登録日:2017/01/23(月) 21:09:42
更新日:2017/01/23 Mon 22:21:10
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以下、ネタバレにご注意下さい。
【あらすじ】
阿笠博士の知り合いのおかげで、空き地で来週に控えたクラス対抗の試合のサッカーの練習が出来るようになる少年探偵団。
ところが、探偵団が空き地に到着すると何故か目暮警部をはじめとする警察、そして、その場には阿笠の姿も。空き地のプールで男性が死亡していたことを知る探偵団。
空き地は一件落着するまで立入禁止になってしまい、サッカーどころじゃない。
探偵団は何とかサッカーの練習をしてもらうために、仮説や反論も交えつつも試行錯誤で推理しようと奔走する。
果たして、事件か事故なのか?犯人は?!そして、サッカーの練習は出来るのか?
【現場】
お屋敷の跡地。阿笠の知人からの恩を受けてかサッカーの練習場として貸し切って貰った。その隣には、8階建マンションが建てられている。またその隣も工事の準備中である。
阿笠に発見される前は鍵がかけられていたが、鍵は一つだけだという。
昨夜、土砂降りでおまけに雷もなっており停電になっていたが、コナンによればプール以外は整地済みで、水はけも良いとの事。
プールは、排水口は人が通れない程小さく、ゴミが詰まっているためか、雨水が溜まっていた。
【事件関係者】
CV:鈴木 琢磨
本作の被害者。本名不明、容姿も全身黒ずくめなので不明。その名の通りヤモリのように壁をよじ登ることが出来ることでビル荒らしの泥棒をやっていた。練習はボルダリングでやっていたらしい。
雨水が溜まっていたプールに浮かんで亡くなっていたところを空き地の鍵を開けて入ってきた阿笠に発見される。
泥棒をやる前は、海外でストリートアーティストという芸人として稼いでいた。彼の芸はビルからビルへの綱渡りを担当していた。だが、川の両岸でビルの綱渡りを試した際、ヘリコプターの風にあおられ、その拍子に川へ落下。幸い命は助かるも、その恐怖に取り憑かれ二度と同じ芸が出来なくなり稼げなくなったので、帰国後は身軽さを武器に現在に至ったという。その内容から察すれば自業自得である一方気の毒な人という、ある意味哀れな被害者。
CV:羽鳥靖子
72歳。現場の隣のマンションの8階に住んでいるお婆さん。
足が弱いため、車椅子や杖を使って生活しているが、綺麗好きで暇さえあれば洗濯するという。
阿笠は前から彼女を知っており、大人しく優しい人である。
【レギュラー陣】
ご存知主人公。探偵団の秘密兵器。
サッカーの練習の為に、仕方なく事件を解決することになるが、探偵団の推理にツッコミを入れることが多い。
ご存知哀ちゃん。
サッカーの練習の為に、事件を解決しようとする際に歩美と一緒に微笑み合うという可愛らしい場面をみせる。
コナン同様、探偵団の推理のツッコミを担当。
ご存知純真小学生。
遺体の身元が判明する前は、自分の推理に対し、コナンや灰原にツッコまれるが、後半からは元太の推理でそれはないと光彦と笑い出す。
ご存知探偵団団長。
遺体の身元が判明する前も後もあり得ない推理をする。そのため、コナンや灰原にツッコミを受けるばかりではなく、後半は光彦や歩美からも笑われる。
ご存知天才小学生。
推理に関してはまともなところは多いものの、こちらは阿笠の反論を受ける。
ご存知天才発明家。
彼のお金持ちの知り合いの会社を自分の発明で助けたことが恩となったのか、空き地をサッカーの練習場として貸してもらうことになるが、探偵団が入れるように一足早く空き地へやってきた時に、そこでヤモリ男の遺体を発見してしまう。いわば、第一発見者である。
ご存知警部殿。
サッカーの練習場として使うはずの空き地を解決までは立入禁止になることを探偵団に宣言するが、解明してくれれば考え直すという。(コナンは冗談だと指摘するが)
終盤では、純粋な一面をみせる。
ご存知千葉刑事。
【探偵団の推理】
上記でも述べたように空き地には鍵がかけられているが、鍵は一つしかない。
また、塀は高くその上には埋め込まれたガラスと有刺鉄線が張り巡らせていたので、塀によじ登って入ることは不可能。
灰原が、現場のプールではなく何処かへ忍び込むと推理するまでは、探偵団はどうやって現場に忍び込んだのかと思い込んでいた。
以下の推理(左:推理した人、右:反論した人)
1.クレーン車を使用(光彦、阿笠)
先端に掴まり塀を超える。だが、クレーン車が来たのは今朝であるため不可能。
2.プールの排水口から忍び込む(歩美、阿笠とコナン)
しかし、人が通れる程の大きさではなく、蓋もしていた。おまけにゴミが詰まっている。雨水が溜まったのもそのため。
3.ヘリコプターを使用(元太、コナン)
しかし、ヘリコプターは物凄い騒音であるため、夜中にヘリコプターを飛ばせばご近所迷惑である。
4.グライダーの使用(元太、灰原)
音はしないので人には見つからないのだが、狭い街中では降りられない。%ハングライダーを使う怪盗キッドもやったりはしない%
