ゆっくりいじめ系662 大岡裁き


「おねえちゃん、おやさいがおちてるよ!」
「きょうからここをれいむたちのゆっくりプレイスにするよ!」

畑仕事がひと段落つき、干草に寝っ転がっていると近くからなんとも自分勝手な主張が聞こえてくる。
また出やがったな、害獣ゆっくり。幻想郷の作物を食い荒らす迷惑な生き物だ。俺は鍬を手に取り、ゆっくり共の背後に忍び寄った。
実は俺、虐待お兄さんである。だが、飲まず食わずでも平気な妖怪虐待お兄さんと違い、人間の俺は食べなければ餓死する。
しかたなく、オヤジから継いだ畑で農家をやっているのだ。
本当は加工場に勤めたかったんだが、志望動機に『ゆっくりをいじめることなら誰にも負けません』と書いたら
『加工場はゆっくりを虐待する場所ではありません。貴方は何か勘違いをしているようですね。』
と言われてしまった。なので、農作業の合間に畑に現れたゆっくりを潰すのがせめてもの息抜きなのだ。
荒い息を抑え、ゆっくりの背後の木の陰に隠れる。どっちから先に潰そうか…。よし、れいむの姉妹のようだし姉のほうから潰そう。
んで、妹が「お゛ね゛えぢゃん゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」とか喚くところを蹴り飛ばしても良いし、畑に生き埋めってのもいい。
自力じゃ降りられない木の上に放置っていうのもいいな。
そんなことを考えていると、ふと思いついた。ゆっくりの中でも母性や家族愛が強いれいむ種。そんなヤツラの絆(笑)を引き裂くのはどんなに楽しいだろうか!
一瞬にして幾通りものパターンが頭の中でシミュレートされる。口端が釣り上がるのを押さえられない。ひゃあ!虐待だぁ!

「やあ、ゆっくりしてるかい?」
ゆっくり姉妹に声をかける。
「ゆっ!おじさん、ここはれいむたちのおうちだよ!!ゆっくりでていってね!!」
「おねえちゃん、にんげんだよ!にんげんにあったらすぐににげろっておかあさんもいってたよ!」
「だいじょうぶだよ!れいむのことはおねえちゃんがまもるよ!!」

なんて美しい姉妹愛。ああ、空気を吸って身体を膨らませている姉れいむを叩き潰したら、妹れいむはどんな声で鳴いてくれるのか…!!!
だが、ここで欲望に負けるわけにはいかない。目先の快楽に捕われては、真の虐待お兄さんとは言えないのさ。

「大丈夫だよ、実はお兄さんは君達にもっとゆっくりできる場所を教えてあげようと思ってきたんだ。」
「ゆゆ、ほんとう?」
俺は農具小屋に向かって歩き出す。饅頭どもは半信半疑についてくるが、小屋の扉を開けてやると
「ゆっくりできそうだよ!」
「きょうからここをれいむたちのおうちにするよ!」
と早速お家宣言だ。跳ね回るゆっくりたちに屑野菜を放ってやり、俺は小屋の扉を閉めた。
ここならゆっくりがぶつかったところで壊れるものなど無い。さあ、後はアイツを待つだけだ。



二日ほど経った。ゆっくり共は納屋に監禁したままだ。時折中を覗くと、二匹仲良く跳ね回って遊んでいる。エサは屑野菜や生ゴミを投げ込んでやっている。
実はこの農具小屋、まだ俺が虐待お兄さんだった頃にゆっくりを監禁する場所にしていた。
攫ってきたゆっくりが、いざ虐待の際に弱りきっていてはつまらないので、ゆっくり用の遊具を置いて元気でいられるようにしてあるのだ。
そして、畑のほうには待ち望んでいたアイツ。特別ゲストの登場だ。

「きょうからここをまりさのおうちにするんだぜ!!」
「やあ、ゆっくりしてるかい?」
「ゆっ!おじさん、ここはまりさのおうちだぜ!!ゆっくりでていってね!!」
「大丈夫だよ、実はお兄さんは君達にもっとゆっくりできる場所を教えてあげようと思ってきたんだ。」

