
 それにあめはやんだからまりさもかえってくるよ!!!」

母れいむは赤ちゃんが死んでいることに気づかない。気づこうとしない。
全てを壊した雨が止んだ。だから全て元に戻る。
母れいむのゆっくり脳はありもしない希望を信じることを選んだ。



それから数日経った今も母れいむは赤ちゃんゆっくりが元気になると信じている。
それに愛するまりさも帰ってくると信じていた。

母れいむはそんな幻想を抱きながら誰もいないおうちの中でゆっくりと生涯を終えた。










by ゆっくりしたい人


スレに書き込めないのでアップだけで報告なし、というか報告できない。
スレを見てるだけってこんなにさびしいんだね。全てゆっくりのせいにしてやるもんね。

しかし赤ちゃんゆっくりは可愛い。それを自然で虐める妄想するのがマイブーム。書きづらいけどね。

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最終更新:2008年09月14日 07:49
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