ゆっくりいじめ系655 働き者

※若干、地霊伝のキャラあり注意









山に日が沈み、子ども達が走ってそれぞれの家を目指す
妖怪達がクスクスと笑い出す頃
草木は眠る準備を始め、風は暖かさを失い
冷たい風が今日死んだゆっくりまりさの頬を撫でる
周りには友達や家族が集まり
悲しんでいるものもいれば、まだ助かると声を荒げるものもいた
すると一匹の猫がゆっくりまりさの死体を銜えて持ち去ってしまう
「ねこさん、まっで、まりさをもっでいがないで」
まりさのパートナーだったゆっくりパチュリーが猫を追う
周りにいたゆっくりたちもそれに続く

猫は立ち止まり小さな山に死体を投げ捨てる
ゆっくりたちには暗くてその山が何なのかまだよく分からない
ただ口々に「まりさをかえせ」と騒ぐ
風が吹き、隠れていた月光が猫の作った山を照らす
うず高く積まれたゆっくりの死体

言葉を失うもの、悲鳴を上げるもの、子が見るのを防ぐもの
様々な反応をゆっくりたちが見せるが、そのスキに猫はいなくなってしまう

仲間たちはこの山の中に投げ込まれたゆっくりまりさを探そうとするも
どれが自分達の探すゆっくりまりさなのか分からない
これか、いや帽子はこんなに汚れていない
これか、いや頬はこんなに扱けてはいない
これか、いやこんな笑顔では死んでいない

誰彼とも分からぬ死体漁りが続き
山の奥へ日は消え、子ども達が布団に入るよう促され
妖怪達がゲラゲラと歌いだす頃
虫は眠りに落ち、風は冷たさを一層増す
寒い風が今日生きているゆっくりたちの頬を撫でる
死体の山の周りには友達や家族が集まり
必死に探しているものもいれば、もう諦めているものもいる

「まりさ、どうしてでてきてくれないの?!」
いつも群の中心だったゆっくりまりさ
パートナーのゆっくりパチュリーと一緒にたくさんの危機に立ち向かってきた
みんなの人気者で、大人から頼りにされ、子どもからは憧れられていた
まりさに言い寄る者も多かったが、まりさはパチュリーとの愛を貫き浮気もしなかった
周りのゆっくりたちはゆっくりまりさを引き合いに出し誠実さと勇敢さを子に教えた
呼べば元気に返事を返すゆっくりまりさ、みんなが大好きだった
それは今では

「まりさー」「まりさ、どこいっちゃったの?」「でてきてゆっくりしおうよ」「まりさ、どこー」

何か特徴があったわけでもない
呼んで答えてくれるわけでもない
月光を頼りに探すも
いくつかのゆっくりまりさの死体を見つけ出せただけで
そのどれが自分達の探しているゆっくりまりさなのか分からなかった
いや、そもそもこの死体の中にいるのだろうか
もっと山の奥に行ってしまったのではないだろうか

諦める

そういう言葉が皆の中をよぎる
リーダー不在の群、瓦解など容易い

「もう、もどってねようよ!!」
声高らかにゆっくりれいむが宣言する
ここでリーダーとしての資質を発揮すれば次のリーダーは自分だ
そんな思惑があったのか、それともただ眠かっただけなのか
しかし、すぐに批判が集中する
それを制したのはゆっくりまりさのパートナーであったゆっくりパチュリーだった
「むきゅー!!・・・みんなしずかにきいてね。このままじゃ、みんなつかれてゆっくりできなくなるから」
そう言って先ほど槍玉に上げられていたれいむから少し離れる
「のこってさがしてくれるこはこっち、もどってやすむこはれいむについていってね。どっちにいってもとがめるのはなしだよ」

すると3分の2がれいむに集まる
「じゃあ、れいむ、くらいけどしっかりゆうどうしてもどってね」
「うん、れいむにまかせてゆっくりさがしてね」
れいむに先導され疲れきったゆっくりたちは巣に戻っていった
見えなくなるのを確認すると


ゆっくりパチュリーは茂みに向かって呼びかける
「まりさ、もういいよ」
「ゆっくりいった?」
「むきゅん、パチュリーたちのさくせんせいこうだよ」

群が大きくなると同時に群の利益のみを貪る輩が出てくる
そういった者は群の瓦解につながる。そんな奴を群においてはいけない
すぐにリーダーになりたがる奴も問題だ
それを一気に消してしまう方法が「さくせん」だった
巣を捨ててしまうのは痛いが、まだ春
今から巣を新しく作っても楽々冬の準備ができる
そのために犠牲となったリーダーではないゆっくりまりさに
誰も何も思わない

「まさかねこさんがおとりをもっていっちゃうなんてね」
「むきゅん、ちょっとびっくりしたわ」
そう言いつつ残った群のメンバーを見渡す
忠誠心溢れる顔に満足するまりさ

しかし

「ゆぎゃ!!」
悲鳴が上がり、そっちの方を見る
それまでそこで元気にしていたゆくりれいむが死んで
鉈が顔面に食い込んで死んでいる

月光を雲が隠し赤いものがゆらゆら揺れるのだけが見える
あとは悲鳴、悲鳴、悲鳴
再び月光が灯りゆっくりまりさが見た光景は
自分を慕って残った者たちの無残な姿だった
そして、目の前に赤い髪の女が


ゆらゆらとゆっくりの死体たちは浮き上がる
ゾンビゆっくりとでも呼ぶのだろうか
それらはニャーンという猫の鳴き声と共にどこかに飛び去ってしまった


山の奥へ月が消え、子ども達が布団から出るよう促され
妖怪達がスヤスヤと眠る頃
鳥は盛大に歌い、風は暖かさを取り戻す
ぬるい風がサボり症の死神の頬を撫でる
死体の山はここにあったはずだが

「あれ、おっかしーな」
小野塚小町が上司に言われ、魂を回収に来た頃にはもうゆっくりの死体の山はなくなっていた
「ああ、このままじゃ映姫様に・・・」

「パチュリー、こうたいにきたよ。ゆっくりやすんで・・・ゆ?」
「んあ・・・」
「お、おねえさん、パチュリーしらない?」
「いや、知らないね。あんたらこそここにゆっくりの死体の山があったの知ら・・・まぁ、無いなら作れば良いだけか」
小町は久しぶりによく働いた












~あとがき~

長かったので略します
ロダに上がってるのはそのままなんで(by118)

by118

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2008年09月14日 08:15
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。