脱ゆ3

文才ないことを思い知らされる今日この頃。餡が思い浮かびません。

この文章を見て不快と思った方は速やかに離脱してください。

以後、親れいむや子ゆっくりの語彙が多いような気がすると思いますが、スルーしてください;;;;





季節は1月。まだ外には雪が降り積もっており、ゆっくり達が外で遊べるのようになるのはまだ先だ。

車を運転している男は前の飼い主からゆっくり一家を里親として譲り受け、それを乗せ自宅へ向かう。

この男の自宅はゆっくり達が前にいた町よりも寒い地方にあり、自身の畑に囲まれた中にポツンと立っている。

広さは30m×30m。それなりの広さである。敷地は高い塀に囲まれていて、門は分厚い木で出来ている。

中でゆっくりを飼ったとしたら、門を開けっぱなしにでもしない限り絶対に逃げられることは無い。

門とはシャッターによる開閉式の別の車用の出入り口から入り、ゆっくりを抱え自宅へ入る。

そして暖房を付け、ゆっくりたちを起こす。

ゆっくり達はみなゆっくり用の服を底部からズボンを履くように着ていた。その構成は親れいむ 長女子まりさ、二女子れいむ、末女子まりさである。

子ゆっくり達はそれぞれ少しだけサイズが違うが、ほぼみな、ソフトボールサイズよりちょっと大きい程度である。

一方れいむはバスケットボールよりも少し大きいくらいである。

ゆっくり達は「ゆ~・・・まだねむいよ・・・・・」と言いながら目を覚ました。

「今日からここが君たちのおうちだよ!ゆっくりしていってね!」

ゆっくりたちは家の中を見回した。前のおにーさんの家とは全てが違う。豪華な造りであり、ゆっくりの目には家のなかがキラキラ輝いて見えた。

「ゆう・・・なんだかとってもゆっくりできそうだね!」

産まれて初めて見る豪華な家具や見たこともないほど大きいテレビやオーディオに目を輝かす次女子れいむ。

「ゆ・・ゆう・・・そうだね・・・でも・・・・まりさ速く帰りたいよ」

末女子まりさは前の飼い主のことをまだ引きずっているらしい。

「君たち長旅で疲れただろう?ご飯にしようか」

暗い空気を打開すべく、男はご飯にしようかと慌てて提案した。

男はまりさやれいむがパッケージに印刷されているゆっくりフードをもってきた。それをゆっくりの人数分お皿に盛り、目の前に置いてやる。

「さあ、お食べ。栄養満点だよ。」

一家は与えられた餌を口に運ぶ。しかし美味しそうなそぶりは決して見せなかった。

「ん・・口に合わなかったか?」

「ゆ・・ゆう・・・そんなことないよ・・・とってもおいしいよ・・ゆっくりできるよ・・」

親れいむはあわてて否定する。しかし顔はひきつっている。

「ゆう・・まりさ・・こんなの食べたくないよ・・・前のおうちで食べたご飯の方がもっとゆっくりできたよ・・・」

「こらっ!おちびちゃん!!」

それを聞いた男は少しムッした表情をし、大きな声で口を動かす。

「前のおうちでどんなご飯貰ったかしらないけどね!!ウチじゃこれしかあげないからね。ゆっくりがたべるのはこれだよ!!!ゆっくり理解してね!!!」

人間の食事は塩分や辛子成分が多く含まれているものもあるため、食べた飼いゆっくりが死ぬという事が多々あるし、

また、人間の食事をしているゆっくりはその美味しさのあまり、食べすぎて肥満になる傾向がある。

以上述べたようにゆっくりには人間の食事を取らせるべきではないという事をこの男はよく理解している。

そして男は自分の食事を作るために台所へ行ってしまった。

「こらっ!おちびちゃん!そんなこといったら失礼でしょ!!?以前の野良生活の時に食べたご飯よりははるかに美味しいよ!

