ゆっくりいじめ系713 頷き男とゆっくりまりさの自慢


注意:饅頭がむやみやたらと口が悪いです。


 ある日、男が家でくつろいでいると饅頭がきた。

「ゆっ、まりさ、にんげんだよ!」
「ゆっ! おじさん、ここはまりさのおいえだぜ!」

 テンプレである。テンプレではあるが、男は最初から普通にここにいただけに首を傾げるばかりである。
 数は……まりさとれいむの二匹だけ。

「それがわかったらまりさといとしのれいむにごはんもってくるんだぜ!」
「ゆっくりしないではやくいってね! にんげんなんてゆっくりするかちもないよ!」

 どうやらこの二匹はつがいのようだ。

「うるさい饅頭だ、ここは俺の家だ、さっさと出て行け」

 男は無駄とも思える警告をする。

「ゆっへっへ、まりさはつよいからこんなおじさんはイチコロだぜ」
「そうだよ! まりさはつよいんだから、いのちごいしてぶざまにしんでね!」

 やはりか、男はやれやれとため息をついた。
 しかし、いい暇つぶしにはなるか、そう思い直す。

「ゆっ、みててねれいむ、このおじさんやっつけるから、このいえですっきりしようぜ!」

 そう言って男に体当たりをするまりさ。男の足に足にぼよよんばよよんと衝撃が走る。
 もちろん痛くない。
 うざい、男はそう思いつつもまりさに話しかける。

「なぁ、まりさ、お前の自慢は?」
「ゆっ? おじさんなにいってんの、ばかなの? いまからおじさんをやっつけるこのつよさだぜ!」

 そう言って体当たりを続行するまりさ。

「ふむ、それだけか?」
「はぁ、なにいってるのおじさんやっぱりばかでのろまでゆっくりできないかとうなせいぶつだぜ、
 まりさには愛するれいむがいるぜ!」

 まりさを応援していたれいむはその言葉に頬を赤く染めた。

「まりさはね! かけっこもはやいんだよ!」

 そしてまりさを褒める。

「後は?」

 男はそう問いながら、考え始めるまりさを尻目に二匹が逃げられないように部屋を閉め切った。

「あとは、まりさのぼうしかな、れいむがつけてくれたこのはながまりさのとれーどまーくだぜ!」
「あとかみもきれいだよ!」
「ふむ、わかった」
「それがわかったんならゆっくりしぬんだぜ!」

 そんなもんかと呟き、男はれいむを捕まえる。

「ゆっ? なにするんだぜ! れいむをはなせじじい!」
「ゆっくりしないではなしてね! いまならいのちだけはまりさがたすけてくれるよ!」
「なら取り戻せばいい」

 まりさは躍起になって男の足に体当たりを続ける。
 それを無視して、れいむを袋に入れ、頭をきつく縛る、これで自力で出られまい。
 れいむの出番はまだ先だ、とりあえず、隣室においておく。

「れいむ! れいむをどこにやったこのじじい! しね! しね! ゆっくりしないでしね!」
「まりさ、お前は本当に強いのか?」
「ゆ? じじいいきなりなにをいってるの? しね! いまからまりさがころす!」

 まりさはこの男をすでに生かすつもりはなかった。
 まりさの家に勝手に入り込んでいた(もちろん本当は逆)この男。
 慈悲をあげてやったら(まりさの頭の中ではそうなってる)れいむをどこかに連れて行ったこの男を。
 まりさは全力で足にかみつく、このかみつきでまりさに屈しなかったのはまりさの群れの中にはいないほどだ。

