【名前】緋風(あけかぜ)
【年齢】不明(恐らく千才は下らないが、見た目は二十代後半で固定されている)
【性別】男
【種族】現人戦神(本人が神の血を受け継いでいるわけではなく、生きている間の功績が彼をそこまで押し上げた)
【容姿】
漆黒の狩衣を身に付けた長身痩躯の男。長い髪は幽鬼の如くに顔へすだれかかり、陰鬱な印象を増し加える。
整った顔だが、歴戦の証左である夥しい傷跡が不気味かつ陰鬱な印象を与える。目付きも常日頃、何処か諦めたような遠くに見つめているばかり。
併し戦場に入った瞬間眼は開き、息吹は荒く、白い肌に血管が浮き、眼は凄絶に充血する。
金色の瞳は、平和な光景の裏に、すべてが踏みつけられ蹂躙される戦場を見通している。
【性格】
戦う事だけを生きる意味とし、戦う事だけを己の存在価値と断ず。
それゆえに他のことに一切関心がないが、戦場がそこらに転がっている訳もないので、普段はほぼ無心にて街角に座り込んでいる。
長い時の中で既に戦への高揚も磨耗し、植物のような精神状態にありながら、心の奥底では凡てが蹂躙され無意味と化し力だけが証明となる戦場を望んでいる。それがなければ生きている実感が得られないからである。
――戦を。
――血で血を洗う戦を。
――臓物を引き合う様な戦を。
――存在を否定死合う様な戦を。
――自己の生と他者の死のみが万象を差し置いて支配する、最低の戦を。
そう望み続け、そこに最後まで立っていることを至上の喜びとする。
そのあり方、さながら蟲毒の虫。
頂点を求めている訳でなく、何かを手に入れたい訳でなく、闘うことを生きることとすり替えた、あわれな一匹のむしけらである。
【能力】
例えば手から炎を放つ事はできないし、何か超常的な力を持っているわけでもない。
幾星霜と歩んできた人生のなかで己の躯に刻まれた記憶と、年老いて尚健在のバケモノじみた戦闘への勘を用いて戦う。意識が躯の諸器官に本能的にかけているリミッターが既に壊れており、肉体が傷つく程の反動を以て、馬鹿げた移動速度や反射神経、存在知覚を発動することもある。
【装備】
- 無銘の刀を帯く。腰にさすでなく、杖のようにして用いる。
斬ってきた命の数を無機質の内に誇示するが如くにその刃は真紅に照り、意味も道理も存在も悉く、一刀の元に切り捨てる。
――斬られた物に意味が在るのではない。
――斬られた事が意味となるのだ。
【概要】
『普通に死ぬこと』だけがあり得なくなった男。戦を好み嗜好するあまり、殺めてきた命に戦の元でしか死ねない呪いをかけられてしまった。
苦悶、後悔、悲哀、絶望。ありとあらゆる魂を終わらぬ時の中で打ち捨ててきた殺人人形は、今日もまた戦を望み各所へひっそりと顔を出す。
実は大福に目がない。
大凶の逆だから、食べるとなんだか安心する。
最終更新:2016年12月21日 22:23