憂せんせーにお料理を習いたい理由は?


女児「憂せんせーお料理教えてー」


憂「急にどうしたの?」


女児「お母さんに作ってあげるの」


女児「お母さんはね朝から晩までお仕事してるのー」


憂(そういえば、この子の父親って亡くなってた筈…)


女児「だからね私もお料理覚えてお母さんに作ってあげたいの」


憂「女児ちゃんはまだ小さいから難しい料理は無理かな火や包丁を使うのも危ないからね」


女児「そっかぁー」シュン


憂「よし!先生がとっておきのおにぎりの作り方教えてあげるね」


女児「私、頑張る!」




女児母「失礼します憂先生はいらっしゃいますか?」


唯「憂~女児ちゃんのお母さんが見えてるよ」


憂「あっ!こんにちは」


女児母「先日は女児が先生におにぎりの作り方を教えて貰ったみたいで」


憂「女児ちゃん張り切ってましたよ」


憂「お母さんに美味しいおにぎり食べさせてあげるんだって」


女児母「はい、それでこんな手紙も貰って読んでみて下さい」


憂「はい」



 おかあさんへ
わたしはしょうらいおかあさんとおなじかんごしさんになってういせんせーみたいにおりょうりもうまくなっておかあさんをらくにさせてあげるね


憂「女児ちゃん…」

女児母「憂先生ありがとうございました」ぐすっ


憂「お母さんが頑張ってるからですよ」

女児母「今度、私にも料理教えて下さい」


女児母「あの子に美味しい料理たくさん作ってあげたいから…」


女児母「厚かましいですよね…先生だって忙しいのに」


憂「喜んで」ニコッ

憂「私達で良ければ何時でも力になりますから」


女児母「ありがとうございますありがとうございます」


男児「憂せんせー今日のご飯はなにー?」


憂「今日はハンバーグだよー」




園長せんせーと新人せんせー


新人「みんなー体操の時間だよー」


園児達「はーい」


新人「あれっ?男児1君と2君は?」


男児1&2「わーいわーい」


新人「1君、2君体操の時間だよ?」


男児1&2「嫌だよ~遊びたいよー」


澪「こらこら新人先生困らせたら駄目だぞ」


男児1&2「はーい」

新人「…」



園児「新人せんせーこれはどうやるの?」


新人「えっとこれはね」


園児「和せんせー教えてー」


新人「あっ…」


唯「新人ちゃん、もう慣れた?」


新人「まだ全然です…言う事聞いてくれなくて」


唯「まだ始めたばかりだから大丈夫だよ~」


新人「…」


唯「どうしたの?」

新人「い、いえ何でもないです」



  昼休み


律「それで澪がさ~」


澪「い、今言わなくたって良いだろ///」

和「相変わらずね貴女達って」


梓「多分、一生こんな感じだと思いますよ」


純「アハハ」


紬「じゃあ、二人は夫婦ね~」


律澪「誰が夫婦だ誰が!」


憂「寸分の狂いも淀みもなく息ピッタリですね」クスッ


新人「…」


唯「新人ちゃんもお菓子食べなよ~美味しいよ?」


新人「あ、あの!私辞めます」


律「おいおい始めたばっかりだろ?」


澪「誰だって最初から出来ないんだからさ」


紬「もう少し頑張ってみない?」


新人「もう決めましたから…」


梓「じゃあ、何でそんな悲しそうなの?」


純「嫌で辞めるならもっとすっきりした顔で辞めてるよ」


唯「新人ちゃんは子供達の事好き?」


新人「…」


唯「どうなのかな?」


新人「別に私は」


唯「うん」


新人「す、好きじゃありません!こんなの仕事だからやってるだけですよ!」


律「おいっ!」


澪「言って良い事と悪い事があるだろ!」



  バチーン


和「ゆ、唯?」


梓「唯先輩落ち着いて…」


純「ぼ、暴力は駄目です」


憂「お姉ちゃんが本気で怒った…」


紬「あんな顔初めて見た…」


唯「今のは許せないよ?取り消しなさい」


新人「…」


唯「取り消さないなら私は貴女を一生許さないから」


新人「もう辞めるんだから…」


唯「そっか、じゃあ今すぐ出て行ってね」


新人「はい」


唯「出て行く前に子供達に聞いてみようよ」


新人「えっ?」


唯「貴女の事を子供達がどう思ってんのか」


新人「何でそんな事…」


唯「それが終わったら辞めて良いから」

新人「わかりました」


唯「みんなーちょっと聞きたい事があるんだ」


園児達「なになにー?」


唯「皆は新人先生の事どう思ってる?」


新人「…」


男児「新人せんせーはお遊戯の時に優しく教えてくれたー」

女児「猫ちゃんのお世話の仕方を優しく教えてくれたー」


園児「お歌も上手いし優しいし大好きだよー」


新人「あっ…あっ…」ぽろぽろ


唯「まだ辞めたいかな?」


新人「私…私…子供大好きです」


新人「でも、でも、自信がなくなって」

新人「ごめんなさいごめんなさい…私を、私をここに居させて下さい」


唯「うん、頑張ってね」


新人「良いんですか?」


唯「断る理由なんかないよ」


唯「私もね幼稚園を作った時、右も左もわからなくて何度も逃げ出そうとしたんだよ」


唯「そういう時に一番大切な事はわかる?」


新人「いえ…」


唯「仲間だよ、仲間を信頼して全て打ち明ける事」


新人「仲間…」


唯「必ず解決策は見つけられるから」


唯「一人で悩むより皆で悩んで良い方向に進めて行こうよ」

新人「はい!私一生懸命頑張ります」


唯「うん」ニコッ


園児達「園長せんせー新人せんせー遊ぼうよー」


唯&新人「はーい今行くよー」




うんたん幼稚園は不安な気持ちも悲しい気持ちも全て包み込んで
あったかあったかな気持ちにさせてくれる幼稚園です






  おしまい



最終更新:2013年05月21日 02:54