ちゃんと残さず食べなきゃだめだよ!みんな!残したられいむ怒るからね!」

親れいむは子供達へ一喝する。

そしてゆっくりできない食事をする一家。れいむはすぐほぼ8割食べ終わったが、子ゆっくりたちはあまり食が進まない。

それは無理のないことだった。昨日までは人間と同じ夕食を取っていたのだから。子ゆっくり達は口が肥えていた。

すると部屋の中に美味しそうな匂いが立ち込める。

男が自分の料理を部屋にあるテーブルへ運んできたのだ。子ゆっくりの目からみると御馳走に見える食事を置き、男はそれを食べ始める。

末子まりさはそれを見ると食べるのを止め、男の足元まで行ってそれをねだる。

「ゆ・・・ゆう・・・おにーさん・・・まりさそれ食べたいよ・・・・ゆっくりちょうだいね?」

末女子まりさは一家の中で一番の食いしん坊であり、さらに末っ子でもあるためどの姉妹よりも甘やかされて育てられていた。それゆえ我慢が足りない。

男のズボンの裾を咥え、男の足をよじ登り、なんとかテーブルの上にたどり着く。

「ゆんしょゆんしょ!!ゆふう・・・ゆっくりついたよ!!」

「ゆう!!おちびちゃん!!!戻りなさい!!!」

れいむの言葉にも耳を貸さずに子まりさは男の白米を舌で掬い、口に運ぶ。

「もふっ・・・むーしゃむーしゃ・・し・・しあわしぇーー!!?」

この地方は米の名産地でもあり、そしてこの男は料理の腕も確かだった。そのお米の美味しさは末子まりさの予想を越えていた。

子まりさは男のご飯を片っ端から食べていく。

「お・・・おちびちゃん・・・・・・」

それを見ていた親れいむは自分の子があまりに命知らずの事をしているので言葉を失った。いくら前の飼い主が優しくても人間は基本的にドスを除くほとんどのゆっくりを

気分次第でゆっくり出来なくすることが出来るほどの力を持っていることを知っている。人間はいくら優しくても決して怒らしてはならない。

人間の子供だって油断は出来ない。見た目には騙されてはいけないと。

それだけは・・・それだけは子供達には教えたつもりだった。

「チッ・・・・・・・ゲスだったのか」

不機嫌そうな男の舌うちと「ゲス」という発言が部屋に響く。末女子まりさも食べるのを止め、男の顔を仰ぎ見る。

その顔は先ほどの柔和な顔とは一転して、とても険しい顔になっていた。それを見た末女子まりさは緊張する。

「ゲス」という言葉はゆっくり出来ないものの中でも最上級のものである。末女まりさを含む子ゆっくり達ははそれを親からあまり教えてもらったことは無い。

親はシングルマザーで毎日の食べ物を集めては子供達に食べさせることで精一杯だったからでもある。

しかし餡子の奥に刻まれている遺伝餡情報にはゲスという言葉が載っていた。ゲスは粛清される、制裁される、殺される、ゆっくりできない。

ゲスは最低のゆっくり、ゆっくりできないゆっくり、ありとあらゆる負の代名詞。

子まりさは無意識的にそれを否定した。いや・・否定したかった。

「ゆ・・・・ゆう・・・・ちがうよ・・・・まりさ・・・ゲスじゃないよ・・・?」

バァン!!!!!!!!!!!!!!

