原案=
ズワイガニ
編著=Дальний Восток(杏珠)
作=Ageha
電脳鯖民所記
[106] 秘密チャンネル
誰もいない106鯖。そこには背景の1.事務室の景色だけが広がっている。
1人の参加ログが流れる。10分、20分もするとAIが消える。
そこには見覚えのある名前が連なっている。佐藤、ズワイガニ、もか、すざまる。そして、蕣や杏珠も。
彼らは全員現実世界で誰かが操作するアカウントのアバターに過ぎない。当然ながら、現実世界での姿は全く別である。
「俺そういえば変な夢見てさ」
「なに」
「なんか106鯖民と掲示板民で人狼するみたいな」
「えぇ」
「足の引っ張り合いばっかしてそう」
アカツキはチャットしながらガンダムなんかを見ているし、ズワイガニはスーパーダンシングゴリラバトルがどうとか、そんなくだらないけど放棄するにはなぜか勿体無いような想像をしている。
その様子を蕣、杏珠らはチャットせずに見ていた。
一方で掲示板。10分程度書き込みがないところに、返信される形で1つの投稿がされる。
「〜遊び心で携帯に入ったら、遊び鯖の知り合いみんなと一緒に隠れん坊の中に閉じ込められてしまった!?裏切りと策略、裏技バグが織りなす心理戦。幽閉が確定したもの達の足の引っ張り合い。彼らの運命は如何に!?〜」
約2時間後それを見て反応する1人の掲示板民。
「これ誰かストーリーさえ考えてくれればat.wikiの方で余裕で連載できるわ。」
少しばかり過去を想い出す。
形だけは掲示板に存在するジョイマンや21、ころじゃんに思いを馳せつつ、幸せ、喜び、喜怒哀楽の全てに祈りを捧げる。
杏珠の側で流れる音楽は部屋に音を響かせる。
「物語のはじまりには丁度いい季節になったろう」
電脳鯖民所記-end
最終更新:2025年08月15日 21:20