和「はい、どうぞ」コトッ
紬「ありがとう。和ちゃん」
和「ムギが一人で私の家に来るなんて、珍しいわね」
紬「えへへ、せっかく地元に帰ってきたけどみんなとは履修が違うから入れ違いになっちゃって……
唯ちゃんから和ちゃんがまだ地元にいるって聞いて。迷惑だった?」
和「そんなことないわ。暇すぎて昔の物置を片づけてたくらいだから」
紬「昔の物置?面白そう!私も手伝っていい?」キラキラ
和「いいけど……相変わらず変なことに興味持つわね」
ガサガサ
和「えーっと、この荷物はなんだったかな」パカッ
紬「わ、たくさんの手紙?」
和「あー……これは、不幸の手紙ならぬ『棒の手紙』ね」
紬「不幸の手紙はわかるけど、棒の手紙?」
和「ほら、『不幸』って字を横書きですごく雑に書くと『棒』に見えることがあるでしょ?
誰かがそうやって間違えて読んだことが原因で広まっちゃったらしいの」
紬「へー!」
和「で、小学生くらいだったかしら。どこからか唯に棒の手紙が来てね。唯がやけにビビっちゃって、『私も他の人に棒の手紙を出さないと!』って」
紬「唯ちゃん可愛い」
和「でも他人にそんな手紙出したら迷惑だから、送るなら全部私に送りなさい!って説得したの。それでしばらく唯からの棒の手紙が私に届いたってわけ」
紬「こんなにたくさん、唯ちゃん一人で書いたんだ」
和「昔から変なところで集中力を出したからね、あの子は。『一人に大量に送ったらルール違反にならないかな?』ってちょっとおびえてたけどね」
紬「そうだ!私、昔から不幸の手紙を書くのが夢だったの!」
和「今考えたでしょそれ」
紬「不幸の手紙じゃ怖いけど、棒の手紙だったら可愛らしいよね?」
和「まあ、そうかもしれないわね」
紬「ちょっとみんなにいたずらしちゃお♪」
翌日
澪「り、律ーーーー!ぼ、棒の手紙が!!」ガタガタ
律「あれ?澪のところにも届いてたの?あの変な手紙」
澪「こわいよぉーー」ガタガタ
律「こんなのいたずらに決まってるだろ?なあ唯」
唯「……」
唯「ルール違反……だったんだ……!」ガタガタガタガタ
おわり
最終更新:2012年10月13日 17:29