―某日某時刻 小岩井家―
よつば「とーちゃん!!よつば、ちょっとおでかけしてくるな!!」
小岩井「そうかー…とーちゃんは寝るぞー」
よつば「あさもねたのにまたねるのかー。とーちゃんはねぼすけだなー」
小岩井「寝る子は育つからなー」
よつば「もうおとななのになー」
小岩井「大人だったなー…」
小岩井「…ふわぁ……まだ自転車は禁止だからなー」
よつば「おー!いってくるなー」
―同日 公園前―
よつば「きょうもあついなー。ちきゅうおんかんばー?…だな!」
よつば「おみやげはなにがいいかなー?」タッタッタッ
???「わぁ!?」
ドンッ!!
よつば「ぐわー!!」
???「いててー。おわっ!?外人さんかな?ぶつかっちゃった…」
よつば「…」ピヨピヨ
???「はわわー…気絶しちゃってるよ~どうしよ~」キョロキョロ
???「あっそうだ!近くに公園があるからそこで介抱してあげよー」
―同日 公園内―
???「よいしょっ…とりあえず日陰で休ませてっと」
???「…あれ?介抱って何するの?あれっ??…介抱?」オロオロ
???「大変だー…どーしよー…」オロオロ
―同日 公園付近―
ブーブーブー
???「ん?唯先輩?さっきまで一緒にいたのに…」
???「もしもし、唯先ぱ『あぁ~!!あずにゃーん!助けてー!』オロオロ
梓「…どうしたんですか?一体何が…」
唯『ぐすっ…あずにゃーん…』
梓「っ!?唯先輩!どうしたんですか!?今どこですか!?」
唯『公園だよぉ…』
梓「分かりました!すぐ行くんで待っててください!」ピッ
―同日 公園内―
唯「ありがとー。あずにゃん」
梓「本当に泣いてたから何事かと思いましたよ…まったく」
唯「あずにゃん、心配してくれたんだねー」ニコッ
梓「っ…///」
梓「…こぶになってないみたいなんで大丈夫だと思いますけど、どうしたんですか、この子?」
唯「考え事しながら歩いてたら曲がり角でぶつかっちゃって…エヘヘー」
梓「気をつけてくださいよ…ただでさえ危なっかしいんですから」
唯「いやぁそれほどでも~」
梓「…なかなか起きませんね」
唯(スルー!?)
よつば「…」Zzz
梓「本格的に寝てますね」
唯「気持ちよさそうだねー」
梓「木陰は過ごしやすいですからね」
唯「あずにゃんが見てくれるから私も寝ようかなー?」
梓「はいはい勝手にしてくだ「ふーかっ!!」ガバッ!!
梓「っ!!?」ドキドキ
唯「あぁー起きたねー」
よつば「あさか?」
唯「おはよー」
よつば「おは…?…よー」
唯「…?」
よつば「なにものだ!!」
唯「そっちこそ!!」
梓「なんでそうなるんですか…」
よつば「よつばはよつばだよ。こいわいよつば」
よつば「ひらわゆいとあずにゃん?」
梓「変なあだ名教えないでください。私は
中野梓、よろしくね」
唯「唯でいいよー」
よつば「ゆいとあずにゃ!」
梓「少し変わった…」
唯「よろしくねー、よつばちゃん」
よつば「なにしてあそぶ!?」
唯「おっ!?じゃあ鬼ごっこでもどうっ?」
よつば「よつば、にげるのうまいぞ!」
唯「よしっ!負けないぞ!」
梓(唯先輩が増えた…)
唯「あずにゃーん、ちゃんと10数えなきゃだめだよー」
梓「なんで私が…」
よつば「あずにゃ!よつば、5までしか かぞえられないけど 10までだぞ!!」
唯「よつばちゃん、5まで数えられるのー?すごいねー」
梓「いーちっ!にーいっ!…」
唯「あっ、逃げるぞ!よつばちゃん!」
よつば「にげろー!」
梓「…きゅーうっ!じゅーうっ!」
梓「いきますよー」タッタッタッ
梓(結局やってるんだけど…)キョロキョロ
梓(…いない)ポツーン
梓「かくれんぼになっちゃってるのか…」キョロキョロ
梓(…)
梓「唯先輩、見つけました」
唯「もーなんでー」ブーブー
梓「ギターまる見えですよ」
唯「なるほど…」
梓「そしてよつばちゃんも」
よつば「あれー?」トコトコ
梓「そのくまちゃんが顔をのぞかせてるよ」
よつば「ジュラルミンはかくれるのがへただなー」
梓「へぇー、その子ジュラルミンっていうの?可愛いねー」
唯「あずにゃんってたまに素が出るよねー」
梓「へ!?あっいや…///」
よつば「ん?ゆい、あずにゃ!せなかにあるのなんだ?ぶきか?」
梓「ギターケースのこと?」
唯「ふっふっふー…これはねーよつばちゃん。よつばちゃんを倒すための」ポカッ!
