ロトの洞窟 B2F

唯「えーっと、こっちは行き止まりだから、こっちに行って…あった!これが石碑だ!」

ゆいは石板を読んだ。石板にはこう書かれている。

私の名はロト。私の血をひきし者よ。

ラダトームから見える魔の島に渡るには、3つのものが必要だった。

私はそれらを集め、魔の島に渡り、魔王を倒した。

そして今、その3つの神秘なるものを3人の賢者に託す。

彼らの子孫が、それらを守ってゆくだろう。

再び魔の島に悪がよみがえったとき、それらを集め戦うが良い。

3人の賢者は、この地のどこかでそなたの来るのを待っていることだろう。

行け!私の血をひきし者よ!

唯「竜王と戦うには、3つのものを集めないといけないんだね。

  とりあえず外に出よう。来た道を戻れば帰れるよね」


唯「1階に戻ってきたけど、えーっと…ここまでどうやって来たっけ?」

律「唯、さっきと逆だ。左上…じゃなくって北西の方向に向かっていけばいいんだ」

唯「北西の方向だね。ラージャー!」


律「なんか、どうしても十字キー感覚で言ってしまうんだよな」

澪「実生活では、上といえば天井や空、下といえば床や地面だろ。

  私たちは3次元の世界で生きているんだから」

紬「でも、地図で説明するときに北を上、南を下、東を右、西を左って言っちゃう人もいるんだし、

  りっちゃんだけじゃないから」

澪「そういえばムギ、さっき左の画像の向きを180°変えてたよな。

  右の画像も同じ様に変えることって、できるのか?」

紬「できるわよ。オートムーブとマニュアルムーブがあって、

  オートムーブだったら常にプレイヤーの視界の向きになって、

  マニュアルムーブだと純粋に特定の方角に変更できるの」

律「でも、マップ全体が見にくくなりそうだな。ムギ、試しにオートムーブにしてみてくれ」

紬「ちょっと待っててね」



フィールド

唯「ふー、外に出てきたよ。ってあれ?たいまつが消えて、またこん棒が出てきた。

  自動的に消えるんだね。さーて、とりあえずさらに北の方に行ってみよう。探検探検♪」


律「うわっ!唯が振り向いたら右の画面がひっくり返った感じだ」

澪「左のディスプレイではそうは感じなかったけど、右の全体の画像が動くと、結構見にくいな」

紬「これ、思ったより細かく動くわね。ずっと見ていると酔ってしまいそう」

澪「体の向きにだけ反応するとか、4方向にだけ変更するとかの方がいいかもな。

  レポートに書いておこう」


唯「林を抜けたら海が見えてきた。でも、これ以上北には行けそうにないね。向こう岸も見えないし。

  今度は海ぞいに西に行ってみよう!」


紬「唯ちゃん、すっかり探検家気分ね」

律「まぁ、レベルが上がってギラを覚えないと先に進めないし、この辺のモンスターだと

  経験値もゴールドも低いから、レベルが上がるまで時間がかかりそうだしな。

  しばらくは唯の好きにさせとくか。なんか、腹減ってきたな。ムギ、何か食べるものないか?」

澪「律、ここはムギの部屋だが、今は一応バイト中だろ」

紬「まぁまぁ…。りっちゃん、昨日コンビニで新作のお菓子、発見したの♪」

律「おっ、どんなのだ?持ってきてくれ!」

澪「まったく律は…。私は今のうちに気づきをレポートに追加して書いておくか」


唯「りっちゃん隊長!応答願います、ドーゾ!」

律「バリバリ…ん?唯からだ。どうしたー唯?モグモグ…」

唯「あーっ、なんか食べてる!りっちゃんずるーい!」

紬「大丈夫よ、ちゃんと唯ちゃんの分は取っておいてあるし」

律「んで、今度はなんだー?」

唯「ここに新しい町を発見しました!」

律「ガライの町か。小さい町だけど、いろいろ重要なんだよな」