突然男は手でテーブルを全力で叩く。

「人の物を勝手に食べるのはゲスの証拠じゃないか!!!!!何をばかの事を言ってるんだこのゲスゆがぁ!!!!」

「ゆひぃ!!」「ゆっぐ!!!」「ゆうう!!!」

その怒鳴り声とテーブルを叩く音でのどを詰まらせた子れいむ。しかし誰も気にしない。

先ほどまで柔和な顔をしていた男は突然物凄い怒鳴り声をあげた。

「ゆ・・・ゆ・・ゆあ・・・・ゆううぅぅぅ」

それを聞いて末女まりさは言い返せない。目は潤んで今にも泣きそうだ。

親れいむは男の朗らかな雰囲気が急に変ったのを感じ、すぐに土下座をし出す。

「ごべんなざいお兄さん!!その子はまだ子供なんです!!まだ何も分かって無いんです!!悪気は無いんです!!!!許してあげてやってください!!!!」

「まさか・・里親募集掲示板で「ゲス」掴まされるとは思わなかったな・・・まいったなあ~こりゃあ・・・・・・・・・・・・・・」

実際まだこのサイズの子ゆっくりは例え金バッチの子でもわがままな子はいる。子供はわがままなのは至極当然の事なのだ。

しかし、ゲスゆっくりにより農作物の被害を受けている地域の人たちは僅かなゲスも許せない。それは殺意の対象である。

「ずみまぜんでじだあああああああああああああああ!!!!!れいむのぜぎに゙んでずう!!!おちびちゃんは何も悪く無いんです!!!」

れいむは必至に土下座を繰り返す。余程緊張しているのか、その全身から冷汗が湧きでている。

「いいよれいむ。顔をあげてくれ。お前がゲスじゃないことは知ってるから。初めて会ったときからね・・・態度でもわかる」

「ゆぅ・・・じゃあ・・・」

「君は許すけどこの子まりさは許さない。だってゲスは人類の天敵だからね。でもれいむの子供だから殺すのだけは止めてあげる。」

末子まりさの髪を乱暴に掴み、窓へ向かう。

「いだいよ!!!はなじでね!!!!ゆっくりでぎないよ!!!!!おにいざんたずげでよ!!!!うんうんでちゃうよ!!」

プリプリプリ・・・・

末女子まりさは夕飯を食べたことにより、まだ完食はしきっていなかったが、便意を催していた。

びっくりしてまりさは思わずうんうんを大量にしてしまう。

末女まりさの服は前面の一部が異様に盛り上がり、その部分には茶色いシミが出来る。

男はそれを見ると思わず噴き出す。

「プッ!!!このゲス漏らしやがった。きったねえええええええ・・くクックククク・・・・・ハハハハハハゲスの癖に糞漏らしだ!!!」

男はもらした子まりさを床に投げ捨てから記念と言って写真を撮る。

末女まりさは自身のお気に入りの、大好きな前の飼い主が買ってくれた大切な服を自分のうんうんで汚してしまったことをとても悲しんだ。

そして、生まれて初めて嘲笑れること、ゲスと言われたことが末女まりさの心を抉り、そのゆっくり出来ない気持ちが

何なのかもよく分からず涙が出てきて、大声で泣いた。

「ゆ・・・ゆう・・・ゆあああああああああああああん  ゆああああああああああああああああああん  まりさのかわいい服があああ

ゆうううううううううううううううううううああああああああん  おにいさああああああああん ゆええええええええん」

母親ではなく、前の飼い主のことを叫ぶ末女子まりさ。よほど好きだったのだろう。

「フッハハハハハアハハハハハハアハハ!!!!!ハハ・・・そ・・そういえばまりさ。前の主人から服の換えたくさんもらっておいたから安心してくれ」

「ゆ・・・ゆう・・・?ほんと・・・?」

男はニコっと笑顔で

「ああ、安心してくれ。明日全部捨てるから。お前のだけ」

この地方の人たちはゲスに対して容赦がない。例え傍目からみて大人気ないと思われようが容赦はしない。この地方の人はそれが普通なのだ。