5.ラジコンを飛ばす(光彦、灰原)
10台程飛ばせば、人を乗せることはできそうだが、操作がムチャクチャになってしまう。
6.気球を使用(歩美、コナンと灰原)
だが、気球はバーナーで温めた空気で浮かぶので、現場のところで述べたように昨夜は大雨が、しかも雷がなっていたので、そんな危険行為はない。
しかし、本当は忍び込もうとしたのはプールの方ではなく、何処か別の場所へ忍び込もうとしていた。光彦が殺人犯なんてはじめからいなかったと推理すると、
被害者の男はマンションの方に忍び込もうとしたの時に雨が降る前に転落して死亡した。
(光彦曰く、凶器は地球。)目暮もそこまでは結論付けていたが、マンションを調べたところ、一番上の8階だけ出窓がある。男はその階から転落したのではないか。ところが、その窓を含めた全ての階の窓は開かない。
淡路によれば、物騒な噂により窓を改造したばかりである。
7.屋上から転落(灰原、目暮)
屋上には高い柵が張り巡らせていて、誰一人立ち入り出来ないように造られている。
淡路の聞いた物騒な噂というのは、ヤモリ男のことである。
ということは、その男がヤモリなら窓からではなくビルの壁から転落したのではないかとコナンはいう。
そして、コナンの推理通り、遺体の身元はヤモリ男だった。
ヤモリ男は事件前にマンションを下調べしていたが、8階の窓が改造されていることを知らなかった。しかも、窓が改造されていたのは昨日だった。
8.苦労して登って来たが、窓が開かず足を滑らせ転落(阿笠、灰原)
プロが落ちることはないはず(阿笠も同情していたし、目暮も納得してない)
9.雷に打たれて落ちた(歩美、元太)
10.マンションの避雷針に雷が直撃し、ヤモリ男は思わず触れてしまう。(光彦、阿笠)
だが、落雷の記録は3回とも変電所にしか残ってない。
11.ヤモリ男はちゃんと8階まで辿り着き、窓から覗き込むが、振り向いた淡路に驚かされる。(元太、阿笠と灰原)
先程も述べたように淡路は大人しく、優しいお婆さん。また、停電中だったので外からは部屋の様子は見えない。
だが、阿笠は淡路の部屋に目暮と行っていたが、そこでわかったのはソファもカーテンも出窓側がびしょ濡れであることだ。淡路はホースを掴んでいる時に手が震えたと言っていたが…
中からも外の様子は見えないはずだが、雷が光っていれば見える。
そして、ようやくわかったのは
【以下、事件の真相…更なるネタバレに注意】
今回の事件の犯人。…とは、言っても罪に問われる可能性は非常に低い。
え?なんで?と疑問に思う奴もいるかもしれんが真面目に説明すると、
昨夜、ちょうど淡路が洗濯を仕掛けた際に、雷がなっていた。落雷はなくても音は大きいはず。その際に、停電になりリビングへ戻ろうとしたが、
その時、出窓には8階まで辿り着いたヤモリ男の姿が張り付き、睨みつけていた。
洗濯を中断していた淡路は、反射的にホースの水をヤモリ男にかけようとするが、窓は閉められているので水がかかるはずはない。
だが、ヤモリ男は川岸の綱渡りのトラウマから思わず転落してしまい、そして死亡した。
彼を無意識に死なせてしまうという罪悪感を抱いていた淡路は目暮に謝罪するが、慰められた事で、事件は収束され、その場にいたコナンや探偵団一同も安堵した。
エピローグで、8階の電気がつけられているところから察すれば、罪には問われなかった模様。
もし、阿笠(変声機使用のコナン)から真相を明らかにする前に本当のことを話していれば、目暮も捜査をすぐ打ち切りに出来たかもしれないが、罪に問われないだけでも一安心である。
(逆に、淡路に殺意があり、反省の色もなかったとすれば起訴や懲役刑も免れない事態となっていたところであり、後味悪い結末を迎えるところだった。)
ビル荒らしの泥棒の報いを受けた被害者。恐らく、被疑者死亡のまま送検される可能性が高い。
自業自得であり、淡路には何の責任がないものとはいえ、彼にも少々気の毒なところがある。
もし、泥棒以外の道を選び、ショックから立ち直り芸人として活動を続け、そして、川岸の綱渡りに失敗することがなかったら、このような末路を辿ることはなかった。
ただ、事情がはっきりとするまでは事件の幕を引く訳にはいかなかった…
淡路の謝罪に対し、上のような慰めの言葉を優しく言った。
卑劣な犯人に強いお咎めをするのに対し、今回は責任も殺意もなかったのでお咎めなしに優しく接した。
阿笠に口パクをさせる形で、変声機を使用。
淡路には何の責任がないとはいえ、淡路が早く自首していれば、使用する必要はなかったはずだが。
仮に自首する決意があったとしても淡路は車椅子なので歩くのは難しい。
無事に事件が解決し、やっとサッカーの練習ができるようになった。
すっかり夕方だが、それでもコナンや探偵団は気にすることなく練習を続ける。
その光景を見ている阿笠と灰原。恐らくボールが見えなくなるまで、つまり暗くなるまでやるつもりだろう。
追記、修正は綱渡りに成功してからお願いします。
最終更新:2017年01月23日 22:21