俺はまりさを小屋まで案内してやる。
「「ゆっくりしていってね!!」」
出迎えるのはれいむ姉妹だ。
「やあ、れいむ達!今日からまりさもここでゆっくりさせてあげてね!」
「ゆっ!!まりさがいるよ!」
「ゆっくりしていってね!」
「ゆ…ゆっくりしていくぜ!!」

準備完了。早速三匹は俺の作ったゆっくり用滑り台で遊んでいる。俺は小屋の戸を閉め、農作業に戻った。
その日の夜。寝る前に小屋に入り込むと、中では三匹が思い思いの場所で寝息を立てている。俺はまりさの頭を掴み、小刻みに振動を与えた。
「ゅ…?ゆぅうぅう…!」
途中で目を覚ますまりさ。しかしその目はトロンとしている。これでは体が火照って眠れまい。見ていると、まりさは手近なれいむに夜這いを掛け始めた。
「ゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆーっ!!!」
れいむのほうは身体は反応しているが、起きてはいないようだ。まりさが体を揺らすたび、泡立った粘液が二匹の身体を伝う。
「んほおおおおおおっ!!すっきりー!!」
やがて、まりさがすっきりする。夜這いを掛けられたれいむの方も、心なしか顔がすっきりー!の顔になっている。
しばらく待つと、れいむの頭から小さな目が出てきた。交合成功だ。さてまりさ、お前はもう用済みだ。死ぬ前にいい思いが出来てよかったな。

翌日、れいむ姉妹はまりさがいなくなっている事にショックを受けたようだが、それ以上に新たな命を授かったことが嬉しいようだ。
妹れいむの頭の上には蔓が伸び、八つほどの実が生っている。まだ爪の先ほどの大きさだが、いずれ拳大の大きさの赤れいむとなる。
その日はお祝いということで、いつもの屑野菜と一緒に餡子を投げ込んでやった。
ゆっくり一匹分、昨日迷い込んできたまりさの大きさと同じくらいの量の餡子だが、
「うっめ!めっちゃうっめ!」
「まじぱねえ!」
と意地汚く食べていた。



さらに三日ほど経った。小屋からは饅頭共の跳ね回る音は聞こえなくなり、代わりに
「ゆ~♪ゆ~♪ゆ~っくり~♪して~♪いってね~♪」
だの下手糞な歌が聞こえてくるようになった。
エサをやりにいくついでに様子を見ると、実の大きさもビー玉くらいになり、早いものは髪や目や口が形成され、時折ぷるぷる震えている。
れいむ達はそれを見ては顔をほころばせている。そろそろ頃合だな。

その日の夜、俺は再び小屋に忍び込んだ。みると、姉妹は寄り添って眠っている。妹れいむが姉れいむに寄りかかっている状態だ。
なるほど、妹が体勢を崩さないようにしているんだな。
月の明りを頼りに懐からキリを取り出し、先端をライターで炙る。そして、蔓から生えている一番大きな赤れいむに焼けた針を数回突き刺した。
「み゛ゅ゛っ!」
小さな目をカッと見開いて、赤れいむは生涯を閉じる。通常のゆっくりではこんなもので殺せないだろうが、体の小さな赤ゆっくりはそうもいかない。
おお、目と口から煙を噴き出していて笑える。その調子で合計七つの実を焼き殺した。残ったのはやっと目、口が出来始めた実が一つ。
これなら何が起きたか気付くまい。そのまま小屋を出、俺は眠りに就いた。