「何してるんだ?」
「ゆ?」

 それなのに

「もしかしてそれがお前の全力か?」
「ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙!」

 それなのに、どうしてこの男には効かないのか?
 男をまりさを振り払うと、まりさにおしえてやった。

「まりさ、知らないみたいだから教えてやるけどお前な、弱いぞ」
「ゆ゙!?」

 何を言っているのはこのじじいは。まりさは強い、群れの中では一番だし、れいむを助けたことだって何度もあって。

「ゔぞづがないでね! まりさが弱いわけないよ!」

 男にそう宣言すると、まりさは憤然と男に向かう。
 しかし、男も今度はまりさに死なない程度に蹴りを放つ。

「ゆぶっ!?」
「よわいな、よわいなぁ」
「ゆっ!?  ゆ゙べっ! ぎゅ!? やべ……ゆ゙ぐ!?」
「聞こえないな、なんだって?」

 男はまりさの髪をつかみ、持ち上げながら問う。

「ゆ゙っぐり……も゙……も゙ゔや゙べでぇぇ……」
「お前が弱いって認めるか?」
「ゆ゙っ、み゙どめ゙ま゙ず、みとめますからぁぁ」

 少しやりすぎたか、そう思いまりさを床に下ろし、オレンジジュースをかけた。
 手加減の甲斐あってすぐにまりさは元気を取り戻した。

「ゆっ…」
「まりさ、お前は強いんだっけ?」
「ゆ!? ま、まりさは強くなんかないよ!」

 たぶん一次的に男に同調しているだけだろう。
 後三分程度でれいむを返せだなんだと叫びだすだろう。
 男もそれはわかっていた、しかし、暇つぶしは始まったばかりだ、今は置いておく。

「まりさ、お前のその帽子、自慢だったよな?」
「ゆっ、このはながれいむとまりさのきずななんだぜ!」

 そう自慢げに話すまりさに頷く、だぜ言葉が戻るほどには回復したようだ。
 男はまりさの帽子を取り上げた。

「ゆゆゆっ!? なにするんだぜ!? まりさのぼう…!」

 皆まで言わせずに、帽子を破り捨てた。

「ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ぁぁぁぁ!? なんでごんなごどするのぉぉぉ!?」
「れいむからもらったってのはこの花か」

 綺麗な押し花である、これをあの饅頭が作ったというのはにわかに信じがたい。
 その押し花を丁寧に、ぴりぴりと裂く、ブチブチとちぎる、最後に足ですり潰すように踏む。

「ゆがぁぁ!? まりさのおはながぁぁ!?」

 そうするとすでに花は汚い何かになり下がった。

「ぐゆぁぁぁ!? じね! じね!」

 ショックで先ほどの事も忘れたのか、またもまりさが男の足に体当たりをする。
 男は何も言わずにまりさをつかむと再びまりさに呟いた。

「たしか、髪も綺麗だとか言ってたな」
「ゆぐっ! まりさのさいこーのかみにみとれてじね!」

 男の手にはいつの間にかハサミ。
 流石にまりさも何をするつもりかがわかったようだ。

「や……やめてね! ゆっぐりやべで、しんでね!」

 男はまりさの自慢の髪をハサミでチョキチョキと切り始める。

「坊主というのも芸がない、適当に切ろうか」

 数分後には滅茶苦茶としか言うようのない髪型になったまりさが泣き叫んでいた。

「どうじで……どうじで!?」
「うん、変な髪型だ」

 なかなかどうして、髪を切るというのは楽しいものだ、男は不思議な充実感を得た。
 ゆっくりなら失敗しても痛くない、美容師さんの練習にもいいかもしれない。
 ……話を戻そう。

「そうそう、確かお前はかけっこが早いんだってな?」
「む…群れでは一番だぜ……」

 ハサミをちらつかせながらまりさに聞く。
 まりさもびくつきながら答える。

「そうか」

 男はそう言うと、ライターを出す。 

「じゃあ、走れなくなろうな」
「ゆ? おじさんなにいってるの? やめてね、やめてね!」

 ずいぶん従順になってきた。
 そう思いながら、ライターでまりさの底部を焼き始める。

「ゆ゙っっっ!? あづい! な゙に゙ずる゙のぉぉぉぉ!?」
「だから、走れなくしてるんだ」

 悲鳴を音楽に淡々と底部を焼く男。
 やがて、こんがりとまりさの底部は焼きあがった。

「ゆ……ゆ……」
「よし、出来た、まりさ、逃がしてやるぞ」
「ほんとう!? ゆっくりにげるよ!」

 れいむの事はいいのかと思ったが、まぁいいのだろう。
 男はまりさが逃げやすいように窓を全開にしてあげた。

「さぁ、早く逃げるといい」
「ゆっ! にげるよ! じじいはゆっくりしんで……ゆ?」

 おかしい、まりさの体は意志とは関係なく、微塵も動かなかった。

「早く逃げろよ、そんなに苛められたいのか?」
「ゆ、すこしだまってね! すぐにこんなところでていくよ!」

 跳ねようとするまりさ、しかし、こんがり焼かれた足の部分は固まったままだ。

「そうか、逃げたくないのか」
「ゆっぐり逃げるからね!」
「後五秒で逃げない場合はまりさに人間の強さについて教えてやるよ」
「やめてね! ゆっくり逃げるぜ!」
「5、4、3」

