澪と梓が付き合いだして半年。
初めて迎えた、初夏のある夜の出来事。
澪「梓、そろそろ寝ようか」
梓「うん、そうだね」
澪「よいしょっと」ゴソゴソ
澪「梓、早くおいでよ」ポンポン
梓「あ、うん」ゴソゴソ
澪「うん?もうちょっとこっちにおいでよ」
梓「え?今日、ちょっと暑いから」
澪「……ふ~ん」
梓「澪?」
澪「今日、唯に抱き疲れてたよな」
梓「え?あれは唯先輩が勝手に」
澪「結構長い間」
梓「どうしたの?唯先輩が抱きつくのなんていつものk」
澪「昼間の方が暑かったのに」
梓「……ねえ?ひょっとして怒ってる?」
澪「お、怒ってない!」クルッ
梓「…………」
梓(もう、こういう時は子供になっちゃうんだから)
梓「ねえ澪」
澪「…………」
梓「こっち向いて」
澪「…………」
梓「……ごめんね」
澪「……別に……怒ってないし」
梓「じゃぁぎゅってして?」
澪「……やだ」
梓「ええ?今日はぎゅってしてくれないの?」
澪「……暑いからやだ」
梓「…………」
梓(もう、手がかかるんだから!)
梓「あのね、今日、純から面白い話聞いたんだ」
澪「…………」
梓「あるところに、中のいい姉妹がいたんだって」
澪「…………」
梓「その姉妹はね、いつも一緒のベッドで寝てたんだけど、あるとき喧嘩してお姉さんが、お子って妹に背中向けて寝ちゃったんだって」
澪「…………」
梓「その時ね、おねえさんの体が急に動かなくなって」
澪「!」
梓「声を出そうとしてもどうしても出ないんだって」
澪「…………」カタカタ
梓「そしたらね、なんか這いずり回るような音が聞こえてきて」
澪「…………」ブルブル
梓「目の前に白い人影が」
澪「!」ガタガタブルブル
梓「その次の瞬間!」
澪「いやぁああああぁあぁぁぁぁあ」ガバッ
澪(梓いやぁー、ミエナイキコエナイミエナイキコエナイミエナイキコエナイィィィィイイイイイーーー!!!」
梓「よしよし、もう大丈夫だよ」
澪「ほんと?」
梓「うん」
澪「梓……」ギュッ
梓「えへへ、みぃおっ」ギュッ
梓「やっとぎゅってしてくれたね」
澪「!」
澪「……うぅ、わざとあんな話したんだな」ジトー
梓「……また怒る?」
澪「ううん、私こそごめんね」
梓「ううん、いいよ」
澪「えへへ」チュッ
梓「えへへ」チュッ
澪「……でもやっぱり暑いな」
梓「……そうだね」
澪「暑いから……パジャマ、脱ごっか」
おしまい
最終更新:2013年05月24日 21:48