翌朝、農作業に使う鋤を取りに小屋に入ると、れいむ姉妹は白目を剥いて気絶していた。起きたら赤れいむがほぼ全滅していたのが相当ショックだったようだ。
とりあえず頬をひっぱたいて起こしてやる。
「おい、大丈夫かれいむ?」
「ゆっ…おに゛い゛ざん゛!!れ゛いむ゛のあがぢゃん゛があ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
「いも゛う゛どのあ゛がぢゃん゛がしん゛じゃっだよ゛お゛お゛ぉ゛!!」
取り乱して涙やら涎やらを撒き散らしている。おお、きもいきもい。
「まあ落ち着けお前ら。まだ一匹残っているじゃないか。」
「ゆ゛っ゛!れ゛いむ゛のあがぢゃん゛!!!!」
どうやら気付いたようだ。しかし七匹も死んだという事実はこたえているらしい。涙をボロボロと流して、
「どうじでごんな゛ごどに゛い゛い゛ぃ゛!!」
と叫んでいる。さて、ここからが俺の演技力の見せ所だ。まあ、ゆっくり相手なら誰だって騙せるんだろうが。

「これは栄養失調だな!妹れいむの栄養が足りなかったんだ、このままでは残りの赤ちゃんも死んでしまうぞ!」
「ゆ゛ーっ゛!?え゛い゛よ゛う゛しっぢょう゛!!!?」
「ごめ゛ん゛ね゛え゛、おがあ゛ざんがえ゛い゛よ゛う゛しっぢょう゛のぜいで、ごめ゛ん゛ね゛え゛ぇ゛!!!」
あっさり騙された。というかそんなもち肌で何が栄養失調だ。こいつらには屑野菜や生ゴミしか与えていないが、それでも雑草や虫よりは栄養価が高い。
お前らで栄養失調なら野生のゆっくりなんてみんな干からびてるっての。それは置いておいて、演技続行だ。
「残った赤れいむを救う方法は一つしかない。お前達、やれるか?」
「ゆ゛っ゛!!おね゛がいじまず、れ゛い゛む゛のあがぢゃんだずげでぐだざい゛!!」
「いも゛う゛どのあ゛がぢゃん゛を゛だずげであげでえ゛え゛!!」

よし来た。俺は小刀を取り出し、姉れいむの頭頂部を突き刺して一捻りする。すぐに頭頂部には穴が開き、餡子を覗かせた。
「ゆ゛ーーっ゛!!!おね゛え゛ぢゃん゛にな゛に゛ずるの゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛っ゛!!!」
妹のほうが叫んでいる。一方姉のほうは白目を剥いて痙攣している。そう慌てるな妹よ、次はお前の番なんだから。
今度は妹れいむの蔓を掴み、根元付近を小刀で一周させたあと、少し力を込める。すると、蔓は根ごとすっぽ抜けた。もちろん妹れいむはショックで気絶している。
すぐさま姉れいむの傷口に根の部分を突っ込み、接合部に小麦粉を振りかけてやる。妹れいむの頭も小麦粉で塞ぐのは忘れない。
気付けにオレンジジュースを二匹にぶっ掛けてやれば作業終了だ。
妹れいむは目覚めるなり頭上の蔓がなくなっていることに気付き、
「れ゛い゛む゛のあがぢゃん゛ん゛ん゛!!」
と怒鳴っている。まあ落ち着け。落ち着いてお前の姉貴の頭を見てみろ。
「ゆっ?れいむのあかちゃんがおねえちゃんのあたまにいるよ!?」
「おにいさん、いもうとのあかちゃんになにしたの!ゆっくりせつめいしてね!!」
詰め寄るゆっくり共。うざい、潰したい。いや、我慢我慢。
「妹れいむは栄養失調だからな。健康な姉れいむだったら、赤ちゃんを死なせないで産んであげられるから、差し替えた。これで赤ちゃんは助かるぞ!」
「「ゆーっ!!!!おにいさんありがとう!!!!」」
まあ気にするな。赤ゆっくりを殺したのは俺なんだから。