「ゆうう・・・・・・ゆああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!!」

子まりさはそれを聞くと全力で泣きじゃくる。それを聞いた他の姉は怒って男に体当たりをした。

「おにーさんはゆっくりできないよ!!!!こんなおうちに居たくないよ!!!早くれいむたちを返してね!!!」

「おにーさんみたいな意地悪な人はここから出て行ってね!!!!外は寒いから丁度いいよ!!!ゆっくりしないで消えてね!!」

「おちびちゃあああああああああああああああんやめてえええええええええええええ!!!!!!!」

男の足にポスッポスッと体当たりをする子ゆっくり三匹。

この中で状況を把握しているのは親れいむだけである。子ゆっくりたちは前の飼い主から「そこが気に入ったら住めばいい。気に入らなければ

迎えに来るから別の里親を探そう」と言われていた。それが嘘であるとあらかじめ分かっていたのは親れいむだけである。

他の子ゆっくりはみな前の飼い主のその言葉を信じていた。

「なんだ子ゆっくり全員・・・・・・・・・ゲスだったのかよ・・・・・・・ったく・・

お前たち何言ってるんだ?帰れないよ。飼えないから君たちを僕に譲ったんじゃないか。ゲスは普通頭だけは良い筈なんだけどな。君たちはゲスなだけじゃなくて頭も悪いんだね」

この時点で男の頭の中では子ゆっくりたちは完全に、みなゲスという評価になった。

「ゲスに服はいらない。」

そういって男は子ゆっくり達の服を無理やり脱がし、それを目の前でハサミでズタズタに刻んだ挙句ゴミ箱に捨てる。

「ゆああああああああああああああああああ!!!!!かえしてええええええええ!!!!」

「それれいむのたいせつなふくさんだよーー!!ゆっくりしないでかえせー!!」

「ゆえええええええええええええええええええええええん!!!!!」

そして窓を開け、自宅の広い庭へ子ゆっくり達を三匹投げる。外の気温は氷点下だ。雪も降ってる。

「ゆうううううううううううううううう!!!」

「おそらをとんでるみたい!!!」

「しゃぶいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」

子ゆっくり達は積もった雪の上に落下する。

「ゆぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!?」

「さ・・・さぶいよおおおおおおゆっぐぢでぎないよおおおおおおおおお」

「ブルブルブルブルブル・・・・・しゃぶいよおおお」

産まれて初めて体験する本物の雪の冷たさ、そして本物の冬の寒さ。予想をはるかに上回る寒さに悲鳴を上げる子ゆっくり達。

「殺されないだけ感謝しろ。その犬の小屋を自宅代わりに使っていい。しかし、お前らはもう家にはあげない。ゲスは外で凍死がお似合いだ。」

そして窓はピシャっと閉められる。

子ゆっくり達は雪に埋もれながらもなんとか半分雪に埋もれている犬小屋を発見し、必死にそこへ向かう。

産まれて初めての雪はとても冷たく、肌はその冷たさにしびれる。

「ゆうっ!ゆうっ!!!」

そして使われていない犬小屋にたどり着き、その中へと進む。

犬小屋の床は氷の様に冷たく子ゆっくりの肌の熱を奪い去っていく。

「ゆうううううううううううう!!!!!つめだいいいいいいいいいいい!!!!!」

子ゆっくりたちはお互いにその身を寄せ合い、ブルブルと震えながら少しでも体温が逃げないようにしている。



一方室内では

「おにーさんお願いだよ!おちびちゃんたちを許してあげてね!!!」

「ゲスは無理だ。あきらめなれいむ。あいつらは家に入れる価値がない。ゲスだ。生ゴミだ。」

「おちびちゃんたちはわがままだけどゲスじゃないよ!!