唯「とりあえず、中に入ってみます!」



ガライの町

女性「昔語りの町、ガライへようこそ!」

唯「へーっ、ラダトームの町よりだいぶ狭いね。大きな建物の近くにお店がいくつかあるだけって感じ。

  大きな建物の入口は…扉があって鍵がかかってるよ。

  魔法の鍵を手に入れないと、中に入れないんだね」

詩人「唄はどうです?旅の人」

唯「えっ、歌ってくれるの?じゃあ、お願いします!」

詩人「では…コホン。  『ホゲ~!』 『ボエ~!』 」

唯「うわぁ…(あんまりどころか、全然うまくないや)」

詩人「ありがとうございました。実はボク、伝説の詩人ガライを目指して修行中なんですよ」

唯「なんか気分悪くなってきた…。ガライって人も、こんな感じの唄なのかな」


澪「今のはハッキリ言って、かなりヒドイ唄だったな」

律「これなら私が歌ったほうがはるかにうまいぞ。こんなとこまでリアルに再現する必要あんのか?」

紬「うーん、これは…ちょっと困りものね…」

澪「プレイヤーが会う都度に、だんだんうまくなってくれると面白いんだけどな」

紬「それっ!レポートに書いておきましょう!」



フィールド

唯「とりあえず、また海ぞいにたどって行こう。もう西には行けそうにないから、今度は南だね」

(中略)

唯「山地の高台から見下ろすと、南の方にずっと林が広がって見えるよ。

  川の向こうに平地が見えるから、そこまで行ってみよう。まだHPもいっぱいあるし」

(中略)

唯「川に到着!林って結構長いよね。向こう岸は山地になってるよ。とりあえず川ぞいに…」


澪「律、さっき『橋を渡らなくても』って言ってたよな。唯が橋の近くまで来ているぞ…ってお前!

  今ここで漫画を読むな!」

律「いいじゃん、退屈なんだし。唯のレベルアップまで、もうちょっと時間がかかるだろー」

澪「ゲームとは言え、今は一応バイト中だろ!」

紬「まぁまぁ、りっちゃんには後で活躍してもらうし、少しぐらいは…」

澪「ムギは甘いんだ!」


唯「あっ!東方向に橋を発見!とりあえずそこまで行ってみよう」

澪「ゆいー!聞こえる?」

唯「あっ、澪ちゃん?」

澪「橋から向こうは、まだ行かないほうがいいんじゃなのか?さっき律も言ってただろ。

  引き返したほうがいいんじゃないのか?」

唯「えっ、そうだっけ?でもほら、橋の上に今来たけど、なんともないよー。

  渡ったらすぐに山地だけど。ここならモンスターもいなさそうだし」

律「唯、橋を境い目に、出てくるモンスターのレベルが上がるんだぜ。橋を渡らなくても、

  橋の周辺なら出現するかもしれないんだ。まだレベル3だからいったん引き返そうぜ」

紬「そうよ、唯ちゃん。いったん引き返そ」

唯「そんなに危険なのかな?みんなも言っているから、とりあえず引き返そう…って、わっ!」

メイジドラキーがあらわれた!コマンド?


唯「紫色のドラキーだ!りっちゃん、このモンスターは強いの?」

律「そうでもないけど、ギラを唱えられたら厄介だから、今は逃げようぜ」

唯「了解です!」

ゆいは逃げ出した!

しかし、回り込まれてしまった!

唯「うわ!回り込んできた!」

メイジドラキーはギラを唱えた!

ゆいは9ポイントのダメージをうけた!コマンド?


唯「あちっ!…火の玉が飛んできたよ。わっ、まずいよ!HPはあと7しか残っていないよ!」

律「唯、今戦っても与えるダメージはせいぜい4ポイントだ。もう一発ギラを喰らったら死亡だ。

  イチかバチかだ。ホイミで回復させて、それから逃げよう」

唯「りょーかい!えーっと、ホイ…」

メイジドラキーはギラを唱えた!

ゆいは8ポイントのダメージをうけた!

ボオォォ…!