翌日。他の赤ゆっくりを間引いた結果、残った一匹は栄養を独り占めして破格の成長を遂げた。
通常ならあと三日はかかるところを、すでに目、口、髪、リボンが形成され、
「ゆー、ゆー」
と声を上げることも出来る。生き残ったのはれいむ種だったか。
「ゆっきゅいしちぇいっちぇね!」と喋れるようになるのもすぐだろう。明日には蔓から離れるかもしれない。
妹れいむは姉れいむの頭上を見上げ、
「ゆ~♪れいむがおかあさんだよ!ゆっくりしてね!」
「はやくおかあさんといっしょにゆ~っくりしようね~♪」
と声をかける。一方、姉れいむのほうは微妙な表情を浮かべている。この表情…おそらく俺の企ては成功している。だが、確証が欲しかった。
「おーい、妹れいむ!もうすぐ赤ちゃんが生まれそうだから、お祝いにドアのところにお菓子を置いてあるよ!お姉ちゃんれいむにゆっくりとってあげてね!」
「ゆっ!?お菓子!?取ってくるよ!!」
妹れいむはドアのほうに駆け、散らばったクッキーを舌で掻き集めている。そのとき、俺は確かに無く耳にした。
姉れいむが頭上の蔓…蔓に実った赤れいむを見つめながら
「れいむがあかちゃんのおかあさんだよ…」
と、妹れいむに聞こえないよう呟くところを。



あああああああああ、ニヤニヤが止まらない!!姉れいむのほうは、たった一日蔓を頭に生やしただけで、母性を持ってしまったようだ。
もう、口の両端が目に届きそうなくらいに笑顔が止まらない。
その日、俺一度も休みを取ることなく、全力で農作業を進めた。明日は、あのれいむ姉妹に付き合ってやらなきゃいけないからな…!



翌朝、小屋に入ると赤れいむが生まれる寸前だった。
姉れいむの蔓の上で、トマトほどの大きさに育った赤れいむは身体をブランコのように揺らし、妹れいむはをそれを見て
「がんばってね!がんばってね!!」
と声をかけている。そして赤れいむが一際大きく揺れると蔓から頭がちぎれ、ぽてりと地面に落ち…

「ゆっきゅいしちぇいっちぇね!」

鳴いた。妹れいむは感動のあまり目を潤めている。だが、次の瞬間。

「おかあしゃん!おなかしゅいた!!」

赤れいむは。姉れいむに向かって。「お母さん」と言ったのだ。戸惑いながらも、嬉しそうな顔をする姉れいむ。しかし妹れいむは黙っていられない。
「どお゛じでぞんな゛ごどい゛う゛のお゛お゛お゛!!れ゛いむ゛があがぢゃんの゛お゛があざんでしょ゛お゛お゛お゛お゛っ゛!!!」
姉れいむのほうも、悲しそうな顔をして赤れいむから目を逸らす。よく分かっていないのは赤れいむだ。
「ゅ?れいみゅのおかあしゃんはこっちだよ?」
言いながら姉れいむのほうに飛び寄る。妹れいむは半狂乱になって
「ちがうの゛お゛お゛お゛っ!!れ゛い゛む゛があがぢゃん゛の゛お゛があざん゛な゛ん゛だよ゛お゛お゛っ!!!」
と訴える。まあそうなるだろうな、赤れいむは物心ついたときには姉れいむの頭の上だったんだから。
こうなると、気になるのは姉れいむの反応だ。姉れいむは悲しそうな顔をして
「ゆう、あかちゃんのおかあさんは、あっちのれいむだよ。あっちのれいむをおかあさんってよんであげてね…。」

おお、母性愛よりも妹を気遣う家族愛が勝ったか。てっきり妹に向かって「このこはれいむのあかちゃんだよ!」ぐらい言うかと思ったが。
そんな姉の気遣いにも気付かず、妹れいむは赤れいむと姉れいむの間に割って入り、
「おねえちゃんはゆっくりむこうにいってね!!」
と威嚇する。あー、本当笑える、こいつ等。