このままじゃおちびちゃんたち寒さで死んじゃうよ!!!家に入れてあげてね!!それはゆっくりできないよ!!!」

「おちつけれいむ。お前は賢いゆっくりだろう?お前がこれ以上あの子供らをかばうなら俺はお前の事をあのゲス達と同じ扱いをするが・・・それでいいのか?」

犬の小屋は入口が窓に向かっており、その内側が窓から見えるような向きになっている。

その犬小屋の中では子ゆっくり達が非想の形相でお互いの身をくっ付け合っている。しかし家の中からでは子ゆっくり達の声は聞こえない。

「ゆうううううううううううう!!!お願いだよ!!!!おちびちゃんたちはわがままでも・・・たとえゲスでも・・・れいむのおちびちゃんなんだよ!!!」

「そうか・・残念だ・・・ならお前もここから出ていけ。」

そういうと男はれいむ髪を掴み窓の外にある犬小屋の付近へ投げる。

「お前らをこの庭から逃がすわけにはいかない。野良ゆっくりは作物を荒らすから条例でゆっくりを捨てると罰せられると決められたんだ。

だから死ぬまでその寒い庭で暮せ。しかしれいむ。お前だけはその子供を見捨てれば家の正式な飼いゆっくりとして飼ってやる。よーく考えておいてくれ」

そう言って男は窓を閉め、カーテンも閉める。室内から漏れる光は僅かなものとなり、庭は暗くなった。




「ゆううううううううううううううううさむいよおおおおおおおおおおおおお!!!!」

「おちびちゃんしっかりしてね!とりあえずおかあさんの服の中に入ってきてね!!それから体にもっとくっついてね!!」

一家の着ていた服は伸び縮みのする素材で作られており、その服の中に子ゆっくりが入り込んでも破けたりはしなかった。

「ゆううううううううううううううう!!!!くっつけたよおおお!!!!でもさむ・・・・いよおお!!!!!」

ブルブルブルブルブルブルブルブル

真冬の気温は我慢してもゆっくりに耐えられるものではない。この時期のゆっくり達は巣にこもって出口を塞ぎ冬を過ごす。もし密閉していなければ

冬籠りは失敗し、餡子が凍り、死ぬことになるだろう。しかし犬小屋の出口には扉など

空気の出入りを塞ぐものはなく、室内の寒さは酷いものだった。冷風が小屋内に入ってくるたびにゆっくり達の生命力を削ってゆく。

「ゆううううう!!!!?つめだぐでいだいよ!!!!!」

あまりに冷たい風はゆっくりの肌に痛みを与える。艶のあった肌はカサカサに乾いてきて、少しではあるがひび割れもある。

「みんな!!しっかりおかあさんに体をくっ付けてね!!餡子を震えさせれば暖かくなるからね!!」

「ゆううううう・・・餡子の奥がカチカチになりそうだよおおおおおお」

「ゆうう・・・・ねむくなってきたよ・・・・・」

「みんな・・・寝たらだめだよ・・・・・寝るなら暖かくなる朝に寝ようね!!今ねたらゆっくりできなくなるよ・・・・」

親れいむはかつて人間に飼われていたからか、寒い時に寝ると死ぬという事を知っていた。

「ゆううう!!!!そんなこといっても・・・・眠いよ・・・・寒いよ・・・・・」

「・・・ゅ・・・・・ぅ・・・・・・」

末女まりさの反応が薄い。

「ゆうう!!!おちびちゃんしっかり!!!!」

れいむは慌てて末女まりさにスリスリする。しかしまりさからのスリスリは帰ってこなかった。そしてその肌はとても冷たい。

「ゅ・・・・ぅ・・・・おきゃあ・・・しゃん・・・・まりしゃ・・・もうだめだよ・・・・・・まりしゃのぶんまで・・・・ゆっく・・・・ちてね・・・」

その言葉にれいむは涙し、激怒した。

ガブッ!!!!!

噛まれた末女まりさは悲鳴をあげる。

「ゆうううう!!!!!!いだい・・・いだいよおおお!!!」

痛みによりまりさの眠くなった意識は覚醒する。

「馬鹿なこと言うんじゃないよ!!!みんなで生き残るんだよ!!!!!死ぬなんて思っちゃだめだよ!!!れいむ本気で怒るよ!!!!」

初めて見る親れいむのあまりの剣幕にまりさは驚く。

「ゆ・・ゆう・・・ごめんなさい・・・・」

「明日になったらみんなでおにーさんに謝るんだよ!!きっとおにーさん許してくれるよ・・・だからそれまで耐えようね・・・

絶対死んじゃ駄目だよ・・・れいむのかわいいおちびちゃんたち・・・そうだ・・・おうたさんみんなで歌うよ!

