目にしたそれは、とても私の幼馴染の『モノ』とは私には思えないものだった。

「…本当にこれは…澪の『モノ』…なのか…?」

「…そ、そうだよ…」

「だってこの部分は…どう見たってっ…澪先輩のじゃないですか…!」

「澪ちゃんのが…どうして…」

「…誰が澪のにこんなことを…」

「…りっちゃん…」

「…許さない。…何があったのか、私が絶対暴いてやる…!」

こうして、私の澪の『モノ』の真相を探る旅は始まったのだった…。

――――――

――――

――


田井中宅 律の部屋

律「…って感じなんだけど、どうかなっ!?」

澪「どうかなって…なぁ、律?」

律「なんだ?」

澪「…どうして私は出て来ないんだ?しかも、この悲惨な状態になっている『モノ』って多分…私のエリザベスのことだよな?」

律「あー…澪はラスボスだっ!あと、この『モノ』ってのは…えっと…その…」

澪「…ああ、律が私のことをどう思ってるかよーーーーーくわかったよ」

律「…え、えーっと…澪…しゃん…?」

澪「帰る」

律「…えっ?ち、ちょっ澪っ!」

澪「…」

ガチャ

バタン

――――――

――――

――


部室

律「…ってことがあって…それ以来一言も話してくれないんだよー…」

紬「そ、それはりっちゃんが悪いわっ!」ズイッ

唯「ムギちゃん、近い近い。…うん、いくら今度の新入生勧誘ビデオのアイデアだったとしても…それは傷つくと思うよ?…それにりっちゃん、最後まで話さなかったんでしょ?」

梓「…っていうか、既に軽音部のけの字もありませんよね?それ」

律「うっ…」

唯「でもまありっちゃんが…

ガチャ

澪「遅くなってごめんなー」

梓「あ、澪先輩」

律「み、澪っ!」

澪「…」プイッ

律「」ガーン

唯「…相変わらず教室と同じ状態なんだね」

紬「あらあらまあまあ♪」

梓「ムギ先輩はどうして語尾に音符を付けるくらい嬉しそうなんですか」

唯「あずにゃん、それがムギちゃんなんだよ」

律「な、なぁ澪…?謝るから許してくれよー…」

澪「…」ツーン

律「」ガーン

唯「…これ、進展あるのかな?」

紬「私はこのままでもいいと思いまっす!」

梓「いやいやいやいや」

澪「…」ツーン

律「許してよー澪ー…」

澪「…ムギー、私もお茶貰ってもいいかなー?」

律「」ガーン

紬「えぇ!はいどうぞ澪ちゃん!」キラキラ

澪「早っ…な、なんかごめんな…?」

紬「いいの!」キラキラ

梓「ムギ先輩、いつになくキラキラしてますね」

唯「そうだねー」

律「な、なぁ澪ぉー…き、今日は練習しようぜ、な?」

澪「ムギのお茶はいつも美味しいなぁ、ありがとな、ムギ」ツーン

律「」ガーン

紬「いいのよっ!」キラキラ

梓「…あのー、唯先輩」

唯「んー?なあにあずにゃ〜ん」

梓「…澪先輩に無視されるたび、律先輩が灰のように白くなっているような気がするのですが…気のせいでしょうか?」

唯「うーん、気のせいじゃないと思うよ?」

梓「あー…やっぱりですか?」

唯「うん」

律「み、澪っ!謝るから!だからお願いだから許して!」

澪「…あのさぁ」

律「な、何っ!」パァア

紬「いつになく眩しいおでこだわっ!」

唯「久しぶりに無視されなかったからじゃないかな?」

澪「…謝るって言ってる時点でお前絶対悪いと思ってないだろ。本当に悪いと思うまで私は許さないからな」

律「」ガーン

梓「あーあ…振り出しに戻っちゃいましたよ」

澪「…ごめんな、皆。今日はもう帰る。ムギ、お茶ご馳走様」

紬「うん!また明日ね〜!」キラキラ

唯「ばいば〜い」

梓「お疲れ様でしたー」

律「」チーン

ガチャ

バタン

梓「あの…律先輩ー?澪先輩帰っちゃいましたよー?」

律「…はっ!えっ!?あっホントだ居ねーっ!!!」キョロキョロ

紬「追いかけないとりっちゃん!」キラキラ

律「お、おう!ムギ、お茶ご馳走様っ!じ、じゃあ!」

ガチャ

バタン!