唯「いてて」
梓「嘘を教えないでください…これはね、よつばちゃん。ギターっていうんだよ」
よつば「ぎたー?それはなにをする?たたくか?」
唯「叩きません。弾くのです!」
よつば「ひく?せんをひくか?それなら よつばもできるよ」
梓「よつばちゃん、線を引くわけじゃないの」
唯「実際に弾いてあげようよっ!あずにゃん!」
梓「それが一番ですね」
――――――
ジャガジャン!!
唯「ふぃー…一曲演奏したらお茶したくなっちゃうね、あずにゃん」
梓「先輩と一緒にしないでください」
よつば「…」ポケーッ
唯「どうだった、よつばちゃん?」
よつば「すげーっ!」
唯「おぉ、これは良い反応ですね」
よつば「おと でたぞ!」
梓「ここまで喜んでくれるとうれしいですね」
よつば「これから おと でたかー。なんでだ?」
唯「不思議だねー」
梓「いやそこは説明してあげてくださいよ」
唯「わかりません!」エヘンプイッ!
梓「はぁ…えっとね、よつばちゃん。ここに弦があってね…」
よつば「ひもがおとだしたのか?」
梓「簡単に言うとそんな感じ」
よつば「でんわ!よつば しってるぞ!」ゴソゴソ
梓「電話?」
よつば「これも ひもから おとが きこえる!」
唯「そうか~ギー太と糸電話は同じ原理だったのか~」
よつば「おなか へってきた!」
唯「そういえば暗くなってきたねー」
梓「そうですね、そろそろ帰りますか。よつばちゃんお家まで送ってあげるよ」
よつば「よつば、ひとりで かえれるよ?」
唯「じゃああずにゃん、私を送ってー」
梓「唯先輩は勝手に帰ってください」
唯「ぶー。あずにゃんの意地悪ー」
よつば「あっ!えなだ!ゆい、あずにゃ!またこんどな!」
梓(知り合いがいるなら大丈夫か…)
梓「じゃあね、よつばちゃん」
唯「またねー」
梓「結局名前しか分かりませんでしたね」
唯「きっとまた会えるよ!」
梓「そうですね。近所みたいですし」
―同日 公園前―
よつば「えーなー!」
恵那「あっ、よつばちゃん。遊んでたの?」
よつば「ひるねして おにごっこして ギターひいた!」
恵那「ギター弾けるの、よつばちゃん?」
よつば「よつばは ひかないよ?ゆいと あずにゃが ひいた!」
恵那「何かの演奏会?私も聴いてみたいなー」
よつば「じゃあ ゆいたちと あそべばいい!」
恵那「遊ぶの?」
よつば「うん!こんど あそべばいい!」
―同日夕飯時 小岩井家―
よつば「はぁー…カレーは さいきょうだなー」
小岩井「そうだなー…さすがに3皿は多かったけどなー」
よつば「とーちゃんは ギターひけるか?」
小岩井「ギター?とーちゃんは弾けないなー。なんでまた?」
よつば「こうえんで ゆいと あずにゃが ひいてくれたからなー」
小岩井「なんだ?また新しい友達ができたのか?よつばの交友関係はどんどん広がっていくなー」
よつば「なー」
小岩井「そういや、やんだが弾いてたような」
よつば「やんだは いい」
小岩井「だよなー」
小岩井「ん?くれたってことは、よつばのために弾いてくれたのか?」
よつば「よつばしか いなかったからなー」
小岩井「お礼は言ったか?」
よつば「…はっ!いってなかった!しまったぁ…」ウトウト
小岩井「また今度会ったときにでも言っとけよ」
よつば「うっかりしてたなぁ…」ウトウト
小岩井「よし、じゃあそろそろ寝るかー」
よつば「…おー……」ウトウト
小岩井「どんだけ遊んできたんだよ」
よつば「……なー」
―数日後 桜高音楽室―
唯「…てなわけで、こないだそんなことがありました!」
律「梓も大変だったなぁ。試験週間にそんなとこに呼び出されて」
梓「そうですけど、事実楽しかったですし。そこまで切羽詰まってなかったので」