朝まで歌ってれば寝ないで乗り切れるからね!!」

「ゆっくり・・・りかいしたよ・・・」

「ゆ~ゆゆゆ~~~ゆっくり~~ゆっくゆっくり~~~ゆ~~~ゆゆ~~~~」

一家は団結して今夜を乗り切ることを決意する。




翌朝、9時ごろ、男はゆっくり達がどうなったのか庭に来て、見にきた。

そこから見える光景は、ゆっくり親子が服の中でがっちりとくっ付き合い、ゆぅゆぅと眠っている姿であった。

今朝方まで歌を歌って寝ないようにしていたのだ。朝日が昇ると気温は少しだが上昇し、一家の緊張の糸が解けたようで、今はみな潰れるように体を広げ、眠っている。

見たところ死んでいる個体はいないようだ。

しかしどのゆっくりも寒さで辛そうな顔をしている。夜中に泣いた時に出た涙が子ゆっくりの顔に小さな氷の川を作っていた。

「チッ・・ゲスのくせにしぶといな・・・いやゲスだからこそか・・」

その声でれいむ達は目を覚ます。

外は明るくなっており、小屋の入口からはおにーさんの顔が見えた。

「ゆ・・ゆう・・・おにーさんれいむたちを・・許してね・・・・れいむたちはゲスじゃないよ・・・おうちに入れてね・・・このままじゃしんじゃうよ・・・」

子ゆっくり達は男と目が合うが、何も言わない。その目には男に対する不信の色を表している。

「じゃあお前たちがゲスじゃない証拠を見せてみろ」

男はそういうと手にしていた袋から生まれたての赤れいむと赤まりさと赤アリスを何匹も・・合計10数匹小屋に中に投げ入れた。

「ゆ・・・ぅ・・・・?このあか・・ちゃんは?」

れいむ一家は投げ入れられた赤ゆっくりに注目する。

寒さと人間に対する恐怖でブルブルと震えていた赤ゆは同族の、しかも親の面影のあるれいむを見てパッと顔を明るくする。

「ゆ・・ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!・・・・しゃ・・しゃむいよ・・・・ゆっくちできにゃいよ・・・・」

「「「ゆっくりしていってね!!!!」」」

親れいむはまだ状況を把握していないので挨拶をし返さなかったが、子ゆっくりは元気に挨拶をし返した。それは本能であろうか。

「こいつらは去年畑や田んぼを襲撃した奴らの子供だ。つまりゲス「ゆ」だ。その中でも特に秀でたゲス夫婦を捕まえ未だ殺さずに徹底的に痛めつけてる。

痛めつける一環で作らせた子供がこれだ。まあこいつらは言ってみればゲスのサラブレッドとも言えるものだ。

もし・・・・お前の子供たちが本当にゲスじゃないのならこのゲスゆを・・・そうだな・・・今この赤ゆをお前の子供達だけで一匹残らずあんよを噛みちぎれ。

それが出来たのなら・・・お前らに挽回のチャンスを与えてやる。もちろん暖房の効いた家の中でな?出来なければお前たちにはこのままだ。

このままこの寒空の中で凍死してもらう。いちいち殺すのめんどいからな。」

「「「「ゆ゙!?」」」」

赤ゆを殺すということはゆっくり出来ないことの中でも最上ランクのものだ。子ゆっくりたちはその言葉を聞いて言葉を失っている。

いや・・思考停止しているのかもしれない。しかし親れいむの思考はすぐに動き出す。

「そんな・・・ゆっくりできないことは・・・できないよ・・・・れいむたち・・ゆっくりしたいよ・・」

「そうか?じゃあそこでのんびりとゆっくりしていればいい。俺はもう知らん。」

男は立ち去ろうとした。

「ま、まってよ!!ゆっくりしていってよ!!」

「外は寒いからゆっくりできん。」

(ゆうう・・・ここはれいむがやるしかないよ・・・おちびちゃんのためにしかたないよ!)