唯「…行ったね」

紬「ええ♪」キラキラ

梓「…やっぱりムギ先輩は嬉しそうなんですね」

紬「…ふぁいと!りっちゃん澪ちゃん!」グッ

梓「聞けよ」

――――――

――――

――


律「はぁ…はぁ…おーい!澪ー!」

澪「…」スタスタ

律「居たーっ!待てー!」

澪「…」スタスタスタスタ

律「待てぃ!」ガシッ

澪「…離せよ」

律「嫌だ!」

澪「はぁ…じゃあ勝手にしろ」

律「」ガーン

澪「…そこ掴まれてると歩けないんだけど」

律「ご、ごめん…でも!聞いて欲しいんだ!」

澪「…何をだよ」

律「あ…あの話の結末だ!」

澪「…あの話、結末なんてあったのか?」

律「ああ!」

澪「…はぁ…分かったよ。聞いてやるから…とりあえず家に行かないか?…ここじゃあちょっと」

律「あ、ああ!そうだな!」

澪「…」スタスタ

律「〜♪」スタスタ

澪「…嬉しそうだな」

律「えっ?そうかー?久しぶりに澪と話せたからかなー?」

澪「…ふーん//」プイッ

――――――

秋山宅 澪の部屋

澪「…で?あの話の結末ってなんだよ。…あの話の結末って言ったってどうせ私がラスボスで、律が私を倒して終わりーってラストなんだろ?」

律「…澪の中のラスボスは悪役のイメージしかないのかよ…ってか、自分が悪役だから嫌がってたのか?」

澪「あっ、当たり前だろっ!?誰だって自分が悪役だったら嫌がるに決まってるじゃないかっ!…それも、そのアイデアをつくったのが大好きな幼馴染だったら余計に…!」

律「…澪…」ギュッ

澪「ひゃっ!//な、何するんだよっ!!」

律「ごめん、私が初めからちゃんと話さなかったから…」ギュー

澪「…じゃあ教えてよ。本当の結末」

律「ああ…じ、実は…あの話の結末はな…?」

――――――

――――

――


部室

唯「…でもさあ、りっちゃんも大胆なことするよね」

梓「そうですね。まあ律先輩らしいと言えば律先輩らしいですが」クスッ

紬「この話、是非撮ってみたいわ!!」キラキラ

唯「却下だよ却下。だって、この結末のところ…」

梓「あー…映像に残すにはちょっと大胆すぎるかもしれないですね…」

紬「何を言っているの!このキスシーンがいいんじゃないっ!」

梓「ムギ先輩はそうでしょうね」

唯「…事件の真相を暴いていくうちに段々とりっちゃんが犯人だってことがわかってって、それを最後澪ちゃんがキスで更生させようとする…」

唯「まあ、ホントりっちゃんが考えそうな案だよね。この作品を見てたらきっとりっちゃんの澪ちゃん愛しか分からないよ」

梓「はい。律先輩は澪先輩のこと大好きですからね」

紬「律澪…いや、この場合澪律かしら…どちらも素晴らしいけれど…」ブツブツ

梓「もう駄目だこの人」

――――――

――――

――


秋山宅 澪の部屋

澪「じ、じゃあ…それが結末なのか…?」

律「…//」コクッ

澪「…はぁ…なんか気が抜けた…」

律「…ホント、ごめんな?」

澪「…あぁ、もういいよ。律に悪気はないことはわかったし」

律「じ、じゃあ…許してくれるのか!?」

澪「…その前に」

律「…へ?」

澪「最初に出てきた…『モノ』って結局なんのことだったんだ?ベースじゃないんだろ?」

律「そ、それは…」

澪「?」

律「…ひ、秘密っ!」

澪「は?えっ!ちょっ律っ!教えてよ気になる!」

律「秘密ったら秘密っ!」

澪「律ー!教えてよー!」

――――――

――――

――


部室

紬「よし!やっぱりこれは撮るべきなのよ!」

梓「何がよし!なんですか。駄目ですよ、撮りません」

紬「えーっ!!」

梓「えーじゃないですよ…」


唯「…ふぅ…それにしても」

唯「…この『モノ』には驚いたよ…」

唯「…澪ちゃんが家から持ってきて自慢してたって設定でしかも使い済みのスプーンなんて…りっちゃん…」

唯「…どれだけ澪ちゃんのこと大好きなんだよって話だよね…はぁ…」

終わりです。



最終更新:2013年04月11日 22:06