それからも修羅場は続いた。赤れいむが滑り台の着地に失敗したとき、「おかあしゃーん!」と泣きながら見るのは妹れいむに気を使い、離れている姉れいむのほ
うだ。
妹れいむが(俺の用意した)昼飯を持ってきた時も、姉れいむのほうを見て「おかあしゃんもいっちょにたべよ?」といった後、慌てて「ゆっきゅりまちがえちゃ
った!」だと。
そのたびに姉れいむは悲しそうな、済まなそうな顔をし、妹れいむは「れいむがおかあさんだよ!!」声を荒げる。そんな光景が昼間中続いた。



夕方になった。赤れいむも学習能力が出てきたのか、ここ三時間ちかく姉れいむを「おかあしゃん」と呼んでいない。今は歌を歌っている最中だ。姉れいむは少し
はなれたところでそれを聞いている。
「ゆ~♪ゆ~♪ゆっくりしていってね~♪」
「しちぇいっちぇね~♪」
俺には不快な音波にしか聞こえないが、ゆっくり共にはそうでもないんだろう。目を閉じて聞き入っている。だがそのとき、赤れいむの悪い癖が起きた。
「ゆ~、おかあしゃんもいっちょにうたお?」
うっかり姉れいむに「お母さん」と呼びかけてしまったのだ。妹れいむの頬が膨れていく。アレはキレてる。相当キレてる。
「なんで!わからないの!れいむが!おかあさんだよ!!」
赤れいむのすぐ近くで地団太を踏むようにジャンプする。赤れいむのほうは本気で怒られて涙目だ。
「もういいよ!!そんなにおねえちゃんがすきなら、おねえちゃんのあかちゃんになればいいんだよ!!」
言いながら、妹れいむは赤れいむに体当たりした。人間で言えば思わず手が出てしまったというところか。
しかしゆっくりだと手が出てしまったでは済まない。その体格差には赤れいむは一メートルほどポヨポヨと跳ね、泣き出してしまう。



瞬間。



妹れいむは。



猛スピードで体当たりしてきた姉れいむに弾き飛ばされた。






一メートルなんてものではない。ノーバウンドで跳ね飛ばされた妹れいむは壁で跳ね返り、赤れいむから少し離れた場所でやっと起き上がる。
その赤れいむまでの距離を遮るように、姉れいむが立っていた。
「れいむのあかちゃんになにするの!!!いもうとでもゆるさないよ!!!!」

ここで母性愛が勝ったー!一瞬睨み合った後、お互いに飛び掛って喧嘩を始める姉妹。
いや、これは喧嘩なんてものではない。転げ周り、お互いの身体に食いつき、跳ね飛ばし、踏みつける。
まさに殺し合いだ。傍目からはネコの喧嘩に見えるが。
俺は赤れいむが巻き添えを食わないよう手の上に乗せてやった。赤れいむは涙を流しながらその光景を見つめている。

やがて、体格差を生かした姉れいむが妹れいむに噛み付いたままのしかかる。
姉れいむが妹れいむに「れいむのことはおねえちゃんがまもるよ!!」って言ってたのは一週間前だっけ?
とにかくこのままでは死んじまうな。俺は二匹を引っぺがした。
「おにいさんなにするの!!」
「じゃましないでね!!」
で、二匹揃って俺の手の上の赤ゆっくりに気付く。
「「れいむのあかちゃんをはなしてね!!!」」
お互いにその発言が気に入らなかったのか、すぐさま戦闘態勢に入る二匹。
「まあ、待て二匹とも。」
二匹は互いを警戒しあいながら俺のほうを見る。ああ、俺はこの一言を言いたかったんだ。この一言のために、今まで準備をしてきたんだ。
今までの準備が走馬灯のように頭をよぎる。ああ、やっと報われる。このために、潰したい饅頭を潰さずにがまんしてきたんだ。
ようし、言うぞ?言っちゃうぞ?