「まってね!!れいむやるよ!!だからおうちにいれてあげてね!!」

かつてれいむは自分の子を助けるために他人(他ゆっくり)の子を殺しその餡を自らの子に与えた経験があるからか、すぐに「やる」と決めれた。

「れいむやるよ!!!おちびちゃん!!ちょっとだけ目を瞑っててね」

「「「ゆっくりりかいしたよ」」」

子供達は母親がやってくれるので自分達がそんなゆっくり出来ない事をしないで済むと思ったのか、ほっとした表情だった。

「こらこら、れいむ。お前は手伝ってはいけない。これは子供達だけにやってもらう。手伝ってもらった時点でその子供はゲスとして扱う。

これは君の子供達がゲスかどうかを判断する試験のようなものなのだからな」

「「「ゆ゛!」」」

「ゆう・・・でも・・・」

「手伝うのなら挽回のチャンスの話は無しになるが?」

「ゆ・・ゆう・・・りかいしたよ・・・」

れいむは自分の子たちは心配そうな目でみる。

「やはりお前は優秀だな・・・んでどうするお前たち?別にやりたくなければやらなくてもいいんだぞ?」

子ゆっくり達は考えた。

(ゆっくりころしは・・・ゆっくりできないよ・・・・でも・・このままじゃもっとゆっくりできないよ・・・・ゆううううう・・)

