ジャズ研部室


部長「鈴木さんちょっと」


純「はい、何ですか?部長」


部長「先生からの伝言よ貴女を学祭に抜擢するとの事」


純「ほ、本当に?先輩を差し置いて私が?」


部長「そうよ、頑張ってね」


純「はい!全身全霊で頑張ります」


2年&3年「鈴木さん」


純「あ、あの先輩…」


2年「頑張ってね」

3年「私達に勝って抜擢されたんだから失敗したら許さないから?」


純「先輩…すいません」


2年「何か勘違いしてない?」


純「えっ?」


2年「私は今から死ぬ気で練習するから!」


2年「後輩の貴女が越えられないくらいの高い壁を作ってやるから覚悟しなさいよ?」


2年「わかった?わかったら早く練習しなさい!不甲斐ない演奏したら直ぐに私がとって変わるからね」


純「はい!私は絶対に渡しませんから」

2年「いい度胸ね」





さわ子「違う!何度も同じ失敗しないの!」


律「はい!」


さわ子「唯ちゃん!またズレてるわよ!しっかりしなさい」

唯「はい!」


さわ子「ムギちゃんも周りを見て合わせなさい!」


紬「はい!」


さわ子「澪ちゃん!もっとりっちゃんを見て歩み寄りなさい」


澪「はい!」


さわ子「梓ちゃん!唯ちゃんのフォローも貴女の役目なのよ」


梓「はい!」


さわ子「ジャズ研より凄い演奏したいならもっと真剣にやりなさいよ!」


律澪紬唯梓「はい!わかりました!」





 帰り道


澪「今日もきつかったけど充実してたな」


梓「あれ?律先輩は?」


唯「りっちゃんなら先に帰ったよ~用事があるんだって」


梓「そうだったんですか」


紬「りっちゃん燃えてるわね」


梓「私がジャズ研の練習を見に行ってた時、何の話をしてたんですか?」


澪「あぁ、それはな」








律「皆、聞いてくれ!梓がジャズ研の練習を見学しに行った」


澪「そうなのか?」

唯「まさかあずにゃん辞めるのかな…」

紬「まさか…」


律「皆も知ってると思うけど、ジャズ研は人数が多い」


澪「そうだな、その分競争が激しい」


唯「あずにゃんとられちゃったら…」


律「梓は辞めるつもりはない!大丈夫だ」


澪「そうか…良かった」


律「ただ、ジャズ研の厳しい練習を見て梓はショックを受けるかもしれない」


紬「そうね…」


律「そこでだ!今度の学祭までティータイムを中止にして特訓しないか?」


澪「私達が梓のせいで恥をかくのは幾らでもかくけど」


紬「私達のせいで梓ちゃんが恥をかくのは許されない」


唯「うん、だって私達は」


律澪紬唯「先輩だから!」


律「さわちゃん頼む!私達をシゴいて欲しい」


さわ子「容赦しないわよ?」


律澪紬唯「はい!」







梓「そんな事が…何か凄く嬉しいです」

澪「律はああ見えて人一倍気にしてるからな」


唯「学祭まで頑張ろうね!あずにゃん」

紬「成功したらとっておきのお菓子を用意しとくわ~」


梓「私、私…全力で頑張ります!」





 学祭2日前


さわ子「だいぶ良くなってきたわ」


律「ほっ…」


さわ子「技術的には何の心配もないくらいに成長した」


澪「皆、やったな!」


唯「良かったよぉ~」


梓「良かった…」


さわ子「さて、当日は何が一番大切かわかる?」


律「そりゃ、失敗せず最高の演奏する事だろ?」


澪「他に何があるんですか?」


紬「教えて下さい」

唯「わからないよ~」


梓「何なんですか?」


さわ子「どうやら貴女達は一番大切な事を忘れてるようね」


さわ子「本番までに考えておきなさい、宿題よ」


律澪紬唯梓「…」





 ジャズ研


部長「鈴木さん良く頑張ったね」


顧問「俺が保証する!もう大丈夫だ」


純「ありがとうございます!」


部長「後は、何が一番大切かわかる?」

純「ミスをしない事です」


顧問「違うな」


純「えっ?」


部長「当日までに考えてきて下さい」


顧問「宿題だ鈴木」

純「技術より大切な事…」




梓「純、当日はお互い頑張ろうね」


純「うん」


梓「何か元気ないね?怖じ気づいた?」

純「そんな訳ないじゃん」


純「実はさ…」


梓「さわ子先生と同じ事を言ってる」


純「梓は何だと思う?技術より大切な事?」


梓「私にもわからない」


憂「私はわかるな」


純「えっ?教えて!教えて憂」


憂「二人とも何で今の部を選んだのかな?」


梓「何でって…」


憂「答えは凄く簡単なんだよ」


憂「何でジャズ研と軽音部を選んだのか?それが答えだと思うよ」ニコッ


梓「軽音部に入った理由」


純「ジャズ研に入ったのは」


梓純「あっ!」


憂「そういう事だよ」


梓「ありがとう憂!」


憂「うん」ニコッ


憂(頑張って二人とも)


憂(頑張って私の親友)





 当日


梓「私、答えがわかりました」


律「私もわかった」

澪「原点を忘れてたんだな私達」


唯「凄い演奏、ジャズ研より凄い演奏ばっかり思ってて」


紬「こんなに大切な事を忘れてたなんて」


律「皆、失敗を恐れるなよ!思い切って行こう」


紬澪唯梓「おーう!」


さわ子「全力で行って来い!」


律澪紬唯梓「はい!」




 ジャズ研サイド


部長「どうやら答えがわかったみたいですね」


純「はい、部長」


顧問「皆、お前達は良くやった」


顧問「何も恐れるなよ」


顧問「行って来い!」


部員一同「はい!」






 学祭終了


梓「今、完全燃焼した感じだよ」


純「そうだね」


梓「何で忘れてたんだろ」


純「私達はまだまだって事だ」


梓「だね」


梓「純」


純「何?」


梓「楽しめた?」


純「ばっちり楽しめた」


純「梓は?」


梓「私もばっちり楽しめたよ」


純「そっか良かった」


梓「純、これからも私達は親友だよ」


純「当たり前じゃん」


梓&純「そしてライバルだよ」




  おしまい




最終更新:2013年04月05日 05:32