「そんなに自分の子供って言うなら、この赤れいむをお互いに引っ張って、勝ったほうが母親ってことにすりゃいいじゃん。」

言って、赤れいむを二匹の合間に放り投げる。二匹は一瞬間をおいた後。





「いぢゃい゛い゛い゛いっ!!!お゛があじゃん゛、い゛だいよお゛お゛お!!!!はなじでええ゛え゛え゛え!!!」
「あかひゃんがひたがってうよ!!!!ゆっくいはなふぇええええ!!!」
「そっちがはなへええええええ!!!!」

おお、醜い醜い。姉れいむは赤れいむの髪を、妹れいむは赤れいむの顎を噛み、それぞれの方向に引っ張る。
赤れいむのほうはかわいそうに、二倍近く伸びてしまって口から餡子を吹き出している。

「あかひゃんのあんこがでひゃってるよおおお!!!」
「おねえひゃんがはなへばあああ!!!?」
「おまえがはなふぇええええ!!!!」
一方赤れいむは、体の真ん中から裂け始めている。
「もっちょ…ゆっきゅり…しちゃか…」
でた、断末魔宣言だ。言い終わったと同時に、二匹は吹っ飛んだ。赤れいむが千切れた反動だ。
「ゆ、あかちゃん…は…?」
「れいむの…あか…ちゃん…」

…。
……。
………。



「「むーしゃむーしゃ、しあわせ~♪」」

食うのかよ!!!しばらくたち、二匹とも口の中のものを咀嚼し終わった時点で、ようやく口の中に広がった甘味の原因に気付いたようだ。
「れいむの…あかちゃんが…いもうとに…」
「おねえちゃんが…れいむのあかちゃんをたべちゃった…」
「よくも…!!!」
「れいむのあかちゃんを…!!!」

「「ゆっくりしね!!!!!」」

再び始まる大乱闘。今度は止める理由も無い。俺は小屋の戸を閉め、家に戻った。あー、井戸水で冷やしておいた西瓜うめぇ。



完全に日は落ちた。小屋のほうからは物音一つ聞こえない。西瓜を食べ終わった俺は、小屋のドアを開けた。
みると、そこら中に散らばった餡子。小屋の真ん中では、千切れたリボンの近くで荒い息を吐く傷だらけのれいむが一匹。
辺りにはゆっくりの表皮や目玉が散らばっている。
コイツ、妹れいむか?姉れいむか?今までは体の大小で判断つけてたんだが、比較対象がなくなっちまってわからない。
れいむのほうは、俺のほうを見ようともせずにふーふー唸っている。さて、どうやって声をかけるかな。

「あーあ。死んじゃったな、二匹とも。」
びくっと震えるれいむ。しかし、その顔はこちらを向かない。
「俺にはよくわからないけどさ。」
言葉を続ける。れいむは動かない。
「あの赤れいむにとっては、どっちも本当のお母さんだったんじゃないかな。」
「ゆ………。」
ゆっくりと出口に這っていくれいむ。そして。
「おにいさん、いままでありがとう…れいむはここからでていくね…」



餡子を片付けた後、小屋の周りを一周してみたが、れいむの姿は無かった。
うん、昔はゆっくりを肉体的にいじめていたが、こういう精神攻めも案外面白いな。
次の獲物はどうやって虐めてくれようか…。よし、今夜は虐待お兄さん復活祭りだ!農家なんてどうでもいいぜ!っひゃあ、虐待だあ!!

数日後、一匹のれいむがドスまりさに討伐された。最近群れに迷い込んできたれいむは、にんっしんっ!しているゆっくりの蔓を片っ端から噛み千切ったのだとい
う。
そのれいむは「あかちゃん…やっとあえるね…」と呟き、事切れたそうだ。

/****
書くのに丸一日かかった。
本当はゆっくりが食虫植物に食われるのを書いていたんだ!でも、
行き詰る→新しいネタ思いつく→メモっておく→もう一度書き始める→行き詰る→新しいネタの続き思いつく→メモっておく→以下ループ。

by町長

/****今までに書いたもの
fuku2120.txt 満員電車とゆっくり




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最終更新:2008年09月14日 08:17
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