唯「わーっ!急に体の力が抜けてくぅ…」

チャラララチャラララチャラララララララ、ラララー

あなたは、死にました。


澪「うわー、ダメージを受けたとたん、画面が揺れてディスプレイの文字が真っ赤になって、

  背景が薄らいでいってブラックアウトか。なかなかショッキングな演出だな」

律「唯のやつ、台の上にヘタリこんでるな」

澪「唯、大丈夫なのか…」

紬「大丈夫よ、澪ちゃん。HPが0になると、特殊な微弱電流が数秒間プレイヤーに流れて、

  両手足に力が入らなくなるの。だから、その場にヘタリこんじゃうの。

  でも、電流はすぐに流れなくなるから、すぐに立ち上がれるのよ」

唯「お、お…」

紬「唯ちゃん、立ち上がれる?」

唯「お、お…」

律「ゆ、唯!?」

唯「お、お腹がすいて力が出ないよぉ…」

律「こらーっ!さっさと立ち上がれぇ!」


王「おお、ゆい!死んでしまうとは何事だ!仕方のないやつじゃな。そなたにもう一度、

  機会を与えよう!戦いでキズついたときは町に戻り、宿屋に泊まってキズを回復させるのだぞ。

  再びこのような事が起こらぬよう、わしは祈っておる!

  そなたが次のレベルになるには、あと3ポイントの経験が必要じゃ。

  そなたのこれまでの旅を、冒険の書に記録してよいな?」

唯「りっちゃーん、そろそろ交代しなーい?私、お腹すいたー」

律「仕方のないやつじゃな」

紬「唯ちゃん、どちらにしても、王様との会話は終了させないといけないから」

唯「りっちゃーん、死んじゃった後だけど、このままセーブしていい?」

律「もうすぐレベルアップだし、今の段階ならゴールドが半分でも大して変わらないな。

  よし、このままセーブして、そのまま終了させよう」

唯「ラージャー!」

王「では、何番の冒険の書に記録しておくのじゃ?」

唯「2番の『ゆい Lv.3』でお願いします!」

王「確かに書きとめておいたぞ!まだ休まずに冒険を続けるつもりか?」

唯「いいえ、終了します!」

王「疲れた時には無理をせず、休むのも戦士の心得のひとつ。ゆっくり休息をとるがよい。

  では、ゆいよ!そなたが戻るのを待っておるぞ」


唯「ふーっ、終わったぁ」

紬「唯ちゃん、お疲れ様」

律「最後のは仕方ないとして、初プレイにしては、唯はなかなかだったんじゃないか?」

澪「そうだな」

紬「みんな、お茶入れるから待っててね」


唯「このスナック美味しいね」

紬「新作みたいなの」

澪「で、この後は律のプレイでいいのか」

律「OKOK!唯のプレイの様子で、操作方法もなんとなくわかったしな。今度は私がプレイするぜ。

  サクサク進めていくから、みんなついてこいよ!」

澪「これはテストプレイなんだから、くれぐれも無茶はするなよ」

律「大丈夫だって。ドラクエⅠは何度もプレイしているからな」

律「じゃあ私のプレイを始めようぜ。唯、ゴーグル付きヘッドホンとリストバンドをかしてくれ。

  ムギは本体での設定変更を頼む」

唯「ラージャー!」

紬「ちょっと準備して待っててね、すぐに済むから」

澪「私は今のうちにトイレにでも行っておこうか…」


どの設定を変更しますか?