しかしこの中で一番早く覚悟を決めたのは長女子まりさであった。ここでやらなければ自分たちはまた昨日みたいな凍結地獄を味わうことになる。それだけでなく、

あの優しい母れいむはきっと自分たちと同じ道を選ぶだろう。今ここでやらなければ母を巻き込み家族みんなで凍死してしまう。

昨日は本当に死ぬかと思った。もういやだ。あんな思いはしたくない。それはゆっくりできない。ゆっくりしたい。

長女子まりさが決めたと意思表示をすることにより他の子ゆっくりたちも覚悟が決まる。

子ゆっくり達の中に生まれて初めての殺意が生まれる。しかしそれは恨みや妬みからくる衝動ではない。生きるために殺すという前向きな殺意である。

「まりさ・・・やるよ・・」

「れいむもがんばるよ・・」

「ゲスはゆっくりさせないよ・・・」

「おちびちゃんたち・・・・」

れいむは心配そうな顔で我が子たちを見つめている。子供たちの目は殺意が籠っていた。一方先ほどとはまったく雰囲気が変わった一家を見て少し戸惑う赤ゆっくりたち。

「ゆ・・?ゆっくちしちぇいっちぇにぇ?れいみゅおにゃかしゅいちゃよ!さっさとあまあま持ってきてね!!!」

「うるさいよ・・・ゲスの癖に・・・ゆっくりしていってねなんて言わないでね!」

ブチィ!!!「!!!」

長女まりさは自分の母れいむ顔をうずめていた赤まりさのむき出しの底部を一気に噛みちぎった。

「ゆびいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!??」

「なにしちぇるにょおおおおおおおおおおおおおお!!!!?ゆっくちできにゃいよおおおおおおおお!!!」

それを切り口にれいむの子ゆっくりたちは一斉に赤ゆの底部を食い千切りにかかる。一心不乱に赤ゆっくりを体当たりして倒して、底部をむき出しにさせ、そこに噛みつく。

「たしゅけちぇえええええええええええええええええええええええ!!!!!!」

「ゆぴぃ!!!」「おがあじゃん!!!!」「ゆ゙う!!?」「・・・!」「エレエレエレエレ」「うんうんしゅるよ」

状況を把握した赤ゆたちは一斉に逃げ出した。一方空気の読めない赤ゆは逃げようともしない。子ゆっくりたちはそういったゆっくりから先に捕まえ底部を食いちぎる。

次は逃げた赤ゆっくり達。しかし所詮は赤ゆっくり。逃げ足の速さなど高が知れる。あっという間に捕まり底部を奪われ残り4匹になった。

「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛」

「いじゃいよお・・・おきゃーしゃーん・・・・・」

「ユッグ・・エレエレエレ」

「れいみゅのきゃわいいあんよが・・・・あんよが・・・・・・」

「ゆっくち・・しちゃいよお・・・・」

底部を食いちぎられた赤ゆは底部から大量の餡を見せるが、寒さにより餡が固まりあまり流れ出さない。それゆえに食いちぎられた赤ゆっくりたちはすぐには死ねない。

ジョロロロロ・・・・プリプリプリ・・・

未だ生きている赤ゆっくりたちはそれを見るとしーしーとうんうんを垂れ流す。

「「「「ゆ・・・ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ・・・・・」」」」

「ゆはー・・ゆはー・・」

「ゲスは・・・死んでね!!」

「おにぇぎゃいしましゅ!!まりしゃだけはたしゅけてくだしゃい!!やるならこのれいみゅをやってください!!」

「ゆう!!!?どぼじでぇ!!?」

ドン「ゆびぃ!!」

子れいむが赤れいむを売った赤まりさに体当たりをし、吹っ飛ばす。そして倒れまる出しの底部に噛みつく。

「ゆびいいいいいいいいいい!!!!?いじゃいよおお!!!!?たしゅけちぇえええええ」

ブチィ!!!

「ゆぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

「ペッ・・・・ゲスは死ね・・・」

噛みちぎった底部を吐き出し、次の赤ゆっくりを襲う。

「やべちぇええええええええええええええ!!!!おきゃーしゃーん!!!おきゃああああああしゃあああああああああああああん!!!!!!!」

ドン!「ゆべっ!!」

長女子まりさに体当たりされ転倒する赤れいむ。

「きょないで・・・・こっちにきょないで・・・おにぇがい・・・・れいみゅにいちゃいこちょしにゃいで・・・おきゃーしゃん・・・・・」

子ゆっくりたちは赤れいむの言う事などまったく耳に貸さない。すぐ底部を噛みちぎろうと長女まりさがその底部に噛みついた時、

「キャハハハ・・・キャハハハハ・・・・オキャーシャンクシュギュッチャイヨ・・・・・ユユユユン・・・」

その赤れいむは壊れた。震えながら・・・涙を流しながら・・・しーしーやうんうんを垂れ流しながら・・・笑っていた。

ブチィ!!!

「いぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!?」

赤れいむは大きな痙攣を4回ほどした後、すぐに小さい痙攣に代わり・・・・動かなくなった。

残りは二匹。赤ありすと赤まりさ。

この二匹は動かない。恐怖のあまり・・ゆっくりできないあまりに目は白目をむき、餡子を大量に吐いて事切れていた。

赤ゆたちは全滅した。しかし全部絶命はしていない。未だに「ゆ゛っゆ゛っゆ゛」といって痙攣しているものもいるし、母親の幻想を見ているものもいる。

この赤ゆっくりたちは今朝生まれたばかりのやつらだ。このゆっくり達は一度もゆっくりすることなく永遠にゆっくりしてしまった。

男に言われた通りに赤ゆっくりの底部のみを食いちぎったのだ。

そんな子ゆっくりたちを見た男はニヤリとし、ゆっくり達に家に上がることを許した。

「なら今一度家に入ることを許す。一回だけの名誉挽回のチャンスだ。しっかりやれよ」

男はそう言って、ゆっくり達を暖かい室内へと連れて行った。



ゆっくり一家のの災難はまだ終わらない。





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最終更新:2022年04月16日 22:24