私、
真鍋和は大学を無事に卒業して今この公園に居る
幼き日の約束を果たす為に
幼唯「和ちゃん和ちゃん!」
幼和「どうしたの?唯ちゃん」
幼唯「和ちゃんの将来の夢ってなに?」
幼憂「私も聞きたい」
幼和「私の夢は大学を卒業したら唯ちゃんと憂ちゃんと3人で暮らすことだよ」
幼唯「うわー嬉しいよぉ~じゃあ、私と憂どっちが和ちゃんのお嫁さんで旦那さんかな?」
幼和「うーん決められないよ…」
幼憂「私は和ちゃんのお嫁さんがいい!」
幼唯「じゃあ、私は旦那さんだね!」
幼和「うん!わかった!私、沢山勉強して大学に入るね」
幼唯「私も頑張るよ和ちゃん!」
幼憂「じゃあ、私はお姉ちゃんと和ちゃんに毎日美味しい物作る!お料理の勉強するね」
幼和「じゃあ、大学を卒業したら4月27日にこの公園で会おうよ」
幼唯「うん!約束だよ和ちゃん」
幼憂「秘密の約束だよ」
幼和「時間は10時だよ」
幼唯&幼憂「うん!」
和「馬鹿みたいよね…あんな小さい時の口約束なんか信じて」
和「あっ、あのジャングルジムで憂が怪我して大泣きしたのよね」
和「普段はぼぉ~としている唯が全力で泣きながら走って大人を呼びに行った」
幼憂「お姉ちゃん待ってよぉ」
幼唯「憂~早く早く~」
幼和「憂ちゃん危ないよぉ」
幼憂「あっ!」ツルッ
幼唯「憂!」
幼憂「痛いよぉ~お姉ちゃ~ん」
幼和「う、憂ちゃん大丈夫?」
幼唯「私、大人呼んで来るね!」ダッ
幼憂「えーん痛いよぉ~」
幼和「憂ちゃんお水だよ傷口洗わないとバイ菌入っちゃう」
幼憂「怖いよぉ~染みるよぉ」
幼和「我慢してね憂ちゃん」ぐすっ
幼憂「和ちゃん手を握ってよぉ~」
幼和「うん!」ギュッ
幼唯「おばあちゃん!」
トミ「おやおや唯ちゃんどうしたんだい?」
幼唯「憂が憂が…」
トミ「憂ちゃんがどうかしたのかい?」
幼唯「憂が私のせいで怪我したんだよぉ~うわーん」
トミ「おやおや救急箱持って来るからね」
幼和「大丈夫?もう痛くない?」
幼憂「うん…」ぐすっ
幼和「もうすぐ唯ちゃんが大人を連れて来てくれるからね」
幼唯「ういぃぃ」
トミ「さぁ、もう大丈夫だから傷口見せてみなさい」
幼憂「うん」
トミ「さぁもう大丈夫だよ」
幼憂「ありがとうおばあちゃん」ニコッ
幼唯「ごめんね憂」ぐすっ
幼憂「お姉ちゃんは悪くないよ」
幼和「唯ちゃん、憂ちゃんもう大丈夫だからね」
トミ「3人とも偉いよ」
唯憂和「?」
トミ「唯ちゃんは憂ちゃんが怪我したら直ぐに私を呼んだ」
トミ「和ちゃんは憂ちゃんを慰めて水で傷口を流してあげた」
トミ「そして、憂ちゃんは和ちゃんの言う事をちゃんと聞いて我慢した」
トミ「3人とも、とっても偉いよ」
トミ「これからも仲良く助け合ってね」
唯憂和「うん!わかった!」
トミ「いい子だね」なでなで
和「あの砂場では男の子に苛められてた唯を私と憂が助けようと向かって行ったのよね」
男児「ここは僕達の場所だからあっち行けよ!」
幼唯「み、みんなで仲良く使おうよぉ」
男児「煩い!あっち行けよ」どんッ
幼唯「痛いよぉ~辞めてよぉ~」
幼憂「お、お姉ちゃんに酷い事したら駄目なんだよ!」
男児「なんだよー」どんッ
幼憂「きゃっ」ドサッ
幼和「女の子を叩いたら駄目なんだよ!」
男児「泣かしてやる」
男児「女の子になんか負けない!」
男児「もう許さないからな!」
幼唯「許さないのはこっちだよ…憂に何するの!」
幼憂「女の子だって強いんだよ」
幼和「負けないんだから」
男児「覚えてろよーうわーん」
幼唯「はぁはぁ勝ったよ」
幼憂「女の子だってやる時はやるんだから」
幼和「もう二度と唯ちゃんと憂ちゃんに酷い事したら許さないからね!」
和「でも、翌日男の子は謝りに来た」
男児「昨日はごめんなさい…」
男児「叩いたりしてごめんなさい」
男児「ごめんなさい」
幼和「も、もう酷い事しない?」
男児「うん、しない」
男児「ごめんなさい」
男児「お前達が勝ったんだから、ここはお前達の場所だよ」
幼唯「ほぇ?何で?」
男児「何でって勝ったからだよ」
幼憂「みんなで仲良く使おうよ」
幼和「うん、そうしようよ」
男児「いいの?」
唯憂和「うん」ニコッ
和「殴り合いの喧嘩なんて後にも先にもあれで最後でしょうね」