 まりさは渾身の力を振り絞ってはねる、つもりで大地を蹴る。

「ゆっ!? やめ、まりさはにげにげ…ゆぎゃぐぁぁ!」
「2、1、はい、残念」
「や、やめ…まりさはもう……」
「まりさは勉強熱心だな、約束通り、お前の弱さを教えてやる」

 懇願を無視し、男は再び死なない程度にまりさを蹴る殴るをし続けた。

「ゆ…ゆべっ!? ぐべ!? たす……ゆぎゅ!? れい…む! ゆばぁ!?」

 さっきはれいむを捨てて逃げようとしたのに、最後にすがるのはれいむか。
 男は苦笑した。

「れい…ゆっ!? れいむ…」
「よし、んじゃ、続きは明日だ」

 そう言って男が絶望の言葉を吐き、出ていくと同時に、まりさの意識は途絶えた。



 …そして次の日。

「まりさ、喜べ、れいむと会わせてやるぞ」
「ゆっ! れいむ、れいむどこ!」

 昨日のあれかられいむには会っていない。
 出会ってから今までこんなにれいむと離れたことなどあっただろうか。
 いや、ない、それだけにまりさの心の中はれいむの姿でいっぱいだった。
 あの可愛い顔、つややかな黒髪、つぶらな瞳、すぐに赤くなる頬、すべてが愛おしい。

 しかし、まりさの中に確かな警鐘がなっていることも自覚していた。

 まりさはだんだんわかってきていた、この男が何でこんな事をする理由が。
 この男はまりさの自慢をすべて奪い去るつもりだと。
 もちろん、男からすれば饅頭が入ってきたから、という理由にすぎないのだが。
 まりさは自分の自慢したものを振り返る。
 強さ、足の速さ、帽子の花、髪。

 そして

「ほら、まりさ、れいむだぞ」

 愛しの、れいむ。

「ゆ…ゆがぁぁぁ!? れいむぅぅぅぅ!?」

 れいむの顔は半分がそげ落とされ、餡子がとめどなく溢れている。
 あの艶やかな髪は見るも無残にぐちゃぐちゃにされている。
 瞳は片方はえぐられており、もう片方には大きな釘が刺さっている。
 頬はすでに餡子まみれで。
 れいむはすでに長くはなさそうだった。

「ほら、れいむ、まりさだぞ、言いたかったあの言葉を思いっきり言うんだ」
「れい、む…」
「まり…さ…?」
「れいむ、まりさだよ! ゆっくりしてね!」
「まりさ……れいむね、しぬの」
「どぉじでぞんなごどいうのぉぉぉ!」

 本当にどうしてそんなこと言うのかまりさにはわからなかった。
 これからここを出て、体をゆっくり治して、また二人で暮らそう、そういいたかった。

「ま……りさのせい…だよ」
「ゆゆっ!?」

 だが言えなかった、れいむの信じられない言葉に吹き飛んだ。

「だから……まりさも……はやくしんでね」

 れいむはそう言うと、こときれた。
 ナイスタイミングだと男は頷いた。

「ゆ、ゆゆ……?」
「どうしたまりさ」

 おや……まりさのようすが……?
 進化するか?
 男も徹夜でれいむを虐待してたせいで疲れていた。
 暇つぶしだったのに手段が目的になってしまったようである。

「ゆっくりしていってね!」
「?」
「ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね!
 ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ」

 他にも言っていたが大体こんな事を言っていた。
 あ、壊れたのか。
 頷いた男は、楽しかったと、まりさの頭を撫でてあげ、そのまま潰した。




あとがき:
なし




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最終更新:2008年09月14日 08:03
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