私を囲んでいた亡者は全滅し、死神は拘束されている
状況がいまいち飲み込めないが、命拾いしたらしい
しかし、何者だ?触れるだけで魂を殺すなど、かなりの聖遺物なのだろうか
そう思い、死神に絡みつく鎖の鎖の操手を見やった
酷く小さな影だ。恐らく仮面を被っているのだろう。白い仮面だけが
夜の森に浮かんでいた。まるで仮面をつけた生首が浮かんでいるようで
あまり気持ちのいい景色ではない
「…キサマ、コノテイドノ鎖デ、我ヲ封ジ込メタツモリカ」
死神は金色に光る目に憎しみの色をこめ、くぐもった声を、鎖の操手に向けた
「そう。ゴシックメタルはまだ不完全ね」
「ヌカセ、ガキ」
鎖の拘束を断ち切ると、死神は鎖の主に躍りかかる
その姿は先ほどまでの魔術師のような物とは大きく違う
まさに魔物。あまりにも巨大なそれに対峙した鎖の主の仮面の目にあたる部分から
金色の光が零れだす。鎖の主の足もとに金色の魔方陣が現れ、眩い光を放っている
金色の魔方陣…?私の知識にそのようなものは含まれていない
私の疑問を余所に、金色の魔方陣の上で呪文のようなものを呟きながら、鎖の主は手で印を組んでいた
「
スラッシュメタル、ヘヴィメタル、オルタナティブメタル、シンフォニックメタル」
「来て」
呪文の詠唱が終わったのだろうか。それと同時に一瞬世界が白一色になる
眼を開けると、そこには巨大なゴーレムや、金属質のゴーレム、大剣、そして鎖の主の手にはカギ爪光っていた
金属質のゴーレムが、死神の攻撃を防ぐ
それと同時に鎖が絡みつき、大剣を握ったゴーレムが死神の身体を両断していた
あれだけの数を召喚し、使いこなす。かなりの使い手だ
とはいえ、死神も負けていない。身体を再構築し
ゴーレム達を相手に自らも、使い間を召喚。一進一退の戦いを繰り広げている
―ご主人さま、なんでですか?さっきあんなにあっさりやられてたのに
恐らく、この地形であろうな。こんな辺境に陣取るより本来、人の多い場所を移動して
魂を狩る方が効率がいい。それをしないという事は、この土地に何かしらの秘密があるのだろう
倒しても倒しても再生する死神を相手に、少し押されているようだ
―ご主人さま、今のうちに逃げ…じゃなかった。戦略的撤退を推奨したいんですが
妥当な判断だ。こちらにはもう切れる札がない訳だしな。だがそれは夜の場合だろう
今、何時頃だ?
―…あ
そういう事だ。行くぞガラチン
―お願いですから
ガラティンって呼んでください
長い。非効率的だろう。時間の無駄だ、と返すと私は背負っている“連れ”を抜刀する
最終更新:2008年11月13日 22:24