紬「(プレイヤーの名前及び性別、プレイヤーの容姿、以上プレイベースで再設定。

  それと…ローラ姫のビジュアルを…)」

ナ「それでは名前を変更します。あなたのお名前を教えてください」

律「律です」

ナ「お名前は『りつ』さんでよろしいですか?」

律「はい!」

ナ「あなたの性別を教えてください」

律「女性です!」

ナ「『女性』ですね」

律「はい!」

ナ「その他、先ほどの変更された設定と同じとなっていますが、これでよろしいですか?」

律「はい!」

ナ「それでは冒険を開始します」


王「おお、りつ!よくぞ戻って来た!わしはとてもうれしいぞ…」

律「へー、画面で見る以上に立体的でリアルだな。これは面白そうだ」

王「ではまた会おう!勇者りつよ!」

律「とりあえずレベルを上げてギラを覚えないとな。まずはレベル4にレベルアップだ。

  経験値はあと3ポイントだから、これならラダトーム周辺で十分だな」


唯「おぉー!ちゃんと画像がりっちゃんだよ!オデコから胸の大きさまで、全部りっちゃんだよ!」

澪「すごいな。二頭身画像も、ちゃんと律の特徴を捉えている」

紬「似顔絵でも、本人の特徴を捉えた絵だと、多少形が違っていても『似てる』って言われるでしょ。

  画像認識の中でも、この部分には特に力を入れてるらしくって、もちろん企業秘密なのよ」

澪「技術の進歩はめざましいな」



フィールド

ドラキーをやっつけた!

3ポイントの経験値をかくとく!

パパパパッパッパッパーン♪

りつはレベル4に上がった!

力が1ポイント上がった!素早さが2ポイント上がった!みのまもりが1ポイント上がった!

最大HPが6ポイント増えた!最大MPが6ポイント増えた!

ギラの呪文を覚えた!

律「おっ?レベル4なのにギラを覚えたぞ。アプリと違うのか?ともかく、こりゃ好都合だ。

  もっとサクサク進められそうだな。さて、ホイミをかけて『光あれ』といくか」


老人「闇の竜、つばさ広げる時、ロトの血をひく者来たりて、闇を照らす光とならん。

   おお神よ!古き言い伝えの勇者りつに光あれ!!」

律「うわっ!まぶしい!」


唯「あっ!『光あれ』の瞬間、りっちゃんのオデコも一緒に光ったよ!」

澪「ぷっ!…ムギ、この演出面白いな」

紬「これはすごいわね。唯ちゃんも、オデコを出せばこんな感じになったんじゃないかしら?」

唯「オデコだけは勘弁して~!」

紬「あっ、オデコ禁止だったわね」


律「さて、これで橋を渡っても全然問題ないぞ。さっき唯が死んだ場所に行ってみるか」

 (中略)

律「林は見渡せないから、結構厄介だな…おっ、橋が見えたぞ。この先の山地付近にいれば

  どんどんモンスターが出てくるだろうな」

メイジドラキーがあらわれた!コマンド?

律「さっそくお出ましだな。唯、よく見ておけよ。こうするといいんだぜ。ギラ!」

りつはギラを唱えた!

メイジドラキーに20ポイントのダメージ!!

メイジドラキーを倒した!

律「すごいな、モンスターが燃えて真っ黒焦げになって、地面に落ちて消えたぞ」


唯「おぉ!りっちゃんスゴイ!さっきの紫のドラキーを一撃で倒している。ドラキーが黒焦げだよ!」

紬「ギラは炎の攻撃呪文だからね。1回で16~20ぐらいダメージを与えられるのよ」

澪「そうなんだ。律がギラを唱える都度、モンスターが次々に黒焦げになってるな。

  面白い演出だよな」

紬「相手を倒す最後の攻撃がギラやベギラマだと、黒焦げになるみたいね」

澪「それにしても、律がどんどん倒していくから、新しく見るモンスターの特徴が

  どんなものなのか全然わからないな。魔法使いは名前のとおり呪文を使いそうだけど、

  大さそりはどんな感じなんだろう?経験値やゴールドはこの中では一番多いようだけど」

紬「守備力が高かったと思うわ。ほら、サソリって殻に覆われているじゃない」

澪「それと、律視線のディスプレイに映るモンスター画像も、結構大きさが違うよな。

  さっきまでのスライムとかドラキーとかは割と小さかったけど、今映っている大さそりは、

  名前の通り結構大きく映っているな」

紬「そのあたりも、モンスターによって大きさ変えることで、よりリアリティを出しているんだと思うわ」


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