中野家
梓「うーん……まだ体がだるいなぁ……」
梓「(薬飲まなくちゃ……)」
梓「あ、水無いや……」
梓「(部屋から出る気力は……無いなぁ……)」
ヴーンヴーン
梓「あ……メールか……」
憂
件名:大丈夫?
本文:梓ちゃん風邪大丈夫?
これから純ちゃんと一緒にお見舞いにいくね!
梓「えぇ~……」
梓「“風邪移すと悪いから今日はいいよ。ありがとう”……っと」カチカチ
梓「ふぅ……」
ピンポーン
梓「……え?」
梓「まさか……」
ヴーンヴーン
梓「…………」スッ
純
件名:お見舞い隊参上!
本文:着いたよー!
梓「やっぱり、憂と純……」
梓「……よいしょっと!」
梓「(……やっぱり、体が重いなぁ)」
梓「うぅー……布団の外は寒い……」
ガチャ
梓「はいー……」
純「お見舞い隊、ここに参上っ!!」バッ
梓「……間に合ってますんで」
純「だぁーっ! 冗談冗談!」バッ
憂「梓ちゃん、お見舞いに来たよ!」
梓「来なくていいってメールしたのに……」
純「まぁ、いいからいいから」
純「それに移してくれたら、私が家でゴロゴロできるしさ」
梓「(風邪になったら絶対に愚痴を言うタイプだろうなぁ……)」
憂「はいっ、果物とポカリだよ」
梓「あ、ありがとう……」
純「まだ調子悪いの?」
梓「うん……まだ体がだるいかな……」
憂「昼ご飯は食べた?」
梓「あっ、ううん……部屋から出るのがしんどくて食べてないや」
憂「えぇっ!? 朝ご飯は?」
梓「朝にお母さんが作ってくれたけど、そのままかな……」
純「ダメだよ、梓!」
憂「そうだよ! ちゃんと、栄養を摂らないと!」
梓「ごめんなさい……」
純「今は受験生にとって大事な時期なんだから!」
梓「……さっき、家でゴロゴロしたいって言ってなかった?」
純「そうだっけ?」タハー
憂「それじゃあ、今からおかゆ作るね!」
梓「そんな……来てくれただけで十分だよ……」
純「いいから、寝ときなって」
純「本当に困った時ぐらい素直に頼りなよ!」
梓「…………」
憂「……お米、使っても大丈夫?」
梓「……うん!」
純「よしよし」
梓「もー……撫でないでよー……」
~~~~~
憂「お待たせ~!」
純「わぁ~っ!」
梓「おいしそう……」
憂「熱いから気をつけてね」フーッ
憂「はい、梓ちゃん」スッ
憂「あーん」
梓「え?」
純「どうしたの、食べないの~?」ニヤニヤ
梓「え、え~……だって……」
憂「はい、あーん!」
梓「……あ、あーん!」
パクッ!
梓「…………」
純「梓ぁ、おいしい?」ニヤニヤ
梓「おいひい……」
憂「よかったぁ~!」
純「よかったね、梓!」
憂「はい、あーん!」
梓「あーん……」
純「しっかり、食べて元気になりなよ!」
憂「早く治るといいね!」
梓「うん……」
梓「(純って普段はふざけたりもするけど、こういう時は本当に優しいなぁ……)」
梓「(憂もお母さんみたいにとっても優しいし……)」
梓「(こんなに優しくて温かい友達に出会えてよかった……)」
梓「二人とも」
憂純「何??」
梓「……ありがとう!」
梓「二人が来てくれて気持ちが楽になったよ!」
純「おっ! 素直になりましたか~!」
憂「少しでも元気になったのなら、私もうれしいよ!」
梓「えへへ……」
ピンポーン
梓純「ん??」
憂「あれ?」
梓「宅配かな……」
純「私たちもいくよ」
梓「うん、ありがとう」
梓「はーい……」トトト
ガチャ
菫「梓先輩! 風邪は大丈夫!」
菫「……ですか?」
純「あっ!」
憂「スミーレちゃんと直ちゃん!」
梓「菫……直……」
直「お二人も来てたんですか」
純「親友だから当然ですよっ!」バッ
憂「あっ! これでメンバー全員揃ったね!」
菫「あ、本当だ……」
直「わかばガールズここに集結、ですね!」キラーン
梓「さっ、二人も上がりなよ」
菫「お邪魔していいんですか?」
直「体の具合は……」
梓「まだ少しだるいけど、二人の顔を見たら元気になったよ!」
梓「ありがとう!!」ギュッ
菫直「…………」パアァッ
純「さて、ティータイムと参りましょうか!」
梓「いや、さすがにお菓子は……」
菫「あ、ケーキ持ってきてますよ」
梓「え」
純「やった!」
憂「じゃあ、今日は私がお茶淹れるね」
直「……いえ、今日は私が淹れます!」
梓純「えっ!?」
菫「直ちゃんの特訓の成果を見てあげてください!」
梓「特訓なんてしてたの?」
憂「いいなぁ~!」
菫「じゃあ、今度は憂先輩も……」
純「あっ、私もやりたい!」
梓「純ってば~……」
ガチャン
~完~
最終更新:2013年04月23日 22:13