和「3人で自転車の練習もしたわね」
和「私も憂も怖くて動けなかった」
和「そこで先頭切って走り出したのが唯だった」
和「あの子は何時もそう…初めての場所に行ったりすると必ず先頭に立って私と憂を引っ張ってくれた」
和「盛大に転んだけど」クスッ
和「でも、唯は泣かなかった…」
和「それに励まされて私と憂も走り出した」
和「何度も転んで漸く乗れるようになった時には3人とも擦り傷だらけの泥だらけだった」
和「お互いの泥だらけの顔を見て3人で大笑いした」
幼唯「和ちゃん!憂!自転車の練習しようよ」
幼憂「でも、怖いよぉ」
幼和「そうだよ唯ちゃん」
幼唯「大丈夫だよ!私からやってみるから」
幼唯「行くよ!」キコキコ
幼唯「あっ…」ドサッ
幼憂「お姉ちゃん!」
幼和「唯ちゃん!」
幼唯「大丈夫だよ!痛くないよ」ふんす
幼憂「お姉ちゃん…私やってみる!」
幼和「私もやってみる!」
幼憂「あっ…」ドサッ
幼和「あっ…」ドサッ
幼唯「頑張ろう!乗れるようになってお父さんとお母さんをびっくりさせてあげようよ」
唯憂和「おー!」
幼唯「乗れた乗れたよ!」
幼憂「やったやったよ!」
幼和「私達、乗れるようになったんだね」
幼唯「憂も和ちゃんも泥だらけだよ~」
幼憂「お姉ちゃんだって」
幼和「でも、これは頑張った証だよね!」
唯憂和「バンザーイ」
和「沢山の思い出がある公園」
和「そんな大切な場所で交わした幼き日の約束」
和「あの二人は覚えてるのかしら?」
和「中学生になった時にはもう口に出す事もなくなった約束」
和「仕方ないのよ、覚えてる訳なんてないわ…」
和「でも、私はずっと待ちたい」
和「生涯を共に過ごしたいと思った人を」
和「約束まで後5分…」
和「唯、憂会いたい…会いたいよ」
和「5分ってこんなに長かったかしら?」
和「寂しい」
和「寂しいよ…唯憂」
和「約束の時間過ぎたのね」
和「うっぐ…ひっく…」
ぽろぽろ
和「ばーかばーか唯と憂なんて大嫌いよ!」
和「本当は待ってなんか…待ってなんかないわよ」
和「そんな風に思えたら楽なのに」
和「寂しいよぉ寂しいよぉ唯憂…」
和「帰ろうかな」
和「さようなら私の大好きな人」
唯「ちょっと遅れただけで帰るなんて酷いよ和ちゃん」
和「えっ?」
憂「お姉ちゃんが寝坊したからだよ…」
唯「ごめんごめん」
憂「もう」
和「唯憂…何で」
唯「何でって約束果たしに来たんだよ」
憂「遅れてすいません」
和「覚えていたの?」
唯「当たり前だよ和ちゃん」
憂「ずっと覚えてましたよ」
唯「私が和ちゃんの旦那さんで」
憂「私がお嫁さん」
和「唯…憂…」
唯憂「大学を卒業したら3人で暮らすんだよ」ニコッ
和「唯ー憂ー」ガバッ
唯「おぉっ!和ちゃんが私達に甘えるなんて」
憂「貴重な体験だねお姉ちゃん」
和「良かった信じていて良かった…」ぐすっ
唯「マンション探しに行こうよ和ちゃん」
憂「3人だから広いマンションでないとね」
和「うん…うん」ぐすっ
唯憂「行こう和ちゃん」
和「うん」ぐすっ
数ヶ月後
和「唯、何時まで寝てるの起きなさい」
唯「うーん後5分」
和「遅刻したら仕事クビよ!そしたらあんたニートよニート」
唯「そんなの嫌だ!」ガバッ
和「だったら早く起きて朝御飯食べなさい」
和「折角、憂が作ってくれたんだから」
唯「美味しいよ~憂~」
憂「ありがとうお姉ちゃん」
和「食べたら早く行くわよ」
唯「あーん待ってよ和ちゃ~ん」
和「何よ?」
唯「明日は休みだから~」
和「休みだから?」
唯「今夜は寝かさないぜ」キリッ
憂「寝かさないぜ」キリッ
和「なっ…何を言ってるのよあんた達///」
憂「防音設備もばっちりですから」ニコッ
和「///」
唯「和ちゃん照れてる~可愛い~」
和「もう、早く行くわよ///」
唯「待ってよ~」
憂「行ってらっしゃい」
真鍋和です
私は現在、唯と憂と3人で暮らしてます 幼き日の夢が叶い
私は幸せです
信じて良かった
待っていて良かった 喧嘩もするし
傷つけ傷つけられる事もあるかもしれないけど
ずっとずっとずっと一緒に居たい
大好きよ憂
大好きよ唯
おしまい
最終更新:2013年04月28日 22:03