律「あらあら、余裕がありますわ」
唯「これが王者の貫録なのかしら」
律「私たちをいつ蹴落とそうかと企んでるんじゃありませんこと?」
唯「こわーい」
梓「私、お茶淹れますね」
唯「…ねぇねぇりっちゃん。最近あずにゃんにスルーされるんだけど」
律「精神的に来るものがあるよなー」
澪「お前らの唐突なボケに一々突っ込んでたら疲れるからだろ」
律「澪が突っ込んでどうすんだよ!」
唯「そうだよ、澪ちゃん。私たちは澪ちゃんじゃなくてあずにゃんにボケたんだよ!」
梓「そうですよ、澪先輩。はい、みなさんお茶です」
澪「…ごめん……あれ?」
唯「ありがとー、あずにゃん」
律「ん?そういえばムギは?」
澪「掃除当番って聞いてたけど…律、お前も掃除じゃなかったか?」
律「…?……っ!?…」
律「さ…さぁて!ムギが来るまでに一回練習しとくか!」
唯「りっちゃん!ムギちゃんのお菓子なしに練習なんてあり得ないよ!ねぇあずにゃん!」
梓「そういえば、よつばちゃんまたねって言ってましたね」
唯「りっちゃーん!りっちゃんの言い訳を利用した渾身のボケもスルーだよ!」
律「こらっ!言い訳って言うな!!」
澪(梓…いつの間にこんなしっかりした子に…それは置いといて)
ボコォ!!
律「いひゃいっ!!」
澪「あとでムギに謝っとけよ、律」
律「はい…(あんなに本気で殴ることないじゃん」
澪「律ぅ?なんか言った?」
澪「?何言ってるんだ?」
唯「そういえばまた今度って言った気がするねー」
梓「もしかして公園で待ってたりして」
律「ならムギが来たらみんなで行ってみるかー?」
唯「おっ!?放課後ティータイム初の路上ライブですなっ!」
澪(ろ…路上!?)
梓「大丈夫ですよ、澪先輩。この前もよつばちゃん以外誰もいませんでしたし」
律「よぉし!こうなったら出掛ける準備だ!」
―同日 公園内―
よつば「えなー、みうらー。こっちこっち!」
恵那「焦らなくても公園はなくならないよ、よつばちゃん」
みうら「ところで何すんの?呼ばれたから来たけど」
よつば「ギター!!」
恵那「そう。ギターだよ!みうらちゃん!」
みうら「ギター?誰も持ってないじゃん」
よつば「そうっ!だから かくれんぼを する!」
みうら「そうか…だからかくれんぼか」
みうら「…まぁいいか」
――――――
よつば「みうら、かくれんぼ へただな」
恵那「探すのも時間かかったねー」
みうら「かくれんぼの下手ってなんだよ。恵那が隠れるのうますぎるんだよ」
恵那「えーそうかなぁ?」
みうら「そうだよ。私とよつばの二人がかりでも全然見つかんないじゃん」
よつば「えなは すごいなー。でも よつば、ジャンボなら すぐに みつけられるよ!」
みうら「あの人、隠れられないだろ」
唯「おー、なんだか今日はにぎやかだねー」
よつば「おっ!ゆいっ!かくれんぼするか!?」
唯「やりますかっ!」
律「よぉし!かかって来ーいっ!!」
澪「…なんだこれ?」
梓「律先輩もこうなるだろうなとは思ってました」
紬「恵那ちゃんとみうらちゃんね」
梓「よろしくね」
恵那「こちらこそよろしくお願いします」
みうら「それでみなさんはどうしてここに?」
唯「かくれんぼをっ!」
律「しにきましたっ!!」
紬「私、みんなとかくれんぼするのが夢だったのー」ホワホワ
澪「いや違うだろ…最初は演奏しに…あれ?律は?」キョロキョロ
梓「よつばちゃんと意気投合して既に隠れてます」
澪「まったく…一声かけてからでもいいのに…なぁ梓?」
澪「…」
澪「……あれ?」
ミオチャーン サガスノハ 10 カゾエテカラダヨー
澪「へ?私が鬼?」
最終更新:2013年04月28日 21:56