ゆっくりいじめ系703 ゆっくり掛川宿場


山へと続く道を、一目で無頼と知れる男が歩いている。
細い一本道を散歩のようにぶらりぶらりと歩いていると、呼び止める声が傍らから聞こえてきた。

「そこいくお客様!どうかゆっくりしていっておくんなまし!」

目をやると、汚いダンボール箱が草むらに転がっていた。幾枚かを張り合わせ、2m弱の大きさに拡張されている。ゆっくりが作ったにしては悪くないものだ。雨が心配になるが。
道に向けられた面の一部をくり抜き、その上にこれまたきったねー字で「ちゃみせ」と大きくのたくったように書いてあった。
「お客様!こちらはちゃみせでごぜぇます!どうかゆっくり茶などのんで休んでいってくだせぇ!」
そうのたまうのは一匹のゆっくり。れいむ種である。
男は顎を一捻り、愉快そうな顔でれいむに近寄った。
れいむが茶店と呼ぶダンボールの傍には、藁を敷いたり新聞紙が盛ってあったりしてどうやら座るところも作ってあるらしい。
男はとりあえず切り株に腰掛けて煙管をとりだした。
「茶店といったな。なら茶を一杯もらおうか。あと菓子もな。」
「かしこまりやした!おい!」
嬉しそうに跳ね、れいむはダンボールの中に声をかける。
中から「承知しやした!」と声がしてなにやらごとごと揺れだした。
「女将、あの中はなんだいね?」
煙管を箱に向けるれ男が尋ねる。
「へぇ、『ちゅうぼう』でして。うちのやどろくが今、茶とまんじゅうをよういしております。」
そう答えるれいむ。
ほぉ。これは面白い。男は煙管をくゆらせて立ち上がると、箱の入り口から中を覗いて見た。
箱の奥では、ゆーゆーとか細い声で鳴く小さなゆっくりと大きなゆっくりが、種別問わず大量にビニール袋に詰められている。
どうやら叫ばないように口をふさいで処理しているようだ。
れいむが宿六と呼んだのは、袋詰めのゆっくりとポットの間を行き来しているまりさの事だろう。
特徴のとんがり帽子に白い布が巻いてあるのは前掛けのつもりか?
まりさはポットから湯呑みに茶を注ぎいれ、袋の中からまだ赤ん坊らしき小さなゆっくりを二匹咥えこんで盆の上に置いた。
それを器用に頭の上に載せてゆっくり零さぬように運んでくる。
男は切り株に戻り、まりさとれいむの給仕をうけた。
湯飲みはちゃんと洗ってあり、饅頭もぷるぷる震えているが暴れはしない。裏返してみると無数の切り傷がある。
虐待の作法として底部を火で焙ると歩けなくなる、とは聞いていたがここでは切り刻んで痛みで動きを止める方法を取っているらしい。
茶をすすり、饅頭をぽいぽいと口に放り込んで一息ついた。
「なかなか美味かった。しかし不思議なのは、お前たちは仲間を人に食わせて平気なのかね?」
客の様子を見守っていたれいむ。まりさは既に厨房に引っ込んでいたので、れいむが男の問いにこう答えた。

「へぇ。ゆっくりちゅうもんにも色々ございまして。れいむたちはここの森のおくにすんどります、ドスまりさにやしなってもらってるんですがね。
このところたべものが不作でして、そうなるとわるいやつは人間さまのはたけに手ぇ出すんですわ。
うちらもよけいなさわぎは好みませんので。そういうわるいゆっくりは処刑するんですが、ただ殺してもなんですので、いっそ商売にしたらどうかと。
きもんげ、ちゅうゆっくりに教えてもろうたんですわ。」
なるほど。ゆっくりが饅頭であることを利用して甘味を提供しようというわけか。それなら加工場にでも売りつければいいのに。
「かこうじょうには、ほかの森のれんちゅうがいっとりますけん。」
縄張りというか、ゆっくりにも商売敵がいるのか。

このゆっくり達は人間と共存しようと考え、色々な方法を試したらしい。町で歌を歌ったり、新聞を書いて売り歩いたり、そうした商売の一環として
茶店をはじめたのだとか。ポットはごみ捨て場から拾ってきたのを使い、ダンボールを集めて屋台を作り、今日が初の店開きだったという。
面白い試みだ。茶葉は森から毟ってきて饅頭は罪ゆっくりを使えばいいし、元手はかからない。
なまじ人間に干渉するより安全だし。

しみじみと男とは茶を飲み干した。
「ご馳走さん。それじゃぁまた寄ることがあったら贔屓にしよう。」
「ありがとうございやす!またゆっくり寄っていってくだせぇ!」
れいむと、厨房からでてきたまりさが男にお辞儀し、気持ちよく男は茶店を去った。

しばらくお辞儀したまま客を見送ったれいむだが、5分ほどしてふと気づいた。
「ゆ!お会計を忘れてるよ!」

急いでれいむは男を追いかけた。
「おきゃくさま!おきゃくさま!」

追いついたまりさに男が振り返った。
「なにか用か?」

「おきゃくさま。お会計がまだでございます。」

「おぉ、忘れておったわ。」

男の手が懐に伸び、抜き出されると弧を描いてれいむの頭に振り下ろされた。
れいむの頭がひしゃげ、目玉が片方飛び出た。

男が支払ったのは鉄扇であった。

この男は町でもそれと知られる「虐待お兄さん」。たまたまゆっくりを捕獲しにゆく途中で思いもかけぬ体験にうっかり虐待を忘れるところであった。
ゆっくり一匹無礼討ちしたところで咎められぬ。男はそう嘯いた。

事実そうであった。









おはようからこんばんはまで貴方を見守るVXの人です。
どこからこんな電波を受信したんでしょうね?




タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2008年09月14日 08:06
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。