自作小説

チュンチュン・・・

「ん、ん~」

カーテンの隙間から入ってくる太陽の光と鳥の声によって意識が徐々に睡眠から覚醒へと近づいて行く

ドドドドドン!!

バンッ!!!!

「朝だよ~~~起きて~~~!!」

廊下を走ってくる音がしたと思ったら俺の部屋の扉が勢い良く開けられると同時に俺を朝の冷気から守っていた暖かな布団を一気に引きはがす

「う~、さっ・・・ッ寒い・・・毛布~返せ~」

俺は毛布を奪い去った人物へと手を伸ばす

「ほら!もう10時だよ!今日は研究所に降りて昨日の事聞くんでしょ?」

ん?あぁ・・・そんなこともあったなぁ・・・しかし今はもっと惰眠を貪りたい・・・

「そんなの午後からでもいいだろ~?ほら、返せよ毛布・・・」

未だに起きない俺に対しての苛立ちから来ているのか部屋への侵入者から何とも言えないオーラが漂っているように感じる・・・

「い、い、か、げ、ん、に、お、き、な、さ、い!!」

あー侵入者が耳元で・・・あー・・・五月蠅いなぁ・・・

起こしに来た相手がうっとおしいので枕を耳に当ててやり過ごす

トットット、バタン!

部屋の床を歩く音がしたと思うと部屋の扉が閉まる音がする

おッ?諦めてくれたか?

しかし、それは嵐の前の静けさという奴なのだろうか・・・俺はまだ次の嵐が何なのかを知らなかった



ドドドドドドドドドドドドドド!!!!!

バンッッ!!!

先ほどよりも勢いと音の大きさの違う音、次は一体誰が来たんだ・・・

「ナァオォ~~~そんなに眠いなら一緒に寝よおぉぉぉ」

「ぎゃああああああああああああああああああああ」

俺はその声が聞こえた瞬間飛び起きる・・・が、遅かった、その侵入者はボディタックルを食らわせてきたと思ったら俺の獅子を手足で拘束そのあとに胸のあたりに高速頬すり

「ん~ナオ~すりすりすりすりすりすり~」

「やーめーろー!!!」

俺はなんとか動く指先で陣を書くとそれを一気に発動、光の光弾によって俺を拘束していた兄の体が上に吹き飛ぶ、もちろん兄がそのまま浮いているわけがないのですばやく落下予想地点より逃げだす

「うおぉ・・・お、お、お・・・」

ほんのわずかな間浮いた兄の体は重力によって下に落ち俺のベットへと落下する

「うぐほぉ」

落下の衝撃により兄の口から微妙な声が出てくる

「ナ・・・ナオ・・・酷い・・・」

「うっさい!開口一言目がそんなセリフなら誰だってこうするっての!」

そう文句を言いながら完全に覚醒してしまった目をこする

「あ~もう少し寝たかったのに・・・」

「だから~一緒に寝ようっていったじゃん・・・」

なんとなくもじもじしている兄にちょっとイラっと来たので蹴りを一発 ぶち込む

「グハァ」

お決まりの攻撃を受けた時のうめき声が兄の口から出てくる

そのまま伸びた兄を置いておき、ジーンズーとシャツに着替える

「うっ、うぅ・・・」

弟にひどい仕打ちを受けたのが悲しいのかそれとも蹴られたところが痛いだけなのか兄が苦しそうにうめき声を出しながらゆっくりと起き上がる、そしてケロッっとした表情で俺の部屋を出ていく

「ほら、早く来な、飯だぞ飯」

部屋の扉から廊下に出るときにこっちを振り向いてそういう

「あぁわかった」

適当に相槌を打ってボタンを止めていく

ボタンを止め終わった俺は部屋の扉を閉め和室へと向かう

「おはよう、ナオ」

「おはよう、兄さん」

「おはよう、ナオ~」

どうやら今は俺と兄を含めて5人しかいないらしい

「あれ?他の皆は?」

そう聞くと妹の凛音が下を指さす

「皆先に研究所に行ってるよ、後はナオを待ってるのみ」

うっわ・・・ジジイが五月蠅そうだ

「んじゃ、朝飯はいいや今すぐ行こう」

そう言うと俺は席を立ち研究所へと通じている階段へと足を進めようとする

「あー、ナオちょっと待ちなさい」

「ん?何?」

俺は足を止め声をかけてきた父に向き直る

「秋風(アキカゼ)と闇風(ヤミカゼ)を持って来いってお父さんが言っていたよ」

「ん、わかった」

俺は軽く相槌を打つと名前を言われた二振りの刀を取りに部屋に戻る

バタン

自分の部屋の扉を閉めクローゼットの前に立つ、そしてクローゼットを大きく開け放ちその奥の扉をあける、すると大小大きさが違う刀がずらりと並ぶ、俺はそこから赤色と真っ黒の鞘をした刀を取り出す、そしてクローゼットを閉める

「さて、研究所に行きますかな」

俺はそう自分に再確認しながら部屋を出て和室の隣にある研究所もとい地下へと通じている階段を下りて行った






ピ、ピピピピピ、ピッピピ

電子キーを押してパスワードを入力して行く

「パスワード認証終了ドアオープン」

機械が発する声と同時に目の前の扉が横にスライドする

カッカッカッカ

真っ白な何もない廊下をあるいていく

プシュー

空気の抜けるような音と共に扉がスライドする

「おぉ、来たか!ここに来い」

珍しくジジイが俺に優しく話しかけてくる何か裏があるのかと疑いながらそばへと行く

「お久しぶりです、直斗君」

そう挨拶してくるのは異世界へのゲートの研究を行っている宮崎 信澄(ミヤザキ ノブスミ)さん

「お久しぶりってほど会って無いわけじゃないでしょ?」

「あはは、そうですね」

信澄さんはそう言うと機械の画面に向き直って会話を続ける

「それで、直斗君は昨日お風呂場でうたた寝をしてたら変な夢を見たんだよね?」

「えぇはい、変な夢と言うかなんか変に現実味のある映像と言えばいいんでしょうか?」

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最終更新:2011年02月22日 23:14
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