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サイドチェスト。 ボディビルディングにおけるポーズで、一方の手首を他方の手でつかみ腕および胸に力を込めて際立たせる姿勢である。 鏡の前に立ち、全裸でこのポージングをとる禿げ頭の巨漢は水野智己。 天童組というヤクザの組長である。 「ん―――、今宵の己(おれ)の筋肉もキレておる」 次いで、10kgのダンベルを両手にそれぞれ持ち、肘を屈折させる。 彼はこの殺し合いに送られてからすぐに筋トレを開始していた。 筋肉と会話することで、己の身体の調子を確かめているのである。 (しかし思い出せん...尻(アス)を貫かれた後、己はなぜここに連れてこられておる...?) 豪華客船でのメデューサとの死闘の末、自分は四階から落され、立っていたポールに処女を奪われた。そこまでは覚えている。 だが、いつの間にかアスからポールは抜かれており、神子柴なる老婆に殺しあえと命じられていた。 豪華客船でのことを夢と片付けるにはアスを貫かれた感覚は現実的であり、薬物を投与されたにしても、あの状況で自分に手出しできるとは思えない。 もはや己の理解の範疇を超えている。 とにもかくにも、この会場にメデューサの内の三人が巻き込まれているのは有難い。 これで奴らに殺された組員(かぞく)の弔い合戦に臨めるというものだ。 それに、奴らに組員は皆殺し済みだと告げられ、生存を絶望視していた神崎の生存が知れたのも幸運だ。 彼女と出会えた時は無事を祝ってやるとしよう。 「さしあたって己のすべきことは奴らの捜索...否」 そっと己の臀部に手を添える。 水野は負けた。信仰していたアスを貫かれることで。 あの場面で耐えきれていれば、甘城千歌を殺し、残りのメデューサも殺せたはずだ。 だが耐えられなかった。水野の超人的な大殿筋と深層外旋六筋を以てしても、開脚した状態ではポールには勝てなかった。 敗因は何か。偏に水野の経験不足である。 誰よりもアスを愛し誰よりもアスを信仰してきた彼だが、その実彼は処女だった。 度胸が無かったわけではない。ただ、眼前のアスに没頭するあまり、己にもアスがあることを失念していたのだ。 もしもアスを既に貫通させておりなおかつ経験豊富になっていれば、あのような末期を迎えることはなかっただろう。 「越えねばならんな。過去の己を...」 故に、水野は決意した。 眼前のアスだけに捉われるのではなく、己のアスも愛する真のナイスアスになろうと。 その為に必要な足掛かりは、鬼ヶ原小夜子。 通常、グリセリン浣腸液は10~150mlに抑えるのが常識であり、その量でも注入されれば5分と排便は完了する。 これは到底耐えられるものではない。 だが、小夜子は300mlもの浣腸液を注入されてもなお我慢し、15分近く耐えて見せた。 それも、途中のスパンキングが無ければ記録はさらに伸びたかもしれない。 「奴は敵ではあるが惚れ惚れするアスを持っていた。優れたアスには敬意を払い学ぶべきだ」 では如何様に超えるのか。これまで通りたゆまぬ鍛錬を積むか?いや、それは筋肉のみを鍛えるだけであり、肝心のアスには結びつかない。 ならばどうやって鍛えるか―――その答えは、水野の足元に転がっていた。 (奇しくも己に与えられた支給品もこいつだ) 水野のデイバックに入っていたのは、グリセリン浣腸液の入ったボトルだった。 容量は2リットル。小夜子の耐えた量のおよそ7回分である。 (己のアスが告げている。『己を鍛えよ』と) ここは殺し合いの場だ。生殺与奪の権を環境に握られている場だ。そんなことはわかっている。 だが、その極限状態での経験こそがなによりの実となり糧となる。 「首を洗って待っていろメデューサ共...己は人間の限界を超え、再び貴様らのもとへと相まみえようぞ」 それは新たなる領域への挑戦への期待か恐怖か。 水野のアスが、ヒクヒクと蠢いた。 【G-5/HELLSING本部/1日目・深夜】 【水野智己@サタノファニ】 [状態]健康 [装備]なし [道具]基本支給品、ランダム支給品0~2 グリセリン浣腸液@サタノファニ  [行動方針] 基本方針:アスを鍛える。 0:浣腸...いくか。 1:神崎と合流する。 2:甘城千歌、鬼ヶ原小夜子、カチュア・ラストルグエヴァを殺す。その前に小夜子を超える(目標は浣腸耐久時間20分超え)。 ※参戦時期は処女喪失した直後です。 &font(b){Next} [[内秘心書]] &font(b){Previous} [[戦う君よ]] |前話|名前|次話| |START|水野智己|[[]]|

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